『時間よ止まれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どうか時間よ、止まってくれ。
知りたくなかったんだ。
知ってはいけなかったんだ。
気がついちゃダメだったのに、気が付かないようにしていたのに……。
気がついてしまった。
悔しくて目頭が熱くなる。
外気温の冷たさを感じなくなるくらい、全身の内側から熱が巡った。
この感情の名前を知っても、気がついても、理解してもいけないのに。
そう決めていたのに。
瞳を閉じて目の前が真っ暗になる。
それでも、抜けるような空の下でキラキラ輝く髪と、胸を締め付けられそうなほどの暖かくなる彼女の笑顔が浮かんでくる。
俺は……
きみがすきだ。
この感情が〝恋〟だと気がついちゃダメなのに。
頼む。
気がつく前に戻って、そこで時間が止まってくれ。
おわり
二七六、時間よ止まれ
屋上の風が肌寒くなってきて、目が覚めた。
どれくらい寝ていたんだろうとスマホを取り出す。すでに結構な時間が過ぎていた。
起きたくねえな、と寝返りを打つと、
すぐ目の前に、作り物かと思うほど綺麗な顔があった。
心臓が跳ねる。息が止まる。
一瞬で、目を奪われた。
眉一つ動かない寝顔。
自分が大好きな人間の寝顔。
ただひたすらに、美しかった。
まるで、その時点だけを切り取った芸術作品のように。
このまま、時間が止まればいいと思った。
直後に我に返り、頭を冷やそうと反対側に寝返りを打つ。
けれどしばらくの後、もう一度元の位置に戻る。
そして、一人占めをするように、その寝顔を自分の胸に寄せた。
【時間よ止まれ】
『時間よ止まれ』
学食のメニューに、パフェがあった。
何種類かあるが、そのうちひとつがチョコレートとコーヒーゼリーで築かれた砦のような様相のパフェだ。
名前が何だったのか、生憎ともう忘れた。
ただ、学食らしく安値で学生には人気だった。
新入生がどっとキャンパスになだれこむ四月。
サークル勧誘のリクルーターたちは初々しい後輩学生たちに声をかけ、学食のパフェをおごりながら口説き落とそうと弁舌をふるう、それは毎年の風景だった。そうやって(サークル入会が果たされたかは別として)学食パフェのファンは増えていったものだった。
その日私は、恐らくは沈痛な面持ちでそのパフェを食べていた。悲しい気持ちだった理由は明白。このパフェとの別れを惜しんでいたから。
卒業ではない。
そして中退などでもない。
別れの理由は、入学の際の私の想定もしていなかった変化がこの大学を(あるいは私の在籍する学部を)訪なっていたからだ。
キャンパス移動。
全学部がお引越しをするわけではない。一部の不運な学部だけだ。青天の霹靂であった。
いまのキャンパスは都会ではないが、大学がいくつも林立する都市にあって、学生には住みやすい街だ。バイトの求人も多い。移動に使う公共交通もまあまあ揃っている(バスの運転が荒いとか不親切とか不満はあったが、そもそも交通網が整備されていない地域と比較するなら軍配は明らかだ)。
何より、街に本屋が多い。
購入した本を隣接のカフェで読める、未明まで営業している、本屋だけで複数階を占めている、取扱い書籍がマニアックである、などなど、どの本屋も独特のカラーがあって、本屋巡りだけでも心が浮き立った。
移転先は緑豊かだといえば聞こえはいいが、自然しかない。何もない。これから学生向けの開発がされていくのかもしれない。しかしそんなに長く、私も学生でいつづける予定はもちろんないのだ。
バイトと交通網と本屋と、それらにお別れを云うつもりで、その日の私はパフェを攻略していた。
移転先キャンパスには、パフェもなさそうだった。
このまま時間が止まってしまえばいい。
そんな気持ちで黙々とパフェを崩していく。
時間は止まることなく、パフェは私の胃袋に陥ちていった。
(時間よ止まれ。)🦜
あのね
僕の・・・・
読んでる本に依るとね。🦜
「現代物理学、では
自分の時間を止める事は
出来無いんだって、
それは、僕達 四次元時空に
《マイナス》を
持たないからなんだね。」
(但し)
✢時間を遅らせる事は
出来るんだね。🦜
・光速に近い速度で
移動する。
・高重力の空間に
入る。
《ブラック、ホール。》
の様な。
《でもね》
【以前、誰にも言えない秘密。に
書いた、僕だけが持つ、
[スタープラチナ・ザ・ワールド。]
なら、2秒から5秒位。
世界の時間を止められるんだね。】
(たぶん、ですけど。)🦜🦜🦜
#69「時間よ止まれ」
彼女が振り替えるたび
瞬きをするのが惜しいのだ
まぶたに焼き付いた
泣いている君が
驚く君が
幸せそうに微笑む君が
かけがえのない 何よりも愛おしい
もう僕が写ることはないけれど
大丈夫、泣かないで
僕は君のそばにいるよ
僕のレンズが曇って水滴がついた
君はやさしく拭ってくれた
あぁ、おかしいな
機械は涙なんかでないのに
このまま時間が、止まってくれたらなぁ…
止まらなくていい。戻りたいけどそこは考えないように。そして希望を持つ。
ひんやり冷えた 朝の空気と
ふんわりぬくい 毛布の中で
ピピピピ…ピピピピ…
『時間よ止まれ』
にゃんごろろ
時間よ止まれ
ああ、とわに。
もれなく駆けてる
月曜の朝
時間よ止まれ
笑ってみせてよ
今は泣いてもかまわないから
今は悲しみを抱きしめながら
時の意地悪を恨んだとしても
時がキミのこころを追い越して
空っぽになってしまったとしても
時は残酷 でも時は優しい
今は時を止めて泣いてもいいよ
涙が枯れるまで
だけど笑ってみせてよ
そこからまたキミの時間は動きだすから
時間よ止まれ
じ 事故なのだ
か 彼は盲目であるのに
付き人も付けず
ひとり寝台列車に乗っていた
ん 「んー、何時だろう」
彼は寝台から起き上がる
よ 酔っていたのだ
彼には寝酒をする
習慣があったから
と トイレと間違えて
外に通じるドアを
開けたのに違いない
ま まっさかさまに落ちて――
地面に叩きつけられる
れ 列車は彼の転落に気付くことなく
無情にも走り去ってゆく
内田百閒「東海道刈谷駅」へのオマージュです。
宮城道雄を悼んで。
時間よ止まれ、
止まってくれ。
私はあのバスに間に合いたい。
老若男女、
みんなが乗ってる目の前のバス。
バス停を通り過ぎてしまったバス。
私が乗るハズだったバス。
ちゃんと早めに着いたのに
バスは1回ちゃんと止まったのに
乗客の1人が
コーンフレークの牛乳をこぼしたとかで
バスのドアをすぐに閉められちゃって
コーンフレークなんか食べてる人いなかったのに。
でも私の一歩守の紐は切れてない。
切れたらもうバスには乗れないかもしれないけど
このまま走って追いかけてたら
いつかきっと。
信じて願って
どうこうなる話ではないことはわかる。
でも私も
メロスみたいに走ってみたい。
踏み込む足に体重を7割かけて
風の流れをイメージする。
髪が揺れるのと同時に
前へグッと体制を倒して
そのまま足を出していく。
バスの窓から
何人かの手が私を招く。
近づいていくと声も聞こえてくる。
来ないで。
早く来て。
壊される。
話を聞いて。
大切を奪わないで。与えないで。
色んな人の声。
私に対してかも分からない声。
キーンと耳が痛くなったけど
私の思いが届いたのか、
3秒ほど時間が止まったように感じた。
追いつき、
手を伸ばして掴んだ手を
私は間違えたと思った。
腕にトランシーバーがはめられていたから。
このバスじゃなかった。
もう1つ後のバスだった。
"Good Midnight!"
かなしい 。 せつない 。
君といられるこの時間を、いつまでも過ごしたい。
だから 、だからどうか 。時間を止めて。
# 時間よ止まれ
♯ 時間よ止まれ
週末はずっと一緒に過ごす
大事な時間
同時に伸びをする
微笑みながら、目が合うたびにキスをする
おだやかなひととき
夜中ふと目が覚めキスをする
何度も何度も
寝ても覚めても
明け方、気がつくと君に見つめられている
優しい笑顔
そっと毛布をかけてくれる君
こっそり君の肩に顔をうずめる
一瞬たりとも君から目を離したくない
君がしてくれるマッサージ、すごく心地よくて眠くなる
ごろごろしながらのんびり過ごす幸せを感じる
時間よ止まれ
いつまでもこのまま
日曜の夜、少し憂うつ
君はひとり、ベッドで眠る
そして僕もひとり、自分の寝床で眠る
時よ止まれ
時々、お題によってユーザーをコントロールしているして
楽しんでるんだろうかと、思うことは一回や二回ではない。
そのたびに、どうひねくれてやろうかと
挑戦状を捻ってみているのだ。
弄ばれてる気がして仕方がないからだ
これが今回のお題の答えだ
将来が見えなくて不安で
それでいて今がとてつもなく楽しくて。
高校生の時、このまま時間が止まればいいのにって
呪いのように毎日願っていた
だからかな 今の私はあの時と何ら変わっていない
まるで本当に時間が止まったみたいで最高だ!
それでも周りは成長してゆく 変わっていく
ちょっと待ってよ 遊んでよ!
止まったままの私の声は進み続ける人には届かない
「もう取り繕わなくていいんだよ」
懐かしい声が寂しい部屋で響いて消えた。
[時間よ止まれ]
このままがいいなぁ、なんて
時間は無情なのにね
「時間よ止まれ」
時間よ止まれ
春なんて迎えに来るな
冬の寒さが去る前に
貴女と永遠を誓いたい
別れの季節よ
どうかもう少し
遅れてはくれないか
貴女と離れるくらいなら
時間よ止まれ
25.2.16
離れられなくなりそうで
貴女といるのが怖い
「時間よ止まれ」
今までの人生の中で、何回時間が止まって欲しいと願っただろう。
貴方と過ごす幸せな時間。
子供と遊ぶ時間。
遊んでいる、笑っている、子供や家族や、幸せな人達を眺めている時間。
旅行先で、綺麗な景色を見て、美味しい物を食べている時間。
試験やテストで、残り時間が足りない時にも思ったかな。
家族が死病に冒されて余命僅かと宣告された時も、心の底から思った。
でも、当り前だけど時間は過ぎて行く。
良くも悪くも、止まることも早まる事もゆっくりになる事もなく、一定のスピードで過ぎて行く。
だからこそ、その時間を、一瞬一瞬を、大切に生きなければ、と思う。
時間は止められない。取り返せない。
振り返って、次に同じ事をする時の参考には出来るけど、その時に戻ってやり直す事は出来ない。
だから、かけがえのないもの「今」を、大切にして行きたい。
時間よ止まれ
今、この瞬間
大切な人が笑っていて
特別なことはなにもない
この何気ない時間が
ずっと続けばいいのに…
悲しみや苦しみ絶望なんて
訪れませんように…
夕陽の眩しさに目を細める。橙色を背負った君が、スマホを此方に向けて僕の腕を引いた。
今日はもうすぐバイバイだからさ、最後に一枚。
隣同士並んだ僕たちを内カメが捉え、シャッターが切られる。
二人の笑った顔が、まるで楽しかった今日の時間を切り出したみたいに、画面いっぱいに広がっていた。
「時間よ、止まれ」