屋上の風が肌寒くなってきて、目が覚めた。
どれくらい寝ていたんだろうとスマホを取り出す。すでに結構な時間が過ぎていた。
起きたくねえな、と寝返りを打つと、
すぐ目の前に、作り物かと思うほど綺麗な顔があった。
心臓が跳ねる。息が止まる。
一瞬で、目を奪われた。
眉一つ動かない寝顔。
自分が大好きな人間の寝顔。
ただひたすらに、美しかった。
まるで、その時点だけを切り取った芸術作品のように。
このまま、時間が止まればいいと思った。
直後に我に返り、頭を冷やそうと反対側に寝返りを打つ。
けれどしばらくの後、もう一度元の位置に戻る。
そして、一人占めをするように、その寝顔を自分の胸に寄せた。
【時間よ止まれ】
2/16/2025, 11:39:15 AM