『時を告げる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
時を告げる
やりたいことをやり切った。
一緒に過ごしたいと思った人にも思いを告げた。
やっておきたいことはやった。
もう少しでいいから、君の隣にいたい…
けど、それは叶わないみたいだ。
どんどんと目に映る景色は掠れ、
聞こえる声も遠くなっていく。
感覚が麻痺し、匂いもわからなくなった。
最後に伝えたいことがあったが、
重すぎて、口を開くのも億劫だ。
どうやら、私の時間が終わる時が来たようだ…
時を告げる鐘が鳴る。
どうか、残していくものたちに…
幸せがあることがあるようにと…
時を告げる
毎朝
同じ時間に
ご飯くれくれ言ってくる
うちの
ワンコ時計
今朝は遅れてる
どうしたの?
『時を告げる』
馴染みのある小宇宙を感じる。懐かしささえ覚えるそれは儂のよく知る人物のものであった。だが、彼はとっくに命を落とした存在である。生きているはずがない。
よく探ってみると、懐かしさを覚える小宇宙は一つではなかった。やはり、いずれの小宇宙も既に死んだ者のものである。
それに気付いた時、儂は合点がいった。成程、死を司る彼奴らしい、陰険なやり方じゃわい。確かに、己の兵を無駄に消費するよりその方が効率がいいじゃろう。
だが、彼ら誇り高い黄金聖闘士が大人しく従うと思うかな。彼らの正義を思う心は例え死しても変わることはない。お前たちの安易な作戦は、必ずや己の首を絞めることになろう。
とはいえ、儂も指をくわえて黙って見ているわけにもいくまい。この仮初めの肉体とも別れを告げる時が来た。かつての友と、仲間と拳を交えることになろうと、儂は使命を果たし、必ずや冥王を討ち倒す。
既に戦いは始まっているが、これをもって開戦の時を告げるとするかの。ハーデスよ、首を洗って待っておれ。この時代も、必ずや我ら聖闘士とアテナが勝利するのじゃ。
儂は杖を振り、聖域十二宮の火時計に火を灯した。
サカイの誕生日は2月8日。スターウォーズのビデオをプレゼントしたね。まだその頃はその先がどうなるかなんて考えてなくて、私はとにかく首席で卒業することを目標に、ライバルのマナちゃんに負けたくない気持ちで必死だった。留学前のミシガンテストでトップだったから、頑張ってキープしてねって言う先生たちの言葉を裏切りたくなくて本当に頑張ってた。
サカイはどの辺から卒業後の進路を考えてたかは知らないけど、私たちはそれぞれの目標があったから、それに向かって進むのは当然で。サカイと私の向かう方向も勿論違うわけで。アメリカに骨を埋めるつもりで来た私。サカイは卒業したらすぐに帰国して日本の大学に行くってことを知ったのは、卒業まで残り1ヶ月くらいのときだった。思っていても引き止める言葉はとても言えなかった。でも本当は、そのままアメリカの大学に進むものだと思ってたから、裏切られた気持ちでとてもショックだったよ。
サカイがそのままアメリカに残ってくれてたら、その先の2人の人生は今と大きく違っただろうね。
何気ないことというのは、気に留める間もなく過ぎ去って行くものだ。歩きはじめた時、右から出したか、左から出したか。すれ違った人の靴が何色だったか。昨日の夢は何だったか。大切か、大切でないか、人は考えることもなく、勝手に脳が処理をする。
だから私は時間日記をつける。毎日ランダムに設定されたアラームが鳴る。その時、その瞬間にしていたこと、考えていたこと、何気なく頭によぎり消えようとしていたこと、それを書いておくのだ。覚えておく価値もないという脳に抗って、私は私を記録する。
誕生日でもない。記念日でもない。特別でもない。特段嬉しくも、悲しくも、何もない。
でも、きっとそれこそが、私を生かしている。
さあ、今日も時を告げる音が鳴る。
#01「時を告げる」
希う心を破り捨てて
小さな命の灯火を消した
#時を告げる
#71 時を告げる
雲が流れ、明暗を繰り返している午前。
朝はマシになってきたが、
太陽の動きと共に暑さが圧を掛けてくる。
畑、といっても家庭菜園用の小さいものだが、
そこで花芽のなくなったオクラを土から抜いて、
たまに顔や首へと流れてきた汗を拭った。
今は、秋に向けて次の野菜を植えるための準備…の準備といったところだ。
(暑さはいつまでも夏の様なのに)
先日最後のひとつを収穫したスイカも抜く。
虫が多くなった気がする。
小さなカマキリを見つけて和んでた頃が懐かしい。
可愛くもない煩わしい奴らに眉をしかめつつ、手は止めない。
(ここのところ蝉の声を聞かなくなった気がする)
抜いたものを隅に持っていったら小休憩。
水分補給しながら空を眺めた。
「ふぅ…」
ジージリジリジー…
(あ、セミ)
私の心を読んだかのようなタイミング。
夏はまだいるぞと主張している。
(相手は見つかるのかな)
暑くて手抜きした雑草の中から、
ぴょんとコオロギが飛び出した。
「もう少しだけがんばるか」
季節を精一杯楽しもう。
時を告げる虫たちと共に。
「その前に虫除けスプレーもう一回しとこ」
【時を告げる】
時が移ろい季節が巡ったことを鳥の声が、花の色が告げる。そしてそうした自然からの便りを受け取ることは、君が教えてくれた。
「葉っぱの色が変わりはじめたね」
「そろそろ秋だねえ」
かつての自分は見向きもしなかった、日常に紛れる宝石のような無数の輝き。共有できる相手がいる幸福を噛み締めた。
▼ 時を告げる
ふとした時、振り返る
(匂いだ)
後ろ髪引かれるとはこのことかと、思わずそのまま立ち止まってしまう
ありふれている匂いの中でもアレの匂いだけは無意識に反応するのが憎らしく、それほどに自分がまだその刻に居るようで強めに前を向いた
「×××、何でここいるんだよ」
怪訝な顔、こちらも驚く暇もなく同じように眉間の皺を増やす
懐かしむくらいには歳を重ねたらしい
「テメェには関係ねぇ」
また、重なった線が離れていく
何度でも合わさってしまうのを何かのせいにしたくて、苛立ちを隠さず風を切った
チャイムが鳴れば、席に着くのが当たり前だが、その日は違った。生徒のみならず、先生も一様に廊下の窓から身を乗り出していた。
君との別れを告げる音が鳴る
私は君ともう会えないことくらいわかってた。
だから「さようなら」が言えたら良かったけど
「またね。」
そう言って彼から離れた。
時を告げる音が鳴った時
君と私はまた会えることを願って
2人の距離は離れて行った
─────『時を告げる』
時を告げる
昨日は令和150年に行った後、和銅6年まで行って来ました。
和銅6年9月6日は木曜日
その日も秋晴れだったのかな?
今の私と同じように誰かを待ったり
何かを探したり片付けたり
ただただ笑ったり
二言三言でも言葉を交わしたり。
友達になれた人もいたかなあ
令和150年にも
令和5年の9月7日にも
きっといる
待ち時間などに指一本で気軽に行ける
壮大な旅。タイムトリップ。
スマホのカレンダー、おすすめです。
今日も部屋にチクタクチクタクと音が響く。
時を告げるその音はそろそろ終わりそうで、時計の終わりを示している。100年時を告げ続けたその時計はこれからも、時を告げ続ける。
『時を告げる』
夕方17時を告げる、放送で
子どもたちは散らばるように
お家に、帰る。
閉店間際のスーパーに
駆け込んで、蛍の光に恐縮しながら
(調べたら、別れのワルツというらしい)
必要な物を慌てて買い物カゴに
投げ込むように足早に買い物を済ませる。
スマホのアラームが鳴る数分前に
目が覚めて、うつらうつらと
朝食の準備をし始める。
玄関のチャイムが鳴って
待ちに待った、荷物が届く。
暮らしの中には、いつもどこかに
一喜一憂するような
時を告げる『音』がある。
【お題:時を告げる】
時を告げる
もう時間だから行かなくちゃ。
また、会えますように。
ばいばい。
ずっと変わることなんてない。私は私のままでいいんだと思っていた。だけど私ってなんだろう。なりたいイメージが浮かんでは消え、また浮かんでくる。どうありたいか、どう生きたいかなんてもっと自由なはずなのに私という固定概念がそれを阻んでいたのだ。変わるその時を告げる音はならない。変わりたいと思った今がその時だ。
いつも決まった時間にやってくるソレ。
なんとなく朝の憂鬱を感じさせる音。
震災の前までは、
朝を告げる鳥だった。
もうこんな時間!?
時間って経つのが早いね
そろそろ行かなきゃね、、笑
また必ず会おうね!
私はずっと待ってるから!
「時を告げる」
その村ではいつも村長が
時を告げていた
みんな村長の言った通りに
日々の暮らしを営んでおり
村人は幸せだった
ある時
村長が亡くなってしまった
村人は時間がわからなくなり
生活がめちゃくちゃになってしまった
村長は時を告げるのではなく
時計を作らなくてはいけなかったのだ
未来のために
【時を告げる】
時計台の番人、時間の守り手、そんな風に呼ばれることもあるけれど僕の仕事はただ歴史あるこの時計台を手入れし、決まった時刻になったら鐘を撞き鳴らすことだけだ。日がな一日中時計台に閉じこもり定期的に鐘を鳴らさなければならないのだから、むしろ囚人のような生活だといえた。
昔はこんな仕事は嫌だと、自分の天運を嘆いていたっけ。眼下に広がる街並みを見下ろしながら、僕は懐かしさに笑みをこぼした。
正午を告げる鐘を打つ。昼休憩にざわめき始める群衆たちの片隅、広場で花売りをしていた少女が慌てたようにポケットから薬を取り出した。
定期的に薬を飲まなければ生きていられない、吹けば飛ぶほどにか弱い命の女の子。時計台の鐘の音が彼女の命綱なのだと、様子を見ていて気がついた。
薬を飲み終えた彼女は、時計台へと向けて深々と一つお辞儀をする。そこに鐘を鳴らす人間がいることなんて見えていないだろうに、それでもいつだって彼女は丁寧に感謝を捧げてくれた。
彼女と出会って、僕は自分の仕事の意味を知った。僕がこの時計台を守ることで助かる命があるならば、一生この塔に囚われたままでも構わないと、そう心から思えるようになった。
さあ、時計が狂うことのないように今日もメンテナンスをしなければ。明日も明後日も、君のために時を告げることができるように。
黒パンのサンドイッチにかぶりつく君の素朴な姿を名残惜しく眺めながら、僕は時計台の機関部へと降りていった。