『星空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日のお題。星空。
少し前に、喧嘩別れをしてしまった友達の夢をみた。
お母さん、私、頑張ったよね?いじめられても明るく振る舞って、お母さんとの約束を守って、
学級委員でクラスをまとめたり、規則を守って居ない人がいたら必ず注意して先生に報告したり、
ほとんどの教科で満点を取ったり…頑張った、よね?あの人が言った事が本当なはずないんだから。
じゃあなんで。なんでお父さんは帰って来ないの?お母さん言ったよね?頑張ってればお父さんは
帰って来てくれるって。ねえ、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで…?
「…だって、…」
…ああ、そっか、…そっかぁ。…そういうことだったんだ。お父さんは…もういないのかぁ…
なら、もういいや。私はお父さんに会いに行こう。此処から飛び降りればきっと、会えるよね。
「っ待って!」
待って?待つ訳ないじゃない。それじゃあ、お母さん。…さようなら。
少女が飛び降りた空中には、とても綺麗な星空が広がっているのを見た。
あの夢は…本当に夢だったのだろうか。
星空
恥の多いとまでは言わないが、じゃあ人に褒められるような人生を歩んで来たかと聞かれたらそんな事はなく、ほとんど家出のような状態で私は生まれ育った故郷を飛び出した。
あれからもう何年経ったのだろう。
どうやって住所を調べたのか、私が暮らすアパートの郵便受けに母からの手紙が入っていた。
手紙には祖母が亡くなった事、葬儀などはもう終わらせた事、弟が結婚して孫が生まれたのを機に実家を二世帯にしたので私の帰る場所はもう無いとの事が遠回しの嫌味と共に書かれていた。
「そっか、おばあちゃん、死んじゃったんだ」
優秀で可愛い弟よりも、問題ばかり起こす可愛くない私を優先して可愛がる祖母は母に嫌われていた。
祖母はちゃんと供養してもらえただろうか。
その日の夜はいつもより眠れなかった。
缶ビールを片手にベランダに出た。
見上げた夜空に星は何処にも見当たらなかった。
「人はね、死んだら星になって子孫たちを見守るのよ」
昔、祖母が星空を指差してそう言っていたのを思い出した。
幼い頃は見えていた満天の星が見えなくなったのは、都会で暮らしているからか、歳をとって視力が落ちたからか、それとも、ろくでなしの私にご先祖様たちが愛想を尽かしてしまったからか。
緩くなったビールを一気に飲み干して部屋の中へ戻る。
真上に一つの星が輝いていたのに私は気づかなかった。
星空
星空は星が輝いていて綺麗だ。
私もあの星みたいに輝けたらとおっとりみる。
星空は輝いてみえるだけじゃなく落ち着くような色の空がある。星空は特別な何かを感じるのは
心が許しているからだろうか
綺麗な星空を最後に見たのはいつだっけ。確かもう5年以上も前じゃなかったっけ。どの辺からキャンプとか旅行に行かなくなったのだろう。原因は分かりきっている。生活リズムを完全に崩して殻に閉じこもったからだ。それがある程度治った今でも時々空が真っ暗の時に外に出ることはあるが、いかんせん周りの建物とかが明るすぎてろくに星も見れない。見れてとても明るい星ぐらいだ。いや、最近は曇り空が多くてろくにちゃんとした星空を見れてない。綺麗な月は見た事あるけど。
そう考えていると、おぼろげな記憶にある、綺麗な星空を少しだけ見たくなる。どんな感じだったかすっかり分からないけど綺麗だっていう感動はギリギリ覚えている。
今度少し落ち着いたらどこかに出かけて星空を見に行こうかな。自前のスマホのカメラじゃ絶対に撮れない綺麗な星空を。そう考えるとまたキャンプみたいなこともしたいな。
『星空』
星空
闇に広がる眩い光
刻一刻と夜明けに向かっていく
現在は丑三つ時を回っている
俺に明日の夜は来ない
この光があいつらの希望になって欲しい
頑張って欲しい
あの星屑にはなれなくとも
海の藻屑になろうとも
あいつらを見ておこう
愛するあいつらを
数少ない友人の5名を
見守ろう
私の全霊をかけて
「どうする?もう一軒いくか?」
どこへ向けた言葉なのか、空に飛んだ声に私もよくわからない返事を誰もいない方へ投げた。
「うーん?」
私の言葉に何の返事もなく、ただ、誰のものかわからない見知らぬ声や音だけが流れていく。
私は、ただ何も考えずに、空を見上げた。
星空なんて見えるわけもない、ただ暗いだけの空だった。
「おいって、聞いてたか?どうするよ?」
繋がれて引き寄せられた左手が、真っ赤になってほてっていくような、ドクドクしているような、恥ずかしい感覚に陥った。
私はこの人が好きなんだと、他人事のように思った。
お題『星空』
友達から一通のメールが来た。
「外見て!星空!綺麗すぎ!」
その言葉の通りに窓から空を覗くと、今にも雨が降りそうな夜空が見えた。
星空は見えそうにない。
空に輝く小さな光
ずっと変わらない光り方で、空に浮かんでる
その光が綺麗で
手を伸ばせば届きそうで
ぐっと、目一杯手を伸ばすけど
静寂を掴むだけで、その手のひらの中に、小さな光は無い
それがなぜか寂しくて、泣きそうになる
もう一度空を見上げる
そこには変わらず、小さな光が輝いている
ずっと変わらず、僕らを見ている
僕らの世界は、変わり続けていて、その変化に追いつくことが大変だというのに
何も変わらず、そこで見ている
今日は快晴で、遮るもののない星空が広がっている。こんなに綺麗な星空を見るのは久しぶりだと思いながら、私たちは星座早見盤を持って外に出た。
「今の時期って、さそり座とか夏の大三角が見えるよね」
「そうですね、東から南の空を見てみましょうか」
東の空には一際強く輝く三つの星が、南の空には赤く輝く星が見えた。他にも見える星を早見盤で調べながら見ていた。
「もうすぐペルセウス座流星群の時期だね。一度見た事あるけれど凄かったなぁ」
「ええ、幼い頃の事を思い出しますね。その時は久しぶりに夜更かししましょうか」
夏休みが楽しみだね、と笑い合いながら私たちは空を眺めていた。
テーマ「星空」
小さい頃母方のおばあちゃんの家で見れた星空が懐かしい。
記憶にははっきりとした星空はうかんでこない。
かわりにおばあちゃん家の窓の外に広がる街灯ひとつない闇の記憶が結構残ってる。記憶にないのに懐かしいのは、きっと昔に戻れたらなという気持ちと星が見えただろう景色の記憶が混ざり合って、おばあちゃん家で過ごした過去を脳が勝手に色付けしたんだろう。
これを「隣の芝は青い」ならぬ「過去の夜空は星まみれ」現象と呼ぼう。
星空を探しても、この時期にオリオン座は見えない。今はただ冬を待つ。
遠方の、深遠の、球体の上の上
球体以外の存在に思いを馳せたい
そんな夜もあるだろう
星空
肉屋は肉を売る。
魚屋は魚を売る。
そして、夢屋は夢を売る。
綺麗な小瓶の並ぶ店内。小瓶の中身は可愛らしいピンク色の液体から、キラキララメラメしているような液体まであらゆる種類がある。
寝る前に飲めば対応した夢が見られる、魔法みたいな健康食品。魔法みたいだけど、科学的根拠に基づいて作られた、夢薬の分類。
寝ている間、夢を見る人の方が優れている。
夢を見る人いない人の違いの研究結果が発表されて50年。自発的に夢を見る人は少ないが、夢薬を使えば夢を見れる。それも望んだ夢が。発売当時は胡散臭いといわれ続けたこの薬達も、発売から45年たった今では日常の必需品なのだ。
「やっぱり高いなぁ」
「それ、映画のやつじゃん。映画を夢で体験出来るやつは凄いけど、夢は違うのがいいなあ」
「あんたは何買うの?」
「これ」
黒い液体に、キラキラが沢山入っている小瓶を見せる。
飲みにくそうな見た目に反して、甘くて美味しい。
「この前も買ってなかったっけ?」
「この夢が好きなんだよ」
「ふーん。あ、最新作出てる。わたし、こっちにしようっと」
彼女は水色の小瓶を取る。
「学生の青春? なにそれ、どんな夢」
「青春って、なんだろうね? 楽しみだなぁ、今夜試してみるよ」
「明日学校で教えてね」
家に帰って、ご飯を食べて、お風呂に入って。
それから、くつろぐ姿勢で今日買った夢薬の小瓶を眺める。綺麗。
そしてグイッと飲み干す。ほのかな甘みと、睡魔を感じる。
静かに横になり目を閉じれば、直ぐに落ちた。
一昔前は眠るのに薬を使う人はいなかったと言うから不思議だ。夢薬を飲めばすんなりと夢の中に入れるというのに。
目を開けるとそこは既に夢の中だった。
上下左右、どこを見ても夜空。
満点の星空が投影される、プラネタリウム的な夢薬。
プラネタリウムだと天井を見るだけだが、夢なら自分も自由に動けるし、足元も星空に見える。
自分が宇宙空間にいるような感覚。
何も考えたくない時、この夢を見たいと思う。
目覚めるまでの数時間、
わたしはじっと夢の星空を眺め続けた。
星空
僕が好きな空
友達が好きな空
家族が好きな空
空にはいろんな種類があるけど多分それは
人のためにあるものじゃないそれを私が好きな星とか
この星好きだからわたしのよとか
人間は「愚かだなぁ」とそう深く思う
『星空』
夏の天体観測は暑さと虫との戦いだ。川辺に近い土手で携帯蚊取り線香を腰に下げ、煙に燻されているような気持ちで望遠鏡のファインダーを覗き込む。滲んでくる汗を首から下げたタオルで拭い、またファインダーを覗き込む。冬の寒い時期とはまた違った苦労もあるけれど、それを苦労とも思わないのはやはり星を見ることが好きだからだろう。
首から下げたペットボトルのお茶を飲んで一息ついていると、ふと辺りの草むらにかすかな緑色の光が明滅するのが見えた。星ではないそれは水辺に住まうホタルの光。草むらにじっと目を凝らしていると数十匹のホタルが淡い光を放ちながら飛び回っているのが見て取れたのは、普段から星ばかり見ているせいなのかもしれない。などと思いつつ地上の星空を眺めてペットボトルのお茶を飲む。そしてまた汗を拭い、ファインダーを覗き込むのを再開した。
『星空』
いつも自分1人で暗闇の中を歩いている
そんな気でいても
瞬きの隙間 瞼の向こうで
眠らない街の星空みたいに
知らぬ間に己を照らす存在があって
それはとても幸福だ
と思う
私が気がつけば全て輝く
一気に世界は開けるよ
それは微かで確かなものだけれどこぼさず行こう
人生は 幸せ探しの旅
やらなければならないことほど
後回しにしてしまう
こんな自分をなんとかしたい
そう言って星空を見つめる僕らは
なんて人間らしいんだろう
やらなくてもいいことを
躍起になってやろうとする
その意地は
僕らの中から生まれてくる人間性
小さなせめぎ合いに
目まぐるしく瞬いて
星とも呼べない星のひかり
明日は七夕様
星空をみたら
ひこぼし様と織姫様が
出会っているでしょう!
『あの丘で待ってる』
これは君が僕宛に送った最後のメッセージだ。
学校帰りの電車、いつも通りスマホを見ていた。電車がいつもより揺れていて、僕は間違えて天気予報アプリを開いた。すぐに閉じようと思ったが、僕の目に一つ、気になることが書いてあった。
〘今夜は流れ星がふるでしょう〙
流れ星、それを最後に見たのはいつだったろうか。僕はふと考えた。確かあいつと一緒に見たのが最後だったか?僕はうっすらと残っている記憶を思い出した。そんな僕は思わず君にメールを送った。
『今夜、流れ星見ない?』
もう5年程会っていないけれど、あの日君と見た流れ星を思い出して、また君と見たいと思った。
数分後、案外すぐに返信がきた。
『うん。良いよ』
君は難なく了承してくれた。
『またあそこの丘で見よう』
僕は思い出のあの丘で見ようと思い、メールを送った。
『あの丘で待ってる』
君から"あの丘で待ってる"とメッセージがきた。僕は途中の駅で降り、走って丘へと向かって走った。
そして丘へとついた。だがどうやら僕が速かったようで、君はまだいなかった。そこから1時間、2時間と経ち流れ星が流れ始めた。君はまだこない。
「おっせぇなー」
僕はそろそろ来ないかと周りを見渡した。その時、近くに花束が置かれているのが見えた。
「…花束?」
なんでここにこんなものがあるんだ?ここで人でも亡くなったのか?
「……あ、忘れてた」
僕はあることを忘れていた。僕はここで亡くなった人のことを知っている。親友だから。そして僕の親友はたった一人だ。そう、その一人は僕が今待っている君だ。本当は、僕が君と流れ星を一緒に見たことなんて一度も無い。ただの僕の夢にすぎない。いや、実現しそうでしなかった。夢のまま放置された夢。それがただ掘り起こされただけだったのだ。今日、僕が君に送ったメッセージへの返信なんて無かった。僕が見ていたのは5年前の君とのメッセージだ。僕が君と一緒に星空を眺めて、流れ星に願いを託すなんてことは一生叶わない。
「…また、お前と一緒に見れなかったな」
「ううん、一緒に見れたよ」
_星空_
お題『星空』
「うわぁ、きれぇい」
一面の星空の中で彼女が両手を広げている。暗い空には星々がきらめいていて、丘の上に上がった俺もそれに圧倒された。
彼女はくるくる走り回った後、丘の上で寝転がる。
「ねぇ、こうやると視界が星でいっぱいになるよ!」
「へぇ」
俺も彼女の隣に寝転がると、視界いっぱいに広がるきらめく星々に「ほんとだ」とこぼす。
「でしょ! あっ、あれはねぇ夏の大三角形といって、あそこにあるのがアルタイルで、こっちにあるのがベガ。それでデネブを繋げて大三角形に……」
俺はポケットに入れたリモコンのボタンを押した。途端に星空は一種にして消え、彼女もいなくなった。残っているのはうまいことでこぼこさせた山道を再現した広く白い部屋である。
モテない俺は、モテるためのコミュニケーションを頑張るより仕事仲間と一緒に山道を再現したり、星空と『理想の彼女』のプロジェクションマッピングを作り上げた。
理想の彼女の会話や行動パターンはAIに教育させている。
「可愛げは近づけたけど、解説しだすとプラネタリウムになってしまうしな。だけど、バカすぎるのもよくないし……」
俺は寝転がりながら、考えをぶつぶつつぶやき始めた。