通りすがりの字書き

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「どうする?もう一軒いくか?」
どこへ向けた言葉なのか、空に飛んだ声に私もよくわからない返事を誰もいない方へ投げた。
「うーん?」
私の言葉に何の返事もなく、ただ、誰のものかわからない見知らぬ声や音だけが流れていく。
私は、ただ何も考えずに、空を見上げた。
星空なんて見えるわけもない、ただ暗いだけの空だった。
「おいって、聞いてたか?どうするよ?」
繋がれて引き寄せられた左手が、真っ赤になってほてっていくような、ドクドクしているような、恥ずかしい感覚に陥った。

私はこの人が好きなんだと、他人事のように思った。


お題『星空』

7/6/2024, 7:19:44 AM