『星座』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私が目で探し解る星座はただ二つ、誰もが知ってる北斗七星と冬の星座、大三角のオリオン座です。
初冬になるとオリオン座が早く南の空に現れないか心待ちにしオリオン座の位置を見て今、何時頃と時間を当て誤差が狭範囲内だとウン、ウンと自己満足感を味わえる私なりの冬の夜空の楽しみです
昨日、はまだオリオン座は見る事ができませんでした。正確にオリオン座が大きく南の空に見える日はいっか改めて観察してみたいと書いていて思いました。
冬空の星
吐いた息が白くなるような寒い夜。
彼女はマフラーに埋めたその鼻を赤くしながら、目を輝かせて夜空を見上げていた。
「やっぱり冬の星は綺麗ね!」
幼子のようにはしゃいだ声をあげる彼女の手をそっと握る。手袋をしていないその手は氷のように冷たかった。
「手袋はどうした?」
「家に忘れた……」
「………」
誤魔化すように笑った彼女の右手を繋いだまま、その手をコートのポケットにいれる。驚いたように息を呑む彼女に俺は目を向けないままで呟く。
「帰るぞ。風邪をひかれたら、困る。星の観察は家でも出来るだろう?」
「あははっ。それもそうだね」
俺と彼女は訪れていた公園を後にする。
「着いたらラテを用意しよう。砂糖とミルクはたっぷりだな?」
「うん!君の作るラテは甘くて美味しいから、好きだなぁ〜」
「ふふ。そうか。今度は、あたたかい春に星を見にこようか」
「そうしよう!でも、冷えるかもしれないから温かい飲み物も用意しようよ」
「そうだな。今から考えるだけで楽しみだ」
「そうだね〜。君と一緒なら何をしても楽しいよ」
彼女の無垢な笑顔に、俺も釣られて微笑んだ。繋いだ手はそのままに俺たちはゆっくりと家路を歩く。
明日も、その次も、ずっと彼女と共にいられることを願いながら。
おおぐま座、seven sisters、北斗七星、いろいろな場所や時代で存在感を放ってきた星の光。現代のある界隈では「自分の、自分らしい大切な道に気づくことを助けてくれる」とも聞く。天狼星(シリウス)もそうなのだとか。
かつての大航海時代、海原で進む方向を導くのも星の輝きだった。船の右舷側を「スターボード」と呼んでいたそうだ。風を読み、星を測って目指す方向を見る。知られている理屈と直感が腑に落ちるところへ進む。
江戸時代にはすでに天体観測の望遠鏡が、レンズの作成も含めて国内で作られていた。時代も文化圏も問わず、天空にきらめく輝きはいつも人々を引きつけてやまなかった。「同じ本質を持つから惹かれる」なら、自分自身や人々の中に星のように輝くものを見つけるのも良いかもしれない。きっと地上できらめく数多の星は、どれも澄んだ響きを出している。
星一つの輝きは小さくて心許ない
欠けた月にさえ勝てない
それでも
満月になれなくても
集まって星座になりたい
貴方がいるなら、独りじゃないなら大丈夫
僕の彼女は星を見ることが好きらしい。
よく知らないが星を観測する
委員会?部活?があるみたいで
彼女はそこに所属しているみたいだ。
そして今、
僕は彼女と星がきれいと有名な場所に訪れていた。
「うわぁ〜!やっぱ星綺麗だね!!」
彼女が弾む声でいうものだから僕は笑顔になった。
「ねぇ、見て!!ここ○○座見えるよ!」
「え?どこ?」
「ほら!ここら辺!」
正直どこを指しているか分からなかったけど
真剣にカメラを構えて写真を撮る彼女が
生き生きしていて僕は笑顔になった
こんな彼女をいつまでも隣で見ていたい
─────『星座』
ふいに休みが取れたから、ソロキャンに来てみた。
1人でくるのって久しぶりだなー、キャンプ自体夏はしないし。汗だく虫ありはいくらキャンプ好きでもなかなか厳しい。
平日だからか良い天気だけど他に人はほとんどいない。小さい1人用のたきぎ台に薪をくべてパチパチ。
ちまちま強めのお酒を呑みつつその火を見るのが何よりの楽しみだ。酒のつまみはほんの少しの寂しさがあれば良い。
「ちょい…カッコつけたかなー」
勝手に考えただけなのにちょっと照れくさくなって、火から目を離して夜空を見上げた。葉が少なくなった木々の間から見えるのは満天の星空。
ここにもし君がいたら、あれはあの星座、この星座の由来はーってうるせーんだろうな。
脳内で響く君のそんな楽しげな声をつまみに、俺はもう少し酒を進めるのであった。
まる。
▼星座
『星座』
夜の闇
照らす月に隠れ
静かに輝く
名もなき小さき星々
過去 現在 未来
己が運命さえ
変えると
星の動きに 願い込める
人々の目には
映らない
輝き見えぬ星でもいい
見守ることを許されるなら
私は
名もなき星で
輝きたい
私の星座が現れる頃には、彼の星座は正反対の場所にいる。まるで今の私たちみたい。
空の道標
種蒔き育む人々に暦と方角をもたらし
砂原を海原を草原を氷原を渡り行く人々を支え
営みと物語を刻み伝えている
星を掴めたなら、貴方に想いが届くのかしら?
───『星座』
【星座】
偉業を成した英雄は神の手により天へと召し上げられ、星座として永遠にその存在を刻まれる。夜空に輝く星座の一つ一つには、遠き過去を生きた英雄たちの物語が秘められているのだ。ああ、だけど。
目の前に広がる血の海。私がこの手で葬り去った人たちの骸が山と折り重なる。神は私のこの行為を重罪だと断じるだろうか。それとも戦における英雄として認めるのだろうか。色濃い鉄の香りが神経を麻痺させる。ああ、血の匂いに酔ってしまいそうだ。
「――お疲れ」
耳朶を打った涼やかな声。戦場の熱気に決して飲み込まれぬ高潔なる王。彼の存在を認識した瞬間、脳が冷静さを取り戻した。
背後を振り返り、恭しく膝をつく。私の唯一の王。この命の全てを捧げると誓った方。貴方が認めてくれるならば、私は神の許しなどいらない。星座になど祀られなくとも世界でたった一人、貴方が私の功績を覚えていてくれるならば、それ以外など私は何一つ望まないから。
「やっぱり君は頼りになるね」
微笑んだ王のその言葉が、私にとっては天へと召し上げられるよりもよほど誇らしい栄誉だった。
「星座」
「あ、オリオン」
あなたの指差す方を見上げる。
鼓のような形を作るオリオン座
でも本当は
星と星との距離はとてつもなくあって
線でなんて繋がってもいない。
お互いもまさか
こんな地球のような宇宙の片隅で
小さな小さな人間が夜空を見上げて
星を勝手に線で繋いでいるなんて
思いもしないだろう。
お互いが向かい合って
言葉にできない想いを
何万年も 何十万年も 何百万年も
ずっとずっと心に積み重ねてきたとしても
自分たちでは決して
お互いを繋ぐことはできない哀しさ
だから
私はとなりに立つあなたをみて
静かに微笑むだけ
私達もまた 決して
つながることはできない哀しさ
「星座」
星には興味がありません。
なので星座分かりません。
尖った鼻先も何も、誰かが思い出すたびに変わってしまうのに、曖昧な形を保ったまま、深い藍染めの隅に生き残っている
『星座』
【きっと明日も】
「きっと明日もいい日になるよ」
だから今はお休み。言い聞かせる優しい声に、同じ優しさで髪に触れる手の温度に、安堵が胸を満たす。
忍び寄った眠気のままに目を閉じて少しだけ体を寄せる。吐息で笑ったその人は優しい強さで抱き寄せてくれる。穏やかな歓喜に包まれながら眠りの淵へ沈み込んだ。
あれみろ
どれ
あの星
うん
1りでいるだろ
うん
あれがお前な
は??
でもひとりだけど
すげー輝いてんだよ
それがお前
#星座
久方ぶりに夜空を見上げた。
田舎の夜空ほど、無駄な灯りがなくて星が綺麗に見える。
その日は月が無く、ただ星だけが夜空に瞬いていた。
ふと学生の頃に少しだけ気になって調べたことを思い出した。
夏の大三角やオリオン座などの有名どころやアンドロメダ座にペガスス座など、少し調べれば知ることが出来る星座など。
今も探せば星座はそこにあった。
何年、何十年経とうとも変わらないように見える景色がそこにはあって、僕たちを見ている。
また気が向いたら空を見上げよう。そして、懐かしの友を探すのだ。
星座占い
同じ星座の人ならば
運命共同体
タロット占いならば
自分で選んだもの同志かも
人事を尽くして天命を待つ
ということでしょうか
星座
空を見上げれば心寂しくなる。
元気になるなんて人もいるけれど、俺は違う。
ああ、あの星はあいつが。
あっちは、アイツが話してたっけ。
くそ…あーあ、早く俺もそっちに行きてぇ。
うそうそ、そう言ったらお前達は怒るもんな。
冗談だよ でもさ
もし俺が星座になるなら何の星だろうな
『お題:星座』
とある小洒落たバー。
私はさほど稼いでいるわけではないが、今日はたまたま心の穴がこちらを指差していたので、それを埋めるためにわざとらしく鐘を鳴らすドアを潜って此処へやってきた。
別に気になる異性の常連がいるだとか、そういうことじゃない。ただ、社会の歯車とでも言うべき日常から切り離されたこの穏やかな空気感が、私の疲れを癒してくれる。そんな気がする。気がするだけではあるが、気休めとしては充分である。
私はカウンターの一席に腰掛けると、マスターに「とりあえず、お水もらって良いですか」と話しかけた。
「お水が好きなんですね」
「ええ、お水に心酔しています。床上くらい」
などと、くだらないやりとりをしたところで、四つくらい席を空けて、その隣に一人の男が腰掛けた。
男はマスターに何か囁くように言うと、私の方を見て優しく微笑んだ。
どうやら「いつものお酒を、あちらの女性に」的な、よくある流れらしい。
私、今日はさほど酔いたくないんだけどな。でも、それなら何故わざわざバーに来たのか。
自分の中で軽い矛盾みたいなものを感じながら、男に会釈をすると、マスターが私の席に中身の注がれたお洒落なグラスを置いた。
「あちらのお客様からです」
グラスに注がれているのは透明な飲み物。まさか、この空気感でグラスに芋焼酎でも注いだのか、などと自分でもよくわからないことを考え始めてしまう。
すると、男は席を詰めて、私の隣に改まって腰掛けた。
「お水が好きなんですね」
「マスターにも言われました」
「なんか最近、この店でこうして水を飲んで過ごされているのを何度かお見かけしていたので、失礼を承知で追加の水をマスターにお願いしてみました」
「…ふふっ、バーで女を口説くのに、お水はないでしょ」
男のユーモラスな挙動に、初対面ながら久々に心の底からの笑みがこぼれた。口説かれているかどうかはさておくとして、面白い人と出会えたことが少し嬉しかったりする。そんな自分にも笑ってしまいそうだ。
男はそんな私を見て、感慨深そうに一人語りのような話を始めた。
「いや、ね。僕は常々思うんですよ。色恋を求めてバーに来るのも、それはそれとして普通の使い方なんでしょうけど」
「…自分はそうじゃないと?」
「いえ、多少の下心は持ち合わせていますけどね。ただ、此処に来ると、僕は夜空を舞っているような気持ちになれるんです」
「…はあ。と、言いますと?」
「晴れ渡った夜空を見て、星と星を繋げて何かに見立てる…ってのがあるでしょう? 此処で色んな人と出会うことで、星と星を結んでいく感覚を覚えるんです」
「…ふむ、なるほど…?」
つまりは、此処で生まれる人脈を天に広がる星座に見立てて、人との出会いにロマンチシズムを見出しているということらしい。
「ちなみに、私で何人目なんです?」
「夜空にまたたく星の数を数えるのはナンセンスというものです。あなたは紛れもなく一番星ですよ」
まあ、その言葉で私は大体を察した。この男はこの話を幾度となく繰り返して、このバーを楽しんでいるのだろう。
別にこの男を毛嫌いしているわけではないが、気取った言い回しに熱量を感じられなかったので、出された水を居酒屋のノリで飲み干すと、席を立った。
「あれ、帰っちゃうんですか?」
「ええ、面白い話を聞けてお腹いっぱいです」
私は結局自分が何を求めてバーに来たのかを忘れてしまって、そもそも穏やかな空気感とは何なのか、などと小難しいことを考えながら、バーを出た。
ただ、私の去り際に男がマスターと交わしていた言葉は少しだけ面白かった。
「マスター」
「なんでしょう」
「サソリ座から逃げるように動くオリオン座って、こんな感じですかね」
「はあ…いや、むしろ星座が云々より、あの方は流れ星のように映りましたね」
「連絡先、交換できますように! って早く念じておけば良かったよ」