『明日、もし晴れたら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「明日、もし晴れたら」
家中の窓を開けて風を通し
畳の入れ替えに壁紙に襖の張り替え
家具などの手入れ
気温湿度ともに動きやすい時期じゃないと
入れ替えと張り替えて出来ないんですよね。
和紙は湿気で伸びるし糊はのらないし、
塗装は湿度高いと割れるしのらないし。
明日、もし晴れたら。
何をするの?
私はまだ知らない。
多分洗濯物を干すだろう
明日、もし晴れたら
私の機嫌がよくなるかもしれない
明日、もし晴れたら。
そんなに興奮はしない
ただ普通の日だけだ もう退屈した
明日、もし晴れたら、
私はきっと明後日が大雨、雷雨になることをお願いだろう。
『明日、もし晴れたら』
明日の夏祭りのために仕立ててもらった浴衣を見ながら、明日の天気予報を映すテレビをじっと見ている。明日の予報は曇り時々雨。このところの暑さが和らぐのは助かるけれど、夜店に行く頃には星が見えるほどには晴れてほしい。
夏休みに入る前にクラスの間で噂になっているおまじないを耳にした。その内容は夏祭りの開催される神社で星空の下で告白すると結ばれるとかなんとか。普段なら茶化す側だけれど、私には好きな男子がいたのでふうんと興味ないふりだけしておいた。
そして今の私はスマートフォンを手にしてメッセージを送る寸前でもだもだと迷っている。文面はもう打ち込んであるのであとは人差し指で紙飛行機のアイコンをタップするだけ。
“明日、もし晴れたら夏祭りに行かない?”
その一動作を断られたらどうしようとか、明日晴れなかったらどうしようとか、いろんな不安が降り積もって行動に移せない。天気予報は終わってニュース番組が始まる。ごはんよ、と声が聞こえて晩ごはんの時間になる。スマートフォンを見つめて返信を待つ時間から逃れるためにえいやと紙飛行機を飛ばした私は、そこから逃げるように晩ごはんの準備を手伝った。
“晴れてなくても行こう”
ロック画面に映った返信を見て私が心の中でガッツポーズをとるのはもう少しあとの話。
落ち込んでクヨクヨしているカズオさん。
顔はどんより曇ってて、心の中はドシャ降りの雨。
そんな時もあるよ。落ち込みたい時はとことん落ち込んで。
でも、明日もし晴れたらビアガーデンにでも行ってみようよ。空の下でビールを飲んだら、心も晴れるかもしれないから。
路面電車に乗って
久しぶりの一緒のお休み
目立たないようにサングラスかけて
一緒に長靴買いに行こう
帽子も深めに被るから大丈夫
手をつなげないけど 家に帰ったら甘えたい
マッジョーレ湖に漂う美しい風。
富豪の息子ジョバンニはヨットのデッキで疲れた身体をラウンジチェアに預けていた。
あたりはさざ波の音が心地よく響いているが、彼はいつだって日々に飽いている少年のように退屈していた。
そんな時、彼の前に不意に謎の男が現れた。
その男は静謐な目をしていた。
「私と一緒に旅をしてみないか」
と男はジョバンニを誘った。
「一緒に旅をして何をするんだい」
ジョバンニが気のない様子で質問する。
「旅をしながら愛を伝えるんだよ。ただし、君は父上の財産の相続を投げ打つ覚悟が必要なんだ」
と男は真剣に告げた。
「ふうん、それは随分スリリングで面白そうだね。明日晴れたら答えはYESだ」
とジョバンニは口元に笑いを浮かべて応じた。
この時期この辺りの天気は陽射しが差し込む日々が続いている。
そう、明日も太陽は輝くだろう。
もうすでにジョバンニの決断は固まっていたのだ。
「明日もし晴れたら」
明日、もし晴れたならばあなたにひまわりを届けに行こう。
満開に咲く桜の木の下に永久に眠るあなたに二度と会えない寂しさと、悲しさと心に残る太陽よりも明るいあなたの笑みを。
明日、もし晴れたら
明日、もし晴れたら、電車に揺られて鉄道の旅に行くだろう。
その名も大回り路線の旅。合法のやり方で、一駅分の切符料金で千葉の房総が拝められる何ともお得感満載の小旅行だ。
私に鉄道マニアのてっちゃんこと、同級生の勇くんが、この方法を伝授してくれたのは、ノウゼンカズラがオレンジに輝く真夏の季節だった。
とにかく方向音痴で鉄道に疎い私に、勇くんは辛抱強く優しく鉄道の旅の楽しさを教えてくれた。
なのに…。人と人のお付き合いは案外難しいもので、小さな不満の積み重ねから、些細なことで言い争いになり、疎遠になってしまった。
今は縁がなかったのだろうと思うことにしている。
一緒に観た電車の車窓からの美しい景色も、久し振りに乗った日本一速い新幹線はやぶさで食べた駅弁の味も、トロッコ列車やSLのレトロ感も…。全ていい思い出として私の中にある。
私の尊敬するネルソン・マンデラ氏は、人を恨むより許すことが幸せになる鍵…というメッセージをくれたけれど、つくづくそうだよな~と考えずにはいられない。
人を恨まないと、一緒に過ごした時間は感謝に変わる。
そうは言っても、私は根に持つタイプだから、結構苦労した。マンデラ氏の言葉を、何度も何度も自分に言い聞かせる。
今でもたまに、モヤっとする時も正直ある。でも思い出に罪はない。
勇くんと疎遠になって2年が経とうとしている。
今年もノウゼンカズラは美しく咲いた。
天気予報は明日も晴れ。
電車に乗って、千葉の内房線外房線を楽しんでこよう。
鮮やかな思い出と一緒に。
#11 明日、もし晴れたら
[黄金色]
お天道様に感謝を込めて、参拝しよう。
早朝。
神社の境内には、
太陽の光が、拝殿に降り注ぐ。
やがて光は、千木に反射して、
まばゆい黄金色に輝く。
あゝ、この光景が見られるだけで、幸せだ。
もし、明日晴れたら
これまでの苦難も
陽射しを浴びるだろうか
人生、晴ればかりではなく
曇りや雨、嵐に雪
皆、陽射しを待ち望んで
日々を
年月を
重ねている
だから
もし、明日晴れたら
歓びが胸に溢れるのだろう
明日、もし晴れたら
私の気持ちも晴れるのかしら
明日からまた元気に生きていけるのか
天気にかかっているのね
お天道様に中々酷なプレッシャーかけちゃってるかしら
明日、もし、晴れたら
海に行こうか!
プールバッグ持って、電車に乗って。
電車のおともにプリッツとブルーベリーガム持って。
日差しを反射するキラキラのあの無人駅に着いたら、
風が吹いてね
すぐ、海が見えるよ。
真っ青な海と空。
ひまわりもきっと咲いてるね。
ね、海、行こっか。
「明日、もし晴れたら」
【明日、もし晴れたら】
恋人がいた。健康的で元気のある人だった。
でもそんな恋人は、ある病に悩んでいた。
「胸が苦しい」
「またか…やっぱ病院行った方が良いって」
そう言ってもなかなか首を縦に振ってくれない。
恋人の胸を摩っていると、一言置いてこちらに身を委ねた
「君といると胸が苦しくて、恋しくなる。」
そう言うことか。やっと意図がわかった。
「……あっはは、それは“恋”だね。」
明日、もし晴れたら君を海に誘おうと思っていた。
天気は、快晴。
君の部屋には、大きなてるてるぼうずがぶらさがってた。
僕は、一人で海にいった。
いった先で、君にあった。
また会えたね。
もうおいていかないでね。
明日、もし晴れたら…
このてるてる坊主たちは皆肩たたきに遭うねぇ…
No.77『明日、もし晴れたら』
明日、もし晴れたら公園に行こう。
きっと彼女も来るだろうから。
ああ、明日が楽しみだなあ。
『明日、もし晴れたら』
私は曇り空を眺め
ふと君を思い出す
思わず笑ってしまうぐらい
しょうもないことだ
明日、もし晴れたら
久しぶりに外へ出て
君に会いにいこう
変わり果てた私の姿に
笑ってくれるだろうか
「明日、もし晴れたら、ピクニックに行こうねー」
「うん!いく!ぴくにっく!」
お母さんと約束をしたあの日。
次の日は、雲一つ無い晴天だった。
まさに、ピクニック日和で、気候も丁度よかった。
ピクニックに行く用意だってしていた。
その朝まで、体調に何一つ異変のない健康だった。
キキーッと急ブレーキがなって、目の前が赤く染まる。目を開けるとあったのは、変わり果てた日常と心に空いた穴だけだった。
ずっと楽しみにしていた、ピクニックに最適な公園の目の前にある十字路。
そこには、あの日から数束の花が添えられている。
窮屈なほどぐっと電柱に縛られているその花は、お父さんによるものだった…らしい。
私自身、父親の顔をみたことがないのでよくわからない。自分の心をぎゅっと締め付けている、お父さんがいたら、母は助かったのではないかという疑問。
そんなこと考えても、もうどうしようもないのに。
今日は、母の命日。
「明日はお盆だね」だとか、
「今日は、ピクニック日和だね」だとか。
くだらない話を無機質な石に聞かせてあげる。
「明日、もし晴れたらサンドイッチ持ってくるよ」
「明日はピクニック日和だといいね。」
明日なら、きっと―――
とびきり早起きして軽めの朝ごはん
ちゃっちゃと掃除機かけて
その間に洗濯機回して
ささっと洗い物
できた洗濯物をパリッと干したら
解放の時がきた!
さあ何をしよう
本を読むか、録り溜めた番組を流すか
いやいやおやつをお供にゲームでしょう
待って、曲聴きながら編み物したかったのを思い出した
お出掛けもいいな
図書館で本の空気をいっぱい吸いたい
いやいっそ本屋に行くのはどうだろう
服みて雑貨みて、あのお店でお昼ごはんをすませるのはどう
いつも頑張っているんだから
たまの一日くらい
自由に弾けてもいいじゃない
そう思いながら
現実は一日中お布団の世界の住人なんだよなあ
明日、もし晴れたら
心も体もお布団の外へ旅立ってみようかなあ
あした天気にしておくれ!
あした天気になあれ!
*明日、もし晴れたら**
明日、もし晴れたら
君に告白しに行くよ。
適当だって?
だって今日も明日もいつだってここは雨だから
絶対に叶わないんだよ。
だから
絶対にありえないけど
明日、もし晴れたなら
君に告白をするね
─────『明日、もし晴れたら』