『明日、もし晴れたら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
明日、もし晴れたら
明日の天気予報、晴れ…毎度ながら、溜息の連続…あまりの暑さに蒸発しそう…
「『ところにより雨』、『いつまでも降り止まない、雨』、『梅雨』。雨系のお題が多い中で、『晴れ』のお題はなかなかに新鮮な気がするわ」
テレビでニュースで台風情報等々を確認しながら、スマホで明日の天気を確認する某所在住物書き。
予報では、明日は雨が降る確率の方が低く、「もし」も何も、どうやら晴れる予想のようであった。
「今日は東京近辺等々で酷い雷雨があったし、沖縄は台風で晴れどころのハナシじゃないし。双方停電被害とかあったんだっけ」
お題と全然関係無いけど、防災用の備えとか何とか、確認しとこうかなぁ。物書きは文章投稿そっちのけで、備蓄食の賞味期限チェックを初めてしまい……
――――――
今日の東京は、一部地域で酷いゲリラ雷雨だった。
職場のお昼の休憩室、誰が観てるか知らないけど、テレビモニターに映ってる情報番組は、
某お空ツリーからの映像ってことで、灰色だか白だかの雲と、同じく灰色だか白だかの雨を、ワイプのおっちゃんの「わぁ……」って顔込みで映してる。
ウチの職場の降雨状況?うん(お察し)
「これ、明日晴れたら、蒸し暑くなるやつ?」
ランチ中のおしゃべりも、まずはこの雷雨から。
「どうだろう?天気関係は、不勉強で難しい」
テーブルで向かい合って、食費節約のお弁当広げて、私は甘いカフェラテ、長い付き合いの先輩は昨日同様眠気バイバイ系ドリンク。
「けれど、お前が言う通り蒸し暑くなるとしたら、明日は35℃の猛暑日予報だから、地獄だろうな」
昨日から、先輩は睡眠不足で、ほんの少しだけ体調悪そうにしてる。夢見が悪いらしい。
仕方ないといえば、仕方ない。
だって8年逃げ続けてきた初恋相手、先輩の心をズッタズタに壊した「加元」っていう人と、先日バッタリ会っちゃったから。きっと、それが原因だ。
なお遠くでは、常時正論マシンガンをブッパしてる中途採用君と、今年の3月いっぱいでウチの部署から別部署に左遷になったオツボネ「元」係長が、
誰も観てないテレビを付けっ放しにするより、テレビ消してエアコンの設定下げた方が電気代の良い使い方じゃないんですか、
って言いながら勝手にテレビ消そうとしたり、
あなた、自分が全部正しいと思って全部思い通りに捻じ曲げてたら、そのうち誰も構わなくなるわよ、
なんて自分自身に特大ブーメラン投げてたり。
今日も私たちは平和です(なおブラックに限りなく近いグレー企業の模様)
「蒸し暑くなったら先輩溶けちゃう」
「溶けるだろうなぁ。寒さは得意だが、反対に暑さに私はめっぽう弱いから」
「どうするの?リモートワーク申請行く?」
「ひとまず明日出勤して、無理そうだったら金曜日まで一括で申請を出す。今週いっぱい35℃前後で推移して、来週は雨で少し気温が下がるようだから」
「大丈夫?」
「明日次第。まぁ、なるようになるさ」
そもそも私達、この雷雨帰宅までに止まなかったら、どうなるんだろうね。停電とかしたら困るね。
そんな話をして、たまに例の中途採用君とオツボネさんのマシンガン vs ブーメランを見たりしながら、
お弁当突っつくなり、コーヒー飲むなりして、昼休憩をいつも通り過ごした。
中途採用君とオツボネさんのトーキングデュエルは、最終的に「今日は台風とかゲリラ雷雨とかの情報欲しい人が居るかもしれないから」ってことで、中途採用君が降参したらしい。
【明日、もし晴れたら】
あんまり暑すぎるのは嫌だなぁ~
ほどほどの日差しの中を歩いてみる?
それとも木陰で読書?
さてさて、どんな明日になるのだろう
(本当に久しぶり。お題のお知らせが来るたび、今日は書こう!今日はアップしよう!と思いながら気持ちが乗らなかったり億劫になったり暑すぎたり…言い訳だけどね。8月になったので心機一転。たとえ数文字でも何か書いて残していきたい。お題によっては浮かばない時もあるのだけど💦 でも中身のない文章もまた一興、それも私。皆さんの文章を読んで、なるほどなぁ…と頷いたり感動したり…ささやかなひとときを過ごしたい)
明日、もし晴れたら
シャボン玉でもしよう。
ぷくーっと、
ふわふわと、
パチン。
"明日、もし晴れたら"
空が濃いオレンジ色に染まる夕方、病院の中にあるちょっとした休憩所で2人、テーブルを挟んで座り紙コップに満たされたコーヒーを片手に話をしていると、
──ゴロゴロ…。
遠くの方で雷の音がした。と、思ったら数十秒後再び雷の音がする。
「音がさっきより少し近いな。」
窓の外の空を見上げながら感想を述べると、向かいに座る大我を見る
「…。」
と、明らかに顔が強ばっていた。肩もいつもより少し高く、テーブルの上をジッと見つめたまま体を固くしている。
「…雷が怖いのか。」
そう聞くと顔を、バッと上げて
「はぁ!?別に、怖かねぇし。」
図星だな。声が明らかに震えていて、語尾も分かり易い程に上擦っている。こういう時くらい素直になればいいものを…。
などとやっていると、また雷が鳴った。やはりさっきより近い。遠くの、雷の鳴った方の空を見ると曇天が広がっているだけで、雨が降っている様子は無い。幸い大我が雨に打たれて体を冷やす事はない、が。天気予報のアプリを開いて確認すると、この辺りでは今日の夜中から明日の深夜にかけて落雷の予報が表示されていた。
──ゴロゴロ。
先程より一際大きな雷が鳴った。
「〜ッ!!」
先程よりも体を縮こまらせ、目を固く閉ざしてフルフルと震えている。コーヒーを飲もうとしていたのかテーブルの上の、まだコーヒーが半分以上残っている紙コップを持ち上げる事なく握ったまま固まっている。大我が震えている事で紙コップの中のコーヒーの表面に波紋が短い間隔で広がっている。
震えが止まらないまま紙コップを握るその手に、腕を伸ばし自身の手を重ねる。大我が、先程まで固く閉ざしていた目を見開き、バッと顔を上げる。手や肩の震えは止まったものの、その表情はまだ強ばっていた。どうにかして気を紛らわせてあげなくては。
「明日晴れたら、花壇の花達を見に行こう。」
提案すると、大我は「え?」と言う様な顔で見つめてきた。
「以前見に行った時に、まだ蕾だったのがあっただろう?明日、その花が咲いているか見に行こう。」
「あ、あぁ…。そう、だな。」
返事の歯切れは悪いが、力が幾らか緩んで表情も少し柔らかくなった。
「一体どんな花を咲かせているんだろうな?」
そう問うと大我は小さく、ハハッと笑う。
「気が早ぇよ、まだ咲いてるかどうかも分かんねぇのに。」
「…そうだな。」
──良かった。いつもの貴方に戻った。
そう思いながら大我の言葉に返事をする。もう先程までの、恐怖で縮こまり強ばっていた大我の姿はどこにもなかった。すると「えっと…。」と小さく声を漏らした。「どうした?」と聞くと恥ずかしそうにモゴモゴと応えた。
「その…、手…離せよ…ここ、公共の場…。誰か来たらどうすんだよ…。」
そういえば大我の手に手を重ねたままだった。
「あぁ、そうだったな。済まない。」
そう言って、手をそっと離す。離すと、握っていた紙コップを持ち上げ、コーヒーをズズ…と小さく音を立てながら啜る。小さく辺りを見回すと自分たち以外に人がいなかった。誰かに見られてはいないようだった。それにここは人通りの少ない廊下に面している場所だ。通りがけに見られた、という事もなさそうだった。
「そういう問題じゃねぇよ。人が少ねぇからって、一応、公共の場なんだからよ…。いい加減弁えろよ。いつまでもそんなんだったら、いつかボロが出んぞ。まぁ、隠してる訳じゃねぇけど…。」
と、俺の思考を読み取ったかのような言葉を口にする。やはり貴方には敵わないな、と感心する。
「そうだな、配慮が足りなかった。同性同士の交際を良く思わない人もいるだろうしな。」
そう言葉を返すと大我は「そうだけどよ…。」とまた口ごもらせながら呟く。
「"だけど…"、何だ?」
「拾うなよ…。その、ただ…単純に、恥ずいんだよ。…人通りのある場所で、あぁいう事されっと…。」
恥ずかしそうに頬をほんのり赤く染めながら応える。その姿が、いじらしく可愛い。
「んだよ。なんか碌でもねぇ事考えてんじゃねぇだろうなぁ?」
あぁまずい、機嫌を損ねてしまった。
「いや、済まない。そうでは無くて、な。…幾らかは紛らわせられたか?」
ここまで話している間にも何度も雷が鳴っていて、その音も少しずつ大きくなっていた。そう聞いてすぐ後にも雷が1つ鳴った。だが
「あぁ…。まぁ、何とか…な。」
そう応え、小さく「ありがとよ。」と礼を言ってきた。もう恐怖に怯える大我は居なくなった様だ。
「そうか。…明日、楽しみだな。」
そう聞くと大我は柔らかく、フワリと微笑みながら
「あぁ、そうだな。綺麗に咲いてるといいな。」
と応えた。いまだに鳴る雷の音を聞きながら、恋人の1番好きな表情を目に焼き付けていた。
『終わり』
…この頃ずっと雨だ。
もう何年も、何年も太陽を見ていない気がする。
地球はずっと泣いている。
苦しくて、泣いている。
明日、もし奇跡的に晴れたなら、
私は死ぬことにしよう。
お題:《明日、もし晴れたら》
明日、晴れたら
きれいな青空を見上げよう
目の前にそびえ立つ山々を
キラキラ輝く星たちを
見上げよう
もしも 明日 心が晴れたら
いつも見えている景色が
違って見えるかもしれない
そんな明日が来ますように
_明日、もし晴れたら。
早起きしてみようか。
三文の徳というし、
どこか遠くへ遊びに行ってみようか。
_明日、もし雨なら。
昼まで寝てみようか。
陽が高くなるころに起きて、
そのままだらだらと過ごしてみようか。
まあでも、決めるのは明日のあたしだし。
明日の朝でも、遅くないはず。
ああ、もう寝なきゃ。
どっかで見てるカミサマが、きっと良くしてくれる。
2023.8.1 明日、もし晴れたら
明日、もし晴れたら
晴れだと思う
天気予報だとたぶん
晴れなくても予定はこなす
晴れなくちゃ出来ないことはあまりない
明日、もし晴れたら
今日は雨でも降ってたのかな
明日も、もし雨ならば
雨かーって思う
明日、もし晴れたら
晴れてるなって思う
特に考えてない
天気に左右されることって
優先順位が低い事柄だと思われる
だからどうってことはない
天気予報だって1週間で見てるから
他の日と要相談になる
もしもなんて
天気は予報されてますよ
気分が雨で
明日を晴れにしたいなら
いったん雨から離れるだけでいいよ
雨にこだわってるのはあなたです
人間って基本的に何かに酔っている
酔いたがっている
それが何かってだけの違いかなっと思う
酔うのはいいけど
他人を巻き込まないようにね
お題:明日、もし晴れたら
明日、もし晴れたら、頭痛も治まってるだろうから、きっと体調も良くなって、鬱々している気分もなくなって、少しは元気になっていて、映像を見ても気分は悪くならないだろうから、楽しくゲームなんてできたりしちゃって、それから映画なんて見ちゃったりして、たまには外に出られるかもしれないから、チケットなんて取っちゃおうか。
晴れていたところで頭痛は治まらない。体調も良くならない。鬱々した気分は消えやしない。元気にはならない。映像なんて見れやしない。したいゲームも見たい映画も無い。外になんて出られない。チケット購入なんてできやしない。
知っている。経験済みだ。目的はそれじゃない。
今の恐怖から目を逸らし
明日晴れたらの言い訳を重ね
先延ばしの夢を見させて
明日も明後日も
暑いんだろうなぁ
外の仕事の方々
身体に気をつけて下さい
まるで赤道直下です
いつからか南国並みの気温に
いいお天気ではありますが
空気の質量が多くて
圧迫感がしんどいです
コレが週末なら
何処行こうかな
なんて呑気に謳っているのかも
皆さん
こまめに休憩と水分を
お願いしますね
自分に無いものが他人にあって
それってすごいなぁ、
ってなんでそれで終わらないんだろう
陰口、妬み、憎悪に
足を引っ張り、法螺を吹いて、
そんな奴等ばかりだ
‥あぁ、吐き気がする
地位の為に見て見ぬふりする
お偉いさんもまた然り
死にたくなるのも分かるよ
それもいいと思う
逃げたくなるのも分かるよ
それでいいと思う
でもそれが出来ずに
歯を食い縛って生きる
拳に爪が食い込んで
見えない血を流してる人もいる
失いたくないものがあるから
守りたい何かがあるから
辛いよな、苦しいよな、
何もかも分かったような面されてさ
あぁでもない、こうでもない、
バカにされてさ
明日、もし晴れたら
いや、明日もし晴れても
何も変わりやしないから
世界が終わってしまえばいい、と
そう思う僕もまた
ひどい人間なのかな
「明日、もし晴れたら」
あした もし 晴れていたら
マリーゴールドの花束を持って
君に会いに行こう。
君の笑顔がオレンジ色の花に囲まれて
キラキラと輝くだろう。
あした もし 曇っていたら
かすみ草の大きな花束を持って
君に会いに行こう。
そよ風に揺れる小さな妖精たちは
君のふわふわの髪にとても似合うだろう。
あした もし
雨が降っていたら
青いリンドウを1輪だけ持って
君に会いに行こう。
君はまつげを伏せて
リンドウを見つめ
深い蒼だね、というだろう。
あした もし晴れたら
いや あした もし
どんな天気であっても
僕はきみに会いに行こう。
花束に
小さな指輪の箱を忍ばせて。
「明日、もし晴れたら」
あっけらかんとしているが、遠目に見ると少しぼやけた、
夏の空にぴったりの音楽を探す。で、それを聴きながら外に出る。
ほっつき歩きながら、かといって炎天下の中を歩き続けるのも辛いので、どこかのカフェでアイスコーヒーでも飲み、
あわよくばパンケーキを食べる。
化粧が落ちてきたな、と思ったらトイレに駆け込み、ちょっとだけ直してから、
なんの気なしにスマホをいじり、Youtubeを見たり、こうして文章をメモ帳アプリで書いたりしながら、
どこか面白い場所を探して時折ネットサーフィンをする。
見つけ次第、勢いに任せてその場所に行ってみる。
明日、もし晴れたらしたいこと。
別に、いつも通りである。
《短編 ポエム小説》
“もし明日晴れたなら”
喧しく鳴く蝉の声をBGMにしながら、庭に放置したままのハイビスカスの鉢植えを雑草から救助していた。
日避けの麦わら帽子の下の額から大粒の汗がポタポタと音を立てながら足元の乾いた土の上に滴り落ちるのにも、すっかり慣れてしまった。
こんな炎天下の空の下では付近に蝉以外の気配を感じることは出来なかった。ニュースでは狂気と化した熱波が世界各地で被害者の数を積み上げ、世紀末さながらの天変地異にある種の人々は言い様の無い絶望を感じていた。各国の政府やメディアは人々に希望を失わずに前向きに生きて欲しいと願いながら、それとは真逆のサバイバルのようなドキュメンタリーを日々流し続けるしかなかった。
びっしりと雑草に覆われた鉢植えを逆さにして、軽くハイビスカスの茎を引っ張るとカラカラになった根と土がスポッと心地よく飛び出た。雑草を摘まんで綺麗に省きながら、灼熱の様の周囲を見回すとアチコチに然り気無く飛び立っていった蝉の殻が残っていた。何十年も飽きもせず嘆きもせず今でもまだ儚い生命活動をしている相変わらすで有名な短命生物は今頃お目見えなのかと少し不気味な佇まいの殻をしばし眺めていた。
こうやって何かで気を紛らわすのは悪くない。時代の変わり目に多くの人々が濁流のように流されかき消されていった虚しさは私だけのものではないだろうが、例えるなら胸の中が空洞化した底なしのブラックホールのようで。
人によってはこれを絶望と解釈して何らかの痛みと捉え悪い思考に陥るだろう。別の人は虚しさや不安を感じているだろうか?人間が感じうる中でこれ以上悪い心地があるだろうか?と考えた時に、私はこれが絶望ではないことに気がついた。これが絶望ならばもう私にはどうしようもなかった。人間追い詰められた時には普段は解らないことを発見したりするんだとやけに落ち着いて考えた。
一見絶望と感じるこのブラックホールは実は白紙のように新だった。真っ白い新品を絶望のブラックホールと間違ってはいけない。この感覚。これは絶望のようで絶望ではないのだと理解出来て幸運だったと思う。人間は感じたことの無い感覚に行き当たると対処の仕方が解らずに絶望だと思ってしまうのだろうか?絶望ではなく新たなスタートのための白紙のような心に感情。気がついた。
資本主義色の強まった世界は残酷な面もあった。社会は人々の内面には無関心だった。皆戸惑いながら誰かを助けられずにいた。資本主義社会を上手に生きている人々は多くはいないように見えた。私自身も気がついたならなぜ真っ直ぐに脇目もふらずに未来に歩かずにこんなに根暗な書き物をしているのか、一体誰ならわかるだろうか。
この白く漂白された新たな感情は単純明快だった。そしてとてもシンプルだ。男性はこれを絶望ととるだろうか?女性は私と同じように新たな門出ととるだろうか?真昼の夢の中のような真夏の白い陽射しの下で、音も無く変わり行く世界の静けさを眺めながら“生き残る”ただそれだけを思っていた。
みゆき
僕の母は病気だ。僕は晴れの日だけ会いにいく。雨の日は母の調子が良くないからだ。今まで僕を守って、支えてくれたのは母だった。本当は今僕が支えてあげないといけないはずなのに僕の心の中はまだ元気な母のまま止まっている。だから弱っている姿など見ていられるわけがないのだ。でも母の最後が近いことくらい僕にもわかる。受け入れなきゃいけないんだ。どれだけ辛くても今一緒にいないと後悔するのは僕だから。でもこう思うのも何回目だろう。結局は母の生命力を信じてしまう僕がいる。受け入れられる日は来るのだろうか。明日、もし晴れたらこの気持ちを伝えてみようか。
明日、もし晴れたら
うちの子猫、昨日今日は
ちょっと体調が悪かったようで
気分がふさぎ気味だった。
明日は、晴れるといいな。
もし晴れたら、自転車を漕ぎ出そう。
#50 明日、もし晴れたら
明日、もし晴れたらなんて
天気の所為にしないよ
晴れなくなって
なんだってやるよ
雨だって味方にするよ
馬鹿にするなよ
死なないことに必死なんだ
浅ましい人間を真っ当するのに
血を吐いているんだ
地球に対する迷惑行為だと
どこか自覚しながら
意味の分からない最寄りのプラットフォームで
明日もまた
惰性みたいな眩しい日差しを浴びている
題.明日、もし晴れたら
空の上にいる君にも、きっと逢えるね。
明日、もし晴れたら、日が昇らないうちに鳥を飛ばそう。あの人が私のためだけに作った鋼の鳥を、あの人の居場所へ向けて飛ばせよう。一週間前の約束を覚えていると、あの人に知らせるために。
あの人は声を待っている。私を本気で受け入れる気持ちがずっとくすぶっている。今か今かと心待ちにするあの人の顔が浮かんで離れない。
鳥が届き次第、必ずあの人は迎えに来る。そうしたらすぐにでも私は寝床を抜け出して、彼の腕の中へ飛び込むだろう。いつ帰るとも知れない、この家を背にして。