明日、もし晴れたら、日が昇らないうちに鳥を飛ばそう。あの人が私のためだけに作った鋼の鳥を、あの人の居場所へ向けて飛ばせよう。一週間前の約束を覚えていると、あの人に知らせるために。あの人は声を待っている。私を本気で受け入れる気持ちがずっとくすぶっている。今か今かと心待ちにするあの人の顔が浮かんで離れない。鳥が届き次第、必ずあの人は迎えに来る。そうしたらすぐにでも私は寝床を抜け出して、彼の腕の中へ飛び込むだろう。いつ帰るとも知れない、この家を背にして。
8/1/2023, 2:08:11 PM