『懐かしく思うこと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題 懐かしく思うこと
立っているだけで汗が滲む、そんな夏になると思い出す。
アイスの味、あなたの声、女の子の赤い顔。
私じゃない誰かにあなたが告白した時のことを。
それは体育館裏でのことだった。
ソーダアイスをかじりながら、居残りだったあなたを学校まで迎えに来ていた。
そんな時、聞こえた。あなたの声が。
「好きです!付き合ってください!」
体育館裏から聞こえたその声は紛れもなくあなたのものだった。
私の手からアイスが落ちる。
信じられなかった。信じたくなかった。
女の子が頬を赤らめながら小さく頷くのも、あなたがみたことないくらい嬉しそうな顔をしているのも。
私の目から流れる涙も。
嬉しいはずだった。あなたが喜んでいるのが。
愛おしいはずだった。ベタな告白の場所を選び、ベタな告白の仕方をしたのも、全部。
でも、どうしようもなく悲しかった。
〈懐かしく思うこと〉
公園の砂場でダイヤだと騒いで硝子の小さな欠片を集めたあの日。蝉の抜け殻を見つけてブローチのように胸に付けて遊んだ日。「三時に公園集合な」と声をかけたのに、誰も来なくて、一人でブランコを漕いだ夕暮れ。
あの夕陽の中で、僕は君に出会った。
「何年生?」
透き通るような肌をした女の子。僕はあんまりこのへんで見たことのない子だな、と思った。
彼女は首をかしげて、しばらく答えなかったので、「ぼくは四年生だけど」と口早に言った。
じゃあ、同じだね。
彼女の口が滑らかに動く。朱をさしたような唇が色白の肌のせいで、より際立って見えた。
「え、何組? 同じ学校?」
見たことないけどなあ、と言うと、彼女は少し微笑んで、おばあちゃんの家に遊びにきているの、と言った。
だから、おんなじ四年生だよ、と。
当時の僕は、空気の読めないクソガキで、虫と恐竜とゲームにしか興味がなかったので、こんなに綺麗な女の子と話しているのに、あんまり重大なことだと思っていなかった。僕はズボンのポケットをまさぐって、さっき拾った匂い付きペンを握りしめた。これをあげたら喜ぶだろうか、と。
目の前で手をぱっと開くと、彼女はふわっと笑った。
「インクは出ないけど、においがするんだよ。せっけんのにおいなんだ」
得意げにガラクタを説明する僕に彼女が不思議そうな顔をする。ちょっと迷ったように周りを見渡してから、お返しに、と手を差し出した。
彼女の手にはいつの間にか、青白く光る小さな石があった。いままで見たことのない綺麗な石だった。
「好きです」
初めて告白した日は台風の日だった
ゴオゴオと唸る強風のなか
一緒に信号待ちしてたチャンスを
見逃したくなくて
「え、何?聞こえないよー!」
豪雨にびしょ濡れになって
雷も鳴るなんてバッドタイミングだったけど
「大好きなんだー!」
2回目の告白は大絶叫
驚いて振り向いた彼女は傘を投げ捨てた
「知ってるよ」
暴風雨に負けないようにって
僕に抱きついてくれたんだ
そうだったよね?
僕の…愛しい花嫁さん?
#懐かしく思うこと
息やめた今になってシーツと秒針の音
(懐かしく思うこと)
#懐かしく思うこと
皆おなじ、生きているから~♩
1人にひとつずつ、大切な命~♩
お母さんがよく歌ってくれた名前も知らない歌
『 …これ、欲しい… 』って初めてお願いして
買ってもらったクマのぬいぐるみ
ずっと寝る時この子をぎゅってしてます
#あとがき
こんばんはっ、!
今回、遅くなった💦
懐かしく思うことかぁ…
___お母さんと手話でお話した事とか…
いっぱいあって、何書いたらいいか分からなかった(笑)
やさしくて、かっこいいお母さんが歌ってくれた歌を聞く度に泣いちゃってたのは良い思い出です
もう聞くことはないけど
では、おつ〜!
~ 99 もっと読みたい! ありがとうございます!~
(2023/10/30 21:20:01)
将来の夢は何ですか?
小学生の頃の僕は、元気よくはっきり答えていた。
「サッカー選手」
中学生の頃の僕は、恥ずかしそうに答えていた。
「漫画家になりたい」
高校の頃の僕は、・・・
「将来は安定した職業に就きたい」
今の僕は、・・・
「夢なんて現実的じゃない。叶えられそうな目標を立てる。」
歳をとるにつれて、夢は無くなっていく。
自分が何に向いていて、何に向いていないかを知り、自分より優れている人は山ほどいて、夢は消えていく。
未来に向かって、希望を純粋に抱きながら、まっすぐ言葉にすることができた子どもの頃の自分が懐かしい
私が懐かしく思うこと、
それは「将来の夢をはっきりと言えていた子どもの頃の自分」
そうだ、家族になったと思っていたけれど
そんなわけないよね
わたし甘い認識で申し訳ないです
わたし一人の我儘で
皆さんに大変なご迷惑をお掛けして
本当にろくな人間ではありませんね
早く消えてしまいたいけれど
黙ってサンドバッグになれば
いいのだとやっと気付いたんです
許して下さい
わたしには最早ゆく所もない
自我を持ってはいけない
口は決して開かない
お望み通りの下僕でいいのだ
迷惑を掛けず
ただただひっそりと佇んでいればいい
だって元々つまらない人間ですから
あなたの笑顔
あなたの横顔
あなたの声
あなたの瞳の輝き
あなたの掌の温もり
あなたの大きな背中
あなたの…
あなたの…
懷かしく思うのは
すべて
あなたのこと
この世では
もう二度と逢えない
あなたのこと
# 懷かしく思うこと(317)
【懐かしく思うこと】
見慣れた空き地に一軒家が建つたびに、ため息をつく。
中高の六年間、俺はただひたすらに同じ道を歩いた。
浮間舟渡から芝浦工大中高までの片道十五分。
高価の下のハトフン臭い駐輪場を抜けて、空き地の横の細い道を行く。そして荒川を渡る橋。日差しを遮るものがない三分の道のり。
橋を行く学生はみな、夏の暑い日には柱のアーチの影の上を歩いていく。
橋を越えても面白いものは無い。
整備されていない遊歩道からオリンピックを渡り、環状8号線の広い横断歩道へと出る。
そこは本当にただの道で、店がない訳では無いが、人間の体感としては本当に何も無い。
横断歩道を渡る。何らかの車のディーラーがある。
大通りから一本入ればマンションばかりの味気ない住宅地だ。住宅街ではない。断じて。
そしてもう左手には学校がある。
網の向こうに、ゴム製のグラウンドで、運動部が朝練をしている。
緑色の母校。
もう、そこには何も無い。
もはやそこすらもマンションに飲み込まれた。
だから俺が思い出せる、懐かしむことの出来る、そして感傷のために辿り着けるのはその道だけだ。
通学路にこそ、俺の思い出がある。
大人ぶっていた思考は
今となってはお子ちゃま考え
だったなぁとか。
あの時は楽しかったなぁとか、
後悔とか、妬ましさとか、
どうしても今の自分と
比べてしまう。
そして
そんな今の自分と比べる
どうしようもない自分が
また未来で
あの時は楽しかったなぁとか、
言うんだろうなぁって。
–懐かしく思うこと–
思えば、人生は「楽しい」で構成されていた。
家族で行った遊園地、友達と映画みたり、大好きな漫画を読んだり、他人との他愛ない話などなど。
思い返してふふっと笑えるような楽しい思い出しかない。
…楽しかったなあ。
でも、これからは今以上に楽しいことが待ってるはず。
だから、だから今さえ耐えればいい。それでいいんだ。耐えさえすれば。
耐えれるかなぁ。
「次の方ー」
ごくりと唾を飲む。
来てしまった。
やつの順番が。
覚悟を決めて椅子に座る。
「はいチクっとしますよー」
そんな簡単に言うけどチクっとどころじゃないんだよ看護師さん。
感覚的にはぶすっなんだよぶすっ。
注射器を腕に突き立てられた。
目を閉じて見ないようにする。
どうやら終わったらしい。
耐えた!!耐えたぞ!!耐えられた!!
ご褒美にコンビニの新作スイーツ買ってこ。
『懐かしく思うこと』
『懐かしく思うこと』2023.10.30
同窓会の帰りに、昔よく遊んでいた場所に行くことは、ベタな行動だと分かっている。それでも、そんなベタな行動をとったのは、俺たちが酔っぱらっているからだろう。
高校生の頃によくたまり場にしていた、タコの遊具のある公園。久しぶりに訪れたその場所は、すっかり様変わりしていた。
あれだけ異彩を放っていたタコの遊具は無くなっていて、ジャングルジムもブランコも無くなっていた。
あるのはベンチと砂場だけの、ただの広場になっていた。
「あらぁ、なんもないね」
残念そうにコイツは言う。
経年劣化と、最近のアレコレで公園から遊具が消えている。それはここの公園も例外ではなく、危ないからという理由で広場になってしまったのは、噂で耳にしていた。
噂を聞いたころはなんとも思わなかったが、コイツと一緒だと寂寥感に襲われて鼻の奥がツンとなった。
あれがあそこにあって、それがここにあってとコイツと二人で公園を歩く。
ジャングルジムでは当時つるんでいた不良仲間と、近所に住むガキどもで高オニをした。タコの遊具では雨の日に、ヤツと雨宿りをした。
そんな日々を懐かしく思うのは、俺たちが大人になったという証しだ。
「鬼ごっこやらねぇか」
「いいね、やろう」
俺の提案にコイツは迷うことなく頷く。
どっちが鬼かどうかは関係ない。
俺たちが青春を過ごしたこの公園の、在りし日を思い出すように、俺たちはぶっ倒れるまで走り回った。
稲の香り
畳の香り
桐の香り
汗の香り
優しさの香り
全てが優しい人です。
今でも心の奥に生きているから
夢で会う時はいつも温かく優しい人。
あの日に帰れない今だから
余計に逢いたくなる
悲しくて嬉しい次に会う日。
懐かしく思うことなんてもう無い
なぜなら、会いたくてたまらなかった彼女がこの世界に来てくれたから。
『…私が来た、なんてね』
「!…っ…」
涙が溢れて止まらない、今声を発しても情けない声が出るだけだ。もう夢だとしてもいいと思った。
これが走馬灯だとしても構わない。また彼女に会えたから。
「!?誰だ…なぜ俺たちを助ける?」
「でも、ありがたいですよボスキさん!!とりあえず、話は天使を片付けてからです!!」
2人の声が遠くに聞こえる。
『この白いのがこの世界のヴィラン、なのかな?』
けど、彼女の凛とした声はハッキリと聞こえた。
「そうっす、俺たちの世界の敵…天使っす」
答えると彼女は俺を抱えて安全な所に一瞬で運んだ。
『待ってて』
そう告げる彼女はとても頼もしくて、思わず気が抜けてしまいそうになったが、慌てて気を引き締め直す
「天使の攻撃を受けちゃダメっす、跡形もなく消えるんで…」
『うん、わかった』
「俺もっ…」
『今だけは、守らせてよ』
せっかく君の世界に助けに来れたんだから
呟く彼女の目は少し潤んでいた気がした。
懐かしく思うこと…
学生時代。
社会人になった頃。
一年前の旅行。
数ヶ月前の遠出。
大人になるにつれ
懐かしくなるスパンは短い。
懐かしく思うこと
それは罪ですか?
今はもう記憶の中にしか存在しない場所
帰りたい場所
多くの思い出が詰まっている場所
そして様々な感情が生まれた場所。
出会いと別れの場所
忘れられない場所。
そんな、自分の心を全てを置いてきたかの様な場所
そんな場所に帰りたいと、戻りたいと思うことは
罪ですか?
私にはもう、そこ以外生きたいと思える場所はないというのに…
今いる場所が自分の居場所ではないと、
いるべき場所ではないと思えるのに。
桜が咲き始めると必ずあの春の日のことを思い出します。私たちの結婚に反対なさっていたあなたのお母様を、山へ埋めに行きましたね。そのときの桜の匂いと柔らかい風。土を掘るあなたのいつになく真剣なお顔。すべてはっきりと覚えております。お天道様の下でお散歩をすることも子をもうけることも私たちには叶いませんでしたが、最後までおそばに置いていただき私は大変幸せでした。
近しいときがあって、でも、近しいままでは「懐かしい」とは思わない。離れている今があって初めて、懐かしさが生まれる。そして、大抵の場合、本当の意味で戻ることはできず、「懐かしい」と思うことで擬似的に距離を縮めているのだ。
/お題「懐かしく思うこと」より
あんなに大好きだったのに
あんなに分かり合えていたのに
あんなに、笑っていたのに
何を間違えてしまったのだろう。
けれどももう、過去のこと。
眩しく懐かしく感じる、夢のようなもの。