『懐かしく思うこと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
平成レトロガチャなるものが流行っているらしい
あの頃たれパンダ可愛いかった
「えっと、ちびたちの面倒があるので、学校内だけでよろしく」
そう言って、季節外れの転校生は軽く頭を下げた。
「あれ、帰らないの?」
放課後。各々が部活動へと移動しまばらになった教室内。
座って熱心に雑誌を読んでいる転校生を不思議に思って声をかけた。
「お世話が何とかって言ってたけど、大丈夫なの?」
正面に立った事で影ができ、そこで漸く自身に対してかけられた事に気づいたのだろう。顔を上げ、不思議そうに目を瞬かせた。
「誰?」
問いかけには答えずに逆に問い返され、自分の後ろにいた親友の笑いを噛み殺したような声が聞こえた。
最初の挨拶の時から自由だった転校生は、その後も自由な言動が目立っていた。そのため転校生という肩書きにも関わらず、周囲の質問攻めという名のイベントは発生しなかったようだ。
「クラスメイト。名前は曄《よう》。こっちが黄櫨《こうろ》。それで、帰らないの?」
「なんで?」
首を傾げて聞き返される。
本当に自由だ。ふふっ、と噛み殺しきれなかっただろう背後の笑い声に少しだけ疲れた気持ちになりながらも、溜息を噛み殺して口を開いた。
「だから誰かのお世話があるんじゃないの?」
その言葉に、また目を瞬かせ。納得したように頷いて黒板の上の時計を見上げて時間を確認して、また雑誌に目を落とした。
「まだ時間じゃない。だから今の内にこの辺りを確認して置かないと」
転校生の返答につられて雑誌を見る。
どうやら雑誌と思っていたものは、この周辺の簡易的な地図らしかった。可愛らしく描かれた動物のイラストが、付近にあるおすすめの店を紹介している。
「地図?」
「そ。どこに何があるか、頭に入れといて損はないから」
地図から目を離さず答える転校生は自由というよりも、こちらに興味がないようだった。
これ以上は何を聞いても答えはもらえないだろうなと思いつつ、ずっと気になっていた事を口にする。
「あのさ。どこかで会った事ない?」
「ナンパ?」
背後で崩れ落ちる音がした。
振り返り呆れた目で見下ろせば、押し殺せなかった笑い声を漏らして蹲る親友に、ごめんと途切れ途切れになりながら謝罪される。
「だ、だって、なん、ぱ。ふふ、なんぱ、だって。あはは」
笑いのつぼに入ったらしい。しばらくはこのままだろうと判断して前に向き直り、違う、と否定する。
「なんだか懐かしい気がしたんだよね。だから会った事あったのか聞きたかっただけ。ナンパじゃない」
「気のせい。会った事も見た事もない。おそらく、懐かしく思うのは名前じゃないの?」
「名前?」
言っている事が分からず聞き返す。
「そ。名前。朝に前で自己紹介した時に、黒板に書いた名前に反応してたし。名前言った時も反応してたし、それじゃない?」
地図の上に指で名を書く。
――玲。
その字を知っていた。
彼女の名前。変えられてしまう前の、幸せしか知らなかった幼い親友の、本来の名前。
忘れたわけではなかったのに、気づいていなかった。
いや、転校生は反応していたというから、気づいてはいたのだろうか。
「玲《れい》。正面から見てたからすぐに分かった。だから君が懐かしのは私じゃない」
顔を上げ真っ直ぐに視線を合わせて、転校生は断言する。
その目を見返して、そう、と一言だけ返した。
不思議な少女だ。
周囲を気にする事のない自由さ持ちながら、その実冷静に周囲を見ている。端的で断定する言葉はとても強く、否定を一切許さない。
くらり、と。一瞬だけ目眩にも似た揺れる感覚。
「そうかもしれない。邪魔をしてごめんね」
「別に構わない。私も懐かしいと思ってた。君の後ろの子に」
「ん?私?」
落ち着いたらしい、背後の親友が立ち上がり隣に並ぶ。
転校生の言葉に首を傾げながら、きゅっと手を握られた。
「そ。なんだかすごく懐かしい。覚えてない?」
小さく笑みを浮かべて親友を見る転校生につられて、隣の親友に視線を向ける。
ぱちり、と瞬きを一つして、親友はゆるりと首を振った。
「知らない。私の記憶にはないよ。ごめんなさい」
「そうなんだ。覚えてないならいいよ」
小さく呟いて、転校生は時計に目を向ける。
時間になったのか、机の上の地図を鞄にしまって立ち上がった。
「帰る。じゃ、またね」
「明日、学校でね。さようなら」
「さよなら。また明日」
振り返らずに早足で去って行く転校生を見送って。
姿が見えなくなると、隣から重苦しい溜息が聞こえた。
「何というか、すごい子が来たね」
「誰かさんは楽しそうに笑ってたけどね」
「だって、曄はそんな回りくどい事しないで直接言うよねって思ったら、面白くなっちゃって。神様がぼやいてた。輿入れ前の娘が、軽率に己の屋敷に男を住まわせるのはどうとか」
思わず顔を顰める。
口うるさいとは思っていたがここまでとは。
両親よりも親らしい事を言っていたらしい神に、溜息しか出てこない。
「あいつの話題は止めよう。下手につつくとその内、私生活まで口出してきそうだ」
「私生活?ソファで寝落ちするなとか、お風呂上がりにすぐ髪を乾かせとか、部屋着の肌の露出を何とかしろとか?」
「止めて。本当に止めて」
頭が痛い。
くすくすと、こちらの反応を楽しんでいた親友を恨めしげな目で見る。
それすらも楽しんで親友は笑うが、不意に笑みを消して真っ直ぐに見つめられる。
「曄。気をつけてね」
「何を」
真剣な表情をする親友に、意味は分からないながらも真っ直ぐに見つめ返す。
何かが起こっている。彼女の表情と言葉がそれを告げている。
「あの子。嘘が得意みたいだから」
転校生が去っていた方向と一瞥し。
親友は金に揺らめく眼をして呟いた。
20241031 『懐かしく思うこと』
<懐かしく思うこと>
廃墟で取材を受けている
話すたび記者は驚いていた
大地にそびえ立つ聖剣の話
空を飛ぶ巨船の話
その上を飛ぶ鳥の話
焼け尽された大地の話
最期に記者に言う
「その記事は[あいつ]も見るのか?」
もしこいつが[あいつ]に会えたなら伝えてほしいことがある。
「よう…まだ生きてるか」
―ありがとよ―
「懐かしく思うこと」
「前回までのあらすじ」───────────────
ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!
調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!
……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにした!そうしたらなんと!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚したうえ、アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかった!そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!
……ひとまずなんとか兄を落ち着かせたが、色々と大ダメージを喰らったよ!ボクの右腕は吹き飛んだし、ニンゲンくんにも怪我を負わせてしまった!きょうだいについても、「倫理」を忘れてしまうくらいのデータ削除に苦しめられていたことがわかった。
その時、ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。「機械だから」って気味悪がられたけれど、ボクがキミを……キミ達宇宙を大切に思っているのは本当だよ?
それからボクは弁護人として、裁判で兄と旧型管理士の命を守ることができた。だが、きょうだいが公認宇宙管理士の資格を再取得できるようになるまであと50年。その間の兄の居場所は宇宙管理機構にはない。だから、ニンゲンくんに、もう一度一緒に暮らそうと伝えた。そして、優しいキミに受け入れてもらえた。
小さな兄を迎えて、改めて日常を送ることになったボク達。しばらくのほほんと暮らしていたが、そんなある日、きょうだいが何やら気になることを言い出したよ?なんでも、父の声を聞いて目覚めたらしい。だが父は10,000年前には亡くなっているから名前を呼ぶはずなどない。一体何が起こっているんだ……?
もしかしたら専用の特殊空間に閉じ込めた構造色の髪の少年なら何かわかるかと思ったが、彼自身もかなり不思議なところがあるものだから真相は不明!
というわけで、ボクはどうにかこうにか兄が目を覚ました原因を知りに彼岸管理部へと「ご案内〜⭐︎」され、彼岸へと進む。
そしてついにボク達の父なる元公認宇宙管理士と再会できたんだ!
……やっぱり家族みんなが揃うと、すごく幸せだね。
そして、構造色の少年の正体を、なぜか父が知っているようだ。
いったいどういうことなのだろうか?
─────────────────────────────
「だって君は───!」
大きな風の音でかき消されたその先の言葉を、ぼくは聞き取れなかった。
「ぼくは、ぼくは一体───?」
何者なんだ?
「成程。そういうことだったのか。」
機械の少年はもうぼくの正体を知っているようだ。
ぼくは誰か、その言葉を口にする前に彼は答えた。
「お父さん、彼の名前は───だね?」
「ああ、間違いない。」
大事な言葉が、ぼくの名前が風でまた聞こえない。
「構造色の少年。そう焦らなくてもいい。キミの正体は、父が話してくれるよ。ボクから話すよりも、その方がいいと思うんだ。でしょ?お父さん。」
彼の父親は、ゆっくりと頷いた。
「私から話をするよ。そこの小屋に行こうか。思い出のものをそこで保管しているんだよ。」
そう言って、ぼくたちを案内した。
「ほら、いいだろう?この小屋は、君たちが生まれてすぐに描いてくれた絵をモチーフにして作ったんだよ。」
「そんなこともあったかなぁ?」
覚えていないかもしれないね、と言いながら、父親はこどもたちに微笑みを見せた。
鍵を開けて中に入る。懐かしいにおいがした気がした。
本やおもちゃが所狭しと並べられている。
「あれ?これボクの部屋にもあるよ?なんでこっちの世界にも存在しているんだ?」
「思い入れがあったから、かな?」
実はよくわからないんだ、と言いながら困った顔で笑う。
「懐かしいなぁ。」と機械の少年は呟く。
小さな頃の彼らが写った写真を見ているらしい。
「確かこの辺りに───あ、あった!」
父親がぼくの方を振り返る。
「これで、君は自分のことを思い出せるだろうか。」
「そうだね……。君はまず、自分の何を知りたい?」
「……。名前を知りたい、です。」
「そうか。」
「君の名前は───◇◇◇。◇◇◇、っていうんだ。」
「◇◇◇?」「そうだよ。覚えていないかな?」
……ぼくは、自分の名前すら覚えていなかった。
「あ、そう落ち込むことはない。気にしなくっていいよ。」
「なんせ、君に名前がついたのが随分と前のことだからね。」
「どのくらい前なんですか?」
「そうだなぁ。例えば……。」
「例えば、そこに機械の双子がいるだろう?この子達が生まれるよりも前の話だから、覚えていなくても仕方がない。」
「700兆年……よりも前、か。」
「覚えていないかもしれないが、私のかわいい双子は君をイメージして作ったんだ。」
「ぼくを……ですか?」
「そう。だって◇◇◇、君は───「おはなち!ボクもきくー!」
「申し訳ない……。⬜︎⬜︎、あとでゆっくりお話しするから、⬛︎⬛︎と一緒に遊んでおいで?」「えー?……んー。」
不満そうにほっぺたを膨らませている。ごめんね。
「続けようか。」
「君は、私の……私にとっての理想なんだ。」
「理想?」「うん、理想。」
「君は、私の中にある、理想的な宇宙管理士の概念。」
「優しくて、賢くて、死ぬことのない、そんな宇宙管理士。私はそんな君を求めて、彼らを創り上げた。」「……。」
「概念だから身体がないうえ、死ぬこともないはずだ。」
「だが、私が死んで、君を覚えている生きた存在が、双子の片割れだけになった。」
「おそらく、誰かが認識していないと、概念として君は成立できなくなる。だから、君は自分自身を忘れてしまった。誰かに忘れられることで、自分を忘れてしまったんだ。」
「難しい説明だね。だがおおかた私に責任があると思ってくれていい。私のせいで、君まで……。」
かける言葉が見つからない。でも。
「でも、あなたのおかげで、ぼくは忘れ去られずにすみました。それに、あなたのこどもたちだって再会できた。ぼくも自分のことを知れた。」
「「……。」」
「それから!!!」
びっくりした……!!
「それから!概念をボク自身が塗り替えてしまった───キミよりも優秀になってしまったが故に!キミを概念として成立出来なくしてしまったのだー!!!」
「「……。」」
「いやあ申し訳ないねえ!!!だがしかしキミがボクよりも優秀になったらいいだけの話だから?!!あとはキミの努力次第かなあ!!!」こいつ、むかつく。
「……冗談だよ?悪かったって。」
「ボクにだって出来ることはあるよ?」
「ひとをバカにすることとか?」「違うよ!!!」
「ボク自身が、目標を立てて永久に成長すればいいだけの話さ!」「というと?」「キミがボク以上のスペックを持っていたら、キミは高い理想の概念になれるだろう?」
「それから!ボクがキミをこうやって意識することで忘れることもない!それから……。」
「ボクだってあまり考えたくはないが、キミが存在し続けているということは、ボクもいずれ死ぬのだろう。だってキミは、『死なない』んだから。」
「そんな暗い顔をしないでくれたまえよ!!ボクは不老長寿を目指しているからね!!!しばらくは死ぬつもりなどないから!!!」確かに死ななさそうだ。
「とにかく!自分のことが色々分かって良かったじゃないか!ボクもキミのおかげで懐かしい思い出に浸れたからね……。」
「それじゃあ!邪魔したね!!ボクは奥に引っ込んでいるよ!」
マッドサイエンティストはそのままどこかへ行ってしまった。
「我がこどもながら嵐のようだった……。」「はい……。」
「でも、これでよく分かっただろう?君ならきっと大丈夫さ。」
「概念として成立できるうちは、どうにか頑張ります。」
「さて、これからどうする?」「……分かりません。でも、どこかで彼らを見守ろうかな。でも、そういえばぼくは彼に身体を貰ったから、概念なのに実体がある。だから……。」
「ぼくは、概念としては、彼の目標に。実体としては、仲のいい……友達になれたら嬉しい、です。」
「よかった。憑き物が取れたような顔だね。」
「君の正体も分かったことだからそろそろ……お別れ、かな?」
「あ……。」「もう、二度と会えないかもしれないね。」
「私は私のできることをする。君も同じように、でも、無理は禁物だよ?」「はい。ありがとうございます。」
「もう迎えが来ているみたいだ。帰る準備をした方がいいかもね。」
お互い、名残惜しい顔をしている。
もう少しこの人と、話したかったな。
ぼくはぼくのことが分かったけれど、その代わりに彼に会えなくなる。でも、あのままじゃなくてよかった。寂しい。よく分からない。
ぼくは頭の中を思いでいっぱいにさせながら、星の残骸でできた草原を窓から眺めた。
To be continued…
今日体重が55キロ台まで落ちてた
40代の頃はファイズ55.5kgで太ったと大騒ぎしてたのに
今では55.5kgになると嬉しく思うなんてꉂ🤣w𐤔
もっと昔に戻ろうと頑張る!
ふと、子供の騒ぐ声が聞こえた。
賑やかな表通りから数本、人の目の少ない物陰で。
声だけでなく聞こえた音に思わず口を噤むと、
店から出てきた連れが、視線を辿って笑みを零した。
「やんちゃさんかな?」
「……今の時代は許されんよ」
数枚の写真と少しの動画を転送するに留める。
正義感だけはイカれてる馬鹿だから、多分何か
するだろう、と問題転嫁を決め込んで。
さもないと。
「そういえば、しばらく見てなかったかも」
絡んだ指先が爪を立てる。生涯消えない火傷痕に。
「ね、明日も休みだったよね?」
加虐の悦に濡れる声。その恐怖に立ち竦む間は。
「……お前が、壊したくせに」
この隣から逃れることは出来ないのだと。
‹懐かしく思うこと›
「あら、いらっしゃい。ここまでお疲れ様。」
「そうよ。私の物語は、ここでおしまい。
私だけ生き残って、私だけ救われてしまった。」
「……ごめんなさいね。」
「あなたはこれから戻るのかしら。」
「この物語の、一番最後の分岐点。」
「きっとこうはならなかった筈の、未来の物語。」
「その未来なら、皆は生きているかしら。
……あの子は、笑えているかしら。」
「それだけでいいの、私がいなくても。」
「……それとも」
「あなたは、もうあちらの物語を辿り終わって
此処に来たのかしら。」
「何かを期待して、こちらに来たのかしら。」
「いいのよ、言わなくて。私にあちらの物語を
知る権限がないだけなの。」
「でも、そうね。そうだったとしたら。」
「私、一人でも頑張って生きるわ。
あの子に救われた命で、時間だから。」
「だから、心配しないでね。」
‹もう一つの物語›
【懐かしく思うこと】
高校2年生の時のこと
国家資格取得のため
毎日夜遅くまでクラスメイトと5人で
19時過ぎまで学校に残っていた
……
授業が終わって
5人でコンビニに寄って
駅までの道を喋りながら歩いた記憶
最高に楽しかった
あの時に戻りたい
お題『懐かしく思うこと』
白鳥(しらとり)に地元の夏祭りに誘われた当日の夜、真珠星(すぴか)は慣れない浴衣を着ていた。薄紫の生地に紺色の紫陽花の柄がデザインされている。
神社の裏口で白鳥を待っていると手を振る男性が見えた。
真珠星は心臓の音がドキッ!と大きく聞こえた。
白鳥「遅れたかな?」
真珠星「いえ。待ち合わせ時間ピッタリです」
白鳥「そう、よかった。遅れたらどうしようかと思ったよ。可愛い浴衣姿の真珠星ちゃんを1人ぼっちで待たせるのは罪だからね」
真珠星は顔が真っ赤になり俯いた。普段可愛いなどと言われないので照れてしまう。何か言わなければと思いつつも言葉が出ないので、はにかんだ笑顔を見せた。
神社の境内の中と外に出店している屋台を一通り見て、気になった屋台をいくつか回った後、足に違和感を覚えた。ズキッ!?と足の親指の付け根が痛む。こんな些細なことでせっかくの夏祭りを台無しにしたくない。そう思い真珠星は痛みを我慢してしばらく歩いていた。
すると白鳥は何かに気づき突然−−−−。
白鳥「背中に乗って!」
真珠星「えっ!?急に何ですか!?」
真珠星は動揺していた。焦っている白鳥を見るのは初めてだった。
白鳥「早くッ!?」
真珠星「は、はい」
白鳥の背中におんぶされた真珠星は人気の少ない境内の中にあるベンチに降ろされた。その後白鳥は鞄から絆創膏を取り出し真珠星の履いている。下駄を脱がした。真珠星の顔はまた赤くなったと同時に情けない気持ちなった。白鳥は真珠星の異変に早々に気づいていたらしい。白鳥は真珠星の足の親指の付け根に絆創膏を貼りまた下駄を履かせた。これ以上祭りは無理だから帰ろう。
白鳥は真珠星を再び背中におんぶして真珠星を家まで送り届けた。
自室に戻り真珠星は心の中で嘆いた。
『自分のせいで夏祭りが……告白するチャンスが……』
と高校生になった今、懐かしく思うことを酪農体験場所から少し離れた休憩所で萌香達に笑い話であるように話していたのだった。
End
テーマ 懐かしく思うこと
テーマ もう一つの物語
後で書きます。
自分より
10歳下の
同僚を見て
あー
わたしも
似たようなこと
やっちゃって
うまく行かなくて
落ち込んでたなぁ。
こういう時は
こんなふうに
やってみても
いいんだよ。
お節介だと
分かっていても
ついつい
言ってしまう。
同僚は
あの時のわたし
で
お節介な今のわたしは
かつてのあの先輩
だ。
先輩は
こういう気持ち
だったのかな。
#懐かしく思うこと
【お題:懐かしく思うこと 20241030】
━━━━━━━━━
(´-ι_-`) うん。やり方考えよう。
「懐かしく思うこと、かあ……」
「何かある?」
「こうは言いたくなかったが、昔は良かった……」
「出た!常套句!」
「(無視して)……昔は良かった。
夏は30度越えたら大騒ぎするくらい少なかったし、春や秋も長かったし、ゲリラ豪雨なんて言葉も生まれる必要がなかった。
値上がりもそうだけど、そもそも消費税なんて無かったんだよ?
お菓子の量とか弁当の容量も、全然削られていない、ボリューミー。
他にも税金がね……略」
「……それ、私たちからすると信じられないんだけどね」
「まあ、そういうのは置いておくとしても、懐かしく思うことと言ったら、亡くなったお母さんの手料理とか、今はもう潰れた町中華屋さんのラーメンの味とかキリがないよ。
もうこの年になると、懐かしく思うことばっかりだよ」
【懐かしく思うこと】
今回のテーマは、何も思い浮かばなかったです。
でも、続けてる記録が途絶えるのも気持ち悪いので、この文章だけ上げさせていただきます。
今日は、もうちょっと頑張ります。
懐かしく思うこと
毎年春休みに、祖父母の家に何泊かしていた。
祖母とはよく話すんだが、祖父は寡黙な人だった。
ある日、俺は思い立って祖父を散歩に誘った。
祖父は頷いてくれたので、近くを歩いていた。
登りはしなかったが、山の近くまで来た。
祖父はなんだか懐かしげに山を見ていた。
「じいちゃんは懐かしく思うことってないの?」
「ないことはないな。だがこの話をしてもなぁ」
珍しく声を出した祖父に驚き、その話を聞いてみた。
「昔な、ここで妖怪と遊んだことがあった。」
「へぇ」
「また遊ぼうと約束したんだがなぁ」
寂しそうに言う祖父になんだか笑えてしまった。
「じいちゃん見えてなかったのか。家に座敷わらしがいるんだよ。ちゃんと近くにいるから大丈夫」
霊感がある俺が言うんだ。見えないけど感じるよ。
「それなら安心だ」と祖父は笑った。
私が懐かしく思うこと
それは、部活動だ。
中学生になったばかりの私は、なんとなく運動部に入ろうと思っていた。
でも、先輩に連れられていった剣道部や入ろうと思っていた卓球部は、私には合わなかった。
そんなとき、担任の先生が顧問を務めるというソフトボール部に行ってみた。
すると、意外と楽しく、先輩も優しいということがわかり、入部することにした。
最初の頃は、〝上手だね〟と褒めてもらえることが多かった。ミスをしても怒られなかった。
そんな日々は長くは続かず、ミスをしては怒られ、やり方を注意される毎日が始まった。
あんなに優しかった先輩も、試合となると厳しく、できないことを怒られる事が多かった。
同級生の一人には、きつい言葉を投げかけられたり、あからさまにぶつかられたりといった陰湿な嫌がらせを受けた。
そして、部活に行くのが嫌になった。
毎日、悩みを抱えながら家に帰っていた。
でも、引退した今思い返してみると悪いものでも無かったと思う。
なんだかんだ休まず通っていたら少しは上達したし、後輩や嫌がらせをしてきた同級生とも仲良くなれた。
部活がなくなっても私の悩みは尽きない。
テスト、人間関係、受験…
そんな私から悩める人たちに届けたい言葉がある。
「今日の悩みは一年後にはきっと忘れてる」
時間が経てば大体の問題は解決すると信じて、今日も生きていこう。
懐かしく思うこと
季節の移ろいを感じられたこと
枯れ葉をガサガサしたこと
桜の木下を走り回ったこと
痛みすらいつかは美しくなって懐かしむはず 闇が綺麗だ
懐かしく思うこと
夕日が当たる廊下を歩く。
あなたがわたしに笑いかけてくれたあの日を思い出す。
あのときに思いを伝えておけばよかったと、何度でも思い返す。
懐かしく思うこと
今を懐かしく思い出す時が来たら、君は「頑張ったね」って言ってくれるかな。
この間、子供が声を何度も掛けてもお風呂に入ろうとしないので
「歌うか、踊るか、お風呂に入るか
さぁ、どれにするの?」とふざけて
言ったら1分後くらいに
「na na na な な なめっこ〜‥🎵」
と、弱々しい歌声が聞こえてきた。
歌うんかいっ。そして微妙に古い。
1番を歌い終わるの待ってから
「会社の人がスマホでゲームしてたの
思い出したわ」と言うと
どんなゲームだったか詳しく説明し出した。一通りの説明を終わると
「じゃ、お風呂行ってくる」と
やり切った感をだしてお風呂に向かう子供を見送った。
よく分からないが、それが子供の
“お風呂入るスイッチ”だったらしい‥。