『愛情』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「親に感謝するのは当たり前です」
「ここまで育ててもらった感謝を伝える日ですよ」
「なんで素直になれないんですか?」
こちらが大人げないほど
親に反抗し続けていると
信じて疑わない彼女
その真っ直ぐな目に
私はたじろいで口を閉ざした
きっとこの子は親の愛情を一身に受けて
曲がらないよう丁寧に育てられてきたんだな
だから親との確執がある私が
ただ素直になれない大人にしか見えないのか
「それはとても良い親御さんね」
無理矢理口角を上げて目を細めた私に
彼女は笑顔で頷いた
この子と私は別世界を生きている
そう認識して傷つかないために心を遠ざけた
『愛情』
ふと目に入ったSNSのコメント。
「誰かに愛されたい。愛情が欲しい」
返信には共感のコメントばかりだった。
私は愛情を注がれるのは"当たり前のこと"だったが、
この人たちはその当たり前が与えられなくてSNSという居場所で愛情を求めているのか。
人間は少なからず欲があるらしい。
欲とは自分には無いものを得られれば幸せに変わり、得られなければ苦しみに変わるもの。
かわいくなりたい、誰かに認められたい、楽に生きたい…
幸せそうなあの子も欲があって、そこら辺のおじさんにも欲があって。
愛情も、与えられていても欲に変わってしまうってこと。
人間にとって一番大切なもの、それは愛情だと思う
人を大切にする気持ち、動物、植物、森羅万象を大切に思う気持ち、幸せの原点は愛情だと思う。
胸の奥 深海に漂う海月
歪な形 愛のベクトル
すごいよね 母になったときに知った
愛は無限に湧き出ることを
♯愛情
ふかくていで、ふあんていで、それでもなお欲するもの。
【愛情】
ことさらにやさしい音でできている逢初色の愛の言の葉
愛情
子供たちにたっぷり注いで大きくなってくれー
子供たちよ
その次の代まで引き継いでくれ!
あいじょう
多分、貰ったことはあるのだ。
そして今も貰い続けている。
受け止め方も返し方もわからなくて、ただ降り積もるそれらの温度に手を伸ばせず、今日も、躊躇い続けている。
たまたま肩に鳥のフンが落ちてきた時だとか。
「塵紙ありますけれど、使いますか?」
たまたま食堂の頼みたいメニューが完売していた時とか。
「五目ご飯はないそうですが、炊き込みご飯ならあるそうですわよ尾上君!!いやですか、そうですか……まぁ仕方ないですね」
掃除が終わった後のバケツの水を笑い声と一緒に被った時とか。
「タオル……いえシャワーが先ですわね。借りましょうか」
そういう心遣い。
鬱陶しくて、むずがゆい。
ひとつひとつが。
多分やさしさとか愛情、そうよばれるものだと思う。
「出演作ぜんぶ観たけどやっぱ嫌い」ぜんぶ観たの?「うん、舞台も」え?「ん?」
題-愛情
小説
おばみつ※ほんのり最終決戦
彼女の瞳は愛情で満ちている。
道端の花を見る目、好きな食べ物を食べる時の目、愛猫の話をしている目。
若草色の美しい瞳は、彼女の表情に更なる彩りを与えていた。
その瞳が、俺を捉える。
「伊黒さんって、とても素敵な瞳を持っているのね」
俺はこの両目が嫌いだった。俺を生かした最悪の元凶であるこの両目が。
それでも、君が素敵と言ってくれるなら。この瞳を大切にしようと思った。
今はもう何も見えなくなってしまったけれど。
彼女の澄んだ瞳がありありと目に浮かぶ。
嗚呼、今なら分かる。あの瞳が何を思って見ていたのか。
もう一度見つめて欲しい。
あの愛情のこもった優しい瞳で。
愛情
私の母は過保護だった。
田舎に住んでいたから駅までが遠くて出かける時はいつも駅まで送ってくれて帰りも迎えに来てくれた。
家から自転車で駅まで来る友達もいるのに、私は自転車置き場の利用方法も知らないまま育った。
ありがたいことだけどそれがなんだか窮屈に感じたりしていた。
就職で地元を離れて全部自分でやらなきゃいけなくなって母の偉大さを実感した。
愛情があるからたくさん尽くしてくれたのだと感じる。
自分がもし母の立場になった時子供にはどんな形で愛情を伝えよう。
その人の結果しか知らないのに、過程を歩めるものですか
/お題「愛情」より
初めてのクリスマスプレゼントでもらった着せ替え人形。大きな目、外国のお姫様みたいな髪の毛。私の母性が芽生えた瞬間だった。
毎日ご飯を作って、服を着替えさせて、寝かしつけた。私の子供は天才で可愛くて、なんでも素直に言うことを聞く良い子だった。
「この家にはまるでママが2人いるみたいだなあ」
「ママがもう一人いて助かるわあ」
両親はそんな私を見て微笑む。私も本物に認められるほどの一人前のママなのだと誇らしくなった。
それから20年後、私は本物のママになった。待ちに待った赤ちゃん。
人形とは似ても似つかない皺だらけの生物。だけど可愛かった。クリクリした目もブロンドヘアーも持ってないけど。
本物の赤ちゃん大切に育てていこう。
机から水がしたたる。その様子が初めて水泳教室に行った娘の涙を思い起こさせた。
割れたガラス。小学生の娘が買って来てくれた修学旅行のガラス細工のお土産を思い出させる。どこにおいたっけ。
隣の家の電気がつく。深夜の塾の前で佇む娘も光に照らされていた。表情はいつも見えなかった。
ピコン、とスマホにニュースの通知。勉強に集中させたくて取り上げた時に見てしまった「母親クソだね 毒親じゃん」の文字。
ずっと娘のことを考えて生きてきた。私に似て取り柄もなくて不器用な娘に、私みたいな人生を歩ませないように大切に育ててきたつもりだった。
「私はママの人形じゃないの!」
耳の奥でこだまする。たくさんの愛情を注いでいたつもりだったのに。
そんなこと言うなんて私の子供じゃない。
あなたが私に注いでくれた愛は全て身体目的だったんだね。
私のからだのこと以外何も考えてなかったんだね。
ただ私とえっちなことしたいから近づいてきたんでしょ。
最低。死んじゃえ。
料理は愛情を込めると美味しくなるらしい
私はそんなことを考えたことがなかったが
そうなのだと友人の楠本君が言っていた
楠本君は、愛情は魔法なのだ
愛情という調味料は
どんなものでも美味しい味にすると語った
私は楠本君に言った
それはきっと愛情を持つ人が
相手に美味しいものを食べてほしいと思うことで
ひとつひとつの工程が丁寧になり
それで美味しくなるのだろう
楠本君は確かにそうかもしれないと言い
愛情が美味しくする努力を生むということか
と、納得したようだった
熱意で能力は上がらないという考えもあるが
私と楠本君は、熱意で能力の限界は上がらないが
持っている能力を最大限引き出す助けにはなる
という考えを持っている
つまり、愛情という熱意が
料理に対する実力を余すことなく引き出すのだ
まあ、私も楠本くんも
普段料理はしないし、詳しくもないのだが
四つの季節と四つの感情
四に囲まれたニンゲン達
しあわせになれるかなんて分からない
死してなお隣り合わせ
黄泉を巡って再誕して
再び会えるの、二足二
9つの魂があったとしても
一つの魂に叶いやしない
――サメの言うことにゃ、
愛情
愛情
家族への
恋人への
友達への
同じ愛情って言葉だけど
意味は
まったく違うから
この世界には2種類の愛情があるの。
本当の愛情と見かけの愛情。
あなたが貰った愛情と
あなたが求める愛情
ちゃんと一致してる?
2024.11.27.愛情 #09
『愛情』
愛とか恋とかなんとかとか
そんなもの
なさけだけが、のこる
そんなもの
なさけなくて、なける
そんなもの
ないの
そんなもの
なの
だから、
愛情
私にとっての愛情の定義は、
相手と同じ目線で物事を感じる事
もしくはその人の形を変えない様に
手を添え受け止めること