『愛を注いで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私は月が好き
月は母
あの日
ゲッターズ飯田の占いで
今年は
運勢が悪いからな、
心で
つぶやいた
夜洗濯を干しながら
後ろに半分のお月さま
お月さまが私に言う
大丈夫
ずっと
私が見ているからね
振り向くと半分だけのお月さま
愛に包まれた
愛が注がれた
私は月になる
闇をてらす
月みたいに
娘を信じて
愛を注ぎたい
大丈夫って
笑いたい
愛を注いで
愛を注いでも応えてくれるかは分からない
それでもいいと思える
それこそが愛
愛を注ぐ。
なみなみと。
次第に愛は溢れ、器は壊れる。
愛を注いで
いやだ。注げるほどの愛はない。
いやだ。憎悪ばかりが降り積もる。
いやだ。殺してやりたいとの怒りが胸を焦がす。
愛を注げるのは復讐だけだ。
"愛を注いで"
「ご馳走様でした、と」
自分の夕飯を済ませて食後の片付けをする。
「おぉ、今日も綺麗に食ったな」
「みゃ」
子猫のご飯皿を回収しにしゃがんで皿の中を見る。皿の中に入っていたはずのドライフードが一粒残らず綺麗に無くなっていた。
数日前獣医から「ドライフードを出していいよ」と言われたので、その日からドライフードを出している。
「みゃん」
獣医にOKを貰ったものの、ちゃんと噛めるか、そもそも口に合うかどうか不安だったが杞憂で、初めてそのままで出しても綺麗に完食してくれた。
手の平で子猫の頭を優しく撫でる。俺の手の平に頬を擦り付けて来た。
「……」
──名前、いい加減そろそろ決めないと……。
検診の時獣医に、子猫の飼い主になる事と名前がまだ思いつかない事も話していた。その時に「ゆっくりでいいよ」と言われたが、名前はとても大事なものだ。いつまでも名無しだなんて駄目だ。
だからなるべく早く決めなくては。
──けど、焦って決めるものじゃねぇよな……。獣医には「大体は身体的特徴で決める」って聞いたし、こいつの特徴を名前にするか。けど言うほど名前にできそうな身体的特徴は無い。それに、安直なのは避けたい……。
「そういや……」
獣医は「性格的特徴で決める人もいる」とも言っていたなと思い出す。
名前に繋げられそうな特徴が無いか、これまでの子猫の行動をできるだけ多く思い出していく。
「……あっ」
該当する特徴があった。
時折出す力強い一声。体の大きさと共にすくすく育っていく身体能力。
もう、これ以外思い浮かばない。
ゆっくりと口を開き、声帯を揺らす。
「……《ハナ》」
子猫の耳がピクリと動き、こちらを見上げる。もう一度、発する。
「《ハナ》」
すると今度は確かな眼で俺を見る。子猫の小さな目に、俺の姿が映る。お気に召してくれるか、緊張で耳の奥から鼓動が聞こえる。
「……みゃあ!」
「うおっ」
大きな一声を響かせ、驚いて思わず少し仰け反る。
お気に召したようだ。
「今日からお前は《ハナ》だ」
「みゃ」
そして再び、名を呼ぶ。今度はしっかりとした、揺るぎない声色で。
「《ハナ》」
「みゃ」
子猫──《ハナ》が返事に、短い鳴き声を上げる。
「これから改めてよろしくな、《ハナ》」
「みゃん」
《ハナ》の返事を聞くとご飯皿を回収して立ち上がり、自身の食器を共に持つ。
「じゃ、ちょっと出てくな。大人しく待ってろよ、《ハナ》」
「みゃん」
《ハナ》の鳴き声を背に聞く。首を動かし微笑んで見せると、食器を洗いに部屋を出た。
愛を注いでもらった。
でもそれじゃ足りなかった。
だから自分で注いでみた。
それでもだめだった。
きっと私が満たされることなんてないから。
だからもう愛なんか注がないで。
愛を注いで
そのタマシイごといっぱい
愛を注いできたつもり
だからお願い
あの世にいったら
会わせてね
ううん
あたりまえのように
会おうね
おもたい飼い主でごめん
テーマ:愛を注いで #393
愛を注いで作ったぬいぐるみ
あなたは喜んでくれるかしら。
本当は周りの家みたいに
外で欲しいものを買ってあげたい。
欲しいぬいぐるみがあっても
ぐっと我慢しているあなたを知っているから。
今日くらいはぬいぐるみをあげたかった。
寝ているあなたの頭を撫でる。
そしてぬいぐるみを隣に寝かせる。
朝起きたらあなたが嬉しそうな顔で
私のもとに来てくれることを想像する。
今度は
見失わないで
今度は
離さないで
今度こそは
背を向けないで
違う世界線で
また
出逢えたなら
その時は
いつかの
二人の約束を
また
思い出そう
今度こそ
一緒に
歩いていこう
二度と
はぐれないよう
しっかりと
手を繋いで
「手を繋いで」
「愛してる」「愛しいよ」「大好き」「好き」「可愛い」
ずっとずっと永遠に愛を注ぐ。
そうやって愛の言葉を囁き続ければ彼女は私に溺れてしまう。
おぼれて、沈んで、依存して。
彼女に私しかいなくなれば彼女が私だけの“モノ”になる。
そうすれば私たちは幸せになれるんだ。
この愛は歪んでなんていない。
いない、いない、いない。
歪んでなんていないんだよ。
『愛を注いで』
PM. 愛を注いで
この前まで貴方の笑顔を見ていたのに、
なんだか白から黒に染まったみたい...
なんでもいいから、私に愛を注いで。
『愛を注いで』
愛を注いで
心の底から溢れる
その温かさが
世界を包み込む
愛を注いで
優しさが芽生える
その花が咲くとき
喜びが空を舞う
愛を注いで
痛みが癒える
その癒しの手が
心を包み込む
愛を注いで
世界は変わる
その光が射すと
もう一度心が動き出したようだ。
全てに無関心で何も覚えられないまま生きていた状態だったのに、「会いたい」と言ってくれる君のおかげで、日の当たる場所も怖くなくなった。
ちゃんと愛を注いでよ。注げてないよ。私は愛が欲しいよ。寂しいよ。
僕は愛を注いでるよ。なのになんで君はそんなに愛が欲しいのか分からない。僕が愛を注いでいるのに。
「あなたはしっかり愛を注いでますか?すれ違ってませんか?」
お題『愛を注いで』
「第四話 ファウシ」
僕が目を覚ますとある喫茶店の中にいた。辺りは深いコーヒーの匂いがする。辺りをキョロキョロとみていると後ろから声をかけられた。
「おっ、起きたね」
「凛さん!」
そこには凛がいた。少し凛も安心した顔をしている。
「すみません、僕記憶がなくて…」
「安心して。それより君に聞きたいことがある」
「な、なんですか?」
凛の顔つきが変わった。真剣な顔だ。
「ファウシを知っているかい?」
ゾワッ背筋を寒気が襲った。何故それを?僕は疑問でしかなかった。ファウシとは動物と人間をあわせたようなものだ。生まれたときに人間だけでなく生物と一緒にいることだ。その生物は様々だ。普通の動物、例えばウサギや虎だ。その中でも普通の動物とはかけはなれた存在の幻獣種がいる。僕は龍だ。その力を今まで利用されようとしていた。それで逃げたしたんだ。あそこから。あの施設は地獄だ。利用できるまで拷問する。苦しみがこみ上げる。そんなことを思っていたら凛さんが話しかけた。
「…私の話を聞いてほしい…」
彼女の顔はひどく暗かった。
【愛を注いで】
ポトポトっていうより、ダバダバだよ。
え?何の話かって?
愛の話。
愛って、盛大に注ぐもんじゃなく、毎日ちょっとずつだと思うんだけど、おれの恋人は……毎日ダバダバ愛を注いでくれる。
そりゃもう遠慮なく、惜しげなく。
愛されてるって嬉しいし、ほんとにありがたい。
おれも大好きだし、心から愛している。
それは間違いないよ。
でもさぁ……人前で手を握るとか、イチャイチャするとか、あり得なくない?
付き合いたての高校生じゃないんだよ。
ヤなんだよ、そういうの。
だけど、おれの恋人はそのあたりがわかんないらしい。
毎年クリスマスなんて、もう、口にするのも恥ずかしいくらいベタベタの甘々だからね。
あの素敵な歌声で甘くクリスマスソングを歌ってくれて、キラキラする指輪をそっと嵌めてくれるんだよ……。
え?
ノロケ?
こういう話って、ノロケって言うの?
朝目覚めて はじめにすること
ポットで湯を沸かす
窓辺やベランダの植物に水やり
沸いた湯で家族にコーヒーを淹れる
わんこにはフレッシュな水とフード
さ、もう一度湯を沸かして
わたしに香りのよいお茶を
「愛を注いで」
#271
今日も俺はお前に愛を注ぐ
欲しい物は何でも買ってやるし、デートだっていくらでも行ってやる
でもお前は不満げな顔ばかりする
俺はお前の欲しい物全てやっているのに、こんなにも愛を注いでいるのに
それが不思議でならなかった
私はあなたに愛を注いでほしい
欲しい物もデートも私から言わないとしてくれない
あなたは私のこと本当に好きなの?
なんて聞いたらあなたはyesと答えるでしょうね
じゃあどうしてあなたから誘ってくれないの?
それが不思議でならなかった
迷っていたのか
声もあげずにいるから
掬いだす
救いだす
彼女は嫌だを言わない。食べたいものも見たい映画も行きたい場所も、俺が誘ったものは断らない。聞いたところによると友達に対してもそうらしい。
彼女の部屋に泊まり、隣で眠りについたある日。ふと夜中に目が開くと、彼女のすすり泣く声が聞こえた。
「……大丈夫?」
「あっ、起こしちゃった……?」
わざとらしいくらい明るい声。
「……ごめん、ちょっと、嫌な夢見て」
鼻をすする。親に殴られ、なじられ、なんとか愛してもらおうと耐えて耐えて笑い続ける子どもの夢。初めて、彼女の弱いところに初めて触れた気がした。
「俺は、好きだよ。君の好きなものも嫌いなものも、知りたい」
上手く言葉にならなくて抱きしめる。
「夜ご飯どうする?ラーメン行かない?」
「ん……今日は、パスタな気分」