『忘れたくても忘れられない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの紅き夕暮れを背に叫ばれて
炎のようにも点じた恋火
#短歌 #書く習慣 20231017「忘れたくても忘れられない」
【 忘れたくても忘れられない 】
程度の違いはあれど、誰しも一度は経験する。
衝撃的な出来事。
あの人は、初めて親に叩かれて。
その人は、前人未踏の記録を出して。
今日までに色んな事が積み重なって、思い出になる。
なのに、迫る病魔は全てを消し去ろうと躍起になった。
脳内メモリのバグが、光速級に広がっていく。
そうして最後に残るのは、
笑顔溢れた、懐かしいあの頃の記憶。
一番輝いた、自慢のあの頃。
ずっと昔に捨てたのに、忘れられない名前がある。
かつての私を示す記号。
忘れたことさえ忘れ去った頃、亡霊のように帰ってくる。
彼女にそれが知れた時、ああ、またか、と目の前が暗くなった。
『…、それは忘れてくれないか。』
なぜ、と黒い目が問い掛ける。良い名前ですね、と微笑んでいた女(ひと)はその笑みを翳らせてしまった。でも話せない。君はその頃、私がどんなだったか知らないんだ。それで良いんだ。暫くの沈黙が落ち、彼女は小さな声を返した。
ごめんなさい、と。
何も悪くないのに、かつての私のせいで、それを明かせないせいで、君に寒々しい思いをさせている。返せる言葉が思いつかない。
彼女が一歩、私に近づいた。更に一歩。
両の手が片方ずつ彼女に取られる。呼吸も触れ合いそうな近さ。いつもより幾分冷たい手に強く掴まれ、互いの緊張が伝わる。
もう二度と口にはしない、と、小さな唇がささめいた。
…けれど、今日まで貴方を生かしたのなら、私はその名も大切に思います。かつての貴方を。
止まっていた呼吸がはっ、と流れた。
彼女の肩がびくりと震える。それでも視線は合ったままで、両手は強く繋がれていた。ゆるゆると指に力を入れ、その冷たい手を握り返す。
『いつか、そんな風に思えるだろうか。』
綺麗な顔がほんの少し赤みを戻して、未来の貴方に聞いてあげますよ、と言った。
その頃には貴方が気絶してしまうような女の秘密も教えてあげます、なんて明るく言いながら、色っぽく科を作るものだから笑ってしまった。
【忘れたくても忘れられない】
◤忘れたくても忘れられない◢
『――またな』
そう言っていた声が頭から離れない。
別れる時の、嬉しそうな笑顔も。
あれから八年経った今でも、その約束は果たされていない。
今頃なにをしているだろう。好きな人の隣で、今も笑っているだろうか。
伝えることすらしなかった恋をいつまでも引きずっているなんてバカみたいだけれど、それでもあいつのことが、忘れたくても忘れられない。
ふとした時に、思い出す過去の引っかかりは
思い出したくないほど、重く、重く、
心の奥底のものを引き上げようとする
#忘れたくても忘れられない
彼と別れて、彼があちらに戻ってしまって、もうすぐ3ヶ月が経つ。
「僕のことなんか忘れて、全部忘れて幸せになって。」
そう伝えてきた彼の、心臓を絞られるような泣き笑いの顔をわたしはまだ忘れられないでいる。
どうしてるのだろう、忙しくしてるのかな。ご飯はちゃんと食べてるのかな、エナドリばっか飲んでないかな。…ちゃんと生きてるかな、怪我、してないかな。
自分がどれだけ忙しくしてても目を閉じれば彼の顔が思い浮かんでしまって、彼のことが心配になってしまって……。上手く眠ることすら出来なくなってしまった。
わたしを最愛だといってくれたのに、どうして別れることになってしまったのだろう。
彼のことを忘れたくても忘れられないまま、もうすぐ季節が巡る。
10.17 忘れたくても忘れられない
君の笑った顔
君の真剣な顔
心配そうな顔
優しくて、バカで頭良くて最高にかっこいい人
君のことが頭から離れない
忘れたくても忘れられない人だった
嫌な事しかない人生
思い出したくもないのに勝手に頭に出てきて
私の心を何度も何度も刺して
私をずっと苦しめる
忘れたくても忘れられない
君と茜色の空の中で
お互いの手をとりあったこと
忘れたくても忘れられない
君と緑色の草の中で
お互いの夢を語り合ったこと
忘れたくても忘れられない
君と生成色の雪の中で
お互いの道を応援したこと
忘れたくても忘れられない
あの時の全てだった
君の存在そのもの
忘れてしまえれば
こんな想いが続くことはなくなるはずなのに
忘れてしまったら
大切なものが全て無くなってしまう気がして
ふと
あの時君と繋いだ手をぎゅっと握った
テーマ:忘れたくても忘れられない #338
私が好きになったのは
よく隠し事をする子でした。
私と会うとニコッと笑顔を向けてくれる。
そんな笑顔の裏側を私は知ってしまった。
忘れたくても忘れられない。
あの日、彼が初めて私の前で泣いた日。
彼は私の前で笑顔じゃない表情を見せてくれた。
彼はもう長くはないことを私が知った日。
私の涙を見てつられるように彼も涙を流した。
いつもは大人っぽい彼も
こうして声を上げ子供のように泣くことがあるのだ。
笑顔の裏側は
周りに強がりのように見せていることだって。
私もそんな過去があった。
周りにも自分にも嘘をつき、
仮面のように笑顔を被っていたことを。
忘れたくても忘れられない。
記憶の隅にあったもの。
彼も同じなんだとわかったから。
いや、どこか彼に惹かれていたのは、
もうとっくに
彼も私と同じなんだと
無意識に認識していたのかもしれない。
彼と出会えたそのことが
忘れたくても忘れられない。
飲み下したら苦くなった
引っかかって流れない初めての恋をどうしよう
(忘れたくても忘れられない)
-あの優しい声が私の生きる希望だった。
あなたが私に声をかけてくれたから、私の話に耳を傾けてくれたから、私はあの地獄を生き延びられた。他の誰かじゃなく、あなたであることに意味があった。
あなたに構ってもらいたくて困らせるようなこともした。あなたなら私を見捨てないって信じてたから。
絶対に叶うことのない想いを胸に秘め、最後の挨拶を交わしたあの日からもう5年。あなたが忘れたくても忘れられない。
#忘れたくても忘れられない
始めてきみを見かけた時
始めて話した時
始めて名前を呼んでもらった時
始めて嫉妬した時
昨日のことのように思い出せる
ねえ、どうして?
どうして、きみに恋をしてしまったの?
両想いになれる確率なんて、0に近いし
もう相手がいるって、知ってたのに
知ってたじゃん
知ってたんでしょ?
すごく悲しいし、すごく寂しくなる
勝手に期待して、勝手に落ち込んで
あの子に悪いから、忘れたいのに
ふとした瞬間にきみのことを思い出して、
想像しちゃって楽しくなっちゃう
忘れなきゃって思っても、忘れられないじゃん
やめときなよって、きっと言われちゃうから
友達にも話せないよね
あー、もうやめなきゃ
バカみたい…
忘れたくても忘れられない
今でも思い出す。
大好きだった君。
沢山、遊んだり、泣いたり、笑ったりしたね。
ドライブ中、僕の運転で君を亡くした。
病院のベッドでたくさん泣いた。
桜咲く春のことだった。
あの時はごめんね。
僕ももう君のところへ行けそうだよ。
そして、君に謝りたい。
忘れたくても忘れられない。
忘れたくても忘れられないのは
がっくん?
しばらく未読のままだったのに
最近はたまーに
既読とか
機嫌がいい時はスタンプ。
もう推しが居るのに
忘れたくても忘れられない。
食中毒で脱水症状になったことが今でも忘れられない。どんなにお腹が痛くても水分補給はちゃんとしなきゃと心に誓った。
忘れたくても忘れられない
何度も忘れようと思った。
両思いになって、付き合って、すれ違って別れた。
なのに、何年経っても何十年経っても忘れられない。
それだけ好きだったのかと思ってしまう。
向こうはなんとも思ってない、わかっていることなのに。
忘れよう忘れようとすればするほど、忘れられない。
たまに夢に出てきた時の朝は最悪。動揺してしまう。
忘れたくても忘れられない、まるで呪いみたいだ――
忘れたくても忘れられない
薄れていく記憶と染み付いた記憶。
都合よく記憶されなくて、なんて
面倒くさい生き物かと思う。
全ての記憶がその人を作り上げるが
不要な記憶はその人自身を苦しめる。
ただ苦しめるだけの記憶なんて
要らない。
さっさと忘れさせてください。
#26 忘れたくても忘れられない
貴方様から輸入した言葉が
私の公用語になりました。
言葉の端々に残る貴方様の面影が
一生離れる気がしません。
2023/10/18
忘れたくても忘れられない。
胸の中を、細い細い針金で引っ掻かれているような。
人を、傷つけた記憶。