『微熱』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
微熱。
学校に行くべきか否か。
少し前までは「コロナかもしれんから学校来るな」だったが今はそんな状況じゃない。
休むべきかなぁ
行くべきかなぁ
考えながらもう一度体温計のスイッチを押す。
「ピッ」という音を聞いて私はそれを脇に挟む。
休むべきかなぁ
行くべきかなぁ
「ピーッ」
37.2℃
何気なしに呟いた。
「12…」
そのまま布団に潜り込み、私は眠りに落ちた。
追記
三日後まじで微熱出しました。
なんだか調子が悪い。
何時もなら気がつくことを見過ごした。丁寧にせねばならないものをおざなりにしてしまう。
致命的ミスはないがアラが目立つ。
試しに温度計で計れば微熱。
なんだと投げ出した。
だが後にこのことを後悔する羽目になる。
二時間後、先ほどより明らかに症状が出始めた。
寒いのは勿論倦怠感とわずかな吐き気。
作業は中断。
休みだったのはある意味幸いである。
寝巻きに着替え風邪薬を飲み込んだ。明日には治っていればいいが。
さっきから
なんだか
おかしい。
ぼんやり
してしまって
ダルい。
もしかして―――
発熱?
週末は
楽しみにしてた
旅行なのに!
体温計は
37.2℃。
うぅ、
微妙…。
とにかく
温める!
早く寝る!
絶対に
治すんだ!
待ってて、
旅行!!
#微熱
【微熱】
私は昔っから体が弱かった。
雨風に少しでも当たると熱を出し、体育で走るだけで息が上がって喘息の症状が出てしまう。
勉強は好きで、特に歴史の織田信長に尊敬の念を抱いている。
私の紹介はこれくらい。
特に好きな物は歴史くらい。他はあんまり興味がない。
学校の友達だって、入退院を繰り返しているから仲良くなれてないし、する必要もないと思ってる。
『吾妻さん、血液検査しますよ〜』
病室に看護師が入ってくる。
少し、外に出るだけだと思い織田信長の住んでいたお城、安土城に行ったら風邪を引いたのだ。
今はもう下がっているが、持病もあるので一応何週間か入院中。
私の血液を迅速に摂った看護師は、さっさと病室を出て行った。
『、、、はぁ、、こりゃまだ入院かな。』
独りぼっちの退屈な病室。無機質なデザインのベッド。
見舞いに来ない両親。
『あー、、安土城、見たかったぁ。』
外で秋色に染まった葉っぱの舞い散る様を見ながら、私は深く、大きなため息をついた。
ーー
進展があったのは、そこから2日後だった。
朝の体温検査に来た看護師が、受付の人から預かったと手紙とファイルに入った紙をもらった。
どうやら、
『吾妻さんに会いたいって言ってたけど、学生だし、ご両親が面会許可を出してないからって断ったら、じゃあこの紙を渡してくださいって。』
ということらしい。
名前を聞いたら、"中村天祐"というらしい。
ありそうでなさそうな名前だな。
ていうか、誰だ。
身に覚えのない人に名前を覚えられているという恐怖。
『、、、手紙は、、後から読もう。これは学級通信か。』
いつもは渡してこないはずなのに、クラスメイトも、担任すらも私のことなんて忘れるくせに今更学級通信か。
嘲笑う様な織田信長の様な笑みを浮かべて学級通信を読む。
今の季節は秋。ちょうど文化祭があった頃か。
『、、、くだらない。』
笑顔でピースして写っているクラスメイト達を見ると、少しだけイラッとし、紙を放り投げた。
次は手紙だ。くだらないこと書いてあったら皮肉をたっぷり入れた手紙を送り返してやる。
『、、吾妻美代さん。学級通信は見てくれましたか?僕は中村天祐と言います。学級委員長をしていて、勉強はそこそこです。はっなんだコイツ。手紙の書き方を知らないのか?』
"僕は手紙を書くのがものすごく苦手です。言っちゃダメなことを書いたり、思ったことを正直に言ってしまうんです。だからどうか、この手紙を読んで気を悪くしないでください。いつも、席に座って織田信長の歴史本をゲヘゲヘと眺めている吾妻さんを見て、美しいと思いました。気がついたら、ずうっと貴方ばかりを見てしまっています。結論は、早く元気になって貴方の顔が見たいです。体調が良くなったら、また会いましょう。その時は、僕とぜひお話をしてください。中村天祐より。"
『、、後半、口説かれている?』
ていうか、ゲヘゲヘとした顔とはなんだ。
私はそんな顔をして織田信長のご尊顔を眺めていたわけではない。
実に不愉快極まれり。
織田信長なら即斬ってる。
『、、これは皮肉を詰め込んだ手紙を書くのが有効か。』
そう思い引き出しを開けたが、、
便箋が入ってなかった。
白い上品な和紙で作られた牡丹の花のイラストが邪魔しない程度に描かれていたあのお気に入りの便箋が、、ない。
『あんの、、クソ親父、、。』
やり場のない怒りをベッドにボフンボフンとぶつけた。
ーー
ガヤガヤと騒がしい教室。
結局、一時退院を許されたのはそれから1週間後だった。
どんだけ心配性なんだよ。まったく。
そのくせ見舞いにはこないのに。
考えたらイライラしてきた。
織田信長のご尊顔でも眺めよう。
そう思い本を取り出し、堂々とした風貌で座っている信長のご尊顔を拝見する。
『ほら、ゲヘゲヘしてる。』
面白がる様な声が頭上から聞こえ、顔を条件反射であげれば、、そこには四角い眼鏡をかけたいかにも真面目キャラの男が私の前の席に座っていた。
『、まさか、、中村天祐。』
『覚えててくれたんだ。よろしく。吾妻美代さん。』
差し出された手は受け取らず、また本に視線を落とす。
そんなにゲヘゲヘしていたか?
『、、、、、』
『、、、』
『、、、、、』
『、、、』
『、、、なんか用?』
『いや。本を読んでる君も綺麗だなって。』
『は?!?!』
大きな声を出してしまい、クラス中の注目を集めてしまった。
『ゴホゴホ、、口説いているの?』
『まぁね。』
変人に目をつけられた。
ーー
また、熱が出てしまった。
ちょっと寒暖差が出ただけで喘息の症状が出てまた入院。
退屈だ。何故か前よりもっと退屈になった。
最近は頭の中に中村天祐の顔がチラつく。
細い糸目に四角い眼鏡。顔立ちの整った真面目キャラ。
だけど本当は思ったことをすぐに口に出すタイプのアホ。
でも、、、悪い気分にはならない。
病院の無機質な天井を眺めるよりも、中村天祐の顔面を眺める方がマシだな。
そう思いながら私はベッドに横たわる。
体が熱い。熱が少しあがってる。
ーー
退院できたのは、意外にも早く、4日後だった。
久しぶりに教室に入ると、こんな子いたっけ?という目を感じる。
織田信長はこんなの気にしない。そう言い聞かせながら自席に座り教科書を出す。
『美代ちゃん、久しぶり。顔色良くなったね。』
『、、、ああ。まぁ、、』
これは決して、学校にこれて嬉しいとかじゃない。
こいつに会えて嬉しいとか、そういう感情じゃない。
だから口角静まれ。
『、、僕は、貴方に会えて嬉しい。』
心を見透かされた様な気持ちになり、顔を上げると中村天祐と目が合う。
糸目が開かれており、優しい瞳が奥に構える。
まるで全てを見られている様な、射抜かれた様な気持ちになり、鼓動が早まる。
『、、ずっと、会いたかった。4日でさえ、長く感じた。』
彼の、真剣な顔と声色が、、、私をまっすぐに見ている。
『あ、う、、』
出てくるのはただの声のみ。
彼の瞳に捕まえられて、動けない。
『、、、ほ、保健室行ってくる。』
かろうじて搾り出た言葉と共に席を立ち、真っ先に保健室へと向かう。
『先生、、熱が、あるみたいなんです、、。』
『あら、、念の為ご両親を呼んでおくわね。熱を測りましょう。』
ドクドクとうるさい心臓。血液が高速で流れる感覚。
熱の時と同じだ。熱がぶり返したんだ。
ピピピピッ
『あら、、平熱ね。』
『、、、じ、じゃあ、この胸のドキドキと、息がしづらい感覚は、、?』
先生も首を傾げ、悩む。
本当は、わかっていた。織田信長に抱いている感情とはまた違う。
これは、、恋心だ。
『、、、微熱か、恋という名の、、』
顔が熱いと見なくてもわかるくらい熱っている。
これが、、恋。
何故だろう。
初めての感覚に恐怖している自分もいれば、ドキドキワクワクしている自分もいる。
今まであらゆる分野を学んできたが、恋心というのは読解不可能だ。
ただ、わかるのは。
彼のことが、好きだということのみ。
彼女はこれから、段々と微熱が熱になり、高熱になるでしょう。
"初恋"という名の、微熱がね。
彼への微熱…
とうとう冷めてきたかな…。
心がぽっかりだよ。
『微熱』
ベッドの中で、あなたを待つ。
枕元には、あなたとのトーク画面を映すスマホ。
微熱と勢いにまかせて頼んじゃったけど、大丈夫だったかな。迷惑じゃなかったかな…。
そんな考えを巡らせながら暗い天井をぼーっと眺めて過ごしていると、不意にインターホンが2回鳴る。
最近物騒だからとあなたが言うから、二人で決めた合図。合鍵があるのに、とても心配性なんだよね。
鍵が開いて、あなたの声が近づいてくる。
だるい体を起こすと、暗がりの中に白いビニール袋を持ったあなたの姿が見えた。
とても優しい声。毛布にくるまっても寒くて震えていた私を、あなたの声はすぐに暖めてくれた。
あなたの顔を見るだけで、とても安心する。
あなたは簡単な食事を作ってくれて、家事までやってくれた。
それから、少しだけお話をした。
ご飯はどのくらい食べられそうか、とか、治ったら前話してた所に行こうね、とか。
その後は、私が寝る少し前まで傍にいてくれた。
普段はおしゃべりなのに、私を気遣ってか今日は静かに寄り添ってくれた。
今日いっしょに居られた時間は長くはなかったけど、それでもあなたに会えてとても幸せ。
あなたが帰ったあと、横にあるスマホを見ると、おやすみなさい、のスタンプがミュートで送られていた。
今日はありがとう。嬉しかったよ。おやすみなさい。
そう心の中で返信して、目を閉じた。
赤くなった頬は、きっと微熱によるものじゃない。
手をそっとおでこに当てる
普段より少し熱くなったおでこに
冷えピタを張る
隣にジュースを置いて寝っ転がる
天井を見ながらぼーっとする
頭がぐるぐると回り気持ち悪くなってくる
そんな時遠くの方からガチャリと音がした
微かに聞こえる「ただいま」に
小声で「おかえり」と答える
ガサゴソと袋を持った貴方が近くに寄り添ってくれた
窓の外は白い雪がさんさんと降っていた
去年の今はもっと冷たかったはずなのに
今は貴方がいるからあったかい
お題『微熱』
体温を測る機会が増えた。こんなに毎日体温計を
使うのは 小学生の時のプール以来じゃない?
いつも誤魔化してたけど。それは今もだけど。
微熱くらいじゃ 休めなかったんだよ。
微熱
子どもの頃、熱がないと、
学校を休ませて貰えなかった。
そこで、何とか熱が出ないかと、
体温計を口にくわえて、
ストーブの前で口を開けてみた。
昔の水銀で測るタイプの体温計。
気がつくと、40度を超えて、
母にバレた。
無茶苦茶怒られた。
少しで良かったのに。
ほんの少し微熱程度で良かったのに。
そしたら休めたのに。
気の利かない体温計だ。
paki
微熱だ。
なんてことない。
今日も学校へ行く。
他の症状は動悸。特にホームルームの時間は自分の心臓の音が音漏れしてないか心配だ。
先生は独身だ。
彼女もいない。
この前クラスの男子に絡まれた時に、自分の意思で結婚はしないと明言していた。
友達にこの症状を話すと本気で理解されないみたいで、知り合い紹介しようか などと要らぬお節介を焼こうとする。
先生の優しい声色を聞いただけで十分。そう、自分にはこんな距離感がお似合いだ。
今日もクラスの後ろの方の席で、先生の声を聞きながら自分の鼓動と感情に悶々とする。
微熱だ。
恋しているときって、微熱が続いているみたいな感じなのかな
でも、まったく見込みがないのに、それでもどうしても思い切れなくて、好きな気持ちを抱えて生きるのは心が凍えるよ
これからの季節、一人寝は寒い
顔の火照りは人を幼くするようで
電話越しにする話は健全者には伝わらない
小春日和に上がる体温
素っ気ないふりした上辺だけの声
図星かな、なんて思いながらもう一度
声が聴きたかったを口実に
空元気で隠された本音
弱々しい強気な人は
今日はなんだか兎のよう
『微熱』
割れた電球
光を失った熱
暗がりで冷めゆく
辛口の酒
誰かの妄想歌
地獄に堕ちる ここは天国
醒めたら浴びる 酒の雨
藻掻く己の無力さと
歩み消え行く君の背と
涙ながらに払う金
毎夜毎夜と 酒の雨
お題【微熱】
タイトル【迷ゐ夢】
いつもそばにいる
キミだから分かる
少し潤んでいる瞳
唇から伝わる体温
昔から伝わる迷信
風邪は人に移すと
早く治るらしいよ
ホントかウソかは
分からないけれど
『微熱』
【微熱】
なんだ? いつもよりも少し、変な感じだ。
頭が痛いわけでも、喉が痛いわけでもない。
風邪ではないだろう。そんな気がする。
齢20まで生きてきて、当たり前だが、風邪はたくさん引いてきた。
その経験から、このだるさと微熱はまた別のものだと判断できる。
「ハルヒロ。どうした? ぼうっとして」
大学の講義が終わったあと、前の席に座るリュウが振り向いてきた。
茶髪に染め上げているが、根元が黒くなってきている。
やはりこいつはどこか、真面目さが抜けきれていないなと、ハルヒロは思った。
「いや、とくに。別になんでもないんだけれど。うーん」
「なんだい。煮え切らないな」
リュウは潔癖症だ。とくに、ウイルスに関しては敏感である。
微熱があるかもと言えば、きっと眉間に皺を寄せるだろう。
いや、そこまで行かずとも、多分「大丈夫?」って心配してくれるだろうけど、でもやっぱり、警戒はするだろう。
「ハルヒロの状態はよくわかるよ」
意外にも、彼は知ったような顔をした。
それと同時に、リュウの後ろから、とある女子がやってきた。
彼女の名前はメイだ。
少しばかり、心臓が跳ねるような気がした。
なんだ? 緊張……してるのかな。
「やっほ。お昼食べに行こ。早くしないと、食堂混むからさ。早く早く!」
「メイ、そう慌てんな。慌てる乞食はなんとやらだ!」
メイがジタバタするのに対し、リュウはゆっくり立ち上がって言った。
「ハルヒロも早くー」
そう言って。
メイがハルヒロの腕を掴んだ。
もはや、掴むというより、組むと言った方が正しいかもしれない。
ふわりといい香りがする。
彼女は控えめに言って大変美人だ。
美人というよりも、どちらかというと、可愛い系……なのか? 小さくて、小動物のようだ。
「あれ、いつもより熱いね。顔も赤いようなー。微熱?」
メイの上目遣いが、眩しい。
目が大きいし、なんだかこう。よく分からないけれど。
思わず目を背けてしまった。
「ち、違うよ。それより早く行こう。ほらリュウも!」
「ハルヒロ。微熱の原因は、分かったかな?」
なんだよ。リュウのやつめ。
分かっていたなら、もったいぶらずに早く言って欲しかった。
ハルヒロはそそくさ歩いた。
メイは小首を傾げて、後ろから追いかけてきた。
#113 微熱
なんだかふわふわする。
瞬きしても、
目の前が、うまく見えない。
あついのが出ていかないで、こもってる。
体の色んなところ、ぐるぐる回ってる。
でも吐く息がやたら熱い。
シーツ冷やっこいな。
ほっぺが気持ちいい。
動けそうだけど、
このまま眠りたいな。
いいか…
もう、目蓋が重い…
「ふふ、おやすみ」
遠くに聞こえた声と、
ふわり、体に掛けられる感触を最後にして。
意識は落ちていった。
---
単純な微熱なようで…
何かを感じたら、それは。
頭痛いなぁ
クラクラする...
休みてぇ〜
でも行かなきゃ
迷惑は掛けたくない
僕のせいで
仕事に支障を出したくない
だから
だから
仕事へ行こう
# 5
『微熱』
今日は久しぶりの彼とのデート。寒くなってきたからマフラーでも羽織ろうか。服装もこれとこれとこれ!昨日の夜一人ファッションショーをしたおかげか思っていたよりも早く準備が終わった。あ、そうだ!彼はいつも服選びを失敗する、夏はちょっぴり暑い服装、冬はちょっぴり寒い服装、ちょうど良い服装はないのだろうか。そんな彼のためにホッカイロでも持っていってあげよう。きっと喜ぶ。
そうこうしていると彼は私の家の前にそっと車を停める。私は急いで家を出て車に乗り込む。
彼は私を乗せてゆっくりと車を動かす。私は彼の運転姿に見惚れながら寒さで曇った車の窓に頭を傾ける。
すると、突然視界に彼の手のひらが映る。彼は私のおでこにそっと手をのせる。
「やっぱり、熱あるじゃん」
「え、なんで?」
「そこの窓、冷たくて気持ちいでしょ」
ほんの少しの微熱だったのに。
フワフワと足元が覚束ない。ぐるぐると回る思考と視界は止まることを知らず座っていることもままならなくなってきた。少しでも体力回復に努めようと机に突っ伏す。今日中に終わらせるはずだったレポートの入力画面ではギャレットがチカチカと俺を嘲笑っているようだ。
体調管理すらできないとは、なんとも情けなくてポロポロと涙が溢れた。
微熱
あー。37.8。明日学校休まなきゃな。
明日学校行きたいなー。だって好きな人と会えないし。
今すぐにでも好きな人の家に行って抱きつきたいのに!
明日までに治さないと、、あー!好き好き!!ほんと好き!
どうしてもこの好きって感情が前に飛び出してたまんない!
あ!好きな人にLINE送って心配してもらえるかな?
私「37.8℃出たから明日休むわ😇」
好「まじで?でも微熱だからすぐ治るね」
私「そうだね…」
「好きな気持ちは高熱なのに。」