『幸せに』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
幸せに
私の彼氏には死んだ婚約者がいる。
その人は私の姉だ。
彼は姉が本当に好きで、
私の告白への返事を数ヶ月も悩んでしまうほどだ。
付き合って同棲を始めてからも、
毎晩泣いているのを見ていた。
私のことを大切にしながらも、
姉のことを好きなことを知っていたからこそ、
結婚に踏み込めなかった。
でもそれがだめだった。
ある日彼が居なくなった。
三日三晩寝ずに探した。
警察にも捜索願を出した。
すると山の中でひとつの遺体が見つかった。
彼が居なくなってひと月たったある日、
気持ちが落ち着いてきて彼の部屋を片付け始めた。
するとひとつのメモが出てきた。
一緒にそっちで幸せになろうね。
「幸せにします。僕と結婚してください」
プロポーズの言葉を伝えた僕にキミは嬉しそうに笑う。
「はい。よろしくお願いします」
キミの返事に喜ぶ僕に
「でもね」
キミは言葉を続ける。
「私を幸せにしてくれるだけじゃダメなんです」
「え?」
幸せにする。だけじゃ足りなかったのか。と戸惑う僕に
「あなたも幸せになってくれないと」
キミは優しく微笑む。
「私の幸せは、あなたも幸せでいること。なんです。だから、私もあなたを幸せにします」
言われた言葉が嬉しすぎて、胸がいっぱいになる。
「キミが笑ってくれるなら、それだけでいいと思ってました」
僕の言葉にキミは首を振り
「あなたに辛い思いをさせて、私が笑顔でいるなんて考えられません。一緒に幸せになりましょう」
僕の手を握り笑うキミの手を、僕は強く握り返し頷いたのだった。
テーマ『幸せに』
一緒にいて、安心できる人がほしい
私を否定せずに、ずっと隣にいてくれる人がいい
怒鳴ったり、大きな声を出さないで
ただ、穏やかに会話をしたい
愛が愛を得るための通貨ならば
愛のない私に、愛を得る資格はないのでしょう
あなたのそばで、毎日時間を積み重ねたい
私のことを嫌いな私を、好きだと言ってくれたあなたと共に
朝に起きて、食事をして、掃除をして
話し合いながら、生活を営みたい
難しいことは分かってる
それでも私は、あなたを望まずにはいられないのです
【幸せに】
やった。ようやく嫌いだった母を殺せた。これ程までに幸せなことは無い。
世界で一番嫌いな母を殺めてからおよそ3年。
私は未だに警察に捕まる事は無く、寧ろ罪は問われていない。何故ならば母を殺めたのは俺だと父が嘘をつき自首をしたからだ。頼みもしていないのに、勝手に。
私はそれに疑問を抱きつつも、父が勝手に自首したんだから、そのままにしておこう、と父の謎の自首については一切触れずに生きている。
『みーちゃん、どれにしようか?』
『みぃ、みーちゃんね、このお人形さんがいい!』
『可愛いお人形さんだねぇ〜、それが良いの?』
玩具屋のショーケースを眺める親子が居る。母親と、きっと5歳にも満たない女児だろう。
あぁなんて幸せそうな顔をしているのだろう。私は母親が居ない方が幸せだと思うのに。
そして、19歳の今でも時々思う。
本当の幸せとは何か。
幸せに
二人共……元気がないと最近感じる。
私は、4月から友達と離れ離れになる。
幸せになる力や魔法とか無い。
私は、祈ることしかできない……。
友達に届いてくれたら何より嬉しい。
#68 口癖
「幸せになりたい」
口癖のようにいう君の
幸せがずっと不透明
お題「幸せに」
今日は公園で、四つ葉のクローバーを見つけた。
いつもより、早く起きれた。
宿題もきちんと出せた。
クラブで先輩に褒められた。
夕飯がハンバーグだった。
こんな小さなうれしいの積み重ねが、
私の中では、「幸せ」に感じる。
どうしてだろう。
最近上手くいかないことが多かったからなのか、
意識するようになったからか…原因はわからない。
でも…こんな小さなことで、嬉しく感じられることが、 幸せなんだと実感できる。
周りの基準や決まりきった価値観に当てはめず、
自分に合った形を探し求めなさい。
そうすれば、きっと。
(お題:幸せに)
『幸せに』
君は、嬉しそうな顔をした。
純白のドレスに身を包んで。
僕には伝えることの出来なかった、幸せ。
君は僕の分まで、幸せになってね。
どうか、運命の人と───────
しあわせにしあわせに
今よりも今よりもって
にぎりしめている毎日でも
簡単に手から溢れてく不純な時間たち
それでも愛そうって気持ちを沸かせるため
衝動とか情熱とか冷静じゃない魂胆でストレートに生きてるよ
でもちっとも上手くいかないのはわたしが人生を柔らかく選ぶという技術が足りないからで
わたしの思慮深い癖は身体でも心でも使い果たしてしまうことができてしまうから毎日なにかに乾涸びているよ
枯渇した愛にでも不純な時間にでも常に新しいものはほしいし、美味しいものにだって興味がある。みんなが好きなアイドルだってかっこいいと思っちゃう
たしかにキミらの言う通りもっと普通に生きてればいいんだけど、生まれた時から普通が普通としてなりたってなくてしあわせも普通みたいな考え方できたことないしね
でも自分の人生が普通じゃないなんて特別な威張りも感じてないし、共感のないしあわせを毎日生きてるのかもね
とか考えては孤独になってるの?
だからしあわせとかについて考えられないとか思っちゃうけどね
そんなたった5分の最寄りのコンビニまでの道で必死に考えるわたしのしあわせ
幸せになりたい。
それがあの人の口癖だった。
モテたいだとか、お金が欲しいだとか普遍的なことではなく、もっと抽象的な話だという。
あの人は何か不満なことがあるのだろうか。だが、私にはそうは見えなかった。
地位も名誉も金も申し分ない。
だが、平々凡々。
あの人の語る野望は、なんだがそんな世界から逃げ出したいように見えた。
私は平凡な世界で生きるのが幸せだと思うけど。
それは母からの呪いだった。息を引き取る前のただ一言がわたしの人生を狂わすものとなった。あのときの声が、景色が、脳裏にこびりついている。何度も何度も繰り返されている。
かくあれかしという願いに蝕まれ、わたしの人生は義務となった。眠ることすら、食べることすら、友を選ぶことすら。誰が間違っていると言うだろうか。正しいと思うだろうか。きっと答えなどない。誰も教えてはくれない。
視界にちらつく影を追い、耳に残る声を追い、あのときの言葉だけを救いとして。わたしは今日も、死者のために息をした。
「私がいなくなったあとも、どうか幸せに生きてね」
わかってるよ。ねえ、母さん。わたしは幸せになれていますか。
大好きな、ママと、関谷さんですなんでかと言うと、関谷さんは、優しいて、お手伝いもできる✨天才(▭-▭)✧✨。、ママは、お金もくれるし、またーに優しい所ある笑それが好きですまた、5日に会います。関谷さんいるかなぁ?、笑いるなら会いたいなぁー。マターに♥️♡
『最後の課題を渡します。幸せになりなさい』
桜が舞い散る様子が窓の外に見える。卒業証書を胸に抱き、卒アルにクラスメイトの名前を書き集めた後、そう書かれた黒板を映す視界は滲んでしまった。
#幸せに
幸せになりたい
悩みが何もないとか
楽に日々を過ごせるとか
そういう幸せも素敵だけれど
できれば悲しみを越えた先にある
幸せに辿りつきたいと
そう思う
【幸せに】
幸せに
不幸を知って初めて幸福に気付けるのだとしたら、そんな幸せ欲しくない。それは幸せという名の後悔でしかないのだから。
不満を抱えて幸せに気付けていないのだとしたら、それはせいいっぱい生きている証…なのだと思う。せいいっぱい生きて行き着く先が後悔しかないのなら、そんなの間違っている。
相棒とあいみょんのLIVEとかこんな幸せな日はないね!ってインスタに投稿してる未来を夢見てお互い勉強中。
#幸せ
「豊永くんって彼女とかいないの?」
サークルの飲み会で出会ったばかりの、けばけばしい化粧の女が声をかけてくる。換気の悪い安居酒屋の店内はアルコールと煙の匂いが混じって酷く息苦しい。それだけでも嫌だと言うのに、わざとらしく俺の腕に豊満な胸を当てて来ているこの女は、羽虫を誘う花のように濃密で濃い香水の匂いをぷんぷんと撒き散らしている。
ああ気持ち悪い。だから飲み会なんて来たくなかったんだ。淀んだ空気も酒も濃い味の料理も、全部苦手だと言うのに。一度くらいは顔を出してくれ、と頭を地面に擦りつけて頼む友人の勢いに負けた過去の自分を恨む。出そうになった恨み節を飲み込もうと、なおも右腕にしがみつく女を振り払って烏龍茶のグラスに口をつける。早くこの時間が終わることを願って、進みの遅い時計をチラ見しながら、心にもない談笑に身を投じた。
解散時間は八時過ぎ。二次会カラオケへの誘いをキッパリと断って家路に着く。身に染み付いた悪臭たちを一刻も早く落としたくて、少し足早になる。それに、家では可愛いお姫様が俺の帰りを今かと待ちわびているのだ。寄り道なんてするものか。
電車に揺られ、最寄り駅から徒歩10分。お姫様の待つお城はそんな場所にある。まあただのマンションなのだが。家に入る直前、玄関前で髪を整える。あの子を幻滅させる事はしたくないから。一息ついてドアを開ければ、ぱたぱたと足音を立てて、彼女は満面の笑みで俺にしがみついてくる。
「きょーお兄ちゃん、おかえり! きょーもいちにちおつかれぇ」
これが俺のお姫様。パステルピンクのパジャマが良く似合う、今年で5歳の俺の妹。俺の帰りがどれだけ遅くても、眠気まなこを擦って待っていてくれる、いじらしい女の子。今日だってほら、お風呂上り、シャボンの香りをした髪を乱して駆けてきた。舌っ足らずなその口で労われるだけで、疲れなんて吹き飛んでしまいそうだ。俺の身体をひしと抱きしめ嬉しそうな姿に、自然と笑みが零れてしまう。が、突然お姫様は顔をしかめて俺から離れる。
「きょーお兄ちゃん、くしゃい」
「ほ、ほたる……?」
「くしゃいお兄ちゃん、やだ」
俺に染み付いた悪臭に対してなのは分かる。それでも、妹のその一言は俺の心に酷く突き刺さった。それはもう致命傷ギリギリくらいに。だから飲み会なんて行きたくなかったんだ。今日何度目かの後悔を胸に脱衣所へと急いだ。
丹念に泡を立て、身体や髪に擦り付け、隅の隅まで丹念に流せば、すっかりシャボンの良い香りになった。着替えた部屋着も清潔で、これならお姫様の機嫌を損ねないだろう。濡れた髪をタオルで拭きながら寝室に入れば、半分目を閉じかけている妹の姿。こくりこくりと船を漕ぎながらも、懸命に目を開こうと頑張るその姿が可愛らしい。妹は俺の到来に気づくと再び俺に飛びついてきてすんすんと鼻を鳴らす。さて、お姫様の評価は如何に。
「お兄ちゃんせっけんのにおいー。ほたるといっしょ!」
合格。心の中でガッツポーズする。お姫様はぴょこん、と俺から離れると、続けて俺に絵本を差し出してじっとこちらを見つめる。見つめ返せばもじもじと手遊びを始めた。読み聞かせのお誘い、彼女がこの時間まで睡魔に抗っていたのもこの為だ。もちろん俺は断らない。だって愛しい姫様の頼みなのだから。
布団に潜って物語を語り聞かせれば、お姫様は様々な表情を見せてくれる。白雪姫がお城を追われればハラハラとした顔、小人たちと暮らし始めれば楽しそうに鼻を鳴らす。コロコロ変わる表情はどれも可愛いけれど、やっぱり一番好きなのは、瞳輝くにっこり笑顔。この先何があろうとも、彼女には笑顔でいて欲しい。だって童話のお姫様は、いつでもハッピーエンドを迎えるものだから。
おしまい、と本を閉じれば隣で耳を傾けていたお姫様は、すやすやと安らかな寝息を立てていた。起こさないよう、ゆっくりと布団から出る。掛け布団を彼女の肩までしっかり掛け直して、その小さなおでこに優しく口付けた。いつか大きくなって、彼女だけの王子様か見つかるその時までは、仮初の王子様を演じよう。だって俺は彼女にとって、たったひとりのお兄ちゃんなのだから。
どうか今は良い夢を。そしていつかは幸せに。そう願いを込めて寝室の扉をゆっくりと閉めた。
【幸せに】
どうか、幸せでいてください
そう言って、僕の彼女は消えてしまった。前の彼女も、その前の彼女も。彼女未満の、気になっていた女の子も。隣の家のお姉さんも、従姉妹も、気難しい妹も。みんな、同じ言葉を残して、逝ってしまった。
僕が彼女たちを愛したからこんなことになってしまった、んだと、思う。この小さなセカイで、君と僕の恋は、愛は、世界の命運を背負い込んでしまった。そして、彼女たちを、えいえんがあるという向こう側に突撃させてしまった。彼女たちが運命に特攻したあと、決まって骨が降り注いだ。一人の人間の身体にある骨量よりずっと多くの骨が降るから、きっとそれは特攻し死んだ彼女のものではないんだと思う(混ざって入るかもしれないけど)。僕は骨が降るたび街を歩き回り、肋骨を一本だけ拾う。それを持ち帰り、部屋の奥にしまってある木箱に収める。かちゃり、と、すでに収められている肋骨たちが鳴る。僕は、この肋骨たちを彼女たちの遺品とすることにした。向こう側にいって、骨も肉も涙も残らなかった彼女たちを悼むために、誰のものかもわからない肋骨を用意する。肋骨を詰めた箱を抱きしめるたび、僕は彼女たち一人一人を思い出す。この箱の中には彼女たちの誰一人としていないけど。僕は、この箱の、ここに詰め込まれた、誰のものでもない肋骨を通して彼女たちを感じる。
僕にとって彼女たちを感じるということは、結局のところ、彼女たちの感じた不安や寂しさや恐怖に思いを馳せることではない。彼女たちの怒りに共感することもないだろう。これはただ、あの日にあった恋心を追体験するための儀式だ。儀式だから、骨は本物でなくて良い。箱は棺でなくて良い。僕は、彼女たちを愛している。僕に、腐ることのない恋を残してくれるから。
かつん、かつん、かつん
骨がまた、降り出した。きっと、どこかで誰かが向こう側に行ったのだ。それは、少女かもしれないし少年かもしれない。老年かもしれないし青年かもしれない。そもそも、人ですらないかも。いずれにせよ、きっと、僕みたいな人間が誰かを愛してしまったということだ。
「どうか、幸福でいてください」
きっと、そう言われたのだろう。
「どうか、幸福でいてください。私の苦しみや悲しみが、私の命が、あなたの都合の良い解釈になりかわり、平べったい、美しくて無害な思い出になって、あなたの退屈を紛らすための慰めになるから。思い出を反芻することで得られるかりそめの快楽を幸福と拡大解釈してください。なるべく不幸でいなくていいように。私の命をそんなことのために使い果たすあなたが、不幸を感じるなんてあまりにも身勝手だと思うから。だから、どうか、幸福でいてください」
―幸せに―
良い天気だから公園でお花見した。
満開の桜を眺めながらのお散歩気持ち良かった。