『平穏な日常』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『平穏な日々』
というものは
いつ崩れるか
分からない。
幸せは
いとも容易く
崩壊する。
だから私は
自衛隊を選んだのだ。
116
穏やかな光が窓から差し目が覚めた。
背伸びをして、飼い猫の体を触り挨拶をし
同時に飼い犬も起きたようで挨拶をすると
クウーンと返してくれる。
何気ない、変わり映えない日常
こんにちは、と声がして、顔を上げる。17時03分。今日は少し遅い来店だ。
「こんにちは」
ほぼ毎日やってくる、常連の学生。どうやら当店のパティシエールが好きらしく(もしかしたらただ単にケーキが好きなだけなのかもしれないが)、毎回顔を赤くしながら不安そうにパティシエールの居場所を聞いてくる。
「えっと、店長さんは……」
「試作中。新作はコレとコレ。食べていくなら、その席で」
もはや恒例となったやり取りに、少年は「じゃあ」と新作2つを選ぶ。お金を出そうとしたので、わたしはお金を置くトレーを引っ込めた。
「毎回言うけど、店長が後で払うって言ってるんだからいらない」
「で、でも、あの、毎回はちょっと……せめて1個分だけでも……」
「……そんなに払いたいなら、自分で店長に言って」
そこで彼は黙ってしまう。店長の厚意を受け取らないのも悪いと思っているのだろう。
しばらく2人で黙っていると、わたしの後ろから店長が顔を出した。
「お、少年。また食べていくのか! ありがとな!」
ふわり、甘い匂いが鼻をくすぐる。くしゃみが出そうになって唇を噛む。
一方彼は、店長を見るなりさらに顔を赤くして、はひ、と呟いた。先程までの意気込みは霧散したらしい。
「それ、絶対美味しいから! あ、あとで試作も食べてって! 時間ある?」
「あ、ある、あります」
「んじゃ、なるべくすぐ作る!」
慌ただしく戻っていく店長と、いつもの席に座った彼をそれぞれ確認し、わたしは店の入口に向き直った。
今日も甘ったるくて、いつも通りだ。
「おはよう」
挨拶から始まった今日、僕はいつも通りに街を歩いていた。
煉瓦模様で塗装された歩道。道路脇には花壇が並んでいて、歩くたびに植えられた花の種類が変わっていく。
それを横目に見ながらただただ前へ前へと足をすすめる。
ふとした時、赤色の歩道用信号を見て足が止まった。地面を見ればT字に広がる黄色い点字ブロックがあった。
地面すらも、信号の前では止まってしまう。綺麗に敷かれた赤煉瓦の地面も、横断歩道により断絶されている。
赤色だった信号が、青に変わる。
横断歩道は道路と白線が交互に連なってできている。
小さい頃、横断歩道を渡るときは白線のみを踏んでいく。なんて謎のルールで歩いたりしていた。簡単なゲームではあったが、1番の難関は横断歩道終わりだ。そこの場所だけ時折白線と道路の間が地味に広くて、大股開いても、ジャンプしても白線まで届かないことがある。
そのときは立ち止まってどこかしら迂回路がないかとしてみたくなるのに、横断歩道の性質上ずっとは立ち止まってられないから、結局、仕方なしに白線しか通ってはいけないゲームに最後の最後で終わりを告げることになる。
幼い僕はその強制的な終わりを実感するたびに横断歩道が焦るようなものでなければなぁ、なんて思っていた。
大人になった今は、もうそんなふうに白線で遊びことはない。たまに、足の位置をわざと白線に収まるように調整することはあっても、別にもう横断歩道終わりでがっかりなんてしないし、そこで足を止めようとも思わない。
だけど何となく、今日は大人だけどやってみようかなぁ、なんて思った。
僕は白線を踏んで青信号を歩いた。
幼い頃と違って足幅は大きい。だから特に危機感もなく白線の上を歩けた。
そして、最後の白線にやってきた。
歩道の煉瓦道へ行くには、大人になった僕ですら道路の幅が広くって、多分どうやっても道路の黒い部分を踏んでしまうだろう。
白線の上に立ったまま足を止めて、あたりを見渡してみる。だけどうまい具合にできた道路だ、見渡したってどこにも回路は存在しない。
まぁ、そんなものなのだ。見渡す時間があったって。
大人になった僕は幼い頃と違ってガッカリすることはない。納得という現実の受け止め方を覚えたのだから。
僕は大人になってもゲームオーバーを迎えながら、横断歩道から歩道へと移った。
また、煉瓦の道を歩く。
辺りには誰もいない。道路も車は通っていない。風で木々は揺れるけれど、鳥の囀りは聞こえてはこない。
僕は自由だ。横断歩道でいくら立ち止まっても問題ない。それが青信号でも、赤信号でも。
道路を歩いたっていいだろう。ど真ん中で寝ることですら。
子供の頃考えたあれこれを、自由に実現できるだろう。
「さぁ、今日はどこに行こうかな」
歩きながら僕はグッと両腕を天に向かって伸ばす。
太陽が真上でずっと止まっていて少し眩しい。
僕は学校へと足を密かに向け出す。
周りの目があるからと、幼いころ出来なかったことをやろうって。
平穏な日常を、僕は今日もひとりぼっちで過ごすのだ。
誰もいなくなったこのおかしな世界で。
こんな平穏な日常がずっと続けばいいと思っていたのに、気づいたら僕はこんな世界に足を踏み入れていた。
僕はもともと普通に生活をしていただけだった。それなのにあの日、職場のアイツに誘われて行ったバーで昔の仲間と再会したんだ。最初はお互いかたかったけど、酒の力もあってか話がトントン拍子に進んでしまったんだ。
気がついた時にはもう遅かった、おかげでこのざまだ。もう戻ってくることは無いと思っていた世界だったのに、もう戻りたくないとすら思っていたのに、もしかしたら俺は一生この世界に縛り付けられるのかもしれない。これが俺の人生なら、俺はもう、この人生を受け入れよう。さぁ、仕事の時間だ。俺はまたこの夜の深い闇に一人姿を消した。
今日も何も無い
今日も暇だ
今日も君を見つめる
今日も君に恋をする
今日もとても幸せで、とても平穏な日だ
この生活が、続きますように
平穏な日常
平穏な日常。
朝起きる日常。
スーツを着る日常。
働きに出かける日常。
部下と話す日常。
書類を書く日常。
スマホを見る日常。
定時で退勤する日常。
アイツに会いに行く日常。
アイツをいなす日常。
覚悟を決める日常。
アイツに助けられる日常。
アイツを助ける日常。
アイツがいる日常。
それが、平穏な日常。
────────────────
自創作 赤い祝日 より
『平穏な日常』
毎日変わらず同じような日々を繰り返す
特段変わったこともなく淡々と過ぎる毎日
でもそんな中で大切な人たちと笑い合える日常は素晴らしい
失ってから気づくのでは遅すぎる
だからいつも通りの日常こそ大切にしなければならない
この平穏な日常を大切に生きなければならない
「カウントダウン」
この街を出ていく日が、近づいてきている。
日の出が早くなり、最低気温が上がっていく。
春が、来る。
三月の中旬にこの町から出て行く私は、この町で今年の桜を見ることはできない。
こんなことなら、昨春もっとちゃんと見ておけばよかった。
自転車を漕ぐ。
緩やかな登り坂の傾斜がきつくなっていく。
薄川(すすきがわ)にかかる筑摩橋(つかまばし)からの眺めが好きだ。
観光資源が豊富な街の、観光スポットでもなんでもない、何気ない風景。
ドラマティックな展開なんていらない。
四季折々の風景をいつまでも同じ場所で見ていたいだけだ。
そのことに初めて気がついた。
あと何回、この景色を見られるだろう。
そう思い始めた時から、どんな風景もキラキラと輝いて見えるようになった。
────平穏な日常
平穏な日常
幼い頃は、アニメの影響なのか、ハラハラドキドキの毎日に憧れていた…探検隊を引連れて、カッコ良く、狩をしたり、ジャングルを切り開いたり…
それから大人になった今、そんな事を思っていたことすら、忘れていた…
今の私は、君と平凡な日常を過すのが、未来の夢へと変わり…
平穏な日常
運動会、遠足、修学旅行 etc…
小さい頃から学校行事が嫌いだった
学校に漂ういつもと違う特別な日の感じが、なぜだか焦燥感や不安を駆り立てるからだ
前日にはてるてる坊主を逆さまにして、雨になるようにお祈りしていたほどだ
誕生日
―――誕生日を迎える度に何を祝うのかがずっとナゾだった
みんなはその日におめでとうと言う
しかし段々と年齢を重ねると、徐々に心のわだかまりが大きくなった
ただ生まれた日というだけである、何がめでたいのだろうか、そこに当人の意思は関係ないのだから
平穏な日常
―――なんでもない日おめでとう
毎日同じような日々を過ごしている、退屈で眠たい日々である
しかしテレビに映し出される非日常なリアルを見れば、その日々が如何に尊くて大切なものかを思い知らされる
特別なんて要らない、平穏で居たいだけ
昨日と今日の分をまとめて投稿することになってしまった!!!(2回目)前回入力した内容が消えてしまった!!!なぜだい?!!
+゚*。:゚+.゚*。:゚+.゚*。:゚+.゚*。:゚+.゚*。:゚+
「愛と平和」3/10
「また会えるその時まで、待ってて」
あなたがそう言ったから、私はずっと待っていました。
鮮やかで温かな春 眩しくて懐かしい夏
穏やかに過ぎ去る秋 全てを穢れなき白で連れ去る冬
ずっと、ずっと待っていました。
でも、あなたはいつまで経っても来なかった。
だから私は決めたの。
全てを飲み込んでしまおうと。
そうすればきっと、
私の中で眠るあなたを愛することができるから。
すぐにあなたを見つけることができるから。
でも、私の中にあなたはいなかった。
だから私は決めたの。
新しい世界を作ってしまおうと。
「あなた」と安心して過ごせる、愛と平和で溢れた新しい世界を。
まずは、あなたが退屈しないように、小さな街を作りました。
あなたが欲張りだったとしても、これでなんでも手に入るはず。
次は、あなたがどこかに出かけたくなってもいいように、たくさんの街を作りました。これできっと楽しく過ごせるはず。
それから、空をたくさんの星々で飾りました。これで昼も夜も空を見上げるだけで、心が満たされるはず。
最後に、「あなた」を作ることにしました。
あなたを定義するのはとても大変でした。でもあなたはとても素敵なひとだから、宇宙で見つけた美しいものでできているはず。そこに私を少し混ぜ込んでしまえば、きっとこれで事足りるはず。
これで、私とあなただけの、愛と平和に溢れた美しい世界が完成しました。
もし足りないものがあれば、また定義しなおせばいい。
あなたと一緒に作り足せばいい。そうでしょう?
あなたがいれば、私はそれだけで幸せなのだから。
+゚*。:゚+.゚*。:゚+.゚*。:゚+.゚*。:゚+.゚*。:゚+
「平穏な日常」3/11
静かな群青から朗らかな薄紫に変わる夜明け。
キミがゆっくりと起きてくる柔らかな朝。
一緒に食べる朝ごはんのバターを塗ったトーストと目玉焼き。
元気な太陽が街を照らす昼。
思い出話やケンカをしながら食べる昼ご飯。
散歩したときに聞こえてきた名も知らない歌。
街が眠り始める夕暮れ。
夕焼けに透けるキミの髪。
どこかから漂ってくる夕食のかおり。
キミが眠る夜。
夕飯に食べたカレーがなかなか落ちない洗い物。
お風呂に入るときに選ぶ入浴剤。
ボクが眠らない深夜。
キミの眠っている間に書くレポート。
いつの間にか回っている時計の針。
そういう一日一日を繰り返して、みんなは成長して、老いていく。
暑くなろうと、寒くなろうと、その理は変わらない。
ボクはこんな平穏な日常を送るのがとても好きだ。
だからこそずっと続いてほしいと思っている。
でも、いつか必ず、終焉が来ることはわかっている。
キミがボクを置いて行ってしまう。
この街が破壊されてしまう。
そんな日が、いつか来るんだ。
壊れたものは、もう二度と元通りにならない。
だから、だからこそ、毎日を大切にしていこう。
そして、キミに毎日を大切に生きてもらおう。
そんな時が来たとしても、せめて後悔のないようにしたい。
キミが幸せに生きていけるように。
安心してボクを置いて行けるように。
うちのペットの犬可愛すぎる。
カチンときても、次あったらもうかわいい。
いくら噛まれたって、次あったらやっぱりかわいい。
これが私の平穏な日常。
何事も積み上げるのには時間が掛かる。
なのに、壊れるのは一瞬。
遠く離れた地を映した箱の中も世界で、手元の板の中に届けられるのも世界。
どれもすべてが他人事ではない光景と知るのは、それに巻き込まれてからだった。
今日も、自分の周りには緩やかな音が流れる。
そんな風に安らげる居間という空間。
丸く低めの机には、香りの良い緑茶を添えた。
和やかな一日も大切だから、この少し固めなおせんべいと共に噛み締めていよう。
【平穏な日常】
平穏な日常
今が一番平穏。
ご飯が毎日食べられて
たまに風邪ひくけど
大きな病気もなく。
飼ってるねこ3匹と
日向ぼっこ出来ること。
庭に紫色のクロッカス咲いてた。
春が来たと思った。
空が真っ青で雲一つ無く晴れてた。
13年前、寒い日で小雪が舞っていて。
311の記憶と比べたら
今日は、とても平穏ないちにちだよ。
そういえば、おばあちゃんの命日。
おまんじゅうとお茶お供えしよう。
平穏な日常ほどかけがえのないものはない。ジェットコースターのような人生は物語の中だけで充分だ。
と思っていたが、平穏な日常を描いた物語だって面白い。エンタメ性に富んだ作品になるとどうしても波乱万丈になり、コンディションによってはそれが疲れることもある。おじさんが黙々と食事をするドラマが流行ったりする。
人間生きているだけで物語なんだなぁなんて陳腐なことを言って平坦な日常を送っている。
至って普段と変わらない。
繁忙期の最中で癒しの休日だったあの日。私は溜まった家事もそこそこに、街へ繰り出した。普段は朝晩にしか外へ出歩かないから何を着て行くか、服装に困った。結局通勤で着ているコートを羽織って外へ出た。日中は冷たい空気の中に、日の暖かさを感じられるようになっていた。春はもう直ぐ迫っていた。
平日の仕事疲れを多少引きずりながらも、外に出たのには訳がある。私が大好きなアイドルが、最近公開されたばかりの映画に出演しているのだ。しかも私の推しは主演の探偵役で、相棒役は旧知の仲の実力派俳優。息の合ったコンビネーションが見られるのではと、期待せずにはいられない。逸る気持ちで映画館へ向かった。
最高だった。その一言に尽きる。
私は心ここに在らずなまま、映画館を後にした。足を動かしながら、頭では先ほど観た映画のことでいっぱいだった。
まさかアクションシーンがあるとは知らなかったから、推しのカッコいい姿をふんだんに見られて感激した。それだけではない。息の合ったコンビネーションは、映画の至る所に散りばめられていた。二人の行動、言葉、仕草。少し間違えれば尾を引きそうなシーンを、あっさりこなしてしまい、さらにアドリブだろうセリフの応酬まであった。さすが推しと推しの友人さん、素晴らしい。
頭であれこれ考えていたが、少し整理したい。ついでに糖分を頭に入れたい。この横断歩道を渡った先に、確か新しくオープンしたばかりのカフェがあったはず。そこへ行こう。
信号が青になった。大勢の人の波に流されるように、歩き始めた。
ふと、向こう側から歩いてくる人と目が合った。カラコンでも入れているのか、吸い込まれるようなヘーゼルの瞳がこちらを見つめていた。周りでは見かけない瞳の色だからだろう、今でも印象に残っている。ほんの一瞬、ほんの数秒の出来事だった。そのあとは何事もなくすれ違い、気がつけば横断歩道を渡り切っていた。
今思えば、この時から私の日常は崩れ始めたのかもしれない。
『平穏な日常』
(嵐の前の静けさ)
朝起きて
眠たい身体を動かして
ご飯を食べて
学校や会社に行って
帰ってゲームやマンガを楽しんで
お風呂に入って寝る
そんな平穏な日常が
突然壊れてしまったらどうなるんだろう
変わり映えの無い日々でも
嫌なことが積み重なっていく時があっても
それでも平穏に生きられているのは
決して当たり前ではないから
人に 物に 自然に
いつも「ありがとう」の気持ちを
平穏な日々。
変わり映えない日常。
それのなにが悪い。
平穏な日常。
このテーマが今日あるのは、
当たり前じゃないことを13年前に身をもって知ったから。
心穏やかに。
今日という平穏な日常に感謝します。