『平穏な日常』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「平穏な日常」
バタバタと支度をし、忙しいと思いながら仕事をする。
帰宅すると家族と一緒に食事して一緒にテレビ見て笑う。休日は好きな事をして終わる。その繰り返しの日常。こんな平穏な日常が続いていけばいい。
いつか、終わりがくるとしても覚えておこう。これが私の平穏な日常だと。
繰り返せるから日常なのだ。繰り返せない、繰り返してはならないことは、だから、非日常なのだ。
/お題「平穏な日常」より
#平穏な日常
1日の終わりを迎えるとき あまり思い煩わない
明日を迎えることに 恐れがない
何で生きてるんだろうとか
どうして働くんだっけとか
考えなくてよさそうなことに頭をつかわない
あるがまま ゆったりと
この瞬間を生きている
平穏な日常はそんなところに宿ると思う
「みこちゃん!一緒に帰ろー!」
笑顔の彼女が私を迎えに来る。小さく頷いて、彼女の元へ向かう。
「ハル、待たせちゃってごめんね。」
「待ってないよ!早く帰ろ、バスが来ちゃうよ!」
私の手を掴み、走る彼女の横顔を盗み見る。走っているせいか赤らんだ頬、少し開かれた口、靡く薄い茶色の髪、魅力的だった。
「みこちゃん!あとちょっと!頑張れ!」
疲れの滲む彼女の顔、西日に照らされて輝いている。
「うん」
単調な返事を返して、前を向くともうバスはすぐそこだった。2人手を繋ぎ、ぎりぎりで滑り込む。
「あっぷなーい!なんでいつもぎりぎりになっちゃうんだろうね?」
笑いを含む彼女の声につられて笑みが溢れる。席に着くと、彼女の頭が肩に触れる。胸の高鳴りを覚える。オレンジに照らされた車内、彼女がやけに色づいて見える。こっそり、彼女の髪にキスをした。
「ハル、着いちゃうよ。起きて」
彼女が目を覚ます。なんだか寂しい気がする。
「おはよぉ」
でも彼女のこの声を聞けるのは特権だと思う。頭を軽く撫でてあげると、嬉しそうに笑う。
「ねぇ、帰る前にどこかでご飯食べない?」
魅力的な誘いに思わず頷く。
いつもどおり、手を繋いで、一緒にバスに乗って、一緒に帰る。そんな日常が崩れてしまわないように、私はそっと好きに蓋をした。
平穏な日々
平穏とは変わったことも起こらず穏やかなこと
つまらない日々
つまらない人生
少しだけ苦味もほしい
少しだけ刺激もほしい
そう思うかもしれない
けど平穏な日々ではなく辛い日々が続いたらきっと私は平穏な日々を望むだろう
野生の世界では
穏やかな生活なんて送れないのに
平穏な生活以上を求める
人間はやっぱりわがままな生き物なんだな
十三年前の今日の話をしようと思う。
当時、学生だった私は試験期間のため、午後休だったので家にいた。
揺れはじめたときはいつもの地震かと思ったが、そんなことはなく、激しく揺れても机の下に入ろうとしない母に頭を守るように怒鳴り付けた記憶がある。
地震が止まってからは学校の校庭に避難した。いま思うとこれは悪手だった。もし、私の町にも津波が来ていたら、助からなかったに違いない。
校庭には他にも避難してきた人がいて、心細そうにしていた。母の携帯でニュースを見ると、ちょうど母の故郷辺りが津波で飲み込まれる映像がリアルタイムで流れていた。
校庭の避難民に向けて、何も知らない中学生が「みなさん、大丈夫ですよー」と窓から叫んだ。何も大丈夫ではなかった。このときほど、若気の至りの恐ろしさを感じたことはない。
家に帰ってからはテレビとネットで情報収集に勤しんだ。実家から連絡がくるまで一睡もしなかった母に父も付き添った。母の実家は半壊したが、家族はみんな無事だった。ただ、知り合いの何人かは亡くなったらしい。
ネットでは母の故郷が火事になったという情報もあったが、すぐには伝えなかった。本当か嘘か、判断がつかなかったからだ。結局、恐る恐る伝えるとどうしてすぐに言わないのかと言われた。言わなくてもいいこともあるのだと、そのとき知った。
市が避難所を設置したと聞いたので見に行った。避難している人は一人もいなかった。窓から覗き込んだ私に職員の人が手招きしてくれたが、悪いことをしていると思った私は逃げ出した。
思えば、当時の私は軽率な行動が多かった。
母に対して、もっとできることがあったのではないかと思う。私が決意したことといえば、自立をして両親に迷惑をかけないようにしようという人の気持ちに寄り添わないものだった。
当時の、突然の非日常に地面に足のついていなかった自分へ。
お母さんに寄り添ってあげて。その人がいま、一番辛い思いをしているのだから。
ただ、ただ、何にもなく
ただ、いつも通りの日々。
今のこの平穏な日々が貴方は良いと言う。
でも………
【平穏な日常】
平穏な日常がいつまでも続くといいなと僕は思っていた。
テーマ 平穏な日常
いつも通りのルーティンをいつも通りに
誰かと笑って会話して
争いごとが起きないような静かな暮らし。
みんなが不満なんて持たないような生活を
みんなで作っていきたい。
友達の大ニュースがご飯をこぼしたことだったときや、
知らない人が落とし物を届けてくれたときに、
平穏だね、と言う
平穏な日常
何も心配なく穏やかに暮らせることの尊さ
平穏な日常
窓から差し込む光に目を覚まし
支度をして会社に向かう
最初はわからないことだらけだった仕事も
今ではすっかり慣れたもの
定時で退社して
近所のスーパーで食材を買って
テレビを見ながら簡単に夕食を済ます
今までもそうだったし
きっとこれからもこの平穏な日常が続いていく
別段不満がある訳ではないし
恵まれていると思う
なのに
時々不安に駆られるのは何故なのだろう
何か物足りないような
何かを忘れているような
思い出してしまえば
きっと平穏な日常は終わりを告げる
そんな予感がするから
見て見ぬふりをしながら日常を送っている
のかもしれない
それは求めていたものだった
何人何十人何千人の人達が犠牲になり
やっと掴んだものだった
しかしそれはいつの日か蔑ろにされた
ある男は立ち上がった
皆に平穏がどれだけ幸せなことかを知らせたかったから
どれだけの苦労を重ねて手に入れたものだったのか
矛盾を重ねているのはわかっている
だけどその矛盾を見て見ぬ振りをした
みんながしたことを忘れて欲しくないから
お題『平穏な日常』
朝目が覚めたら
顔を洗ってスキンケアをする。
さっと朝食を作って食べる。
お気に入りの洋服に着替える。
大好きな音楽を流しながら大好きなコスメでお化粧する。
お化粧に合わせてヘアセットをする。
さっと家事を済ませる。
家を出る準備をしてドアに手をかける。
「いってきます!」
そう貴方に笑いかける
帰ってくるものは特に何も無い。
だけどこれが私のルーティーン
さて、やっと
私の1日が始まる。
平穏な日常
それはほんとに私にとって毎日のこと。
でも、その日常に終わりがあるということは知っている
知っているけど、見ないフリをしている、
いつか来るその終わりはすごく怖い
怖いからこそ
私はいつ終わっても後悔しないようすごしていたい
平穏な日常
平穏なとは、
安定している、穏やかな、変わり映えない、つまらない。良くも悪くも受け取れる。
アップダウンか激しい毎日は刺激があり、疲れる。これは、年齢にもよるのかもしれない。
若いうちは変化が楽しく思えるが、年を重ねると、何もない平穏な日々が平和な気がする。
しかし、ある状態がずっとは続かない訳で、いいことがあれば、必ず悪いこともある。そうやって皆んな悟っていくのかな。
世の中は、今色々な国の戦力が拮抗している状態にある。その中でも、平穏な日々を暮らす一家があった。その家族の内容はこうだ。
父 外交官
母 専業主婦
娘 殺し屋
息子 情報屋
この家族は、拮抗した世の中を生き抜いている。己の持つ力のみで。周りのことなど露知らず、暮らしている。この世の何処かで。
平穏とは
変わったことが起こらず、おだやかなさま。
つまらない
今日はいつものように朝起きて、朝食を食べ、家を出た。
いつものように空は不機嫌で、私は舌打ちをした。
すると空は目ざとく私にだけ雨を振らし、ついでに雷で脅しをかけてきた。
それは卑怯だって
むっと空を見上げると、あいつはにやりとしたり顔で太陽を覗かせてきた。
強風が背中から吹く。早くしねえとバスに間に合わねえぞと言っている。上から目線でムカつくな。
私はひたつく制服を気にも止めず、目の前の坂を猛ダッシュする。
頂上につこうとした途端、急な暴風にあおられる。
おまっ!まぁじでさーもお!いつもだるいって!!
ケラケラケラと光の反射が辺りに飛び散った。
こいつ私で遊んでやがる。ピクピクっと目元が痙攣した。はあっとため息をこぼしもう一度坂を登ると今度は背中を押された。最初からそうしとけよな。
頂上から見る景色は虹がかけられていて、私は思わず口元が緩んだ。
ご機嫌取りかよ
空は穏やかに雲を流していた。さらっと頬を撫でる風は感じのいい清涼感だった。
私は下り坂を駆けて、いつものようにバスに遅れた。
.平穏な日常
平穏な日々とはあって当たり前のものなのだと、そう信じて疑わなかった。そうではないと理解したのは、奇しくもあの地獄を体感してからだ。
彼奴は私から全てを奪っていった。家も、家族も、友人も、温もりも、それら全てを等しく消し去ったのだ。
普段の穏やかさを忘れたように狂い、うつくしいマリンブルーを真っ黒く焦がしながらこちらに躍り掛かる姿は、瞼の裏に鮮明に残っている。
十数年経った今となっては、家族や友人との会話も、あれだけ睨み合っていた上司とのいざこざですら遠い記憶の向こうで、ひどく懐かしい。
あそこから得られたものも少なくないが、如何せん失ったものが多すぎた。
私は未だに海に近づけないままでいるのに、世界は刻一刻と進んでいく。私は焦る。一人だけ世界のどこかに置いていかれているみたいで寂しくて、さらに焦ってミスをして……。そんなことを繰り返しながら日々を乗り過ごしている。
この胸の穴がいつ塞がるのか私にはわからない。そもそも塞がるかどうかすら怪しい。
だけど。
それでも私は、あの日常を──あの日常に限りなく近い幸福を目指して明日も生きていくのだろう。
それが残された私にできる、唯一の鎮魂歌だと思うから。
▶平穏な日常 #65