『巡り会えたら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#巡り会えたら
巡り逢ひて見しや
それとも分かぬ間に
雲隠れにし夜半の月かな
夢の中で会った貴方。
誰か分からないまま、
雲に隠れる月のように消えてしまった。
もしかしたら、この世界のどこかで
会えるかもしれない。
もし会えたなら、伝えたい、、、
『ありがとう』
巡り会えたら
目がガチッとハマって離れない。
君はなぜか私の名前を知っている。
俯きげに足早に去ろうとする。
私は当てずっぽうに初恋の人の名前を出した。
不器用な君。
ほんの数分、世間話なんかして。
外に目をやると、空気みたいに溶けてなくなる君と私。
またねの代わりにさよならを後にして。
ずっと別れがこないように。
「巡り会えたら」
またここで会いましょう。
その時にはもう、わたしとしてのわたしじゃないかもしれないし、
あなたとしてのあなたじゃないかもしれないけれど。
それでもいいよね。
もう一度みんなと巡り会えたら。
そんな夢みたいなことが起こったら。
伝えたい言葉がいっぱいある。
ありがとう、ずっと一緒にいてくれて。
ごめんね、何も言わずに勝手にいなくなって。
でも、怒るかもしれないと分かっていても。
どうしても行かなきゃいけないと思ったんだ。
俺だってみんなを守りたかった。
自分がどうなってもいいなんて、そんな大層なことは思っていなかったけれど。
それでも、自分を懸けてもいいくらいには、みんなのことが大好きだったんだよ。
だから、さ。
小言は甘んじて受けるから。
まず最初にこれだけは言わせてよ。
『ただいま』ってさ。
【巡り会えたら】
巡り会えなかったら、
どうなっていたのかな。
変わらずに、本を読んでいた。
変わらずに、好きな時間を使い。
変わらずに、曲を聴いていた。
それが、運命な出会いなのかな。
そうだとしたら、
それが運命なのかもしれない。
【巡り会えたら】
巡り会えたら。
今はもう、巡り会えたら、と思うことはない。
最愛の人、親、子供に巡り会えたから。
皆を悲しませぬよう、『私の人生悪くなかった』と思えるよう、あとは会社の猿共に負けないように頑張るだけ。
「巡り会えたらって、どこに巡るっていうの?」
「知らないよ。そんなのそういう経験した人にしか分からないよ」
辞書で調べてみると、長い期間を経て、思いがけずに人や求めていた物と対面する。
という意味らしい。
うん。確かにそうだよね。と納得するものの何だがいまいち腑に落ちない。
「私達って、この意味だったら巡り会った事になるの?」
「巡り会うって?うーん。言われればそうなるのかもね」
私と彼は、高校生の頃にお互い好意を持っていたことは薄々お互い気付いていた。
けれど、お互い勇気が持てずに友達のまま高校時代を過ごし、卒業してしまった。
卒業式の日。勇気を出して告白しよう。
そう思っていたけれど、いざ当日になると、何も言えなかったのだ。
そんな私と彼が再会したのは、高校を卒業してから7年後。
たまたま打ち合わせをする企業にお互いが居た。という感じで再会をし、お互い高校生の頃好きだった。という事を確認しあい、今も好きだ。という結論に辿り着き、今お付き合いをする仲になったのだ。
私達のこの出会いは、辞書の意味なら、
また巡り会えた事になるのだ。
「でも、やっぱり巡り会うっていう言葉じゃないなー。なんか巡り会うって、なかなかの奇跡が起こってこそ使う言葉の気がする」
「俺は今のこの状況。なかなかの奇跡なんだけどなー、」
「えっ?なあに?」
「ううん。何でもない」
並んでソファに座っていた私と彼。
そんな私の頬に彼がキスをした。
「うわっ、びっくりしたー」
「あははは、不意打ち。どう?ドキってした?」
「………………っしたよ、馬鹿っ」
巡り合い、なんて、そんな高尚なものじゃない。けれど、こうして好きだった彼と今こうして一緒に居られる事に、私は幸せをかんじるのだった。
「生まれ変わって、また会いに来て」
それは、彼女がした一方的な約束だった。
大切な家族を失った。それは抗いようのない運命で、それでも受け入れるのは困難だった。
その家族の命が尽きる瞬間、彼女はただ再び会えることを願った。
そしてそれから、あなたが迷わないようにと、この地から離れることはなかった。
時は流れて――。
地球に起きた大災害の末、人類は滅びてしまった。今や世界は海の底である。
それでもまだ彼女は待っていた。自分の命が尽きようと、いつかまた会いに来てくれることを信じて。
水の奥深くから、海面に揺らめく光を見上げる。
すっかり変わり果ててしまった世界で、やっぱりあなたが迷わないようにと、ずっとそこで待っている。
もしもまた巡り会えたら、あの頃と同じようにぎゅっと抱き締めてあげよう。――いや、あなたは力強く抱き締められるのを嫌がったから、優しく抱き締めようかな。
再び巡り会えるまで。そんなことを考えて、薄く届く光に溶けながらゆらゆらと漂い続けている。
『巡り会えたら』
巡り会えたら
脳腫瘍が見つかったのは1年前。最初は手の痺れから始まって、今は寝たきりの状態である。
医者には手術はできないと言われた。
半年後、ネットで調べて辿り着いた病院。脳腫瘍の名医と言われた彼から聞かされた答えは、、、。
半年前にここに来てくれていたら、手術で腫瘍は取り除けた、という答えだった。
半年前にこの医師に巡り会えたら、巡り会えていたら、私は生きることができていたのだろうか?
もう悔やんでも仕方がない。誰かを恨んで死にたくもない。
私の運命だったのだろう。
ただ、こらから私のような病気で悩む人のために、たくさんの医師が技術を上げ、この医療現場で本気で取り組んで頂ければと切に願う。
どうか皆んなに明るい未来を、、、。
一目惚れしたあなたといつか、また
巡り会えますように。
【巡りあえたら】
堕ちる時は一瞬で
ふとした出来事で落ちる
積み重ねてきたものも全て無くなる
どれだけ頑張っても
落ちるのは簡単で一瞬だった
だから僕は君に
"諦めないで''
言い続けるよ
【堕ちる時】
「巡り会えたら」
あなたは初めて会ったときから
そこにいて微笑んでいた。
純粋で尊い魂に気後れした私は
後退りしてあなたから離れた。
私達は見つめあい
言葉をかわさず
互いを想った
目に見えるだんだん小さくなってゆく
あなたの姿は
離れれば離れるほどに
心の中でだんだん大きくなってゆく
その姿を両手で抱きしめて
私は踵を返し
あなたのいない世界で生きることにした。
私がかつて忌み嫌ったこの世界を巡って
私がかつて畏れ避けたこの世界を歩いて
巡るのは
時でもなく
運命でもなく
私自身
巡って必ず会いに来る
あなたが私を待っているから
あなたの隣に立つために
あなたと伴に居るために
あなたに愛をみせるため
「巡り会えたら」
【巡り会えたら】
何百年、何千年、果てなき人生を続けてきた。世界の在り方、社会の変遷を、人の枠組みの外側からひっそりと見守りながら。
幾度この無意味な生を終わらせようと迷ったかわからない。それでも遥か遠き過去に微笑んだ君の姿が、私を世界へと留め続けた。
私がまだ、永遠と続く自分の命を持て余していなかった頃。それでも人とは明白に異なる見目と能力とで、村人たちから恐れられていた頃。無邪気に私へと声をかけ、寄り添い、溢れんばかりの慈愛を注いでくれた一人の子供がいた。
さほど長い年月を生きられずに病で命を落としたあの子に、もう一度だけ会いたい。再びこの世に生まれ落ちたあの子の魂を持つ者と、もう一度だけ言葉を交わしたい。たとえそれがあの子そのものではなくて、私のことも何一つ覚えてはいないとしても。
いつか、いつか、巡り会えたら。そんな淡い期待を胸に、私は今日もつまらない世界を生きている。
また会えたら
いつかまた会えたらでいいから
もう一度だけ名前を呼んでください
それまでは生きてますから
#巡り会えたら
友達が欲しい。
そう思い続けて、早数十年。
結局、上辺だけの関係の友達なら出来たけど、本当の意味で、友達と呼びたい人は居ない。
ただ、人生百年時代と呼ばれる昨今。
もしかしたら今後、親友と呼べるまでの人に巡り会えるかもしれない。
そうポジティブに考えると、ちょっとだけ、まだ未来は明るい。
いつか、本当の友達が出来ればいいなぁ。
巡り会えたら それは運命?
そんなのはわからない。
出会って傷ついてクタクタになって
それでも良かったと思えるのか。
素敵な出逢いだけじゃない。
だけど、意味がある出逢いだった。
忘れられない程なのだから。
巡りあえたらまた次をさがす
内回りでも外回りでも
永遠に探し続けて
どこまでも巡回する
尽きることなき欲望
君と巡り会えたなら
僕の気持ちを伝えたい
貴方と巡り会えるなら
私の気持ちを君に伝えたい
─────『巡り会えたら』
#巡り会えたら
犬好きで趣味は旅行。
身長は170㎝は欲しいかな。極端に太ったり痩せたりしてなければ、そこまで体格にはこだわらない。
定職にはついていて欲しいなあ。
年齢は40未満。あんまり歳が離れているとだと会話が弾まないかもしれないし。
笑顔が素敵ならなお良いかな。
「よし、送信」
私は祈るような気持ちでアプリの送信ボタンを押した。写真だってちゃんとカメラマンに撮ってもらったものだ。SNSの更新だって頻繁にやってる。
大丈夫だ。抜かりないはず。
リビングのテーブルに腰掛け、祈祷のように両手にスマホを持って、私はアップロードが終わるのを待った。
「あっ」
不意にスマホが手から滑り落ちる。パタンと音を立てて平らに倒された。
「何やってんのよ」
見ると、邪魔者の手によりアップロードはキャンセルされていた。
「出会いはデイケアくらいにしといてよね、おばあちゃん」
顔を上げると、孫娘が心底あきれた顔で私のことを見ていた。
「巡り会えたら」
またいつか巡り会えたなら、次は何を思うのか。
また縁があって、此処に来てしまったなら、どんな顔が出来るのかな。
ガタガタ揺れて、目の前がぼやけて、ぐらぐら頭の中が崩れて、混ざる様な感覚、嫌な感覚。
息遣いと足音だけが私の世界を支配している。
光が少し入るだけの此処で、思い出すのは後悔だけ。
また巡り会えたら、、、廻って、また。
そんな映画のタイトルを聞いたことがある
そんな歌詞を口ずさんだことがある
巡り逢えたら奇跡だとか
巡り逢えたら幸せだとか
めぐるのは季節だろうか 時間だろうか
会いたいのは誰だろうか 運命だろうか
そんな物語を読んだことがある
そんな名前の作品に何処かで出会っているような気がする