『寂しさ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
放課後の教室。
ライブが終わった直後のコンサートホール。
上映終了後の映画館。
撤去されたクリスマスツリー。
電気の消えたショッピングモール。
最後の一台が走り去った駐車場。
廃墟になって久しい遊園地。
寂しさというのは、人の痕跡があったからこそ感じるもので。
往時の賑やかさや活気を知っているからこそ、それらが無い状況を寂しく感じるのだろう。
遠い将来、人類が全て滅んでしまったら寂しいという感覚も、楽しかった記憶も、全て無くなってしまうのか。
いつか寂しさも含めた全ての感情が、この世界から消えてしまう瞬間がやって来る――。
遠い宇宙を進む船は、その記憶を無くしたくない人々の、最後の希望なのだ。
END
「寂しさ」
折り紙の「だまし船」みたい
目を逸らした間
違うとこ掴まされてる
そんな寂しさの
恋にいる
あなたといると寂しいの。
自分勝手に私を呼びつけて甘い嘘で弄んで、
そうやって私を手の上で踊らせていい気になって。
どうしていつもあなたの願いしか叶わないの。
私は側にもいてくれないあなたのことばかり考えて、
馬鹿みたいじゃない。
ねぇ、やるだけやったら私はもういらない?
いつもほったらかしなのに、
こんな時までそばにいてくれないの?
こんな暗い部屋に私を1人残して、一体どこに行くの?
分かってるよ、
寂しいって引き止めたらまた"ごめんね"って言うんでしょ。
苦しいのは私なのに、
泣きたいのは私なのに、
自分が1番辛いなんて顔しないでよ。
お願い、置いていかないで…。
『寂しさ』
『寂しさ』
寂しくなったよ。
ちゃんと愛されてることわかってるの。
私を愛してくれる人がいるってわかってる。
それでも不安になる。
寂しくなる。
誰か私を愛して。
なんてわがままだよね。
私は誰かに愛されてるって信じてる。
貴方に愛されてるって信じてる。
誰かに必要とされてるって信じてる。
貴方に必要とされてるって信じてる。
だから、今だけ、私を抱きしめて。
ずっとずっと抱きしめていて。
誰かに愛されたい。
貴方に愛されたい。
私を愛したい。
寂しいよ。
寂しいなんて思いたくないよ。
でも、今夜はいつになく寂しく感じる。
だから、
今夜は私を抱きしめていて。
私の寂しさを紛らわせて。
貴方の一部だと信じさせて。
「寂しさ」
いつまでも
消えることない寂しさが
僕らの周りには渦巻いていて
君の心が
僕を求めても
社会は僕らを
…
寂しいと
素直に言えても
人生は動かない
ネジを巻くのは一体誰だ
「寂しさ」
週末になると、いつも寂しさがやってくる。
何も予定がない日は、朝から何となく空虚な気持ち。
外に出ることを考えてみても、
誰に会いたいわけでもなく、どこへ行くべきかもわからない。
それでも、無理にでも動こうとして、
近所のカフェに向かう。
席に座ってみると、周りは楽しそうに話しているけれど、
私はただコーヒーをすするだけ。
なんでこんなに、
自分だけ取り残されている感じがするんだろう。
スマホを見ても、
誰からも連絡がない。
「まぁ、そんなものだよね」と自分に言い聞かせるけれど、
心の中に小さな空虚感が広がっていく。
でも、帰り道で気づく。
寂しさは、無理に消そうとしなくても、
ただ時間が経つだけで少しずつ薄れていくものだって。
結局、今日も自分一人で過ごすけれど、
それも悪くないと思えるようになった。
教室の少し暖房が当たる貴方の席で、教科書と少しだけ板書されたノートを枕にして眠る貴方を私は何度も見てきた。
電車に揺られてカバンを抱えて眠る貴方を私は何度も見てきた。
寒いと言って布団で丸まって眠る貴方を私は何度と見てきた。
眠ることが好きな貴方を何度もこの目に映してきた。きっとこの先も私の近くで眠る貴方を見ていくのだと、そう信じてた。
しかし、そんな自分勝手が許されるわけがなかった。きっと勝手に永遠を約束したことに神様は怒ったのだ。私から貴方を取り上げてしまった。
貴方は貴方のために用意された棺に入り、綺麗な服を着て、鮮やかな花に囲まれていた。メイクをしない貴方の頬や口に淡い桃色がついていて、場違いではあるが綺麗だと思った。
貴方を見送る人達は貴方に届かない想いを、涙にして貴方に注いだ。優しい貴方のことだから、きっとこんな場面見たら焦ってしまうだろうから、眠っていてよかったと心の底から思う。
あぁ、でも貴方を好いた人達がこんなにも集まっているのだと、貴方に見てもらいたいから、やはり起きて欲しい気がする。
貴方の家族の提案で、貴方の写真をモニターに映していた。家族で撮ったもの、友達が撮ったもの、貴方のスマホに入っていたもの、色々なものが時系列順に流された。写真の中に閉じ込められた貴方は起きていた。いろんな表情でこちらを覗く。貴方の寝顔ばかり見ていたが、写真の貴方の全ての表情に惚れた。愛おしかった。映像の中には私が渡した写真も数枚入っていたが、全て眠っている貴方の写真。
起きている時も撮っておけば良かった。
後悔がこちらの様子を伺っていた。もうどうしようも無いのに。貴方はもう起きない。好きだった寝顔が今では寂しい。
貴方の部屋が閉ざされる時、皆が貴方を覗き込んだ。瞳に記憶に貴方を閉じ込めるために。これが最後。もう貴方に会えない。触れられない。眠っている顔を見れない。
私はいつの間にか泣いていた。心の何処かで涙を拭ってくれる貴方を期待して。
結局、貴方は起きてはくれなかった。閉ざされた棺は炎の中へ往く。小さくなって帰ってきた貴方は家族が大切そうに抱えていた。最期まで幸せであったであろう。
貴方の葬式が終わり、人々がバラバラに帰ってゆく。私も帰ろう。ここにいては貴方のことばかり考えて泣いてしまうから。
私が帰路に立とうとしたとき、貴方の家族に引き止められた。何事かと思ったら小さなアルバムを渡された。開くと貴方が撮った私の写真。寝たふりをしながら撮っていたのだろうか。貴方が写真に閉じ込めた私は、起きていた。沢山の表情を持っていた。写真とともに小さな手紙も入っていた。貴方の手癖で書かれた手紙。
【寝たふりをすれば、アタナがこちらを覗くから。
それがたまらなく好きだった。】
寝たふりばかりの貴方は、本音を夢の中へしまっていた。起きて伝えてはくれなかった。
「私も好きだった…。」
眠る貴方に届かない声が耳に反響して痛い。
私は貴方の寝顔が好き。そして嫌い。
No.24 _寂しさ_
「寂しさ」
いるよ
すぐそばだ
隣かもしれないし
後ろかもしれない
見えないよ
隠れてる
君がバカやらないように
君がひとりぼっちにならないように
感じるだろ
すぐそばだ
「明日?」
国に帰るんだ、そう告げたハルの言葉を驚きながらも、どこかそれを予期していた自分がいた。
国に残している母親の病状が良くない、そう聞いていたのはつい2週間前の事だった。その時の顔色は少し青ざめていて、何かに迷っているようだった。
もしかしたらもっと前から国に帰らなければならなかったのかもしれない。
賑やかだった酒場の喧騒が急に遠くに感じられた。
「そうか…。」
思った以上に気落ちした声が出てしまった。それを聞いて、ふふっとハルが笑った。
少し気恥ずかしくなり、むっとした顔をつくって「なんだよ。」と吐き捨てた。ハルは慌てたように俺の言葉を否定した。
「違うよ。嬉しいんだ。」
「嬉しいだって?」
「だって寂しそうに呟いてくれたから。」
「そんなのお前の勘違いだ。」
「そうかなぁ。」
照れくさそうにしながら、ハルは続けた。
「だってもし君が寂しいって思ってくれるなら、それだけ君の中にある僕の思い出は良いものって事だろう?」
「ふん、煩い誰かさんがいなくなって、静かになるのが寂しいってだけだ。いなくなって清々するさ。」
「手厳しいなぁ。」
「お前がいなくても当たり前だった日常にもどるだけだからな。寂しいだなんて、思ったりするかよ。」
お互いに顔を見合わせてニヤリと笑った。
ジョッキに残っていたエールを飲み干して、ハルは言った。
「僕は寂しさってのは、絶対的に必要なものだと思うよ。」
「なんだ突然。」
ふふ、とハルがまた笑って続けた。
「寂しさがあれば、アナタに次会った時の嬉しさもひとしおだから。」
「は、なんだよそりゃ。そんなら次はその嬉しさからもっと最高級の酒を奢ってくれよ。」
2024.12.19 「寂しさ」
'24年12月19日 寂しさ
体調も良くなってきたし週末はカフェにでも行きたいな。
お昼休みにおにぎりを食べながら地図アプリを開いて「カフェ」と入れて検索。
初めの頃は一人で行くと周りは友達同士だったりカップルだったりして、うっすら寂しさを感じてたけど。
今は気にしない。
一人だと行きたい時に気兼ねなく行けるから。
それに最近、カフェ巡り友達ができた。
友達といっても一緒に行くんじゃなくて、お互い一人で行っておすすめのお店を紹介し合ったり、気になっているお店の情報交換をする。
これだけでもすごく心強い。
一人でカフェにいるけど一人じゃない感じ。
こういうのもいいなと最近思う。
『ある日の棒占い』
夜半過ぎに目が覚めて 信じるものが棒しかなかった
考えられるかぎりの戒めが 脳に不穏を連れてくる
その正体は寂しさなんだ 藁にすがって初めて解る
寂しさそのものなんだ
作品No.263【2024/12/19 テーマ:寂しさ】
ふと感じる寂しさ。
例えば、もうきみがいない家の前を通るとき。
例えば、日記を振り返って読んでいたとき。
例えば、あなたの遺影を見上げたとき。
もういない、誰かの存在を思い出しては、寂しくなって、悔しくなって、悲しくなって——懐かしくなるんだ。
この頃鼻歌が増えた気がします。
きっと冬の寂しさを紛らわすためなのでしょう。
それでも尚、貴方のいないこの季節はとても寂しいです。
寂しさを感じない時って
いつだろう
ほんの時たま
私のつたない説明で
相手がスルスル
理解してくれた時
同じところで笑う時
だから
それ以外は
ちょっと寂しい
お題『寂しさ』
ふとした瞬間にそれはそこにある。
片方のスリッパ。何も入っていないカップ。リモコンがぽつり。どこにも繋がれていない携帯の充電器。
しんしんとそれは彼らに降り積もる。
部屋に降っていき、部屋に溜まる。
もうすぐ今年も終わる…
春先から今まで、叔母·従姉妹·友人
·知人·ご近所さん…
知ってるだけで6人の方々が亡くなった
一番最近に知らされたのは従姉妹…
花が大好きで、お料理が得意で…
性格も良くて、気遣いも完璧で…
こんな人を、非の打ち所がないって
言うんだろうなぁ
ホントに大好きだった…
人は自分で寿命を決めて生まれてくると
聞いた事がある
ならば、彼女は自分で決めたスケジュール
に従い帰って行っただけ…
……そうだ…悲しむ事はない
しかし…夜中にふと思い出すんだよなぁ
寂しさを消し去るにはまだまだ時間が
掛かりそうだ
今流行りの家族葬で、お別れもしてない
腑に落ちない気持ちはあるけれど…
これも、時代の流れで致し方ない
さあ…私にはまだまだやらねばならぬ
人生の課題が山積みのようだ
だから見ていて…
泣き言は言わない…私の決めたラストの
時が来たら、また笑って会おうね
「寂しさ」
寂しさは人を追い詰める
悪い方向へと誘い、苦しめる
自分で自分の寂しさを埋めることが
出来たらいいのに
「寂しさ」
アドベントカレンダーを毎日ひとつずつ開けていく。
現れるプレゼントに喜ぶ12月だけの楽しさ。寂しさ。
寂しさ
自分を味方につけることで素直に寂しさを認めることができる。いつも逞しくありたいけれど、やっぱり自分の本音は大切なときもあって、認めることで周りの声が少しずつ聞こえてくる。幸か不幸か時間は止まらない。
寂しさ
付き合ってる人や結婚しなきゃいけない
って言う寂しさからの逃れ方しか知らない人は
それこそ心が寂しい人だ。