『宝物』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
俺の体で抱くにはあまりに小さな赤子であった。幼児であった。児童であった。俺は馬鹿なので学問的な教育は学校に丸投げた。俺に似て馬鹿ではあったがしかし同時に賢くもあったので、俺の使う言葉と外で使う言葉をお前はよくよく噛んで己のものにしていった。俺はどうにも強かったから、ここで生きていくには随分強かったから、お前も強くならざるを得なかっただろう。西洋の色に東洋の配置をした顔、馬鹿だが賢い頭、女としての肉体、そして俺に何よりも一番よく似た獣のような精神がお前を今後も苦しめるだろう。それが和らぐ世界に少しでも進むように、俺はこの場に留まることを選んだ。すべてではないが理由の一端ではある。そうと知れば、獣であり人間である友たちは皆笑うかもしれない。「天上を得たお前が住処を変えずに生きるとは」
道徳的な教育なども碌にしなかったが、望みに自覚的であるようにと常に言って聞かせた。お前の望みはなんであるか。お前の望みに対して、今のお前の力でどれだけの範囲を引き受けられるか。引き受けることによって壊されるものはあるか。失うそれらを引き受けられるか。お前は笑って見せる。獣の目で、怒りの目で、悲しみの目で、愉悦の目で、賢い目で、ただの子どもの目で、ただの愛の目で、あるいは愛ではないものの目で。声で。
【宝物】
一回り以上歳の離れた彼とは、知人からの紹介で知り合った。初めて会うことになったとき、彼はニコッと笑って自分の職業を「音楽屋です」と言った。このとき、既に彼の作った音楽はCMやドラマの主題歌として起用され、広く世に知られていた。私は世間に疎くてまったく知らなかったのだが、かえってそれが彼にしてみれば新鮮だったらしい。
「僕と家族になりませんか?」
お付き合いを重ねて3年目の誕生日に、彼からプロポーズされた。目の前でひざまずいてバラの花束を差し出す彼は、ものすごくキザでカッコつけだった。が、一方で気負いなく自然体の笑顔を向けられ、気がつけば私は「はい」と答えていた。
結婚してから、私へのバースデープレゼントはそれまでのアクセサリーから「音楽」へと変わった。毎年毎年、いわゆるバースデーソングというものを私のために作ってくれた。決して世の中に出回ることはない、私と彼しか知らない曲が増えていった。
贈られたバースデーソングが10曲を超えようとするころ、私はあることに気がついた。毎年、まったく異なるストーリー展開の歌詞の中で必ず登場する共通の言葉があるのだ。
『心配ないよ 君は大丈夫』
「ねぇ、どうしてここの歌詞だけ毎年同じなの?」
彼に聞いてみると、彼は初めて会ったときと同じようにニコッと笑ってこう言った。
「あれはね、僕と離れているときも、君が笑顔で幸せに暮らせるようにっていうおまじないです」
去年、彼は私の手の届かない、遠い遠い場所へたった1人で旅立ってしまった。もう、私新たなバースデーソングを聴くことはできないんだなぁ、と思いながら今日の誕生日を迎えた。
ピンポーン
と玄関のチャイムが鳴り、私宛に荷物が届いた。送り主の欄には、彼の名前があった。慌てて開けてみると、中には手書きの楽譜とカセットテープ、そしてメッセージカードが添えられていた。
「お誕生日おめでとうございます。今年もまた君を想い、バースデーソングを作りました。気に入ってくれたら嬉しいです」
事前に彼が準備していたものを、確実に私の手に渡るようにと彼の仲間たちが奔走してくれたことを後になって知った。私は、送られたカセットテープをカセットデッキの中に入れた。
流れてきたのは、美しいメロディーを奏でる彼のピアノと歌。歌詞には、やっぱりあの「おまじない」が入っていた。しかも今回は、繰り返し歌っている念の入れようだった。
…うそつき
夕飯のカレーを作りながら、私は思わず呟いた。玉ねぎはとっくに切り終わっているのに、涙が止まらないのだ。送られたテープは何度も聴き、さらには今までもらったバースデーソングをすべて歌いながら作っているというのに。
それでも、彼と過ごした時間や音楽をはじめ共有できたことすべては、私にとって宝物だった。彼を失った今も、私は多くの宝物に守られている。涙を流し続けながら、今の私がひどく幸せであることにようやく気がついた。
その夜、私は彼がくれたメッセージカードに返事を書いた。
うそつきなんて言ってごめんね
今までも 今も これからもずっと
私の1番の宝物はあなたです
心配ないよ 私は大丈夫!
「ねぇ、貴方の宝物はなに?」
ある日、空を飛んでいる2人の男女。
女が男にそう問いかけた。
「そんなの、貴女といる瞬きの間に決まっているではないですか」
そう言う貴女は?と彼は言う。
それを聞いた彼女は徐に箒から身を乗り出し、宙に身体を預けて落下した。
「---!!!」
男は彼女の名前を呼び、自分も箒から飛び降り、彼女を抱きとめ、箒を召喚してなんとか元のポジションに戻る。
先程と違う点は、彼女を抱き止めているくらいだが。
「私の宝物はね、無茶な事をしだす私を全力でたすけてくれる貴方とね。貴方も言っていたように、思い出かなぁ」
「驚かせないでくださいよ。まだ動悸がする気がします」
「スパイシーな思い出が出来て、よかったじゃない」
そうして箒に腰掛けている2人は、身を寄せ合い、空という宝石箱の中の宝石のように、輝いているのだった。
自分の宝物ってなんだろう
そう考える時がたまにある
結局一番何が大切なのか深く考えてしまう
「何考えてるの?」
もしかしたら隣にいる君が宝物かも
「宝物」
僕にとっての
「宝物」…
それは、愛しいあの子。
今まで、小さい頃から家族として動物を飼ってきたけど…
あんな子はいなかったぁ…。
お星様になった今でも愛してるよ‼︎
願い事が1つ叶うのなら…
逢いたいよ‼︎
ぽーちゃんに…
宝物は、何処にあるのでしょうか。
人が死ぬこの残酷な世界に、宝物なんてあるのでしょうか。
宝物なんて、探しても見つからないさ。
自分がどん底に落ちて、自分を見つめ直した時、その時に手元にあるものが自分だけの宝物なんだよ。
そこでやっとその事に気づくんだ。
だから、探すのをやめて、自分を見つめ直してごらん。
ほらね。宝物なんて、手元に溢れるほどあるじゃないか。
『宝物』
今の宝物は
恋人かな
あの子を他の誰にも譲りたくないし
本音を言えば
ずっとそばにいてほしい
四六時中となりにいてほしい
今度は正直に慎重に
傷つけてしまわないように
【宝物】
誰にも触られたくない。
見せたくもない。
ただ手の中に入れて手放したくない物。
ずっと手元にあると信じていた。
だがそれもこうして取り上げられ引き裂かれ叩きつけられた。
殺意と憎悪に支配され飛びかかる。
法律も良心も抜け落ち暴言を吐き散らす。取り押さえようとする手を振り払う。
流石に二人三人と押さえつけられれば身動きが出来ずに恨み言を吐いた。
21.宝物
君を想うと泣けてくる…
元気に過ごしてるだろうか
居場所はあるだろうか
君を想うと泣けてくる…
仲間はできてるだろうか
誰かを愛せてるだろうか
君を想うと泣けてくる…
どんな時も笑っていて欲しい
好きなことに夢中になって欲しい
君を想うと泣けてくる…
2人で寄り添って欲しい
助けあって生きて欲しい
君のことを願わずにはいられない
どんな時もどんなことがあっても
私にとって君は大切な宝物だから…
宝物
もしも、1つだけ、無人島に持っていくとしたら…
植物の種
本
水
寝袋
…
色々考えてしまうけれど…
もしも許されるなら
君だけを連れて行きたい…
『宝物』
キミがくれた言葉
ひとつひとつを大切に包んで
ひとつひとつを箱に詰めて
泣きそうになった時に鍵を開けて
私を支えてくれるモノ
手と手を繋く散歩道
小さな一歩に合わせて歩く
いつもの短い散歩道
不意に屈んで掴み取る
帽子をかぶったどんぐりひとつ
小さな手のひら握り締め
今日も見つけた宝物
#宝物
宝物
それは近くて遠いところにある
心の中に隠れているもの
奇跡と等しいもの。
今ここにいて、息をし
そして愛おしいものたちのそばにいられること
それこそが1番の宝物ではないのか?
小さな子は宝探しの名人だ。
道端で見つけた宝物を
握りしめてやってくる。
「これを握ると力が出るの」
そう言って、大切な人に握らせて回る。
一見すると誰かの落としたキーホルダーだ。
だけど、「みなぎってきたー!」なんて
下手な演技をしてしまうのだ。
#宝物
∮宝物
いつか、宝物になるような言葉で
この白い空間が満たされますように。
<宝物>
あの時はなんとも思っていなかった
今になって知ってしまう
あなたが私を見てくれた
あなたが私を理解しようとしてくれた
あなたが私を励ましてくれた
あなたが私を支えてくれていた
その笑顔で優しく包んでくれていた
あの時が今でも私の宝物。
宝物
宝物は手元にある。
いつまでもひとり占めするのは
もったいないので、いつの日か
お似合いの大事にしてくれる人
が現れたら譲ってあげよう。
末永く大事にしてください。
宝物
宝物かぁ
金銀財宝?
私にそんなものはない。
私にとっての宝物
家族
友人
写真
色々な縁
思い出
手元に残るものではないかもしれない
でも、私には大きな宝物
誰にも見つけられない大切な宝物
……ここでの思い出、友だちが宝物となり……云々
オッサンのダサい祝辞が腑に落ちた缶チューハイを買って月曜
宝物
宝物はその時々で変わっていく、その時は何よりも大事なものだと思っていても今はそうでもなかったりする、今は君を誰よりも好きだけど、君以上に好きな人が現れる日が来るのだろう。その日を待ち侘びたりもする