『子供のままで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
自殺志願者に、首を吊らせるか蝉を食べさせるかだったらどっちが酷いと思う?
小さい子が手を挙げる。
「人を殺しちゃだめだと思うから私は――」
「えーっ、私絶対蟬なんか食べたくないよ!」
何もかもを食い気味にして怒鳴ったツインテールの少女が立ち上がる。
昔の低い椅子の幻を見た気がした。
ああでも私は、そういう単純さで喧嘩したい。
本気で死にたいと思ったことが無いからそんなことが言えるんだとか、誰も知らない当人にとっての幸福とか、そういう批判がお門違いになるくらい主観だけで構成された世界で声を張りたい。
大人が子供のままの喧嘩を避けるようになったのはきっと大人になったからじゃない。
自分の主観を、他人に共有して否定されるのが怖いだけなのだ。
【子供のままで】2024/05/13
誰かが我慢しないといけない場面はどうしようもなく声の張り合いが停滞したときだけだと思うよ。
子供のままで居たいなら、トイザらスに行けばいい。
あるいは、ねるねるねるねの色が変わり切る直前で、練るのをやめればいい。
そうすればあなたは、練るのを再開するその時まで、子供のままなのだ。
母の日に
夜空見上げて…
ずっと貴方の子供のままで
居たかった…
有難うお母さん
子供のままで
季節は何度も巡り、
気が付けば、大人になり。
背負う物も、守るものも増え。
肉体は確かに大人になったけれど。
心の中には、まだまだ幼い所もあって。
でも。
毎日を必死に生きているうちに、
残酷にも、時間だけは流れてしまい。
大人になった『私』という、
器の中に居るのは、
大人のふりをする幼いままの『僕』。
だけど。私は。
必死に演じるのです。
…大人である、私を。
静かな夜。
緩やかな時が過ぎる、一日の終わり。
貴方と私のだけの時間。
私は、そっと貴方に語り掛けます。
お願いします。
せめて、貴方の前では、
子供のままで、居させて下さい。
…と。
今の日本の大変な所を沢山見ると、
もう少しこのままがいいと思えてくる。
学生の限られた生活は嫌いなはずなのに
今の方が楽かな、とか思っちゃったりして
「子供のままで」
もしも子供のままでいられたのなら、俺は咲太にしょっちゅう「すき」「だいすき」「すきだよ!咲太!」と言えていたかもしれない。
夏が近づきじめつく気温を鬱陶しく思いながら俺は家に帰った。
「俺が子供のままで……一生成長しなければ…」周りの目を気にせずにあいつに愛を伝えられていたかもな。なんてさ、まーた妄想の世界に入ってら、バカバカしい。
【子供のままで】
子供のままでいたいって昔は思ってた
歳を重ねる度に重く伸し掛る
期待、プレッシャー、責任…
小学生の頃は楽だったとか、
まだ何も知らない弟が羨ましいとか思っていた
歳の割には傷付き過ぎてたから
でも、今思えば
出来る事が増えて
やりたい事が増えて
大切なものが増えて…
歳を重ねるのって案外悪くないなって思う
『子供のままで』
人生ってあっという間だよね
16年しか生きてないけどね
ずっと子供のままでいたいな〜って
昔は早く大人になりたいって思ってたのに
生きてくうちにわかっちゃうんだよね
#20
子どものままではいられない
それを、子供と大人の境界にたっている今気づく
いつまでも
子供のままでいたい
そんな願いは
ネバーランドでしか
許されなかった
「私の事、ずっと守ってくれる?」
彼女が夢の中で言う。またこの夢か。僕の目は潤んでいた。そして小さく、ごめんと呟いだ。
「大人になったら結婚しようね。」
子供の頃にした彼女との約束。彼女とは、保育園の時に出逢った。年長の男子に虐められているのを、助けたのが始まりだった。それからは、毎日喋っては遊んでいた。今思えば、あの時から僕は彼女の事が好きだったのだろう。突然の彼女からの告白も受け入れた。これからもずっと一緒だと喜んで浮かれていたのに。
彼女は今、仮死状態だ。階段から転んだ際、打ち所が悪く目を覚ます可能性は極めて低いと、医者が言っていた。彼女が転んだ時、僕はすぐ近くに居たのに、助けれなかった。約束したのに、守れなかった。僕は何度も彼女に謝った。それでも、彼女からの返答はなかった。その事がより、僕に現実を見せてきた。
あれから数年。僕は高校生になった。今日も僕は、君の病室のベットの前に居る。君は子供のままだ。
「僕だけ大人になっちゃったね。」
答えはない。とうとう僕は、溜まっているものが溢れた。
「目、覚ましてよ。君が居ない世界は冷たいよ。もう生きたくないよ。」
涙が溢れる。その時、ほんの少しの温もりを感じた。顔を上げると、幽霊のように透けている彼女が居た。
『泣かないでよ。私は居るよ。ずっと君の傍に。だから、笑って?私の大好きな笑顔で。』
僕は下手くそな笑顔を見せた。安心したように笑い、彼女は消えた。
あれから何年が経っても、彼女への思いは消えない。僕の心はずっと子供のままでいる。それでもいい。彼女はこんな僕を認めてくれるはずだ。今日も僕は、彼女の墓にキキョウの花を贈る。
「ねえちゃんは?」 腕に抱えた きみが問う 「おおきくなったら なにになりたい?」
お題「子供のままで」
ずいっ、と目の前にお酒のボトルが掲げられる。
どしたのこれ、と聞くと
今日母の日じゃん、と。
そうか今日だったか、と思いだす。
...この子が小さい頃、
手づくりの肩たたき券を貰ったなぁ
それがもう、お酒を買えるような年齢になったのだ
じんわりと目頭が熱くなる
いつまで「子供のままで」いると思ってたのだろう
この子はもう、すっかり大人なのだ
ぼくは子供のままでいたかったんだ。
難しいことは深く考えないで、
気に食わなかったら駄々をこねて、
嫌な事があれば泣き叫べるんだ。
自分に正直に生きられる子供のままで、
感情の起伏が激しくも無邪気なままで、
周りに素直に助けを求められるままで、いたかったな。
大人にならないといけないんだよ。
僕はもう大人になってしまったよ。
自分を殺して、周りの為に動き、
誰にも頼れない孤独な人間になってしまった。
常に愛想笑いを浮かべ、他人を過度に気遣い、
いつの間にか喜怒哀楽が壊れてしまっていた。
私はいつから、泣けなくなったのだろうか。
19歳になる年。つい3ヶ月ほど前までは高校生で、未熟やら、まだまだ子供だとか散々言われた。
それなのに、1つ歳が変わって、立つ立場が、環境が変わったと思えば突然大人になれと急かされ始めた。
うちは昔から裕福とは言えない環境で、私には下にまだ妹も弟もいた。そもそも、家がここまで貧乏になったのは血も涙も通ってないような暴力クソ親父が負の根源であって、朝から晩まで必死になって働く母を見てたら、口が裂けても進学したいだなんて言えなかった。
アイツの元から離婚という形で逃げきれた今でも、母はお金の面で苦しみ続けている。
これ以上、私は母の重みにはなりたくなかった。
だから、進学してもいいのだと言う母の言葉を振り切って、私は高卒という立場で上京して、働き始めた。
―――責任なんて言葉が毎日のように私の肩にずっしりと乗って囁き続ける。
「早く大人になれ、もう高校生じゃない。お前は立派な大人なんだ。」と。
必死でやってるつもりなのに、仕事では小さなミスを起こしてしまう。
頭と体が別々みたいで、毎日パンクしそうで息苦しかった。
最近だって、職場で母のことを話す時につい"ママ"と言ってしまって、
「鈴木さんもう子供じゃないんだから"ママ"呼びは辞めなさいね」
なんてことを上司に、軽く笑いながら言われたばっかだった。
些細なことにですら、自分がまだまだ子供だということを思い知らされるようで嫌になる。
新しく私の家になった一人暮らしの部屋で休日はどこにも出かけることも無くそんな風に、悶々と悩む日が続いたある日、私は憂鬱な今日この日、日曜が母の日であることに気づいた。
全くの失念だ。
毎年、母の日には感謝の意を込めて贈り物をしていたというのに。
時刻はもう23時を回っていて、今日中にプレゼントを渡すなんてことはもう不可能なことに気づいた。
せめて電話口でありがとうぐらいは言おうと思い、携帯をとると、偶然にもタイミング良く母から電話がかかってきた。
「もしもし、お母さん?」
『美奈?最近連絡ないけど大丈夫?元気でやってる?』
「あぁ、ごめんね、忙しくてなかなか連絡出来なかったや。てか、ちょうどお母さんに電話しようと思ってたんだよ」
『えぇ?なんかあった?』
「違うよ、母の日だよ」
こんな時だって優しい母は、子供のことばかりだ。母の日まで忘れるなんて。私は思わず笑いながら言う。
『あぁ、そういやそうだったねぇ。すっかり忘れちゃってたわ』
「私も忘れてたんだよね。ごめんね、いつもありがとねお母さん」
『あらあら、改まっちゃって。なんだか照れ臭いわね』
電話越しからでも柔らかく笑う様子が分かる。
『でも、美奈。あなた大丈夫なの?』
「えぇ?私?」
大丈夫って、なんだ?心配されるようなことはしてないはずだけど。
「大丈夫だよ?」
『でも、声に元気ないわよ。それになあに?"お母さん"って、いつもママって言うじゃない』
「あぁ、そんなこと?なんか、ママって子供臭いじゃない」
『なによぉ、子供臭いって。私にとってあなたはいつまでも私の子供よ』
やけに真面目な声でそういう母の言葉に冗談は混じってない。私はその言葉に不意にカッと目頭が熱くなるのを感じた。
「そっか、私はいつまでもママの子供かぁ笑」
照れ隠しに笑ってみるけど声は震える。
電話越しでも少し泣いてることがママには伝わってそうだった。
『そうよ。あなたはママの可愛い子供よ。だから、苦しい時は何時でもいいなさい。どんな時でも駆けつけてあげるわ。』
「はは、それってなんだかヒーローみたいだね」
『母親ってのはそうでなくっちゃ』
その言葉を聞くと私は涙を止めるすべを無くしてしまった。
しばらく、声を殺しながら泣く私に、ママは焦って声をかけるわけでもなく、ただただ、優しく"大丈夫"だと声をかけるだけだった。
あぁ、どうしよう。母の日だって言うのに、いつの間にか私の方が救われてしまっている。
涙が止まらなかった。大人になりたいと思い続けていたこの数ヶ月だったが、私は今この時は、一生ママの子供でいたいと願い続けてしまう。
なんの因果か、今年の母の日は、感謝を深く伝えることは叶わず、母の優しさと温かさを思い知らされる、そんな不思議な日になってしまったのだった。
―――大人になりたい
お題【子供のままで】
いつ大人になったのだろう
大人も全然完璧じゃないって知ったときだろうか
時間を忘れられなくなったときだろうか
失ったものもたくさんあるけど
辛さや限界を知ってちょっと優しくなれたり
自分の足でいろんなとこに行けたり
味噌汁作りながら次の日の仕事の段取り考えたり
今の自分もなかなかいいんじゃないって
でも子どものとき感じてた
いきなり現れた光を
ずっと追っちゃうような感覚
羨ましいぜこのやろう
子供のままで
子供のままでいれたらどんなに楽だろう。
今回は子供の頃は愛されてたけど中学ぐらいから勉強のことで虐待されたりする話でも書こうかな。
後で書きますさよ~なら~
【短歌】
・教室の隅で泣いていた少女 私の中に居続ける傷
・渋々と早起きして公園に行く美談じゃないが戻らぬあの夏
子供のままでいられたら
どんなに楽だろう…
なんて過去をやり直したくなった。
世の中、子供のままでは見れない物が多い。
その中でも、雨の日の深夜は特に好きだ。
雨粒でぼやける電灯。
道端で雨を浴びる小さな蛙。
目が眩むようなコンビニの明かり。
車のヘッドライトで浮かび上がる水溜まり。
雨粒が落ち、瞬きする程の間に消えてしまう
波紋を眺めると すぐに時間が過ぎていく。
…そんな夜を出歩ける大人は、少しだけ素敵だと思った。
〈子供のままで〉