霜月 朔(創作)

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子供のままで



季節は何度も巡り、
気が付けば、大人になり。
背負う物も、守るものも増え。

肉体は確かに大人になったけれど。
心の中には、まだまだ幼い所もあって。
でも。
毎日を必死に生きているうちに、
残酷にも、時間だけは流れてしまい。

大人になった『私』という、
器の中に居るのは、
大人のふりをする幼いままの『僕』。
だけど。私は。
必死に演じるのです。
…大人である、私を。

静かな夜。
緩やかな時が過ぎる、一日の終わり。
貴方と私のだけの時間。
私は、そっと貴方に語り掛けます。

お願いします。
せめて、貴方の前では、
子供のままで、居させて下さい。
…と。

5/12/2024, 3:20:19 PM