『好き嫌い』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
僕は好き嫌いがない。
子供の頃から好き嫌いがなく、子供らしくないやら、どこから大人びていて生意気やら、良くない噂はたったが、両親はとても褒めてくれた。
髪の毛が抜けるのではと思うほど頭を撫でてくれたし、甘いものをたくさん出してくれたり、とても、心があたたかくなる家庭だった。
そう。これは、過去の話。
今は、もう会えないけど、きっと幸せになっていると思う。
好き嫌いが多いわたしは、いつも料理を作ってくれる彼女の顔を歪ませる。
「ねえ。」
不機嫌そうな彼女の声が、扇風機の風音だけが響くリビングの生温い空気に伝わった。
「なに?」
なにを言われるかはわかっているけれど、気付いていないフリをする。そんなことを毎日している。
「その端っこに寄せられてるものはなに?」
「だって、グリーンピース好きじゃないもん。」
わたしの言葉に返ってきたのは、彼女の深いため息だった。
「あんたさあ、作ってる私に失礼だと思わないわけ?」
彼女もこの言葉を毎日繰り返している。お互い、よく飽きないものだと、わたしは他人事のように思う。
「嫌いなものは嫌いなんだから、仕方ないじゃない。」
嫌いなものは嫌い。そんな自分の言葉に自分で頷く。
職場の上司も嫌い。虫も嫌い。他所の家から聞こえる笑い声も嫌い。SNSで自慢を繰り返す、いつかの同級生も嫌い。グリーンピースだって嫌い。彼女の好きな人も、嫌い。
チキンライスの中には嫌いなグリーンピースや人参も入っている。人参は頑張って飲み込んでいるのだと、彼女は気付いてくれない。
「やっぱり、食生活が合わない人と同居するもんじゃないわ。」
彼女はそう言って、コップ一杯に入っていたビールを飲み干す。
彼女の口元についた泡が膨らんで、消えていく。
彼女の好きな人は、彼女と食の好みが同じなのだろうか。彼女はこんにゃくが嫌いで刺し身も嫌いで、ついでに濃口醤油も嫌いだけど、その人はそのことに気付いているのだろうか。
「わたしだって、好きなものはあるもん。」
「あっそ。」
彼女の素っ気ない言葉さえ、わたしには美しいものに聞こえる。酔っ払うと彼女の頬はかすかに赤くなって、耳は真っ赤になる。わたしが嫌いなものは料理にふんだんに入れるくせに、自分の嫌いなものは一切入れない。わたしは洗濯と掃除を毎日しているのに、彼女は一つもお礼を言わない。なのに、わたしから彼女へのお礼は強要する。そういうところも含めて大好きなのに、彼女は気付いてくれない。
この同居生活がまだ終わらないように祈りながら、スプーンでグリーンピースをすくったわたしにも、彼女はやっぱり気付いてくれなかった。
私の好き。
誰かの好き。
みんなの好き。
私の嫌い。
誰かの嫌い。
みんなの嫌い。
それぞれ折り重なって暮らしてく。
その好き嫌いの混沌の中を駆け抜ける日々。
みんながみんな、それは同じ。
君が好きだと暗に言うけど
君は笑って流してく。
お前が嫌いと暗に言うけど
聞こえてないのか気にせず絡む。
素直な言葉を言えるほど、僕は勇気を持ってない。
歪んだ言葉で伝われ気持ちよ。
花占いをする子なんて初めて見た。僕は最初、君を女の子だと思っていた。でも花弁をちぎる指をよく見ると、男のものだと分かった。
やがて低い声で「好き、嫌い」と聞こえてきた。その言葉を大事そうに吐き捨てる。「……〝嫌い〟?」消え入るような声が空気になじむ。
何も言えなくて、風と草原の声と遠くで飛ぶ雲だけが、子供のごとく、この止まったような時間を動かす。
僕は立ち去る。この空間は変に心地よくて、家に帰りたくなかった。ずっといたい気持ちだ。だが、今は1人にしておいた方がいい。そう思った。
もし待ち続ければ、空にオレンジジュースがこぼれてくだろう。
キャッキャと遊ぶ風を置いて、僕は家路に着いた。ああ君が嫌いになったかもしれない。いや、さっき嫌いになった。誰かを思って泣く君が嫌いだ。僕を思う君も嫌いだ。
<好き嫌い>6.12
No.14
スキキライ スキキライ
好きな気持ちは伝えたい
嫌いな気持ちは内緒だよ
本当は皆大好き愛してる
そんな人間を目指してる
でも何故なの分からない
ココロの奥で叫んでいる
キライと思うこの気持ち
正確には苦手なんだけど
人間の修行はまだつづく
『好き嫌い』
好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い。
どうしよう、嫌いで終わってしまった。
まだ小さい頃は、そうやって同じクラスの男の子で花占いをして、よく一喜一憂したものだ。嫌いで終わってしまったら、私は慌てて花の真ん中の黄色い部分をむしり取って、「好き!」と無理やり肯定していた。
そうやって、"嫌い"を誤魔化していたら、嫌なことがあっても「大丈夫大丈夫何とかなる!」って、ムリにやり過ごすようになってしまった。実際はそれで何とかなったりするけど。
でもそうする度に、心のどこかでは傷がつく。転んで膝を擦りむいたような傷と痛み。
だから私は、時々はっきり拒否をして、何をしたいかを考える。
自分が可愛い?そうだとしても、傷だらけになるよりはずっとマシだ。
好き、嫌い、といふものがある。人間は、自己の感性の赴くままに、事象を、好きな物、嫌いな物、といふように、2元的に分別をする。それは物体に対しても、表象に対しても、有効な試みであり、兎に角、目の前のものを、好き、嫌い、に分けることができる。だが、自己の感性の赴くままに、とは言うものの、その感性たるや、何か?感性の根拠は、何処か?という事を論じるのはなかなか難しい、実際に絵の好み、音楽の好み、映画の好みとなると、十人十色であり、自分の、好き、嫌い、でさえ、満足に説明出来なかつたりする。何故、好きか、何故、嫌いかは難しいが、それを紐解くために、何時、好きで、嫌いであったか、という事を考える事も興味深い。同一の人、対象であっても、人生において、時には好き、時には嫌いといふ事がある。感性といふものは不変ではなく、時間を媒介して変化するものである。やはり、
と、筆を止めた。こんな、つまらん評論を書いて何になる。どうせ売れやしない!どうせ読まれやしない!なーんにもくだらない!好き、嫌いだなんてものをだね、そもそも推し図ろうという試みそのものが侮辱だよ!侮辱された感性は腹を立てる。あたりまえだろう、君だって侮辱されたら顔を真っ赤にして怒りだすじゃあないか。そうだ、腹を立てた感性は徐々に歪んでいく、これは好?きで、これは嫌?いだと言うように!感性と言うものをいちいち記述しようだなんてのは間違った試みなんだよ。
美しいものは美しい。好きなものは好き。嫌いなものは嫌い!それでいいじゃあないか。何をいちいち理屈っぽく考えるかね。そこに権利の介入を疑うのかね。まったく、くだらん。こんな事なら趣味の官能小説の続きを書いた方がなんぼかましだ。売れん。売れたとしてもしがないもの好きが買って半分ほども解せずに我が物顔で歪んだ知識をひけらかすだけだ。
なによりなあ!私がもうくだらんというのだからくだらんのだ。くだらんと思って書くものは、ぜーんぶくだらん!バカ!アホ!マヌケ!
#好き嫌い
"好き嫌い"両極端の僕を
"大好き"と告げて笑った君に
僕はたぶん
"嫌い"という感情を奪い取られた。
"好き"だけで彩られた世界は、
なんて素敵なんだろう。
貴方って、好き嫌いが多いのね
別にいいのよ
嫌いなもの全部、私にくれればいいから
食べ物に関しての好き嫌いは特にない。大体のものは普通に美味しいからね。人間の好き嫌いもあんまない。みんなおんなじ顔に見えるし、あの子細いな羨ましいなとかしか考えてない。
勉強は好き。運動は嫌い。読書は好き。人混みは嫌い。美術館は好き。遊園地は嫌い。夜は好き。朝は嫌い。
好きなものだけで構成された世界ならどれだけいいかって、多分みんな考えるよね。じゃあそうじゃないこの世界は好きなの?嫌いなの??
「好き嫌い」
好きなこと、好きな人、好きなものだけに
囲まれて生きていきたいのに。
嫌いはどこまでも私に付きまとう。
嫌いが心からの好きに変わることはない、と私は思う。
そういうものだと思う。
上手く向きあえるほど、大人じゃない。
でも、上手くやり過ごすだけの大人にはなりたくない。
私ってわがままね。
#12
嫌いになってしまえばいいのに。
もう別れるんだから、
好きって気持ちはいらないわ。
「好き嫌い」
好きか嫌いかで物事を測れたら、どれだけ楽だっただろう。
好きって言ってくれる人を、好きになれたら良かったのに。
好きになってくれない人を、嫌いになれたら良かったのに。
『多様性理論』
あれが好き。これが嫌い。
人間性が出るよね。
人形が好き。サッカーが嫌い。
魚が好き。肉が嫌い。
あの子が好き。あの子が嫌い。
私が好き。私が嫌い。
好き嫌いは人によって全く違うけれど、色んなものがあっていい。
女の子だからってカッコいいものが好きでもいいし、
男の子だからって可愛いものが好きでもいい。
でも、それを公表するのは怖いよね。
皆に引かれたり、嫌われるんじゃないかって怖い。
LGBTだけではない、パラフィリアとかもそうだよね。
異常な物って好かれにくい。
人はなんで周りと一緒がいいんだろうね。
好きなものがあって嫌いなものがちゃんとある。
それってとてもいいことなんじゃないかな。
好き嫌いが激しい人っているけれど、
ようはそれって、自分をよく知っているっていうことだよね。
自分をよく知っている人は、自分をよく活かすことができる。
自分として、生きることができる。
好きに、嫌いに、正直に、なれる日をいつか願ってます。
お題『好き嫌い』
※パラフィリア=異常性癖ともいう。異常な物に性的興奮を覚える人をさす。
例「オキュロフィリア」=人の目に興奮する。
「メノフィリア」=女性の生理、または生理の血に興奮する。
「ペドフィリア」=死体に興奮する。
そろそろテスト期間に入りますので、7月上旬まで投稿いたしません。
最近は蒸し暑いですので、水分を十分に取り、元気にお過ごし下さいませ。
『ぶっちゃけ有り得ないでしょ』
「あークソ! 有り得る奴だっているんだよ! つぅか、目玉焼きにソース派はそれなりにいるだろ!!」
手にしたスマホをぶん投げそうな勢いで、オレはひとりがなり立てる。
オレが毎日欠かさず眺めるこのアカウントは、こうした食べ物の好みから生活の流れ、信条に至るまで何ひとつとして気に食わない。もし実際に目の前にいたらケンカを超えて殴り合いになっていただろうと思ったことも、一度や二度ではない。
それでも毎日欠かさず見てしまう理由は。
『最新話更新しました〜』
飛びつくようにリンクをタップし、目を皿のようにしてじっくり眺めること、しばらく。知らずに詰めていた息を、ほうと吐き出す。
「作品は最高なんだよなぁ⋯⋯」
『子供の嫌いな野菜ランキング1位』
私は子供の頃から大っっ嫌いなものがある。
それは『ピーマン』だ。
あのなんとも言えない青臭さ、何よりあの耐え難い苦さ。マジで嫌い。
子供に嫌われるランキング一位の野菜だが、
もれなく大人に嫌われるランキング一位の野菜にもランクインしていて欲しいくらいだ。
青椒肉絲、ピーマンの肉詰め、夏野菜カレーなどなど、色んな調理法で何度か克服を試みたが
どれも全滅。ピーマンが全ての料理の味を台無しにしやがる始末だ。
ピーマンが好きな人間に話を聞くと、別に言うほど苦いわけでも青臭いわけでもないらしい。
なぜだ。なぜなのだ。
そもそもなぜ私はピーマンが嫌いなのか。
もはや私がピーマンに嫌われているまであるのではないか。
ちなみに好きなものは鮭の塩焼きだ。
原点にして頂点とはこのこと。マジで美味しい。
お題:《好き嫌い》
『 好き嫌い 』
過ごしやすいこの季節は、晴れた日の散歩も気持ちがいい。
自販機で飲み物を買い近くの公園のベンチに腰掛ける。
冷たい水はのどを潤し、優しい風は優しく肌を冷やしてくれる。
周りを見渡すとすぐそばに白い沢山の花が揺れている。
少しの罪悪感を感じながら、1本だけ摘んだ。
懐かしい気持ちで花びらを見る。
『 好き···嫌い···好き···嫌い··· ···· ····· ···好き 』
どうやら私の想いは実りそうだ。
数えただけの花びらをもう一度見つめた。
帰ったら、このマーガレットを花瓶に挿そう。
好き嫌い
私は梅干しが好き
酸っぱいから
梅干しが嫌いな人がいるって知った時の衝撃ったらなかった
だって、全人類が梅干し好きだと思うじゃない?
私はチーズが嫌い
臭いがダメ
でも彼はチーズが好き
全人類がチーズ好きだと思ってたんだって
そんなワケないじゃん!
つまりはそういうことなんだなぁ
【⠀好き嫌い 】
※お題の話と逸れている場面があります。私の日頃の悩みが入っていますので、苦手な方はご注意下さい。
私は自分の性格が嫌い、
だけど自分が生み出す作品は好き
最近学校で飴配りをしてる、
問題になって
怒られそう
この事が頭から離れない、
罪悪感
嫌い
自分を好きになれる!!!!
ほんとうに?
嘘では無い……
そう、自分が好き!!だと言ってる人がうららやましいだけなのかもしれない。
私は世界から 消えたい と思ってしまう
罪悪感のせいって言ってまだ生きている
もう1回だけ何かやってみようと思う