『大切なもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
"大切なもの"
当たり前なんて無い。
だから、その時の想いや言葉を忘れないように、いつでも思い出せるように。
心の宝箱に仕舞って、抱きしめて。
そして、目の前の《大切》を守りながら、今日を生きていく。
大切なものが無いと空っぽの自分が怖くなる
大切なものが有ると失う恐怖で動けなくなる
臆病者の自分が嫌いだ
傲慢に幸せを楽しめ
理沙は成瀬君のインスタの写真の作品のファンだ。
彼の作品は主に植物を被写体としている。
理沙は彼の植物の美しさや優しさを捉える繊細で魅力的な世界が気に入っている。
彼女も植物を描いたイラストを"うさぎの後ろ足"という名前でインスタにあげている。
コメント欄でのやり取りから始まりお互いの共通点や作品への想いを直接メッセージで語り合った。
この出会いは理沙と成瀬君にとって大切なものになった。
題「大切なもの」
大切なもの
自分にとって大切なのは
あの人
好きだけど
振り向いてくれない人
いいよ
振り向いてくれなくても
今日みたいに
一緒に飲みに行けるだけでうれしいよ
目が合ってる時好きーーーーーって伝えてるの伝わらないかな
わがまま言うと自分だけのものに
なってくれないかなーなんて
思うんだけど
『大切なもの』
向かいの席で左手をテーブルの上にのせている雪村さん。
その左手薬指にはまるシルバーのリング。
休みの日だけつけてくれている。
カフェのテラス席は、春の日差しで暖かい。
僕は、片手をのばして、その左手の指先をつかむ。
少し肩をビクッとさせて、雪村さんがコチラを見る。
指輪のはまっている薬指の指先をゆるくさする。
手を引こうとした雪村さんを逃すまいと、指先を握った。
今はたぶん、それを探す旅をしているのかも。
◎ 大切なもの
【大切なもの】
〖大切なもの〗
合唱曲の1つ。
合唱祭で中1の頃歌った曲だ。
練習は大変だった。男子と女子で喧嘩はするし、歌い方に難癖つけて、陰で悪口を言うなど結構荒れた。
僕は指揮者として前に立ったが、やっぱり指揮者と伴奏者がそれぞれ1人ずつしかいないせいか悪口は沢山言われた。「指揮が下手」は分かる。合唱に重要な事だから。でも「〇〇キモイ」や「〇〇って変」など合唱に関係ないことまで言われた。
それでも指揮は辞めなかった。悪口を言った奴らのせいで辞めるのは僕自身嫌だったし、友達が「あそこちょっと駄目だったけど最初より上手になってる!」や「見やすいね。〇〇が指揮者で良かった」と言ってくれたからだ。
本番は緊張した。真後ろに先輩や先生、合唱団の先生、生徒の親など300人以上が見ていたからだ。
指揮している途中足が震えていることに気付いた。
少しパニックになったが、皆が笑顔で歌っているのを見て、安心し、僕も笑顔で指揮をすることが出来た。
結果は中1ながらも中3や中2を抑え金賞だった。
僕のクラスの合唱が終わった後先輩らの合唱を聞いた時は勝てないと思ったが、金賞をとれて良かった。
金賞をとった僕らのクラスは模範クラスとして、
もう1回歌うことになった。
その時僕はもう緊張はなく、足が震えることなく
指揮をすることが出来た。
〖大切なもの〗
この曲はきっと僕の心に残る曲だ。
困難があって、僕は何回も泣いたし、学校に行きたくないと思った。でも、それでも友達がいたおかげでいい思い出になった。
曲名と同じようにこの思い出はきっと
〖大切なもの〗になるだろう。
大切なもの?
無くてはならないもの?
それはものではなく
そのものに思いがある事だと
思いませんか?
例え高価なものでも
目移りしてしまえば
それは大切なものには
ならない。
安くても
その人に取っては
この地球上の何よりも
大切なものだと思いませんか?
大切なものは
お金では決して買えないもの
それが本当の大切なものなのです。
あなたもその大切なもは
ありますか?
えっ?
わたしの大切なものですか?
ありますよ。
亡き祖母から受け継がれ
古い絵本
母も幼い頃に
その絵本を読んで貰い育ち
祖母から母へ
そして今は
わたしに託された。
ボロボロの古い絵本
今度は貴女が
生まれて来る子に
読んで上げる番だよって
渡されました。
その絵本が、わたし取って
大切なもの
何だただの古い絵本じゃぁないか?
そう思ったでしょう。
それは大きな間違えです。
祖母の優しい心を
母へ伝え、
母はわたしにその優しさを
伝えてくれたの
その思いは
今、わたしの心にあるから
だから生まれて来る子に
絵本に描かれてある
優しい心を伝える義務があるの
その大切なものは
優しい心の持ち主になれる為の
魔法の言葉が詰まった絵本
だから
大切なものなのです。
決してお金では買えない
親達の願いなんです。
大切なものは
きっとあなたの心のどこかに
あると思います。
めぐみより
春のあたたかな陽気があなたを何処かに
連れ去ってしまわぬように
そっと名前を呼んで
壊れないようにあなたの手を取るの
大切なもの
僕にとって大切なものは僕の周りの生き物
生き物は僕の友達
生き物は僕の家族
生き物はいつも僕を助けてくれる
生き物はいつも僕に静かに寄り添ってくれる
だから僕の命に変えてでも生き物は守りたい
僕にとって生き物は犬とか猫とか烏とか蛙とか蛇とか蜥蜴とか
命に変えてでも守りたいと思うのは偽善かもしれない
でもそんなこと言ったら僕の感情は全部嘘なんじゃないかって考えちゃう
僕は生き物をうまく愛せない
世話するのを忘れちゃうし躾ができない
可哀想で怒れないとかかわいいこと思ってる
言うこと聞いてくれなかったら苛つくのにね
矛盾してる
だって生き物を愛するって対等に扱うってことなんじゃないの?
僕は気づかないうちに自分が上の立場だということが前提で接してる
それって愛してるて言えない
もう分かんないね
結局人間という立場を利用して言葉を発しない生き物に依存してるだけなんだ
でも愛してるって心の底から伝えられるようになりたいよ
頑張るから見捨てないで。
【大切なもの】
大切なものなんて無い
大切なものなんていらない
大切にしていても
すぐに見失ってしまうから
大切なもの
沢山ありそうで、少ししかないもの。
すぐ手に入りそうで、そうじゃないもの。
普段は知らなくて、困った時に必要なもの。
それは、家族である。
家内と愛犬である。
ふたりがいれば、なんとかなる。
必死で踏ん張れる。
それを守るために、生きてられる。
ありがたい存在である。
大切なもの
沢山ありふれていて
今は わからない
いちばん大切なのは
今を丁寧に生きること。
心を大切にしよう。
大切なもの
大切なものってなんだろう。
僕の大切なもの、
家族、友人、命?
なんだかありきたりだな。
ピンとこないし、
あ、そうだ!推しだな!
やはり推しは世界を救う。
私の大切なものは沢山ある。無くしたら生きていける自信がなくなるもの。だから私は無くならないように頑張って守り、手放さない。
小さな命の存在を確認できた日
育つかわかりませんと言われた
悲しかったけど大切な気持ち
生まれてくるまで
危険なことも多かった
毎日が大切な日々
無事元気な声を上げて私の指を
しっかり握ってきた
喜びあふれる大切な思い
あれから四半世紀大人になって
社会に出て行った
寂しいけど大切な喜び
あの命の存在を確認した日から
存在するだけで
いろんな思いを運んでくれた
いくつになってもどこにいても
大切なもの
ここの世界に生まれてくれて
ありがとう
合唱曲の『大切なもの』の歌詞に
「いつか会えたなら
ありがとうって言いたい
遠く離れてる君に
がんばる ぼくがいると
大切なものに
気づかないぼくがいた
ひとりきりじゃないことを
君が教えてくれた
大切なものを……」
というものがある。
結局、大切なものって
人それぞれなんだなって思う。
時間
時間とは人々に唯一平等に与えられた時間
時間を大切に出来る人は人生を制する
お題『大切なもの』
いつも何かを忘れているような気がしていた。例えるなら朝起きて夢の内容を忘れてしまっているかのような。
傍から見たら十分満たされていると思われているであろう自分には何かが欠けているのだろうか。
でもそれが何なのか、自分には分からない。子どもも恋人もいないが、昨今では珍しくもなんともない。ならば一体──?
太陽の強い照りっ返しを受けて目を細める。偶々通りがかった公園には子どものはしゃぐ声もしない。蝉が妙にやかましく鳴いているだけだった。
いつもは気にしないはずの風景が少し物哀しく映った。でも、暑さにしか目が向かなかった昨日より少し輝いてみえたような気がした。そんなある火曜日のこと。
『大切なもの』
前に書いた小説を貼っておきます。
無駄に長くて申し訳ないですが、読んでいただけたら嬉しいです。
その男は金を貸してくれると評判だった。
金貸しではないが、自分の1番大切なものを預けると、相応の金を貸してくれたのである。
もちろん、金を返せば1番大切なものも返してくれたそうだ。
ただし、滅多に会うことが出来ず、金に困っていると、どこからか現れるという噂であった。
ある男はたいそう正直者であった。
うそを知らず、人を疑うことも知らなかった。
そんなだから、よく人にだまされ、バカにされたが、男はいつもニコニコしており、だまされたとて気に病まなかった。
ところが、あるとき大金が必要な窮地に陥った。
また、だまされたのだ。こいつは困った。
金の工面も出来ず、途方に暮れ、男から笑顔が消えていった。
ある月の綺麗な晩、どこからともなく、ひょろながい男がやってきた。噂の男だった。
「あなたの1番大切なものを預ければ、金を工面をしてやる」と言うのである。
正直者の男は、面食らったが、とにかく金に困っていたから、1番大切なものを考えて、家と畑を預けることにした。
ところがひょろながい男は、「そんなたいそうなものだと、ありあまるほどの大金をお渡ししなければなりません。わたくしは鬼ではないのです。仕事も家も失えば、あなたはどうご返済されるのですか?元より金を返すつもりがないのですか?」ときた。
正直者の男は、困ってしまった。
他に大切なものがないのだ。
でも、男は正直だったので
「わたくしには、他に何もないのです。余った金は一部お返しして、残りを少しずつお返しすることはできませぬでしょうか?」と訴えた。
ひょろながい男は、男の正直さに、なんとなく事情がわかったような気がしたので、家と畑と引き換えに大金を渡したのだった。
正直者の男は礼を言い、大金すべてを1度持ち帰った。支払うところへ、全て支払い、大金は半分残ったので、ひょろながい男へ返済しようと思ったのだが、どうにもひょろながい男の所在がつかめない。金を返せないまま、年月だけが過ぎたが、男は正直者だったので、金に手を付けることはなかった。
ある冬の寒い夜に、正直者の男が寝支度をしているころ、戸をたたく音がした。
男はみすぼらしい小屋とも呼べない、今にも崩れそうな廃墟に住んでいたので、人が訪ねてくるなど思いもよらなかった。
「こんな夜更けに誰だろう。」こんなところの戸口を叩くなど、余程困っているのだろうと思い、あわてて戸口を開けて驚いた。
月明かりの下、それはそれは美しい天女のような女が立っていたのである。
女は仲間とはぐれ足に怪我をし寒さで凍えそうであった。
正直者の男は、「それは難儀なことで。こんなところですが、雨風はしのげますゆえ、囲炉裏の側へおあがりなさい」と、女を労った。
正直者の男は慌てて、明日の分の粟を煮込んで、女へ差し出した。
正直者の男は、1日1食の粟だけを食って暮らしていた。食事を残すこともなかったので、女へふるまうご馳走など用意できなかったのだ。
鍋の粟をすくい、女へわたすと、
「ありがとうございます。温まります」とか細い声で礼をいう女は、ほんとうに天女のようで、正直者の男は、もじもじと何かいい、戸口から出て行ってしまった。
さて、この女、実は盗賊の手先であった。ここに大金があるとの噂を聞きつけ送り込まれたのだ。
正直者の男が何か言い、外へ出て行ったすきに、女は大金のありかを探しはじめた。天女のようだった美しさは消え、悪巧みのぎらぎらした顔で、あっちでもないこっちでもないと、みすぼらしい小屋とも呼べない廃墟の中を探しに探した。
しばらく探し、廃墟がより一層廃墟らしくなったところへ正直者の男が帰ってきた。
男はびっくりしていたが、女のことを不憫に思っていたので、何事もなく
「粟だけでは足りんでしょう。秋のうちにしまっておいた、たくあんがあるで、お食べください」とニコニコした顔で、たくあんを差し出してきた。
女は、内心「普段からこんなものしか食っておらんのか…」と、ほんとうにここに大金があるのか迷い始めていた。この女、今はわけあって盗賊の手先だが、元々は気の優しい娘であった。家が貧しく親に売られたころから悪事に身を染めていき、人の優しさを忘れ、人からの優しさに飢えてもいた。
正直者の男は、女のことを思い、
「その布団でお眠りなさい。明日、山を降りて足の怪我もお医者さまに診てもらうといい。」と、ひとつしかない布団をさし、戸口から出ていってしまった。
女は困惑していた。久しぶりに人の優しさにふれ、勝手に目から涙がこぼれた。
女は正直者の男の後を追い
「あなたはどこで寝るのですか?」ときいた。
男は、「わたしは男です。布団などなくとも、木の根のくぼみも、なかなか温かいのですよ」とニコニコしていた。
女はがまんできなくなり、全ての悪巧みを男に話した。
「そうですか。それはお気の毒に。好きで盗賊の手先ではないのでしょう?お金はありますが、借りたお金なので、しまってあります」
「もし、あなたの身が危険なのでしたら、どうぞ持っていってください。お金を貸してくれた人とは、もう会えないかもしれないですからね」
と、廃墟の裏手にある、木のくぼみから、男は大金を持ってきて女に全て渡した。
女は、泣きくずれた。
いろいろ思った。
盗賊から抜けることや、盗賊から逃げることや、今までの悪い行いや、人をだましてきたことや、元々あった優しい気立てが、自分の悪事で汚れてしまったこと、それを思い出したこと。女は泣いた。
正直者の男には、女が泣いているのがなぜなのかわからなかったから、とにかく、屋根のある場所へ促した。
月が静かに輝いていた。
女は盗賊に金を渡し、逃げた。
大金が手に入った盗賊は女の行方など、どうでもよかった。
正直者の男と、天女なような女は、廃墟で一緒に暮らしはじめた。
何年かして、
ひょろながい男が二人の廃墟を訪ねてきた。金を貸した男だ。月夜の綺麗な晩だった。
正直者の男は、「お金は使ってしまった。申し訳ない」と、謝り、家と畑は好きなようにしてくれと頼んだ。
ところが、ひょろながい男は
「あなたの1番大切なものをいただきました。家と畑は2番です」
と、不思議なことを言い、家と畑を返すというのだ。
正直者の男は、その男が何を言っているのかわからなかった。
ひょろながい男は、空の月を見上げながら、「わたくしは、これで、あちらへ帰ることが許されます」と呟き、「あなたが今、1番大切なのは、そこの女でしょう。」と天女のような女を指差した。
正直者の男は青ざめた。女を連れて行かれると思ったからだ。
「や、や、やめてください!この人はわたくしの女房です。家と畑は諦めますので、どうか、女房は連れて行かないでくださいまし」と、ひれ伏し懇願したのであった。
ひょろながい男は驚いた。
「いえいえ、わたくしは、鬼ではありませぬ。まだ、わかりませぬか?」
「その女を改心させた、あなたの優しさと正直さを、見ておりました。悪に身を染めた人間を改心させることはそう簡単なことではありません。この世の大切なものとは、そういう温かなものでございます。だからと言って、その心を取り上げるつもりもございません。あなたに出会えた、わたくしも、その女も、幸せなのであります」
と、言い、幸せの対価として、家と畑と少しばかりの金を寄こしたのであった。
正直者の男と天女のような女は、月夜の晩になると、空を見上げ、深く深くおじぎをし、いつまでも仲むつまじく、一生幸せに暮らしたそうだ。
え?噂の男はどうしたって?
さあ、どうしたことやら。
噂を聞くこともなくなったとさ。
とっぴんぱらりのぷう