『夜明け前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
インスタグラムで見つけた夜明け前の海の写真
一度でいいから行ってみたくて
親に「連れて行って」とおねだりをした
しかし結局その願いは叶わず
夜明け前の海の写真は
見知らぬ異世界の絵のように見えた
その写真にまつわる海について知りたくて
意を決してその写真のアカウントにDMを送った
すると
「この海は私の生まれ故郷なんです。
今は都内に住んでいますが、今度の日曜日にそちらへ帰る予定があるので、一緒に行きませんか?」
と言ってきてくれた
そしてそのアカウントの怜奈と日曜日に落ち合った
「初めまして」
その声はどこか聞き覚えのある声だった
でも、怜奈さんの顔からは面影が見つからない
「は、初めまして」と私も言った
「もしかして」そう言いながら
怜奈さんは私の顔をうかがった
「あなたは、あの保育園にいた澪ちゃん?」
「え?」
「あの、覚えてませんか?
私が他の園児にからかれていた時助けてくれたのを」
「まさか、玲花ちゃん?」
彼女は「覚えててくれた」と言って泣き出してしまった
「えっ、あっ。あの泣かないで」
と私は焦ったが玲花は「大丈夫」と言って笑った
「ひとつ聞いていい?」
「何?」
「『生まれ故郷』って言ってたけど、
私たちがいた保育園はあの海の近くではないよ」
「私はあの海の近くの病院で生まれてから
母は体調がすぐれなくて
澪ちゃんのいる県の伯父の家に引き取られたの」
「そうだったんだ」
「うん。先日、産んでくれた母が病で亡くなったの。
それで思い出に夜明け前に見たあの海を撮った。
夜明け前には理由があって」
彼女は理由についてこう述べた
「亡き母が私の父にプロポーズされたのが夜明け前のあの海だったから」
少し目をこすりながらポケットから片手でティッシュを取り出す。
若干冷えた切り株にティッシュを広げて腰を下ろした。
まだ寝静まった空気の響きを感じながら
私はホットコーヒーの入った紙コップを両手でそっと包む。
夜景を見るために外に出ることが多くなった。
インドアな私がこうして外でコーヒーを飲むようになるなんて誰が想像できただろうか。
…これも彼のせいだ。
外出は好きじゃないと言っているのに、彼は執拗に私を外へ連れ出そうとした。これが原因で喧嘩したこともある。
今となれば、いや、あの時もわかっていた。
彼なりの優しさ、彼なりの気遣いだったということ。
出会った頃の私は酷く落ちていた。彼はそれに良くも悪くも惹かれたらしい。よく「君が思慮深いのはいろんな経験をしたからなんだね」と言った。そして「それを尊敬もしているが、心配でもある」とも。
考えすぎてしまう私を外へ連れ出すのには思考から抜け出させるためだったのだろう。
本当なら彼の性格からすれば、街中へ行き買い物をしたり、映画を見たり、食事をしたり、なんてことがしたかったはず。
だが私は外へ行きたがらなかった。
だからその折衷案として、深夜にドライブしてコンビニで買ったコーヒーを片手に、ひと気のない山でカシスオレンジのように変わっていく空を見上げるようになった。
徐々に心がほぐれる感覚と、口から滑り出る本音。
この時間があったから、今少し前を向けてるのだと思う。
ついさっき、私は彼と別れ話をした。
どちらからともなく話が始まり、互いに離れる選択をした。
こんなに考えも価値観も違う、合わなくて当然だったんだ。
互いに合わせようと意見を擦り合わせるにはあまりにも違いすぎた。
このまま互いをすり減らす必要はない、と。
だから別に、ここに来なくてもよかった。
わざわざ性に合わないことをする必要なんてなかった。
初めて運転する山道。
意外と道を覚えてるもので、思いの外到着に時間はかからなかった。
助手席に座って見る景色とほんの少しズレているだけで、また違った見え方をするものだ。
…彼には、どう見えていたのだろうか。
この時間をどう感じていたのだろうか。
もうその答えは返ってこないというのに。
「やっぱり来なければよかった。」
適温に冷めたコーヒーを口に含む。
履き古したスニーカーは朝露で少し濡れていた。
徐々に目覚め始める遠くの街を見ながら、なんとなく明日は晴れる気がした。
【夜明け前】2024/09/14
夜明け前
もうすぐ夜明けがやってくる
夜明けがやってくる前に、あなたに会いたい
あなたの声が聞きたい
「朝なんてこないで」
暗い部屋で必死に祈る。
夜明けは私に絶望を運んでくる。
それから逃れたくて、でも逃れられる方法なんて一つしかなくて。
その一つを選べない私はまだ幸せを諦められないみたいだ。
#夜明け前
夜明け前
目がさめてしまった。
「どうしよう…」
と、思ったら、夢だった。
あぁよかった。
《夜明け前》
黎明 未明 暁闇 薄明 払暁 揺籃 まどろみ 今日の朝刊が販売所に到着するころ
夜明け前
寝れずに夜明け前になってしまった。
考えごとすると眠れなくなるものだな。。
「夜明け前」
まだ君が夢を見て寝ているとき
私は君のことを想って寝ている
君と一緒に桜の舞う暖かな春が迎えられるよう
そう願って
夜明け前
夜明け前と聞けば、この曲!と思うくらい
大好きな曲です。
Darkest before dawn by 三浦大知
夜明けを希う心、
何かを追い求めている彼の胸の鼓動。
そういうものを感じさせる詞と素敵なメロディが、彼の伸びやかな声でポップに歌われています。
MVも素晴らしく、
海からそびえ立つ巨岩群が、陽の光を浴びてオレンジ色に輝いている。
その岩の上で踊る彼の姿がとても印象的です。
あまりにドラマティックで美しい風景なので、
海外かなと思ったら、和歌山県串本町の橋杭岩とのこと。驚くとともに日本の美しさを改めて感じさせてくれました。
ぜひ一度MVも見てください。YouTubeにあるかと…
夜11時ぐらいにそろそろ寝るかーって布団に入るじゃないですか、ちょっと携帯いじるかなー、あれもう3時?この時点で怖いけどまだ行けるって思ってもう少し弄ってたら夜明け前なんですよ…
【夜明け前】
いつかはきっと夜が明ける
そんな決まり
誰が決めたのだろう
夜明けを見られぬ人もいる
夜明け前に消えてゆく
いつしか消えて堕ちていく
今日を諦めた機械のように
夜明けの前、ふと考える。
どうして私はこんなとこに生まれたんだろう。
普通の子になりたかった。こんな夜更かしもしない、ただのいい子に。
一般から見て私は恵まれているのだろう。
だけど、
死にたい
こんな家に生まれたくなかった。
普通の家に生まれて、ただのいい子に育ちたかった。
あんな親嫌だ。死ね。
こんなこと考える自分も嫌だ。死ね。
死ね。大嫌いな私
そんなふうに、毎日考えてしまう。
そのくせ、死ぬ勇気も、それを伝える勇気もない。
何が正解?
学校では友達もいる。どちらかと言えばきっと陽キャ側だ。
鬱病は暗い人がなるイメージがあるが、なら私はどうなのだろう。
ずっと、延々とそんなことを考えていたら、気がつけば涙が出てきていた。
涙が乾き、髪が顔にへばりつく。
ああ、死にたいな。
夜明け前
前、担任の先生が言ってたんだ
夜明け前、
ベランダに出て
景色を見ると生きてるって感じがするんだって。
それが日常なんだって笑
いーね。
そんな人になりたい
ふと目覚め時計を見ると5時16分
カーテン越しの僅かな明るさが
朝の訪れを教えてくれる
せっかく目覚めたのだからと
庭先に出てみる
朝顔が庭いっぱいに咲き
まだまだ暑い日が続くと言っているようだ
東の空をこれから昇って来るであろう太陽が
ピンクともオレンジとも言えない色に染めていた
小鳥の囀りと地面を踏みしめる音が
朝の静けさの中に溶け込んでいく
たまにはこういう朝もいいなと
顔を出し始めた太陽の眩しさに目を細めつつ
深呼吸をしながら呟いた
「夜明け前」
夜明け前。誰かの物音で目が覚める。
眠りが浅いからだろうか。ここ数日ずっと暗いうちから目が覚めてしまう。
体を起こさないまま耳を澄ますと、微かに車の走行する音が聞こえる。そして、バイクが走り出す時のエンジン音も。新聞配達の人だろうか、とまだエンジンのかからない頭でぼんやり考える。お疲れ様ですと心で言いながら二度目の眠りに入ろうとしたその時、また物音がした。
父がゴミ出しに行く音だ。ここにも夜明け前から働く者がいた。
夜明けの空が暗い夜空から暖かな色に染められる
冷たい空気が充満するその空に一筋の光が差し込んで
ああ、また新たな一日がやってくる
(下書きとして一時保存)
20240913.NO.51「夜明け前」
『夜明け前』
大型バスに乗って舗装されている所まで行き、そこから山の頂上を徒歩で目指すルートに降り立つと、あたりはまだ闇の中。人の人との話し声と石と土の道を歩く音を聞いているときに思ったことは、眠れずにスマートフォンを見るでもなく見ていた時間のこと。
目は動画や画像を追っているのに何も頭に入ってこない。眠気が来るのを待っているのに眠たくなるどころか目が冴えてくる。いつから眠るのが下手くそになってしまったのかと記憶を遡っても何が原因かわからない。このままでは死んでしまうのではと思い始めたときに無理矢理にでも思考を変えたくていつかやりたいと思っていたことを考えたときに最初に出てきたのがご来光のことだった。
時計を見てみるとスマートフォンを眠れずに眺めていたときと同じ時刻がバックライトに映し出された。時間の過ごし方のあまりの違いに今、山頂近くから東の方角を見つめている状況が夢なのかもと思えてくる。
もうすぐ音もなく光が差し込んでくる。その光を見たときに、私の中の何かは変わってくれるだろうか。眠れずにスマートフォンを見ていた時間をもう繰り返さずに済むだろうか。膨らみ過ぎた期待を抱えながら、昇る光をいまかいまかと待ちわびていた。
いつまでこの闇は続くんだろう
いつになったら光が差すのだろう
空気はいつもより冷たいし、
街頭はいつも以上に明るい
どこまでも続いているかもしれないし、
もう閉ざされた場所にいるのかもしれない
早く夜を明けてください!
聞こえてる?
夜明けって本当に来るの?
待ってた方がいい?
進んだ方がいい?
あ、後ろに進んじゃうかも
まぁ何もしないよりかは
自分で夜を明けてやった感あるよね
こんな夜、自分で明けてやるよー!
【夜明け前】
「夜明け前」
まだ太陽が昇ってない夜明け前の少しばかり明るいとき、君との逃避行が始まる。
2人で手を繋いで、行き先なんて決めてない、ここが何処だかも分からない。
そんな勢いに任せ、ただ走る。
君は無我夢中で涙をぼろぼろ流しながら走る。
きっと辛かったんだろう。
でもね、もう大丈夫だよ。
もう縛られないように、
もう泣かないように、