『夜明け前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
オカルト
300字小説。
山道の幽霊
「……坊主、しっかりしろ」
力の入らない身体をがっしりと抱える腕。耳元で太い声が聞こえる。
「……無理です。目の前が真っ暗で何も見えません……」
「大丈夫だ。必ず助かる。暗いのは、その先に光があるからだ。言うだろ。夜明け前が一番暗いって」
「……そうですね。だから、今度は二人で光を……」
山肌が崩落する。あの時は彼が身をていして、動けない僕を突き飛ばしてくれた。でも今度は……。僕は彼の腰に手を回すと、一緒に走り出した。
『主人が『ただいま』と夢枕に立ってくれました』
スマホから彼の奥さんの涙声が聞こえる。三年前、崩落事故を起こした山道。僕は改めて現場に花を供えると
「ありがとうございました」
深々と頭を下げた。
お題「夜明け前」
"夜明け前"
「……ッ!!」
飛び起きて、ドクンドクン、と早鐘を打つ心臓に手を当てながら、ハァッハァッ、と肩を上下させながら必死に酸素を貪るように息を吸う。またあの夢か…。あれからもうすぐ5年経つというのに、全く消え失せない。頻度は少しずつ減ってきてはいるが、それでも起きる度に辛いのは変わらない。一体いつになったらこの悪夢から抜け出せるんだ?
少しずつ落ち着いてきたので、呼吸を徐々に緩やかにする。元の呼吸のリズムに戻ったところで、窓を覆うカーテンを見る。まだ日が差していない。今の時刻を確認する為に枕元に置いていたスマホの電源ボタンを押して、時刻を表示させる。画面には《AM3:30》と表示されている。
「まだ夜明け前じゃねぇか…」
けれど、すっかり目が冴えて二度寝する気になれない。
「仕方ねぇ。これでも読みながら時間潰すか」
キャスターの上に置かれた、栞を挟んだ文庫本を手に取ってベッドから立ち上がって部屋を出る。給湯室でインスタントコーヒーを淹れ、コーヒーが入ったマグカップを文庫本を持つ手とは反対の手で持ち、診察室に入ると明かりをつけて椅子に座り、マグカップをデスクに置く。引き出しからラムネの入った小さな容器を取り出し、蓋を開けて1粒手の平の上に出して口に入れて噛み砕く。ラムネの優しい甘さが口の中に広がっていく。そしてマグカップを手に取り、コーヒーを1口(淹れたてで熱いのでちょびっとだけ)含む。コーヒーの良い香りが鼻腔を擽り、苦味が広がるが、先程食べたラムネの甘さが幾らか中和してくれる。
「ほぅ…」
本当の意味で落ち着いて、ため息を漏らす。文庫本の栞を挟んだページを開いて読書を始める。
たまにはこうい朝も良いかもしれない。コーヒー片手に本を読みながら夜明けを待った。
夜明け前
そっと起きて…
外を見た
まだ…薄暗い
静か
深呼吸
憂鬱な気持ち
また…
そっと目を閉じる
現実逃避…
夜明け前、海を見ていた
黒々として、すべてを飲み込もうとする波は
恐ろしいのに美しく思えた
見ていると吸い込まれそうになる
そのうちに彼女が来た
私を夜の世界から連れ出すために
東の果てから
夜明け前
個の時間が終わる
寝る、ということはある意味一つの孤独であって
誰もが必要とするであろう日常の帳
太陽と夜の共存
昨日と今日の間
休息と不安の離反
今日は眠れるだろろか
暗い中
手探りで動いている
動くのは今だと
感じているからね
見えてきたよ
僕の行く先を
教えてくれる光と
今までいた場所に差し込む
新たな光が
夜明け前に目が覚めると決まって夢を見る
できれば朝までぐっすりと寝たい
夜明け前
夜がいちばん好き。
静かな静かな黒い世界。
空にはきれいな点々が無数もある。
明け方は、好きな時と悲しく感じる時がある。
もう夜が終わってしまうのか、と。
でも朝日を感じる時と希望も感じられるような気もする。
空ってすごいな。
夜明けって、なんだろう
紺色の空が、色ずき変わって、日が昇る事だろうか...?
...僕の人生は、夜明けが何回も来ているようで、実は一回も来ていないのかもしれない。
外は明るく煌めくけれど、
俺の心は、闇に包まれたままで、ずっと真夜中の中だ。
嗚呼、何時になったら、俺の夜明けは来るのだろうか----?
#夜明け
57作目
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気が向いたら、これに続きが追加されるかもです♪
辛い。辛すぎる。私の気持ちなんか分からないくせに色々言ってこないで欲しかった。もう無理。
夜明け前
3年前のとある日の夜明け前、祖父から祖母の様子がおかしいと連絡が入った。
僕と母は祖父母の家へ向かった。少し調子が悪いのだろうという程度に思っていた。
以前同じようなことがあったからだ。
だが、その日は違った。
すでにぐったりした状態で、これはまずいと家に入った瞬間に思った。
すぐに救急車を呼びその間、人工呼吸をしていた。
救急車が到着し病院に搬送されて医師から診断を下される前にすでに絶望的な状況を悟ったのか、祖父は病院についてこなかった。
祖母が天寿を全うした。
とても優しく強い人だった。
僕の家が経済的に苦しい状況に陥った時に真っ先に駆けつけ、お米とお金を置いていってくれた。
祖母は2度家を失っている。
1度目は第二次世界大戦の空襲で、そして2度目は東日本大震災で津波で家を流された。
津波で家を流され、僕の家の近くに新しく住むことになった。
そんな祖母はとても前向きだった。
祖母のコミュニケーション能力は非常に高く僕は圧倒された。
新しい土地に来たにもかかわらずあっという間に沢山の人と交友関係を育んでいた。
祖父は祖母とは違いコミュニケーションは苦手だった。お互いがお互いを補っているような関係性だった。
だからなのか、祖母がなくなった1年後、祖父も旅立った。
祖父が亡くなる数時間前に幸運にも僕は病院で会うことができた。
そこで祖父が僕に「一番大変だろうけど頑張ってな」と声をかけてくれた。
祖父が最後の大事な時間に僕のことを気遣った激励の言葉をかけてくれたことがとても嬉しかった。
僕の苦労全て理解してくれたようで救われた気がした。
祖父も祖母と同じでとても優しく強い人だった。
僕も2人のようにありたいと思っている。
#84【夜明け前】
夜明け前。
窓の外から、微かに聞こえるエンジン音。
あぁ。今日も眠れないまま朝を迎えるのか。
寝息の静かな君に
何をしたら目覚めるかしら。
そんな意地悪を考えていると
うっすらと白む空が
カーテンの隙間から見えた。
少しだけ、身体を寄せてみる。
違う体温に心が緩めばいい。
2分でいい。
眠って、わたし。
夜明け前に君と歩いたこの道で君は
こう言ったね
ねえ、ずっと一緒にいようね。
でも、この言葉って結構フラグだったりしてね
そう言いながら笑いながら僕の手を強く握る君
そうならないよう、気をつけていけばいいさ
そう言いながら手を握り返す僕
あぁ、こんなの所にゴミが落ちてる
回収しないといけないな
秋や冬の夜明け前に散歩すると
朝形とかは寒いですが
気持ちいい空気に包まれて
いい1日になるなと
感じます。
僕は秋と冬の空気が好きです
夜明け前の時間まで起きていることは多いが、夜明けをしっかりと見た事がない。
夜明け前の山と空の境界線から段々とグラデーションのように空が明るくなっていく様子はきっと綺麗だと思うから、いつかは見てみたい。個人的には緑、黄色、青を使ったグラデーションができるのではないかと予想している。
さて、なぜ私は夜明け前の時間帯に起きているのに関わらず夜明けを見た事がないのか。
課題などの締切に追われているからだ。
テスト勉強において一夜漬けをする際は途中で諦めの境地に達してしまい、真夜中頃によく寝てしまうので夜明けまで起きていることは無いが、課題は出さなければならない。デッドラインが定められており、前日の夜はいつもアドレナリンを大放出させて猛烈に課題をこなしている状況が我が常である。
したがって私はいつもテキストや参考資料に向かい、「あ、机の周りが明るくなった」という感覚と共に夜明けを迎えている。
いつか夜明けまでの時間まで起きて、そのロマンに浸りたい。そんな日は果たしてやってくるのだろうか。
飲み過ぎて寝過ごして公園で寝た…だなんて
ダッセェ昨日のエピローグ
プシュッ
缶コーヒーのプルタブを開ける
月や星の存在感が薄くなる夜明け前
冷えて澄んだ空気と
静まり返る街並みを眺める
"今日"ていう物語の本を開き
プロローグを読み始めた気分だ
-2nd story-
「げふぅ!!」
掛け布団は既に部屋の隅
子供達からの踵落とし、ダブルで直撃!
胸部と股間の
クリティカルヒットだった
まだ夜明け前…?
カーテンの隙間から薄らと光が差すなかで
痛みに声も出せず、シーツを握りしめて悶絶した
#夜明け前
【夜明け前】
夜明け前が最も暗いなどという尤もらしい言葉は本気にしていなかった。明けない夜もあると、永遠に朝の来ない窓もあると、諦めながら確信していた。けれどそれも既に過去のこと。
長かった夜ももうすぐ明ける、君とならばこの終わりない夜からも抜け出すことができる。今はごく自然にそう信じられる。
夜明け前
夜が 明ける
小学校からの大親友 利子ちゃん その当時二人大好きだった少女漫画 月の夜星の朝
多分ロマンスな内容だったはずだけど 忘れてしまった
利子ちゃんの 言葉に衝撃
知ってた? 星って次の日なくなるわけじゃなくて 空が明るくなるから見えなくなるだけなんだよ
まだ小学生だった私は当たり前の事なのに 衝撃
絶対一緒に見えなくなるところ見よう!
太陽が明るくなる前に集合
結局 二人共起きられないから
その計画は実行する事は叶わなかった…
思い出した もう一度チャレンジしてみようかな
夜明け前に寝る。
疲れすぎて寝れない。
悪夢を見る。
親に刺される夢、友達に裏切られる夢、いろんな夢を見る。
また今日も選択を間違えてしまった。
明日は死ぬか生きるか。どちらにしようか。
そんなことを考えていると寝れない。
また同じことの繰り返しだ。
少女は冷たい空気を胸いっぱい詰め込んだ。銀のバケツをもってまだ薄暗い森へ入った。白い足で深緑の道を歩く。小川に着くと、青く煌めく水をバケツで掬った。バケツを持って、暖かい木漏れ日の降り注ぐ森の小道を歩いた。赤い唇で朝を歌いながら。