『夜の海』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夜の海
水面に映る
月明かり
さざ波の音
ひとり佇む
夜の海
暗闇のなかで、波音が「ざ〜、ざ〜」と聞こえる。
君と一緒にその音を聞いた。
君は泣いていた。もう終わりの時が来たんだな。
夜の海を見ると思い出す。あの時を。
悲しいあの時を。
たまには夜の海にでもいこうか
美しい月光が海面に輝き
まるで橋のように見えるという
昔、何かの漫画で見た
その橋の先には
死者の国があるのだと
本当だろうか?
だが、それを確かめる術は
僕にはない
僕はまだ生者で
自らの意思で死ぬ事すらも
許されてはいないのだから…神に。
『自ラノ役割ヲ全ウセヨ』
夜風が夜の海面をはしる
僕は身をすくませながら
踵をかえし、家路に就く
もう優しく明るい
『お帰り~』の声が
失われた
光の消えた家へ
#夜の海
君と歩いたあの夜を決して、忘れないからさ
「夏の海より、冬の海の方が綺麗に見えるんだって」
街の光も届かない暗がりの中、彼女はこごえる両手をすりあわせるようにして暖をとっていた。
一言二言話すたびに白い吐息がもれていくので、こんなに寒いならもう少し着込んでおけばよかった、と心の中で思う。
「今日も冷えるからね、海が冷たくて透明になっていくんだよ。夜だからあんまり映えないけど、ここを出ていく前に見ておきたいなと思って」
ふふ、と笑う彼女はなんだか楽しそうだった。
砂浜に横たわっていた木の幹に二人で腰をかけながら、
夜空と同化しそうな紺色の海を眺めている。
最後に見る景色がこの夜の海でよかった。
まるで私と彼女、二人だけの秘密ができたみたいだから。
夜の海.
私のことを振った彼。
もう一度、話があると呼び出されて
二人で夜の海に行ったんだ。
やっぱりまだ好きだと告げられる。
そんな都合のいいことあるもんか
今さら遅いと心が叫ぶ
夜の波にのまれてしまえ
のこのこ彼に着いてきた
サヨナラを言えない恋心
見透かされてる私の気持ち
未練という名の恋心
闇夜の海に投げ捨てるんだ
去り際のカッコいい女になるために。
風と波の音が漂う空を見上げ
蛍のようなクラゲの光が漂う
『夜の海』
「夜の海」
静かな波の音…突然大きくたかぶって、全てを攫っていく。
何もかも消えて無くなれば、誰も苦しみ続けることがない。だが、誰も楽しむことが出来ない。
ひと思いにやって、消え去っても…。そこに残るのは汚いものばかりになってしまうだろう。
だから、結局今が1番なのかもしれない。
【夜の海】
夏の夜の海に月の光が揺れる
そして、私の育った町では、夜の海に綺麗な
海ほたるが無数に青く光る
夏の風物詩
幻想的な時間
海面に無数の青いネオンが光っているみたい
いいえ、青い宝石の光
海辺の家々の灯りはひっそりしているのに、海は夢が舞う
そうだ、イカ釣り船の灯りは
夏の海を明るくしている
随分と田舎の夏の夜の海に会ってないな!
今度、ゆっくり出かけよう!
夜の海…貴方と花火がしたい。
題名=夜の海
綺麗な星空
綺麗な海
今日もまた
1人で夜の海に
素敵な夜にあなたと眺める海、。
夜の海
朝は地平線まで見えるキラキラ煌めく水面は
夜になれば、一際暗く色を落とし
夜空に輝く月や星を写している。
私も、夜の海に呑まれてしまいたい
夜の海
揺れる髪
いなくなるにはいい景色
碧と海
光輝く
碧と海の世界は
二人創り楽園…
交わる
鮮やかな色合い
神秘的な楽園…
一滴の闇が堕ち
淀んでしまった…
広がり始めた闇が
全て闇に塗り替えられ
何時しか居場所は
端に追いやられて逝く
鮮やかな楽園は
もう… 失う…
最後に綺麗な
記憶と祈りを
心の破片も
置き去りにし
此の居場所から
離れてしまった…
朝と違って、夜の海は怖い雰囲気だ。そんな夜の海で失った恋人のことを俺は考える。とても、とても大切な俺の恋人だった。夜の世界で出会った彼奴は誰よりも輝いていた。
あの人はいつもの通り
月光により生まれた
自分の影と共にステップを踏む
私もいつもの通り
黒の波音と共に銀の唇で口笛を吹く
あの人は遺書の続きを綴り
私は返事と鎮魂歌を贈る
夜の海。
夜の海は
1人じゃ
吸い込まれそうで
ちょっと怖いから。
2人で
ドライブがてら
行こうかな。
良い顔をするというのは
自分の素顔をいい人という仮面で糊塗することでもある
そうすると欠点は仮面の影で、密室に入れて鍵をかけられる
そうなるとどうなるか?
全く人目に晒されなくなった欠点は、腐敗し、カビが映え、肥大し、目も当てられない姿になる
なぜなら、そこだけ風通しが悪くなるからだ
だから私は常に良い顔の人ほど危険だと思っている
自己肯定感という言葉が流行っているけども
それは、欠点も長所もさらけ出して誰かに受け入れてもらうこと
必然、欠点も長所も規模の小さい間しか受け入れてもらえる可能性が望めないということでもある(だから普通の人は、幼少期に親から受容してもらうという過程を終える)
長じて今さら、肥大し、腐敗した欠点を「ありのまま」受け入れてくれる人など、誰が居るだろうか?
だから、良い顔をする、良い人の振りをし続けるってのはとても危険なんだ
多くの素顔を見せることに失敗した人たちは、愛情を迎合で代替し、利害と熱狂的全肯定の世界に住むことになる
日本でカルトが再三隆盛を極めるのはこういう理由からでもある
すべては愛されることへの挫折と恐れが長年の歳月でこじれ、中年以降に利害で補おうとすることから悲劇は生まれる
愛情不足
それはこの国の病なのだ
指先に紙の質感を感じながら、ゆっくりとページをめくる。言葉の渦に溺れながら、思いを馳せる夜の海。暗く深い水底に、沈んでいるきらめき。届かなかった思いが、言葉が、きっとそこにはひしめいている。叫びのような、涙のような、行き場のない思い。そこにあなたもいるような気がして、窓の外に視線をやる。真っ暗で何も見えない。時々波の間に、月の光がささやかな色を落とす。いや、あれは海底のきらめきかもしれない。誰かが吐き捨てた感情はきっと、今日も海の底から深い夜にだけ、月明かりに誘われるように音の無い主張をにじませている。
〉夜の海