良い顔をするというのは
自分の素顔をいい人という仮面で糊塗することでもある
そうすると欠点は仮面の影で、密室に入れて鍵をかけられる
そうなるとどうなるか?
全く人目に晒されなくなった欠点は、腐敗し、カビが映え、肥大し、目も当てられない姿になる
なぜなら、そこだけ風通しが悪くなるからだ
だから私は常に良い顔の人ほど危険だと思っている
自己肯定感という言葉が流行っているけども
それは、欠点も長所もさらけ出して誰かに受け入れてもらうこと
必然、欠点も長所も規模の小さい間しか受け入れてもらえる可能性が望めないということでもある(だから普通の人は、幼少期に親から受容してもらうという過程を終える)
長じて今さら、肥大し、腐敗した欠点を「ありのまま」受け入れてくれる人など、誰が居るだろうか?
だから、良い顔をする、良い人の振りをし続けるってのはとても危険なんだ
多くの素顔を見せることに失敗した人たちは、愛情を迎合で代替し、利害と熱狂的全肯定の世界に住むことになる
日本でカルトが再三隆盛を極めるのはこういう理由からでもある
すべては愛されることへの挫折と恐れが長年の歳月でこじれ、中年以降に利害で補おうとすることから悲劇は生まれる
愛情不足
それはこの国の病なのだ
8/15/2022, 10:08:42 AM