『夏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夏
「好きです」と伝え
溶けるアイスクリームと
地面に落ちる私の想い
ここに
暑い夏と熱い想いが重なる
からんころん。
あーあ,
ふふ
んー、とれないなぁ。
あ。
きらり
夏は和菓子屋さんで夏限定でかき氷を出している。
値段は結構高いけど、出されたかき氷見ると納得する値段だった。
大きなかき氷で、食べるとふわりとして、さらりと溶ける。
地元産の様々な果物が使われていて、贅沢だなと思った。
母は毎年、そのかき氷を楽しみにしている。
→挨拶
冬の寒気団を冬将軍とはいうが、夏の高気圧には名前がない。
しかし、熱帯夜や夏祭りの郷愁が、夏の存在感を高め、冷たい冬将軍よりも懐古的な親しさを抱かせる。
だから、こんなふうに呼びかけちゃうんだな。
よぉ、1年ぶりだな、夏。
テーマ; 夏
【夏】
皆さんは夏といえば何を思い浮かべますか?
私はやっぱりかき氷とかですかね
それで言えば一つ
夏はかき氷が売れて
冬はアイスクリームが売れるそうですよ
クリーム系は夏にべたつきますし確かになと思った出来事でした
64.『あの日の景色』『届いて……』『冒険』
「く、届かない……」
タンスの上に置いてあるアルバムを取ろうと手を伸ばす。
どんなに手を伸ばし、つま先立ちしようとも、一向に手が届かない。
「こうなったら……」
手に取れないなら、落としてしまえ。
さっきまで掃除に使っていたハタキ棒を手に取り、アルバムを小突く。
「届いて……」
だが届かない!
思ったよりも高い位置にあるようでかすりもしない。
誰だ、こんな所に置いたのは!
もっと取りやすい場所に置けよ!
私が憤っていると、後ろに誰かが立つ気配がした。
「これかい?」
頭の上から囁くように男性の声が聞こえ、すっと後ろから手が伸びる。
そしてタンスの上のアルバムを取った後、私の前に差し出した
「……頼んでない」
私は受け取りながらも悪態をつく。
確かにありがたいが、どうしてもお礼をする気にはなれない。
どうにもこの男の笑顔は胡散臭くて信用できないのだ。
私の拒絶の言葉に、男は気にしたふうもなく微笑み続けていた。
「このくらい、頼めばすぐするのに」
「嫌よ」
「強情だね。
君の頼みなら幾らでも叶えるよ」
「『幾らでも』?」
「そう、幾らでも」
「アナタ、やっぱり嘘つきなのね」
私は男を軽蔑するように睨む。
「叶えるのは3つだけのくせに」
私が指摘すると、彼は困ったように肩をすくめた。
彼はランプの魔人だ。
願い事を3つ叶える系の。
先日祖父が亡くなり、遺産としてもらった古びたランプ。
全く覚えていないのだが、小さい頃の私が気に入っていたらしい。
そして何も知らずにランプを洗おうとしたら魔神が出てきたのだった。
出てくるなり、3つ願い事を叶えると言われたが、私は信用していなかった。
初対面から馴れ馴れしく、正直印象は悪い。
いきなり距離を詰めてくるのは、詐欺師かナンパくらいだ。
「消えて欲しいんだけど」
「いいよ、願い事を3つ叶えたらね」
「そんなのどうでもいいから消えて欲しい」
「そう言うなよ。
なんでも叶えてやるぜ。
例えば、最近流行りの異世界転生とかどう?
チートもあげるし、それ使って自分だけのハーレムを作ってもいいし、国を作って女王になってもいい。
もちろん飽きたら帰れる保証付き。
どうよ?」
「……あなた、ラノベ好きなの?」
「君が構ってくれないから暇なんだよね。
悪いとは思ったけど、君の部屋を家探しして――」
「乙女の部屋に勝手に入るなぁ!」
頭に血が上り魔神につかみかかるが、ひょいと身をかわされた
バランスを崩し畳の上で転がる私を、魔神は面白そうに見ていた。
「で、なんでアルバムを探してたの?」
「……」
「構わないだろ、別に。
減るもんじゃないんだから。
願い事と違って」
「……」
「もう一回、君の部屋に行こうかな?」
「分かったわよ」
私は広げたアルバムを魔神に見せる。
「昔の写真を探してるの」
「どんなヤツ?」
「小さい頃、ランプで遊んでいる写真ないかと思って。
私ランプでよく遊んでいたらしいんだけど、全く覚えていないのよね」
「そんなこと言っていたね」
「なんか気持ち悪くてね……
気になってその頃の写真、探してるの」
「これじゃね」
「え?」
魔神が指をしたのは古ぼけた1枚の写真。
小さい私が笑顔で写っている。
大きな男の人の腕にぶら下がって、とても楽しそうだ
見切れているから顔はわからないが、多分あの頃よく遊んでくれた親戚だろう
あの日の景色はよく覚えている。
よく夏休みに祖父の家に連れてこられた。
しかし祖父の家はド田舎にあり、娯楽らしい娯楽は無かった。
そこで暇を持て余した私は、広い祖父の家を冒険していたのだが、その時付き添ってくれたのが件の親戚の人である。
大きくなってからは次第に祖父の家に行かなくなり、その親戚の人とは会わなくなった。
今だから言うが、初恋の相手だった。
顔はもう覚えてないけれど、今でも色あせることは無い大切な思い出……
だけど……
「でもこれは違うわ。
どこにもランプが映ってないもの」
「いいや、これで合ってるよ」
「だからね……」
「この写っているやつ、俺だよ」
私はぎょっとして魔神の顔を見る。
「あの頃の君のおじいさん、ランプを手に入れて俺を呼び出したんだよ。
で、どんな願い事をするか悩んでるときに君が遊びに来たんだ。
せっかくだからと願い事を一つ使って、君の相手をさせられたというわけ。
安請け合いをしたけど、あの時は参ったよ
君って、結構お転婆で付いて行くのが大変で――って渋い顔してるね。
どうしたの」
魔神が心配そうに、私の顔を覗き込む。
だが私はさっと目を逸らす。
なんということだろう。
どうやら私が気に入っていたのはランプではなく、この魔神という事らしい。
そりゃ、思い出せないわけである。
そして信じがたい事に目の前の魔神が、私の初恋の相手らしい。
こんな軽薄な奴に惚れていたなんて、小さい頃の私はどうかしていたに違いない。
恥ずかし過ぎて、すぐにでも消えていなくなりたい――と悩んでいた時、私は天啓を得た。
そうだ。
ちょうどいいやつがいるじゃないか!
「ヘイ魔神。
この写真と私の記憶を消して。
あとアンタの存在も」
「何事!?」
「アンタに懐いていたなんて屈辱だわ。
世界からこの出来事の痕跡を消すの。
願い事も3つ叶えられるし、Win-Winね」
「俺が一方的に負けてるんだけど」
「大丈夫、存在が消えれば何も感じないわ」
「考え直せ!」
「はやく消してーー!」
結局、魔神は願い事を叶えなかった。
どれだけ言っても首を縦に振らない。
私の顔を見るたびに願いを言えと言っていたくせに、これでは話が違うではないか!
挙句の果てに、
「悪い、俺が追い詰めたんだよな。
俺が願い事の催促をしたばっかりに。
ゆっくり考えていいから、少し休め」
と言って、私を無理やりベットに寝かしつけて看病し始めた。
違う、そうじゃない。
キャラに似合わない甲斐甲斐しい看病に、ほんの少しだけトキメキそうになるも、多分気のせいである。
おかゆを作ってくれている後ろ姿に萌えたりしたのも、きっと気のせいだ。
気のせいって言ったら気のせい。
私はこいつなんかに恋したりしない。
「絶対に恋なんてしないんだから!」
こうして終わったはずの私の恋物語は、数年ぶりに動き始めるのだった。
夏
夏がやってくる
大好きな夏がやってくる
今年の夏は何しよう?
やりたいことがいっぱい!
祭りにも行きたい
花火も見たい
夏にしかやれないことはたくさんあるから
夏を思いっきり楽しもう!
友達の夏服について思うこと
自分は基本的に短髪に半袖短パンの適当ルックなのだが、友達は見た目に気を使ってるタイプの人間なのでロングスカートの長袖ワンピとかハーフアップとかでとても暑そう
(服は夏用の生地になってるらしい)
熱中症ならないでね
頑張ってる姿も服装も最高に可愛いよ
夏
夏という、季節のふりした災害がやってきた
なーんてなんて大人が言うけど、私の知ってる夏ってこんなもんよ
まぁ、死人が出るほどの暑さはどうかと思うけれど、私にとってはコレぞ夏
効きすぎたエアコンでブルブルと寒い席に膝掛けは必須
保冷剤でひんやり冷たいお弁当
建物から一歩外に出たらアスファルトで火傷するから裸足で砂浜なんて歩こうとは思わない
それでも、たった一つのボールを追いかけて取り合って部活に励む男子の愚かさに、呆れたり羨ましかったり見惚れたり
部活が終わるまで、エアコンの効いた教室で汗をかいて頑張るアイツを眺めて
日誌に上手に描けた入道雲の落書きを残して
夕立対策と兼用できる日傘と一緒に
毎日、彼のために冷凍してるポカリがちょっと溶けたのを持って
汗臭い彼に『お疲れー』ってポカリを渡せるようになりたいなぁって
汗臭い男子の集団が横断歩道を渡るのを眺めながら
西陽に向かって歩く帰り道
夏が終わる前にポカリ渡せたらいいなぁ
夏
私の心は夏のようー。
このフレーズを心の中で歌うと、晴れ晴れとした気持ちになる。
音楽の一部になれたような気持ちになる。楽しい。
その時だけ、私は現実から離れることが出来る。
夏のよう、、実際には、違う。
実際は私は夏のように清々しく、さっぱりとした夏でも、人を照らす元気な夏でもないし、。
だから現実でなくても、たとえ音楽の中だけでも、
私は夏になりたい。
今年の夏は特に暑い
34℃の12時
なぜこんな熱気の中で
お化け屋敷に並んでいるのだろう
赤いスニーカー
底からも暑くなってくる
最近名前を知った「ハンディファン」も
効かないって言うのに
なんで
こいつはずっと手を繋いでいるのか
暑い暑いと言いながら
離さないのか
汗かいた額にファンを向けてやりながら
妙に面白くなった
私が初めて着た浴衣は、濃い緑色だった。真っ赤な兵児帯が、暗闇でも深緑をぼんやりと彩る。
大人になって思い返せば、良い浴衣であったが、大輪に咲く白い花は、さすがに子どもの私には不似合いだった。子どもだからという理由ではない。身も心も幼稚で、親にさえ意地悪を言われる弱い人間が着ていい浴衣ではなかった。
そう言ってしまえば、浴衣を作ってくれた祖母があまりにも不憫である。当時、祖母は福岡にいて、私が住んでいた宮城から大分離れていた。幼い私の頭では、祖母が送った浴衣から彼女の人物像を描けなかった。その上、親は彼女について全く話してくれなかった。
確かに着物を仕立てて生業にする人物は珍しいから、思わず誰にも話したくなる。だが、祖母その人を語らなかった。唯一分かっているのは、彼女が自ら首を吊った時、人に見つかって欲しいが、遺体を見て怖がらせたくないという矛盾を抱えて生きていた。
祖母も祖母で、全く会ったことのない孫の浴衣をどうしようか迷っただろう。椿のような組み合わせの浴衣は、彼女がようやく生み出した孫への花束かもしれない。しかし、想いのこもった花束を孫は嫌った。何故緑なのか分からない、と騒いでいた気がする。
親は、自らの子どもを慰められなければ、祖母の想いも拾わなかった。とにかく、祭りの屋台の食べものでもあげれば機嫌が治ると金で解決しようとした。残念ながら、当時の夏祭りで私が何を食べたか、全く覚えていない。美味しくも楽しくもなかった、そう違いない。
ただ視界だけは、黒い影に包まれた夕暮れのような橙色の光に焼き付いている。人影は、夢のように遠い世界の人々に見えた。屋台はあったが、ただの四角い白い影にすぎなかった。
つまらなかった思い出の断片にしては、思わずノスタルジーに浸りたくなる。子どもの私は、この夕まぐれの世界で、椅子に座って足をぶらぶらとさせている。暗緑の浴衣の裾から伸びる足が異様に白い。覚えてもいない黒い下駄の漆の艶が目を眩ませる。
浴衣姿の幼い私が、夏祭りの喧騒に潜んで遊ぶ子どもの妖怪に見えなくもない。人間の祭典を覗きに来た妖怪になりなさいと、祖母は言いたかったのだろうか。そういう物語があっても面白い。大人になって良い着物と思えたのは、芸術に潜む物語を読めるようになったからだろう。
こういう芸術は、受け継がれた物語に気づいて欲しいが、あまりおおっぴらにしたくないという想いが込められている。実に祖母らしい芸術であった。
(250714 夏)
『夏』
なつはくる
よるはしずかに
すずしきかぜ
『どう?』
『私が今考えた短歌』
『いいんじゃない?』
『今にぴったり』
『私、才能あるかもしれん…』
『自分で言う?』
『こういうのは、自分で自分を褒めるんだよ』
『まぁ、自分に自信があるっていい事だね』
しずけさと
ともとかいわし
かんじとる
いまがいちばん
しあわせかんじる
『私も作ってみた』
『俳句?』
『そう。今の気持ち』
『へぇ〜、今幸せなの?一番?』
『うん』
『とっても』
『たまにはいいね』
『自分の気持ちを短歌や俳句にするの』
『ね。昔の人になったみたい』
『私達、前世俳人だったのかも!』
『そうかもね〜』
皆様もぜひ、自分の気持ちを短歌や俳句にしてみたら
どうでしょう?
新しい発見があるかも、しれません。
夏
夏は私が最も愛する季節だ。
夏休み、夏祭り、花火、川遊び、プール
夏のイベントもさることながら、
向日葵の大輪、入道雲、蝉の鳴き声、
青々とした木々、ラムネのビー玉、風鈴の音色、
浴衣、エアコンの冷風、かき氷の冷たい舌触り、
夏を彩るちょっとしたことで、
私の心はわくわくする。
私の周りは、夏を嫌う人の方が多い。
気持ちは分からなくもない。
確かに私も夏の嫌な部分はある。
たくさんの虫、汗ばんでベタつく肌、
人のやる気を削ぐ暑さ...
特に近年の夏の暑さは異常だ。
数分外で作業するだけで、汗が滴り落ちる。
ふと、私の子供の頃はこんなに暑かったかな
なんて考えてみる。
夏休み、ほとんど毎日友達と
自転車で走り回っていた、あの夏。
キラキラした思い出の中の夏休み。
今はギラギラと形容するのがふさわしい気がする。
異常な暑さだが、それでも私は夏が好きだ。
毎年夏が来るたびにどうしようもなく心が高鳴ってしまう。
今年はどんな夏らしいことをしようかな。
帰宅途中の向日葵を横目に、そんなことを考えた。
夏。この時期になるとぐるぐる渦巻きの蚊取り線香が必須になる。
この島に居る者は刺されやすい体質なのか分からないが何ヶ所も刺されるせいで皮膚は赤くなり、身体を大きく動かしていないと痒さで気が狂いそうになる。
ハッカ油ってのも試したが、あれは自分の身体に合わなかった。塗りたくった端から寒くてどんどん青くなってしまった。ハッカ油の方が痒いより良いって奴らも居るが。
夏の蚊の時期は苦手だ。
(夏)
鬼ヶ島の鬼たちが赤かったり青かったりする理由。
災害級の猛暑とは言っても、我が家では窓を開けて扇風機を回し風を通しさえすれば熱中症で倒れることはまず無い。だが、障がいを持つ犬二匹を連れて帰省したい妹の要望でついに…
毛皮着てウチワ使えぬ犬のため 我が家もついにエアコン導入
#夏 (310)
夏
私は夏生まれ。けどすごく暑くてやる気が出ない。どーしよ。助けて。
【夏】
夏といえば? 海、祭り、花火……。
色々なものが浮かび上がると思う。どれも夏には欠かせない行事だ。ただ、楽しいものの反面、嫌なことも思い浮かぶ。
海なら沖まで流されたり、祭りなら暗がりと人並みに紛れた犯行、花火なら火花などが危険なのではないだろうか。いきなりだが、私の友人は祭りの帰りに子供を庇って亡くなった。
ニュースでも取り上げられたし、子供の親もお礼と謝罪を何度もしていた。だけど友人の親はそんなのどうでもいいと、なにも受け取らなかった。そんなことで娘が戻ってくるわけじゃないんだから、と。
祭りは学校帰りに一緒に行ったため、お互いに制服姿だった。バッグにお揃いのキーホルダーをつけて、まさにJKを堪能していたと思う。
1時間ほど歩き回っていると、途中でお互いのキーホルダーのチェーンが切れた。慌てて拾い、とりあえずポケット入れ、友人と「なんか不吉だね」と冗談混じりに笑っていた。
「たのしー! 明日、土曜日だし最高すぎん!?」
ほかよりも大きい声で喋る友人に、そこそこの注目が浴びる。恥ずかしくてお口チャックのジェスチャーをすると、ケラケラ笑ってボリュームを下げてくれた。
そろそろ帰るか、と道を歩き始めた時、1人の少年が横を駆け抜けて行った。「元気だねー」とお互いに笑いあっていると、目の前が踏切であること、踏切が降り始めているのに止まらない少年に気づいた。他の人が声を出して注意しているのにも関わらず、少年は走り続けていた。
友人はバッグを私に投げ渡し、走り出した。陸上部の彼女はあっという間に少年に追いつき、背中を押して踏切の外まで飛ばした。少年は勢いよく転んで大泣きをしていたが、私はそんなのどうでもよかった。
友人の名前を叫び走り出すが、それは届かない。彼女は状況を把握できないまま電車に轢かれた。
辺りには血が飛び、肉片が飛んだ。一拍置いたあとの悲鳴で、周りが騒がしくなる。しかし、私の耳にそんな喧騒は入らなかった。踏切の前で崩れ落ち、涙も出ないほど放心していた。耳鳴りが酷く、視界は真っ白になっていた。
その後は事情聴取をされたが、何を話したかはまるで覚えていない。どうやって家に帰ったかも、記憶から抜け落ちていた。
ただ、友人が死んだ実感が湧かず、預けられたバッグをずっと抱きしめていた。
「あのクソガキがいなければ……」
今更どうしようもない事実を受け入れられず、ただひたすら人のせいにするしかできなかった。
やがて時は過ぎ、季節は何周もした。去年よりも暑くなった夏に、みんなが殺意を湧いていた。しかし、毎年恒例の夏祭りは変わらず開催される。
祭りの喧騒から離れた例の踏切は、人が亡くなったからと、今は封鎖されている。だが、電車は変わらずやってくるし、何ら変わりない光景だ。
夏に踏切の前に立つと、あの光景がフラッシュバックされて吐き気に襲われる。それでも私はこの場所にやってくるし、ここに彼女を思い出す。
未練がましく彼女に取り憑いているのは私の方なのかもしれない。
夏
太陽目覚め
地が枯れる
ふとその時
ぬるく冷たい風が
肌を撫でる
地が水を求め
人々が外を逃げ出す
#8
夏、キライ。
夏には海が思い浮かぶ。
でも嫌いだ。
君がいないと分かってしまうから。
独りだと気付いてしまうの。
僕がこの世にいる限り、
君と一緒にいない瞬間から、
君がいなくなった日から、
僕の恋は夏で止まっている。
「夏」