『声が聞こえる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
声が聞こえる
とある職場での出来事である。
私がいる場所にほど近いところから声が聞こえる。
それは女性二人が私について話している声だった。
おそらく二人は私が近くにいることに気付いていない。
口調から察するに、余り良い内容の話ではないことが分かる。
よくよく耳を澄ませてみると、それは私の仕事ぶりについての話だった。
「こうこうこういうところがやりづらいのよね。」
「そうそう。私も前からそう思っていたわ。」
みたいな内容が漏れ聞こえてくる。
話を聞いていたら、明らかに私に非があるように思えてきた。
なるほどな。そう思われていたんだ。
私はそれからというもの、自分の仕事の仕方を徹底的に改善した。
自分だけがやりやすいからという理由でやっていたやり方を止め、誰にとってもやりやすくなるように工夫に工夫を重ねた。
それは簡単なことではなかったが、あの時の二人の言葉が私の後押しをしてくれたのだ。
その結果、私の仕事ぶりをみんなが褒めてくれ、前よりも格段に仕事がしやすくなった。
しかし不思議なことに、彼女たちとの関係はあれ以来一向に改善する気配はない。
どうやら私の仕事ぶりになど、初めから興味は無かったようだ。
いずれにしても、私にとってはありがたい提言だったのだけれど。
それ故、行きがかり上この先もお礼が言えないことが残念でならない。
お題
声が聞こえる
「──さん」と呼ばれた気がして振り向いたやっぱり君の笑顔があった
毎日忙しくて
色々後回しだ
今日やるべきことを
明日の自分に丸投げした
明日の自分から
何でもかんでもこっちに丸投げするな!と
怒っている声が聞こえる…
困ったなぁ。
今
これ
ちょっと
嫌だなぁ。
手伝って欲しいなぁ。
ほんとは
こうしてほしい
…けどなぁ。
気づいた時には
他人の
気持ちが
まるで
声が聞こえるように
想像できる
ことが増えていた。
自分では
それがフツウ
だと思ってたけど
ちょっと
共感力が高めなほう
らしい。
そして
他人の気持ちが見えるから
他人の気持ちを
優先しがちで
勝手に
疲れてしまう。
長所と
短所は
紙一重だ。
#声が聞こえる
声が聞こえる
よく聞こえないけど自分を笑っている気がする
よく聞こえないけど悪口を言われている気がする
よく聞こえないけど心が助けてと叫んでいる気がする
声が聞こえる
はっきりと聞こえる
聞こえていたはずだった
声が聞こえる、
声が聞こえル、
こエがキコえル、
kおエgあきコえ、
kぉえがぁキえる。
声が聞こえる
電話にでたら
大好きな
あなたの
声が聞こえる
ぎこちない感じ
もう少ししたら
謝ってみよう
なな🐶
2024年9月22日2200
どこからか
声が聞こえる
想いと裏腹に
動こうとすると
それでいいの
ほんとうにいいの
………声が聞こえる
声が聞こえる
静かな夜。
街の喧騒も虫の鳴声もない。
微かに何かが聞こえる。
遠くで誰かが話しているようだ。
何を話しているのか気になり耳を澄ます。
隠蔽や警察という言葉が聞こえた。
音を立てないよう細心の注意を払い、その場を離れた。
「声がきこえる」とかけまして
「キレてないですよ」と解きます。
その心は「聴衆/長州(力)」です。
声が聞こえる
6年前に同級生の男の子が行方不明になった。今も発見されていないその子の声が学校近くの沼から聞こえるという。その話を教えてくれたのは小学3年生だった当時私と仲の良かった女の子で、久しぶりに話したらこんな話題が出て一緒に沼に行くことになった。
人気はないがおよそ幽霊の出そうな気配はない、亀が日光浴しているだけののどかな沼だった。
「ダイバーが潜って調べたんじゃなかったっけ?」
「この沼の底は海に繋がっているって聞いたことあるし、そっちに流れちゃったのかも」
「それでも幽霊はこっちに出るのかなあ」
「幽霊じゃないかもよ。青木君は生きてるって私は思ってるんだ」
「えっ?」
「実際何度か聞いてるんだよね。はしゃいで遊んでいるような青木君の声。だから一緒に聞いて欲しくて」
耳を澄ましても自然の音しか聞こえない。
「子どもの声なら小学校から聞こえたってことはない?」
「あれは青木君の声だったよ」
彼女の真剣さが怖くなってしばらく一緒に座っていたがそれらしい声が聞こえることはなかった。
そんな出来事があったことも忘れていた数年後、唐突に青木君は帰ってきた。彼は本当に沼から上がってきたのだ。驚くべきことに失踪当時と同じ小学3年生の外見のままで、どこにいたのかと聞かれると竜宮城と答えたそうだ。目下メディアの関心事は彼が大事に抱えて離さない漆塗りの箱の中身にある。
誰もいないこの部屋で、目を閉じ耳を澄ます
家の軋む音、風が流れてカーテンが擦れた音、雀が鳴く音...あ、子供が遊ぶ声も
あの時、一緒に遊んだあの子は何をしているんだろう
そんな淡い記憶が思い出された
#声が聞こえる
心をナイフで何度も切りる声が聞こえる
その声が私の背中を力強く押す
いつだって被害者にもなるし
殺人鬼にもなる
道徳授業なんてなんの意味もない
教師同士でさえあからさまないじめが存在する
そんな奴らが何を教えられるのか
両親もまた然り
どの世界にもいじめはあるんだ
どの世界にも他人を貶めるのを生き甲斐にする輩はいる
生きるって報われない
『声が聞こえる』
地球上から生命体が滅んで2ヶ月と5日が経った。
最初のうちは管理者を失った機械が狂ったように暴れ騒ぎ立ち、耳をつんざく喧騒に世界が包まれていたのだが、それもいつしか止み、すると一変して荒廃した大地を風が過ぎ去る音や、禍々しく変色した水の流れ落ちる音が聞こえるだけの静かな大地へとなっていった。
自然の音は不規則で、しかし目立った変化もなく、ただそこにあり続けた。じっとそれを聞いていると、静寂だったはずのそれがだんだんと大きくなっていって喧騒のように思えてくる。脳はすごい。これは2ヶ月の間に得た発見だ。
そして2ヶ月と6日目を迎えた今日、突如として異変が訪れた。自然物には到底起こしうることのできない、突然変異と言うにふさわしい変化。
声が聞こえる。
誰かが歌っているのだ。生命が滅びたはずのこの地球で、今確かに、確かにこの耳に届いている。音がどこまでも伸びていき、時折軽やかに跳ねる。歌声は清らかで、透き通っていて、とても耳触りが良い。どこか春を思わせるその歌声に、僕は生命の息吹を思い出す。
終焉は、もうすぐそこ。
星の声が聞こえる。
冬の澄んだ空に浮かぶ其れは
強弱をつけて光っては淋しいと嘆くようで。
私は謝るのみであった。
手の中にある定規では計り知れない
貴方と私の関係という距離が
その会話の疎通をやめさせる。
今日も貴方が幸せでいることすら知れぬ
水の惑星で佇む私はそんな声が聞こえた。
【声が聞こえる】#54
声が聞こえる
意識が急激に覚醒する。
「もー、なにやってんの?」
そう言って貴方は笑った
「…っなんで?死んだ筈じゃ…」
「勝手に死んだことにしないでよ~」
思いっきり抱きつくと、困惑しながらも笑って抱き締めてくれた
「良かった……!」
…そうやって、思ったのに
気付いたら私はベットの上
全て夢だった
でも、抱き締めた時の温もりは本物だった
「…っなんで…」
私はまだ、受け止められない
今日もまた夢の中で…
貴方の声を聞く
仄暗い洞窟の奥から、声が聞こえる。
どうにも僕の耳には、たすけて、と言っているように聞こえるそれは、しかし周囲の者にとって恐怖の対象でしかなかったらしい。
声が聞こえだして早一ヶ月。村ではあの洞窟を埋めようという話が固まりつつあった。
全く、普段は村人間での交流すら閉鎖的だというのに……どいつもこいつもこんな時は積極的だな。と呆れていると、もちろんお前も手伝うんだぞ!と声を掛けられる。
正直気は乗らないが、致し方あるまい。
目的を果たすためならば多少の犠牲はあって然るべき。犠牲なき達成は誰からも赦されない。……いや、あのこなら笑顔で許しかねないけど。
あのこと、あのこの住み処を守るため。彼らに、ちぃとばかり犠牲になってもらおう。
▶声が聞こえる #16
声が聞こえる
自販機の前で迷うきみ
複数ある飲み物の前で
行ったり来たりを繰り返す
いつも迷っているけれど
買っているのはだいたい同じ
自販機で買うだけなのにやたらと時間をかけて
結局はいつも同じものを買う
きみの友だちはそんなふうに言っていた
あちらこちらに動くきみの目線
のんびりと待っているぼく
後ろに人の気配を感じて場所を譲るきみ
ただそれだけなのに楽しくなっているぼく
飲み物を手にやってきたきみ
普段は買わない炭酸飲料ときみ
冒険してみた
そう言うきみは楽しそうな笑顔
すきだけど炭酸の刺激が強くて
はやく飲めないと言っていたきみ
きみが飲みきるまでの
普段より少し長めの時間
それでも
きみと話していると
時間がたつのが早いから不思議なんだ
遠距離を乗り越えて、同じ家に住んで。
朝起きたら「おはよ」って言ってあげるから、
寝る時は私の隣で「おやすみ」って言ってから寝てね。
こんなのは理想像でしかないけど、
声にしなきゃ夢は叶わないって言うし?
そういうことだから、とりあえずみんな声に出そうね。
なんでもいいんだよ、一言でいい。
好きな曲のワンフレーズでも、なりたい人でも
会いたい人でも、言うことが大事だし。
何より私は、「自分はこう思ってる」って誰かに
知っててもらうことが大事だと思うから。
みんな、頑張って生きよう。
「声が聞こえる」
どこからか声が聞こえる。
自分にとってその声はとても不愉快でとても不安にさせる。どこにいても何をしていても聞こえてくる。その声が聞こえるたびに胸が苦しくて泣きたくなる。なのに無視することができないからタチが悪い。
自分にしか聞こえないその声はいつだって自分に問いかけてくる。その時いつも決まって答えを出すことができない。
そんな事を何度も何度も繰り返している。
家の外から声が聞こえる
全力で遊ぶ子供の声
壁の向こうから声が聞こえる
テンポ良く掛け合うコンビの声
どこからか声が聞こえる
止めどなくあふれる感情の波
どこからか声が聞こえる
名前を呼ばれて目が覚める