『声が聞こえる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの子は四葉のクローバーを見つけるのが得意だった。
どうしてそんなに見つけられるの?
と聞いたとき、彼女はこう言った。
声が聞こえるんだよ。
わたしにそんな声は聞こえない。
わたしは彼女のことが羨しかった。
そんなことを思い出しているとき、電話がかかってきた。
彼女からだ。
久しぶりだね、と言うと、
声が聞こえたから電話したよと言った。
それはわたしがクローバーだってこと?
と冗談ぽく言ってみると、彼女は当たり前のように「うん、そうだよ。わたしの幸運のお守りだよ」と答えた。
わたしのすべてが報われた気がした。
声が聞こえる
アイツの声が
声変わり前の可愛らしい声
こっち来いよー
って
今行くー
何か用?
お前、遊ばないの?
うん
えーっ
一緒に遊ぼうぜ
しょうがないな
アイツの声を聞くと
3月の風が吹いたような気分になる
暖かいのに少しひんやりする
それは
それは
もうすぐ
会えなくなるから
だろうか
筋トレしないと…
でも酒飲みたい…
「声が聞こえる」
電話越しでしか聞けないと思ってた
だから油断してたんだ
私を呼ぶその優しげな声が
夢の中にしてはあまりに鮮明すぎたから
目が覚めたその瞬間はまだ
耳に君の声が残っていたせいで
自分が泣いていたことに気が付かなかった。
「声が聞こえる」
色々なところから声がする
朝「鳥の声」
「朝だよ!起きてー」と私に呼び掛けながら…
昼「人の声」
「お腹空いたね」と私と話ながら…
夜「虫の声」
「おやすみなさい。また明日ね」と私を眠らせて…
着飾って
瞳の色を変えて
髪の色を変えて
欺いて
色んなものを
ペタペタと貼り付けて
映える場所と
楽しむ姿を映像に流して
生活感のない
サイボーグみたいな
暮らし
最近聞こえてきた
自分の核からの声
「そのまんまの自分はここ」
社会の大海原に
質素な自分の つまらない核を
まんま浮かべる事にした
誰の評価も要らない
ただただ
生まれてきた事の
正当性を感じたいから
少し経つと、聞こえてきた。
明るい君の声が。
私を呼んでくれている。
わたしは君の声が大好きだ。
今日も君の声を聞けることが幸せだ。
「○○〜?どうした?」
これが恋なら、叶わないだろう。
でも、今はその声を聞いていたいから。
「はい、ごめんね。」
今日も、明日も、明後日も。
同じ日常を繰り返す。
君の声が、聞こえなくなるまで。
2022/09/23
お題:声が聞こえる
瞑った目を開けると
君の声がした。すぐ振り向くと、
目の前には亡くなったはずの君が…
( え、××…? )
何故だろう、思ってもいない
言葉がどんどん口に出てゆく。
そして、昔みたいに君と何気ない会話をしている。
手も体も操られているかのような、
自然に動いていた。それはまるで
__夢のように
数分経って頭がぼーっとした頃、
君の存在も薄くなってゆき
気が付けば僕は ベットに横たわっていて
涙を流していた。
今でも思い出せる。
__君が最後まで笑顔で 僕の傍に居てくれたのを
声が聞こえる
みんなの話し声、笑い声
それは聞こえるよ
けどもっと聞かないといけない声
それは
心の声
自分のだけじゃなくて
相手のも聞いてあげて
集中して
そっと耳を澄ますの
そしたら
声が聞こえるから
みんなの心の声が
金平糖の声が聞こえる
震えるようなひそひそ声で
死んだ子供のことを話している
好きだったのはピンクのだ、いや黄色のだ、いやいやみどりのだ
お構い無しに口に放り込む
さとうのあまさに舌が跳ねた
宵に昼寝から起きたとき
家には誰もいやしなかった
虚空に伸ばした手にかかる
影だけ私をみつめていたのだ
「――私、生きているのかしら
いいえいいえ、生きてはいるの
生きてはいるからこそきっと、
愁いに抱かれただけなのでしょう…」
乾きを覚えて引き攣る唇(くち)を
数十年後の骸が舐めた
いま影をたたえる肉々にすら
証明のしようもないくせに
君のことを考えてたら
君の声が聞こえた気がして
目を開けるとそこには君がいた
声が聞こえる
天国ってあるのかな。
私みたいな人間でも行けるところなのかな。
今回ね、わたしは死にかけたんだよ。
うっすらとしか覚えてないけど、走馬灯も見た後に私は光眩しい世界にいたんだ。
でも、皆の声がして背中をおされた気がしたんだ。
それで戻ってこられたんだと思う。
もうすぐで皆のところに行けたなら、昔みたいに笑いあいながら話をしたかったなぁとも思っちゃった。
私は弱虫で臆病者だから、話せなかったことが沢山あるんだよ。
けれど、いろんな人たちがね、私を心配してくれて、助けてくれてたんだよ。
だから、私はもう少しこの世界にいるよ。
やっと見つけた、自分の夢を叶えるためにも。
きっと、天国は遠いんだろうね。
皆に私の声が聞こえるのはまだまだ先になるかもしれないけれど、頑張って生きていくよ。
声が聞こえる
眠っている私に話しかけている
生きなさい
あなたの好きなように生きればいいの
世間体など気にせずに
人生は一度きり
思うように生きなさいな
人の幸せなんてみんなそれぞれ違うのだから
誰かがきめた見解が全てではないのだから
君なりの愛、故の閉じ込め方なのだと信じてしまえば楽だと思っている
そうやっていつしか傷つけ合わない解き方を私たちは知ってしまった
聞こえないそぶり、君の咀嚼音、心臓の在処、愛情の酸化
君の核心を護るために備えられた瘡蓋、勢いあまってぼろぼろの傷痕に一撃
今日のキスは長めがいいな、なんてほざいちゃって半端な妄想論
夜になると聞こえてくる。
寂しくてつらくて、可哀想な誰かの声が。
誰かに気づいて欲しくないような、
いや、気づいてほしいような。
まるでお手伝いをして欲しいものを母にねだる子供みたいに。
目の前が幸せだと言うことに気づけずに
知らない人が落としたくない命を落としてる最中に
僕らはそんな人を無下にして自分の命を軽くみて。
今日の夜もまた吐き出す。
2022/09/22 「声が聞こえる」
ひか
「声がきこえる」
声がきこえない。
君からの電話がなくなった。
あの出来事があってから、君は変わった。
私も少し、色々と考えた。
私はあれから、世界を見る視点が変わった。
世界が優しく見えるようになったのだ。
そして、私の気持ちはメロディになり、詩になる。
君が教えてくれた、音楽。
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LINEの返事もあまりなくなった。
でも、声が聞きたい。
少し仕事が忙しいという。
君は仕事が終わったら連絡するからという。
信じて待ってみる。
だけど、寂しい。
やっぱり、会いたい。
声だけでもききたい。
声だけで、落ち着く。
その声を聞くだけで私の心はすっと、落ち着く。
既読だけ残るLINE。
無言の声がきこえる。
無言じゃなくて、本当はあなたの声がききたい。
9.22
私とあなたとの距離は、飛行機で9時間、そのあと車で3時間かかる。ちゃんと会えるのは1年の内僅かな間だけ。2人きりの時間は多分24時間にも満たない。そんなに遠くにいるあなたと、家にいながらお喋りできるっていうのは不思議な感覚だ。文面だけじゃわからない声の高さや大きさ、テンション。電話口ではしゃぐ子どもの声であなたがちゃんと無事なのが伝わってくる。きっとあなたも同じでしょう?
声が聞こえる。それがどれだけ画期的で素晴らしいことか。
『声が聞こえる』
空の青さに吸い込まれそうになること
頬に風を感じること
土に触れること
虫の声に耳をすますこと
美味しいものを美味しいと感じること
花を見て美しいと感じること
あなたの声が聞こえること
自分を大切だと思うこと
いつから見失っていたのだろう
今ならわかる
何よりも大切なもの
声が聞こえる
どこまでも続く青い空
どこに住んでいても見上げる空は同じ
どこか知らない場所で
名前も知らないあなたが
私を呼んでいる