あの子は四葉のクローバーを見つけるのが得意だった。
どうしてそんなに見つけられるの?
と聞いたとき、彼女はこう言った。
声が聞こえるんだよ。
わたしにそんな声は聞こえない。
わたしは彼女のことが羨しかった。
そんなことを思い出しているとき、電話がかかってきた。
彼女からだ。
久しぶりだね、と言うと、
声が聞こえたから電話したよと言った。
それはわたしがクローバーだってこと?
と冗談ぽく言ってみると、彼女は当たり前のように「うん、そうだよ。わたしの幸運のお守りだよ」と答えた。
わたしのすべてが報われた気がした。
9/22/2022, 11:45:08 PM