『喪失感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
祖父の散骨の日程が決まった。
さっき、母から家族のグループLINEに「ファミリー散骨プラン」のリンクが送られてきた。船では音楽をかけられるが、母は実の父が好きだった音楽を知らないらしいので、プリンセス・プリンセスでもかけてリズムに合わせて投げよう、などと笑っていた。花などのオプションもあるが付けないそうだ。まあ、祖父がそういうものを望むとは思えないのでいいと思う。
思い返せば、葬儀も簡素なものだった。しかし祖母の涙につられ、母はもちろん私を含む孫はおろか、祖父と血の繋がっていない父まで涙を見せた。
さらに遡ると、祖父の亡くなった日。私はバイトをしていた。バイト直前に訃報を知り、そのままバイトに行けと言うので終わってすぐ帰ると変わらず家族がいた。特に重苦しい雰囲気は感じられず、母は手続きか何かで少し忙しそうにしていた記憶がある。
葬儀以外で、母の涙は見ていなかった。
うちの家族、カラッとしたとこあるし、と思っていた。
亡くなった日から葬儀の日まで、母が毎晩泣いていたことを知ったのは最近だった。
世界を救うために、恋人を手にかけた
世界に平和が訪れた。
恋人が育てていた薔薇は枯れ果てた。
肉を断つ感触も、耳に残る呻き声も、
思考を縛り付けて、離してくれない。
温かな日差し、荒れた家。
キッチンに立つ君はもういない。
カーテンを開け、窓の外を覗く。
君を犠牲にした世界は、
僕が見るにはあまりにも美しい平穏だった。
壊れかけの君を見ているのは辛かった。
だから壊した。
壊れた君を見たとき、何かが背中に走った様な気がした。
あんなに大事にしてたのに、どうして壊しちゃったんだろう。
あーあ、またやり直しだ。
アナタと別れてから
ずーと何かが埋まらないの
これが喪失感ってやつなのかな?
まだ未熟だった頃、大切な存在を失って喪失感に襲われた。今は心の傷も完治しているはずなのに、たまにあの頃を思い出してして、胸の奥が痛む。まぁ、今更何もできないのだけど。
喪失感
今更どうということもないけれど
若い頃に負った傷が
今でも時々しくしく痛むように
失ってなお残るこの気持ち
今更どうということもないけれど
心の中の大きな何かが抜けてしまったよう。
何が抜けてしまったのか、今の僕に知る術はないけれど
ただひとつ言えるのは、生きたいという気持ちがなくなったということだけ。
『喪失感』
娘が幼い頃、知り合いから貰ったぬいぐるみがお気に入りだった。
その名も「ニャニイ」ちゃん。
いや、娘がアンパンマンの映画から拝借して付けた名前だが。
クタクタのぬいぐるみで、持ち運びやすいのもあってか、どこへ行くにも一緒だった。
公園に遊びに行く時も、家族で旅行に行く時も、必ず持っていったから、写真にはたくさん残っている。
時が経つにつれ、薄汚れていったのも見て取れて、それだけ愛されていたんだなと伝わってくる。
そんなニャニイちゃんは、ある日、電車のシートに置き忘れられて、サヨナラとなった。
もちろん、問い合わせて探してもらったが、見つからず。
娘はグズって泣いたが、その反応は親が思っていたほどではなかった。
興味が次のグッズに移るのは早く、親の方も元気付けようと奮発したおかげか、それほど引きずることもなく、ニャニイちゃんは我が家から姿を消した。
むしろ、ショックが大きかったのは親の方、いや、父親の私の方だったかもしれない。
なんだか、家族の一人を失ったような…いや、そこまではなくとも、娘の友達が行方不明になってしまったような、なんとか探し出してあげたい気持ち。
一人、電車のシートに取り残され、どこまで連れて行かれたのか。
汚いぬいぐるみだと処分されたか、どこかにひっそりと保管されているのか。
何も分からない。
喪失感だけが残った。
あの後、同じようなぬいぐるみを買いたいと探し回ったが、これだ!ってのは見つからなかった。
残されているのは、幼い娘が大事そうに、もとい、振り回すように手に持って写された写真のみ。
クタクタのぬいぐるみだったから、いつもギュッと握りしめられて…ずっと離さずに一緒だと思ってたんだけどな。
ちなみに、アンパンマンのニャニイちゃんは、その名の通り夢猫の国の住人だったが、我が家のニャニイは、小さなバッグに入って顔を出すタイプの虎だった。
猛獣だった。
幼い娘は、いつも公園で猛獣を振り回してた。
小屋見れば 揺れる尾探す
前足を かけていた柵戸 開けたまま
ただいまの 声かけていた 立ちつくす
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看取った時も、ペットのお葬式をした時も、泣かなかった私達は、家に帰ってきた時と小屋を処分する時に泣いた。
テーマ 喪失感
生きていれば
人は必ず何かを失う
大切な人、大切な物、大切な時間など
そのたびに喪失感が襲ってくる
無理に埋めようとしなくてもいい
無理に代わりを作らなくてもいい
無理に前を向かなくてもいい
今は失った人、物、時間と向き合えばいい
道の真中にいきなり現れるのが
喪失感という穴
人はいつかはと恐れるが
忘れていることの方が多い
歩いていて その穴に囚われる
思いがけない強さで
後ろから押されていた
喪失感なんてまだ味わってないし、正直よく分からないけれど
そんな気持ちがある人には
あなたは頑張ったと褒めてあげたい
〘 喪失感〙
《 喪失感 》
身体はまあまあ動くんだけど
頭が働かない今は考え事はちょっと無理ね
自分では大丈夫と思っていても
胸にぽっかり空いてしまったものは
時間薬でしか治せない
前に一日だけ、いつもの時間を過ぎてもあなたが帰らなかった日がある。連絡もつかなくて、居そうなところを探しまわって。結局ひょっこり帰ってきたあなたの右手には、ちょっと高いプリンがありましたね。
/喪失感
喪失感
「貴方を失ってから、この心の喪失感は消えません。
毎日僕に向けてくれていたあの笑顔は、昨日が最後でしたね。急な出来事で戸惑ったし混乱したよね。それは僕もだよ。だって、昨日プロポーズしたばっかなのに…なのにこんな感じになっちゃって…神様はどうして君を連れて行ったんだろう。僕が何かしたのかな?…。こんなの酷いよね。通り魔に刺されて…この世から居なくなるなんて。僕を置いてかないでよ…。二人で素敵な家庭を築こうって話したばっかだ…よ?。
貴方の最後に僕がいなくてごめん。間に合わなかった。なのに貴方は涙ぐみながら微笑みながら、"貴方からのプロポーズ…嬉しかった。…"そう最後に言ってくれたんだよね。貴方のお母さんからそう聞きました。僕も貴方にプロポーズして、こんな僕を受け入れてくれて本当に嬉しかった。だから言わせてください。
"黄泉の国でも、来世でも、ずっと僕と一緒に居てくれますか?"
」
僕は、彼女の仏壇に泣きながらそう言った。返ってこない返事を待つかのように…。
もうダメだって、とことん落ちても
めちゃくちゃ泣いて、もがいても
いつかは時間とともに回復するんだ
人間って、思ってるより弱くない
#喪失感
彼女は朝の日差しが差し込む窓辺に座り、手に持ったコーヒーカップから立ち上る湯気を見つめていた。香りが心を少しだけ和ませる。しかし、その温もりも長くは続かず、心の奥に渦巻く喪失感が再び顔を出す。数ヶ月前、彼の突然の死から、日常が一変した。彼と過ごした時間は、まるで夢のように鮮やかで、かけがえのないものであった。それなのに、今はその記憶が彼女の心を締め付ける。彼の笑顔、優しい言葉、共に過ごした何気ない瞬間が、まるで影のように彼女を追い回す。
彼女は立ち上がり、無意識に二人の思い出が詰まった部屋を見渡す。彼の趣味であったギターが静かに壁に寄りかかっている。彼はいつも、ふと気が向いた時にストロークを始め、心に浮かぶ歌を歌っていた。彼女の好きなメロディーを弾くときに見せた、無邪気な笑顔が今、彼女の胸を苦しくする。喪失感は、まるで冷たい風のように彼女の身体を包み込み、温もりを奪っていく。
彼女はギターに手を伸ばし、そっと弦に触れてみる。かすかに感じる振動は、彼の存在を思い起こさせた。彼女は深い呼吸をし、指を動かすが、音色はいつも通りではない。彼の音楽が消えた空間で、彼女の音楽もまた途切れてしまったようだ。ささやかな喜びの瞬間が、喪失感の影によって塗りつぶされていく。日常は続いているのに、自分だけが立ち止まったままの気持ちが、彼女の心を押しつぶす。
彼女は一人、外の景色を眺める。周囲の人々が笑い合い、手をつなぎながら歩いている姿が、まるで遠い世界の出来事のように感じる。彼女だけが、孤独な影に包まれたように立ち尽くしている。彼の声が心の中で繰り返される。「大丈夫、君は一人じゃないよ。」しかし、その言葉の意味が、今は彼女には届かない。彼の声を思い出そうとするたびに、現実は厳しさを増すばかりだった。
日が暮れ、薄暗くなった部屋の中で、彼女はふと思いつく。彼との思い出を、一つの物語として綴ることができるのではないか。記憶の断片を繋ぎあわせることで、彼の存在を再び感じられるかもしれない。喪失感に飲み込まれるのではなく、その中に光を見出す方法があるはずだと信じ始めた。彼女はノートを取り出し、ペンを握りしめる。彼との出会いや、小さな幸せ、そして別れの瞬間を言葉にすることで、彼を忘れることはないと誓った。彼の音楽が再び心の中で響き渡る日を夢見ながら、彼女は物語を紡ぎ始める。
テーマ-【喪失感】
もう一度
あなたの存在が
襲いかかってくる
それが
喪失感
自分から離れた時、喪失感が凄かった。
ネットに沼って、リアルから、友達から、家族から、全てから身を引こうとした時、喪失感が突如として襲ってきた。
ネットに沼ってたはずなのに、何もやる気が出ない。何かを食べても、吐き気が止まらなくて、何度も吐いた。
自分からしたことなのに。
少ししか経ってないのに、後悔とか罪悪感とかが全て押し寄せてきて。
自業自得だなぁって、今でなら思う。
今になってならわかる。あのまま、ネットから身を引いておくべきだったなって。
もちろんネットに入っていいことも沢山ある。
けど、やっぱりリアルだったらこうだったのかな、もしかしたらこんな思いしなくてもって。
今更遅いけどね、もう。
恋人を無くした時だってそう。
失ってからは、喪失感ばかりで、何もかもが億劫。やる気なんて湧く訳もなく、何にも興味を示さなかった。
しんどいとしか言いようがなかった。
何もかも自分のせいだけどさ。
感情なんてなかったらいいのにって。
なかったら、しんどい思いなんてものは自分じゃ分からない。
楽だったのかなって。
今でも探してるけど。まぁ、なかなかないよね。
今死んだら、みんなどんな反応するのかな。驚くかな、トラウマになるかな。
でも、みんなのトラウマとして記憶に僕が残るなら、僕はそれでいいかも。だって僕、屑だし。
喪失感
大切な何かを失ったときにやってくる。
やつがいるから、
失ったものが自分にとってかけがえのない存在だったのだと気づかされる。
その時大切な何かはもうないのに。
いじわるだなぁ。
なんて思ったりもするけど、
やつがいるから、
今の自分にとっての大切を
守ろうと思えるのかもしれない。