『君と一緒に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日 私のキッチンに新しい玉子焼きのフライパンが仲間入りした。
定番の大きさよりも少し小さなサイズを選んだ
先代のフライパンは私のお弁当作りの相棒だった
取っ手がグラグラで
ついに引っかけるところがついた先端がパキッと割れてしまった
その部分は重要ではないので
手に馴染んだそれを使い続けようとおもっていたのだけど 火をいれる度に割れた先から
ヒューヒュー音がするようになって
御機嫌もよくないのか 焦げるようになってきた。
あぁ もうそろそろお役御免なんだなぁーと思い
最後の玉子焼きをやいて お別れしよう
と思っていたそのフライパンは
今は父専用になり お餅を焼いたり お酒の肴を作るのに使っている
まだまだ 我が家の一員のようです。
君と一緒に
【君と一緒に】 No.1
僕の思い出には、いつも君がいる。
都会のビルの中、
大自然に囲まれたキャンプ、
お馴染みの商店街、
水のきらめく海辺、
そして、君と初めて出会った、バラの咲き乱れる花畑。
どこへ行くにも、2人で手を繋いでいくんだ。
君と一緒に。
【君と一緒に】
共に行こうと誓った相手はいつの間にか老衰で死んでた。浮かれてて自身が長命種だって事を忘れてた。誓いを立てた日が昨日の様に思えるのに80年経過していたらしい。怖いね。
ただ本が読みたい。
一緒に本が読みたい。
互いに読みたい本と向き合うだけでいい。
言葉を交わさなくてもいい。
あなたとは背中合わせでいい。
温もりと鼓動とかすかな神経の伝達を
ふたりの脊椎に感じさせればそれでいい。
時折耳元に聞こえるのは、
ページをめくる音、紙と皮膚のひびき、
唾を呑み込む喉元、思わず漏れる溜め息、
乾いた口の咳払い、涙混じりにすする鼻先、
暇つぶしに鳴らす手足の間接、飽きたあくび。
読書に包まれた静穏の中を
あなたと一緒にいたい。
(250106 君と一緒に)
君がそばにいるだけで僕は嬉しい気持ちになる。
ずっと君と一緒にいられたらどんなに幸福だろうか。
だけど、僕と君とでは大きな壁が存在する。
ずっと一緒になんていられない。
僕は犬で君は人間の赤ちゃんだ。種族も寿命も僕と君は違いすぎる。
君はこれから先たくさんの喜びや悲しみを知って大人になっていくのだろう。
その時、僕はおじいちゃんだ。生きているかどうかさえわからない。
君に出会えたことを心から嬉しく思う。
言葉は通じないけど想いは通じる。そう信じて僕は君にたくさん話しかけたりじゃれたりしているんだよ。
時には怖がらせることもあるし、ご主人から怒られることもあるけど、僕なりのスキンシップなんだ。
人間から見たら僕の生きる時間は少ない。それは僕もわかっている。
だからそれまでは君と一緒に遊んだり、散歩したり、どこまでも一緒にいたいな。
【君と一緒に】
彼氏が言った。「お前さいきん容姿のことでいじられてないか?大丈夫?」私は彼氏に言った「私は目立つわけじゃない可愛いわけでもない性格もいいわけではないだからいじられても仕方ないよ。でもここまで明るく過ごせたのはただずっと君が隣にいてくれたからだよ」笑顔で言った。彼氏は驚いた顔をしていた。だからまた私は言った「君と一緒に過ごせるだけで幸せなの」そう言った。
りんごあめ
《ずっと君と一緒にいたい》
君は僕のこと、知ってるのかな?
君みたいに完璧な人知らない。
恋しちゃったんだ。
君の自堕落なダラシないところが好き。
家の中がゴミだらけなところも好き。
不衛生なところも好き。
お風呂あんまり入ってないところも好き。
食べたり、飲んだりしたあと片付けないでぐちゃぐちゃのままな所も好き。
そういうの人は嫌がるかもしれないけど、僕は居心地良く感じるんだ。
変わってるかな?
けど、最近ライバルが多いんだ。
君があまりに魅力的だから。
彼氏がいない君に、僕が立候補してもいいかな?
そろそろ影から見てるのも飽きてきたから、君の前に姿を現そうかな、なんて。
よし、思い立ったが吉日というし、勇気を出して今から行くね!
カサカサカサカサカサカサっ
授業が楽しかったと思う。
ほんの、一日前まで。
何も変わらないはずなのに、途端につまらなくなって、
こっそりと忍び寄る眠気から目を逸らすように
シャープペンシルをくるくると回す。
板書を見ようとして、
数席前の少しだけ猫背の背中に自然と目が向いた。
1時間目であるものの既に舟を漕いでいる人が多い中で、
しっかりと起きている彼女の頭はひとつ目立って見える。
ノートを取る彼女の小さな背中をぼおっと見つめていると、肩につくかつかないかぐらいの微妙な髪が前へ垂れて、
うなじが少しだけ見えた。
そのことに謎の罪悪感が湧き上がって、誰にも気づかれないようにそっと視線を黒板へとずらす。誰も見ていないだろうが、煩悩を消し去るように無心に板書を移せば、幾分か授業に集中できるような気がしてほっとした。
ぽき、とシャーペンの芯が折れる。カチカチと数回押して芯を出そうとして、全く出てこないことで短さを悟った。ボタンを押したまま芯を引き抜いて、とりあえず机の上に置く。授業が終わる頃には机の下かどっかに落ちているだろうけれど、そこは教室の掃除係の仕事だ。
替えのシャー芯を出そうとして、径が合わないことに気づいた。俺がいつも持ってるのは0.3mmの芯で、今使っているシャーペンの芯は0.5mmだった。
あ、と気づいて、俺はまた数席前の彼女を見る。
授業が途端につまらなくなった理由。教科書も先生も話の内容も全く変わっていないのにつまらなくなったということは、単純な話、それ以外が原因のはずで。
隣で、折らないよう慎重に取り出そうとするあまりシャーペンのケースと睨めっこする彼女の姿を思い出した。俺が0.3mmの芯をあげる代わりに0.5mmの芯は彼女がくれる。そういう約束事でもない、いつの間にか“そう”なっていた、ただの数回のやりとり。多分、俺はこういうやりとりが楽しかったんだろうな、と空っぽになったシャーペンのボタンを押しながら考える。授業が楽しかったわけではないのだ。勉強が好きとは言い切れないんだから、よく考えてみれば分かることだったけれど。
席替えをしたのは昨日だ。俺が後ろの席に、彼女は前の席に。うちは学期テストの度に席替えをするようになっているから、チャンスが来るまではまだ日にちがある。…例えチャンスが来たとて、もう一度隣になる可能性なんてずっと低いけれど。俺は空っぽのシャーペンを筆箱にしまって、代わりに0.3mmを取り出す。ただの意地だけど、新しいシャー芯は買わないことにした。あわよくば、また君と一緒に授業を受けて、ケースを睨む君の顔を横から見ていたいから。
「君と一緒に」 白米おこめ
「君と一緒に」
私はある程度、人と仲良くできる。
でも本当に心を開いて話ができる人はあんまりいない。
別に嫌いというわけではないのだけれど、心から信頼できる一緒にいたいと思うのはほんの少し。
そんな性格いやだーって思ってたけど、それはそれで良いのかもしれない。
眠そうに小さい手のひらで僕の指をぎゅっと握りしめてくれる。
この好きに年齢は関係ない。そうだろう?僕に最初君はとても怯えてよく逃げていたけれど、今では僕無しでは生きられない。君は何を考えているのかはさっぱりだけど、僕は君のことだけを思ってるよ。こんなにも表情豊かに僕へ気持ちを伝えてくれるんだ。他の男がいなくなってしまっても、僕は…僕だけは君の味方だ。君と一緒にならこの先どんな困難があろうとも僕がなんとかしてみせる。僕一人だけじゃ君を世話するのは大変だろうけど、柔らかく可愛げな笑みを見るたびに頑張ろうと思えるんだ。だからほら、僕ことをいい加減パパと認めてくれないかな…?あの笑みを僕に向けてくれないか。
:君と一緒になら
【君と一緒に】
君と
君たちと
共に過ごせた時間に感謝してる
本当は強い人間では無い僕は
すぐに自分を見失ってしまう
簡単に凹んでしまう
自分の振れ幅にため息をつきながら
思考に引きこもったりする
実はね
だけど
もう長い間
そんな事忘れてた
忘れられてた
久し振りにこもった空間は
相変わらずで
否応なく現実を直視する
やはり弱い
反撃の気力も削られる
だけど
ここで負ける事を望まないのは
もう自分だけではないはずた
一気に覆す事は出来ないけれど
今度は少しづつ準備をしておこう
少しづつ改善していこう
そんな事も考えれるようになった
君と
君たちと
過ごせた時間が
少しだけ
僕を強くしてくれたように思う
君と一緒に
新年の浜辺を歩く
北風がちょっとだけ強くて寒かったけど
笑顔いっぱいの君のそばで過ごせることが
とてつもなく幸せだ!
波打ち際に近づけてはしゃいだり
貝を拾ってみたり
アサリを探してみたり
ツーショット写真を撮ったり
今年も君と一緒にいられて幸せだ
今日のテーマは『君と一緒に』ということで。
目を瞑って、このテーマを唱えてみて、思い浮かんだ「君」とはなんなのか。どんな存在なのか。
テーマは「君」の後に「一緒に」という言葉が続いているので、一緒に何かしたい存在であることは間違いない。
何かしたいの内容がプラス/マイナス、あるいはポジティブ/ネガティヴなのかというの違いは人によってあるかもしれないけど、そこはあまり関係ないのではないか、と。
プラスでもマイナスでも絶対値は変わらないように、思い浮かべた「君」という存在は、その人にとって思い浮かべてしまうぐらいには大きな存在なのだろうと、そう思います。
私はあまり誰かと一緒にというのは考えられない性分で。
正確には考えられる、考えたこともありますが『君と一緒に』と願うよりも「わたしはわたしの道を生きて行く」という想いが強いものですから。
『君と一緒に』と何かを願った結果、「わたしはわたしの道を生きて行く」ということができなくなってしまうことは私にはありえないことなのです。残念なことに。
『君と一緒に』というのはつまり「誰かと一緒に」と願うことに等しいと思いますが、そのように願えるというのは心の中に「良い対象」とでもいうものが内在化しているからで、人間らしく、健康的でいいな、と。そんな風に思います。
さてそろそろお時間です。
そうそう、私は非常に臆病でして。
だから自分の中に「わたしはわたしの道を生きて行く」という想いよりも大きな存在ができるのを恐れている。そういう見方もできるかもしれません。
ちなみに。私が思い浮かべたのは愛猫でした。
「君と一緒に、君の温もりと毛触りを感じながらまどろみに止まり続けていたい」なんて具合に。
はい、今日のテーマはこのあたりで。
「君と一緒に」
私は恋がわからない。
だけど、ふと君のことを思い出す。
君が一緒にいたら、と思う瞬間がある。
これが恋なのかな。
君と一緒に
砂浜を一歩一歩踏んで足跡を残していく。ふたりで並んで歩くと寄り添うような後が砂に刻まれた。
その後を波が攫っていって、寄り添った足跡が消える。後ろ背に残念がったのは内緒にしておこう。
握ってくれた手に少し力が入って、どうしたなんて聞く君に、なんでもないって小さな嘘をつく。
あの日と同じように繋いでくれる手の温かさをずっと独り占めできることが嬉しい。独占欲が強いなんていわれそうだけど、他人にいわれたって痛くも痒くもない。
君がやめてほしいというならちゃんとやめるつもりだから問題ないと自分を肯定することにした。
これからも君と手を繋いで歩いていきたい。どこまでも一緒にふたり寄り添って。
競走だ競走だと周りに勝手にセッティングされ、何かも分からずスタートラインに立たされて、気が付いたらスタートの号令が発せられ、急げ走れと周りから声が飛び交い、とりあえず走り出したのはいいものの、隣で一緒に走る相手も何が何だか分かっていない様子で、むしろ自分に合わせて歩いている様な状態で。
「ねぇねぇ、なんで僕達走らさせられてるの?」
「こっちも分からないよ。いきなり走れって」
走らされていることはもう始まっているので仕方ない。兎と亀、亀と兎、君と一緒に走ってゴールを目指す。
(君と一緒に)
兎と亀のオマージュ、本人達は何が何だか分かっていない状態で走っているバージョン。
あの頃、君と一緒に映画館で観た映画を、家のリビングで、娘達と観る。
君とは違う人と結婚して、子供が生まれて、家族が出来た。
今頃どうしてるかな。この映画のこと、覚えてるかな。
エンディングは悲しい展開。
ハッピーエンドが良かったのに。
映画楽しかったね、と話したかったのに。
子供達も食い入るように見てた、エンディングシーン。
これはこれで、心に残る映画になったのかな。
何故だか少しだけ、心がじわりと滲んでゆく。
君と観た時は、封切りされたばかりの作品だったけど、もはや色褪せて、たくさんの作品に埋もれていた。
思い出も埋もれてゆく。
その中から時折、引っ張り出しては、あの頃とは違う暮らしの中で紐解いてゆく。
君と一緒に過ごした時代。
もう還らない、遠い存在。
ハッピーエンドにはならなくて、悲しい展開を迎えたけど、今はこうしてこのリビングで、感動を共有しながら過ごせる家族がいる。
そんな、一人想い。
エンドロールが流れるスクリーンの向こうに、確かにあの頃の自分がいた。
君と一緒にシートに並んで。
幸せだったんだと、思う。
「悲しかったけど、イイ映画だったね」
娘達が感想を言い合ってる。
そーだな。悲しいからって、ダメなわけじゃない。
それまでの過程や出来事が、積み重なって作品に彩りを与えてゆく。
「買い物にでも行こうか」
リビングで声を掛けると、三人のはしゃいだ声が返ってくる。
「いいねー、欲しかった本があるんだ」
「帰ってきたら、また違う映画、観る?」
「今日の夕飯、何がいい?今、冷蔵庫空っぽだよ」
この作品のエンディングは、幸せに包まれたまま、迎えられますように。
最終の保育園バスにおともだちと乗って
帰ってすぐピアノの練習しなさいと言われるのはわかっていても
早くあなたの待つ団地に着いて
夕焼けの中並んで歩きたかった
「君といっしょに」
『君と一緒に』
吹き抜ける 夕暮れ時を 風と記憶
湖の傍で佇む横顔が
夕日に照らされて
それが どうにも儚くて
消えてしまいそうで
久しぶりに帰ってきた
家は まだそこにあった
変わってしまったところもあったが
一緒に過ごした あの家だった
彼女が【ただいま】という
まるで【お帰り】と返すように
風が吹き抜けていった
君と長くはいられない、
そう、わかってる。
ねぇ、美味しい?
と、君が言う
ああ、美味しいよ
嘘だ ほんとはもう味なんてわからない。
良かった、と笑う、
君と一緒に/夜凪