『向かい合わせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
数年前、職場恋愛の末にカナミと同棲を始めた。
カナミはすこしおっとりした性格で、でもそれがかわいかった。
「今日はカラッと晴れて、いい洗濯日和だね」
カナミに微笑みかける。
「昨日買ったお肉で夜はビーフシチューにしよっか」
カナミと話すときにはいつもとびきりの笑顔を用意する。
「すっごくおいしいワイン見つけてさ、はやく一緒にのみたいな」
だってカナミが大好きだから。
洗濯機に洗剤を入れて、リビングに戻る。
──ほらカナミはかわいい。
冷蔵庫の横、チェストのすぐそば、ダイニングチェア、そしてあらゆる扉に、カナミが佇んでいる──そう見えるように用意した、無数の写真。
「カナミ、ずっと一緒にいようね」
ピピッと軽快な音楽を鳴らし、洗濯機が作業の終わりをしらせる。
洗濯物をカゴに入れ、ベランダへ出ると背中がぐっと伸びるような晴天がそこにあった。
──向かい合わせになるよう、二枚のTシャツをそれぞれハンガーにかけた。ずっと一緒。ずっと一緒。
最近怖かった夢の話ー。
今日普通に暇だったんで昼寝してたんですよ。
やる事無かったし。
そしたら、何かいつも見る夢もまあまあ凄い内容なんですけど今日のは特にヤバかったんですよ。
目を開けたら、人に囲まれてて。
その人っていうのもクラスメイトなんですよね。
で、僕は何か床に倒れてて、其処に僕の一番の親友に馬乗りされながら首を絞められてたんですよ。
夢なのかどうかも分からなくて、で、とある事を親友に言われたんですよ。
「あの時、お前は何を考えて教室に居たんだよ。」
泣きそうな顔でそんな事を言われてたんですが、勿論僕は何も分かってません。
黙ってたら首を絞める力がもっと強くなって、僕はもう死ぬっていう時に目覚めました。
まぁその後に普通に親友と通話したんで今は元気です。
向かい合わせ
思い付かなかったです…。
最近、スランプ気味だなぁ。
雨の帰り道
ラベンダーの香りに誘われて
しゃがみこんだ路地裏
花の香りって良いですよねと
囁く声
声の主に目を向ける
水玉模様の傘を差す
あなたと目があった
ふふっと笑い合った2人の傘は
向かい合わせに揺れていた
お互いにカフェが好きで、新しいカフェを見つけてはよく二人で行っていたね。
お茶やお菓子がのったテーブル越しに向かい合って、お互いの仕事の話、恋の話、色々おしゃべりしたね。気付けば何時間も長居してしまうくらい話が尽きなかった。
あれから色々あり疎遠になってしまった。今では大好きなお茶もお菓子もあるけれど、向かいの席には誰もいない。いつも心満たしてくれていた友人はもういない。
あの頃のわたし達みたいに、いつも自分と向かい合ってくれる人にまたいつか出逢えることを祈っているよ。
図書館のテーブル
向かい合わせで座るあなたに
見惚れていること
気づいていないかな。
あたしには見えない あたしの後ろの世界が
きっと君には見えていて
君には見えない君の背景を
あたしは見ている。
君だけがいつも
あたしとあたしの世界から
目を逸らさずにいてくれた。
だから 君の言うことは
たぶん きっと 正しくて
あたしを救うと信じてる。
【向かい合わせ】
祖母が体調を崩して、入院し
車椅子で退院してきたとき
それまで、家ではひたすら家事をして
みんなと同じ時間にテーブルに着くことがなかった祖母が
初めて祖父の向かいに座って食事をしているところを見た。
祖父は、めちゃくちゃ照れていて
祖母はそれを見てにこりと笑った。
その食事の後、母が『せっかくだから』と
祖父と祖母の車椅子を並べて
二人並んでいる写真を撮った。
その日の食事がなんだったのか、全く思い出せないけど
ただただ美味しくて幸せなごはんだった。
その日の二人は、どの写真よりも優しい顔で写っている。
向かい合わせ
いつも隣かすこし後ろから
あなたについて歩いていく
ずっとこんなふうに
いられたらいいね
お互い年老いても手を繋いで
お散歩にいきたいな
向かい合わせでご飯を食べて
おいしいねって言いたいね
かなえてね
私の小さな夢だから
カフェで向かい合わせで好きなパフェを頬張る君が愛おしくて堪らない。
少し耳を傾けて頂きたい。この、花盛り真っ只中の女子高生の、淡い恋話を。やっと明日、教卓の前に立って、素敵なお話をしてくれる彼に会えるのです…♡♡
やっと彼とわたしが、“向かい合わせ”になって授業を始められる。それは当たり前だけども、他には無い、幸せ。他の生徒からしたら退屈かもしれないけれど、わたしからしたら最高の幸せ。生徒として彼を眺められる日々と、教師である彼を堪能できる日々が。
このお話がしたくてたまらなくて、今日のお題がすごく楽しみだった。ここまで拝見して頂いて、本当にありがとうございます。明日はなんと、評定が配られるのです。5か、4か。どちらであっても、結局わたしはまた明日も彼のことを記載してしまうのでしょう。
明日わかる評定、楽しみに待っていてくださいね
君の歌は
私に届かない
私の気持ちも届かない
もっと 寄り添って
向かい合ってみたかった
何をコントロールしようとしたの
いいなぁ
私もコントロールされたい
自意識の塊の下で
顔が見えて、表情がよくわかる。仕草も見える。
声色だけでは感じ取れない雰囲気が伝わる。
向かい合うことで見透かされているようで少し怖い。
でも相手を感じられて嬉しくも思う。
私は自分をさらけ出すのが怖い。
自分に自信がないから。
必死に取り繕って他人が心地よい自分を演じている気がする。
本当の自分ってなんだろう。
向かい合わせに怯えない自分になりたい。
ねぇ、あなたは
授業中向かい合わせになっている時
私が心臓バクバクで
ほぼ何もあたまに
入っていないことすら、
──────知らないんでしょうね。
#7
「向かい合わせ」
いつも隣にいるせいか、
たまに向かい合わせに座ると、どきりとする。
「向かい合わせ」
道路を挟んだ向かい合わせの土地に栗の木が
何本か植えられている。
それに毎年悩まされている。
栗の時期が終わり葉が落ちる。
その落葉が風に吹かれ道路を渡って私のいる側に来る。落葉の溜まりに場になってしまい、毎年掃除が大変。
初め、落葉が道路を渡ってくると聞いたとき、
それは嘘だろ?と思いつつ、
こんなに落葉が溜まるのはそうなのか?とも思ってた。でも、目撃した。
風に吹かれ落葉が道路を渡ってきた。
栗のイガなんて風に吹かれコロコロ回転しながら、
道路を渡ってきた。
それを見て、私は笑った。
キミと日々ほんの少し
文章でやり取りすると
まるで鏡の前にいるかのよう
心と心を向かい合わせて
照らし合わせている
そんな気持ちになる
今日のキミは元気ですか?
何か変わったことはありませんか?
嫌なことはないですか?
楽しく過ごせていますか?
好きなものは増えましたか?
ほんの少しずつの
言葉のやり取りだけど
優しくて心地好い世界の共有
希望の確認
楽しくて
うれしいね
そして今度
会った時は隣にいてね
歩きながら
お茶しながら
たくさん話そう
笑い合おう
#58「向かい合わせ」
君と向かい合わせになる。
僕は君に微笑みかける。
君は、僕に微笑み返す。
その笑顔のまま、君は僕に向かってくる。
と思った。
君は僕めがけて
近づく
近づく
触れる
わけなかった
僕の体は透けて
君をすり抜ける
ねえ
誰か気づいて
ずっとそう願ってきた
君なら見えるかと思ったのに
なんで消えれないんだろう
「だれか気づいて
助けてよ、、、、、、、、」
そう呟いて流した涙は
君に触れることもなく
すっと
空に溶けた
【向かい合わせ】
「せっせっせーのよいよいよい」
友人とリズムに乗って手を合わせる。
年齢が上がるにつれやる機会が少なくなったこの手遊び。他の楽しいことや面白いことなどを知ってしまったからだろうか。
でも思い返せば、無邪気に声を合わせ手を叩くあの頃が一番楽しかった。
『向かい合わせ』
向かい合わせに座ったあなたを見ていた
見て、聞いて、あなたの事を知る。
そして、勇気を出して言う。
「こんな私だけど、友達になってくれませんか」
〈いいよ。私も気になってたんだ。〉
「奇跡じゃん!」
〈確かに笑〉
そんな会話だけど、これまでで一番楽しい会話になった。
終
向かい合わせ
青いワンピースを着て、頭には麦わら帽子を被ってはある所に向かう。年に一度、必ず向かうところ。
「今日はいい天気だ〜」
桔梗の花が当たり一面に咲いている。
今年はこの花なんだね。
「今年は白いテーブルに白いチェア…センスいいねぇ。あ!私の好きな紅茶だ」
この紅茶飲んでみたかったんだよね。欲を言えば、お菓子も食べたかった。買ってきてくれないかなぁ…そんな事を考えながら、チェアに座り花畑を眺めていると後ろから懐かしい声が聞こえた。
「久しぶりだな」
「jnpi!!…柄悪」
「うるせぇよ」
着崩した黒いスーツ姿にサングラスって…ガラ悪いなぁ…。
「相変わらず警i官には見えないね」
「うるせぇよ」
「痛っ!!暴力反対!!」
「暴力じゃねぇよ。教育的指導」
「うぅうぅ」
「唸るなよ」
jnpiはテーブルを挟んだ前の席に座っては、こちらを見て笑っている。そして、「可愛い顔が台無しだから、さっさと機嫌を直せよ」と言って頭を撫でた。もう、誰のせいで怒ってると思ってるのよ
「あ、jnpiこの紅茶ありがとうね」
「気に入ってくれたか?」
「うん。我儘を言えば後でチョコレートケーキ食べたい!!」
「あー…冷蔵庫に入れっぱなしだったな。後で出すわ」
「やった♪楽しみにしてるね」
「おう」
花の甘い匂いが香る中でお互いに最近起こったことを話した。jnpiは、新しいパートナーのstuさんの事や、新しく後輩になったtkgさんの事を話している。なんでも、二人はお互いに気が合うくせにいつまで経っても付き合わなくて焦ったいとか言ってる。
「全く。さっさと告っちまえばいいのによ」
「それ…jnpiが言うの?」
「……」
バツが悪そうにあさっての方向を向いている。彼の頬をムニムニと摘むとジロリと睨まれる。怖くないよ。
「私達もお互いに惹かれあってたのに、素直にならなかったからね。まぁ、最終的に私が先にjnpiに告ったからねぇ〜」
「…お前の場合は言い逃げしたじゃねぇか」
「だってー」
「俺はお前にもっと、いろんな事を言いたかった。もっと好きだって言いたかったよ」
「jnpi…」
「…俺は今でも、お前が好きだ。この想いは変わらない」
真っ直ぐな眼差しで、そんなこと言わないでよ。
もう少しだけ、ほんの少しだけ、ここにいたいって思っちゃうじゃん。
「私は幸せになって欲しいんだけど…」
「お前を思うことが俺の幸せなんだよ。何度も言わせんな」
「もう…何遍言っても頑固だよね」
「諦めが悪いんでな。お前も知ってるだろ」
jnpiは私の頬に手を伸ばしては、優しく撫でた。
あったかいなあ…大好きなjnpiの手だ。
「うん。知ってるよ」
目を瞑ってjnpiの温もりを感じる。もう少しだけ居たかったけど…残念ならが時間だ。
「jnpi、そろそろ時間だよ」
そう告げると一瞬だけ悲しい表情をしたと思ったら、jnpiは目を閉じていつものように笑顔になってくれた。
ありがとう
「来年も…来てくれるか?」
「うん。あ、来年はケーキ忘れないでね」
「おう」
「体に気をつけてね。あと、煙草の吸い過ぎも駄目だからね」
「…」
「jnpi?」
「分かった。気を付ける」
「よろしい」
満面の笑みを浮かべて私は、jnpiの額にキスを落としてた。
*•*•*・*•*•*・*•*•*
カーテンから差し込む光の眩しさで目を顰める。
もう少しだけ、一緒にいてくれてもいいだろうに…
気だるい体を起こしてはリビングに向かう。いつもだったら洗面台に行くんだが、今日は顔を洗うより先にやる事がある。
「約束のチョコレートケーキだ。出してなくて悪かったな」
桔梗の花瓶を少し動かしてはケーキを隣に置く。
顔洗ったら新しい紅茶も淹れるから待ってろ。
「来年は口にキスをしてくれよな」
笑顔を浮かべている写真に言うも返事はない。
また、来年逢おうな