『同情』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
同情
(本稿を下書きとして保管)
2024.2.20 藍
同情
共感
感情移入
疑似体験
感動したり
苦しくなったり
「中途半端な同情なんていらない。大きなお世話。」
なんて返せばいいんだろう。黙りこくっている私に貴女は冷たい目線を向けてどこか悲しそうに顔を歪め、その場を去ってしまった。
私と彼女が出会ったのは2学期の途中ごろ。不登校だった彼女がクラスで授業を受けている姿がなんだか新鮮で、心配だった。そう、そんな頃だった。ペアを組んで実技を行う授業があったのだ。ペアがおらず右往左往する彼女の姿がいたたまれず、私は声をかけた。しかし、なんと言っても初対面だ。途端に沈黙が訪れてしまう。なんとか場を繋げようと思いつく限りの話題を振るが当然弾むわけもなく。
今思えば、こういう見え透いた同情が彼女を苦しめていたんだろう。
かわいそう、と無意識に見下していた私に、きっと彼女は気づいていた。今思えば、自分の心より他人の心を理解しようとしていた。自分のことすら理解していないのに、他人の心なんて最初から何もわかっちゃいなかった。
ああ、私は中途半端だったんだ。
劣等感を感じていること、確かにそれは私達の間での繋がりだった。でも、所詮は他人。立場も違えば感じ方も違う。そんな必要な壁を踏みにじって、同情という繋がりを求めてしまって。やっと、やっと自分の愚かさに気づいた。彼女に謝りたい。でも、彼女はもう私に背を向けた。そして、2度と目を合わせてくれることはないだろう。今無理やり振り向かせたって、また彼女を惨めにさせるだけなんだと分かる。こんなの言い訳に過ぎないが、誰も同情しようと思ってする訳じゃない。理解と理想が噛み合わず、中途半端になって同情に行き着く。混ざった色は原色に戻らない。この気持ち悪く濁った色から、目を逸らしたい。でも、きっとあの時の彼女の冷え切った目線が許さないだろう。
同情
何か…ちょっと哀しくて、口惜しい…あなたと、対等だって思っているのに、何時でも、少しだけ先を歩いていて、年上の雰囲気だから…
いつも、優しくて、ちょっとした事にも、気付いてくれて、たまにギュッと抱き締めてくれるのが、たまらなく嬉しい…けど、それが出来ない自分が情けなくて…勿論、あなたが、私を想っていることは判っているし、その気持ちは、心地よくて、もう離れられない…素直に受入れられない自分が、たまらなく嫌で、自己嫌悪になってしまう…
同情…
言葉を聞くと何か弱い人や自分より下に思える人に対して感じる軽蔑を感じるような言葉のイメージがあるかもしれない。けれど、同情することは自分以外の他者の痛みや悲しみに寄り添える素晴らしい特質だと思う。文字通り、言葉の意味はそうらしい。同情=シンパシー。
わたしは誰かが自分の痛みや悲しみに寄り添った同情心を示してくれるなら喜んで受け入れたい。そして、自分もそんな同情を表せる人間になれたらと思う。
誰かにとっては真っ当すぎて綺麗事だと思われるかもしれないが…
同情されるのは嫌いだ。
理解して欲しい気持ちと
理解されたくない気持ちは
いつも混在している。
分かってもらいたいから
分かったふりをしないで欲しいんだと思う。
俺だけは、同情しといてやる。
これが、俺が最後に聞いた言葉だ。
口先だけの言葉は簡単だ。きっとここに来た
全員にそう言って、ここに来た全員の首を刎ね
てるんだろう。恨まれたくないのだろうか。自
分だけでも生きたいのだろうか。そんなこと俺
には関係もないが。
死んだら怨めるものも怨めねーよ。
そう思いながら、俺は闇に葬られた。
あーあ。なにもやってないのにな。
* #同情 No.20
同情 泥くぐらせて 手の上
ヘド 出そうでも 目の前
じっと睨むと かんしゃくが差す
驚いて手から滑らし浅池濁るが
はたして時化ていたのか
耳をすましても 思いのほか
爆弾のように落ち着いているみたいだ
どうせなら花火になればいいものを
僕が忘れるまで ずっと
ぬめっと地を這い 水草ゆらして
あくる日吹きおろす風に気づかず
自らの尻尾を追っかけるのだろう
ああ そして僕もまた
侘しい帰り道の気の間違いで
今日と全く同じことをしてしまうのだ
同族嫌悪 同情は不要 お断りです
孤独主義 救難信号 助けは未だなし
当たり前だろう 自分で断ってんだ
挙げ句 勝手に御陀仏 面倒くさいね
さぁ、責任転嫁
原因は何? 誰が悪い? 一体全体誰のせい?
自分は棚に上げたまま 正義という名の免罪符
参加者多数 犯人探しからの糾弾大会
同情なんていらないから
理解してくれない?
同情して、辛いよね、頑張ったね
って言われましても。
その言葉をかけられて舞い上がるほど馬鹿じゃないからさ
わかった気になって近付かれても困るんだよね
同情じゃなくて理解が欲しい
同情
わかるよ
わたしもそんな気持ちになったことあるよ
一緒に頑張ろう
違う 私の傷はそんなもんじゃない
そんな安っぽくない
あなたになんてわかるもんか
私の傷は 私のもの
2024/02/20
@同情
家に帰ると僕は独りだ。
昨日出ていった君は、今頃どうしているのだろう。
もう一人の男と遊んでいるのかな。
笑顔で過ごしているのかな。
本当に最低だね。
君のことが好きだったなんて信じられない。
僕はそれほどまでに追い詰められている。
どうしてくれるの?
僕の気持ちを返してよ。
僕は今、すごく苦しいんだ。
すごく傷付けれたんだ。
でも時間が経てば忘れてしまう。
この生活も、君と出会う前に戻っただけだと、
いつか気づく日がやってくる。
友達が学校に来なくなった。
いわゆる不登校ってやつになったんだと思う。
心配とかしなきゃいけないんだろうけど、
どちらかって言うと私は友達に嫉妬した。
私だって行きたくない。
友達だって少ないし、楽しいことなんてひとつも無いし、毎日毎日苦しくて学校の先生も授業も雰囲気も全部大っ嫌いだ。
でも親は休ませてくれないし、朝から学校の事でお母さんと喧嘩なんかしたくない。
だから毎日泣きながら通ってた。
それでも友達は学校に来なくなった。
あの子は学校に来なくてもいい権利を勝ち取った。
羨ましかった。
なんであの子は学校に来なくても許されるのに
私は泣きながらでも通わなきゃ行けないの?
なんで私は苦しむ道しか許されないの?
なんで私は……
こんな事思っちゃいけない。
それを分かってるから、より自分が醜く見える。
そんな時、その友達から電話が来た。
「どうしたの?」
さっきまでの感情は嘘だったかのように心配するかのような声色で私は言った。
「ごめんね、突然電話なんて。でもあんたしか 相談できる人いなくって。」
か細い声で友達は答えた。
どうやらその子はその子で学校に行けない事に悩んでいるらしく、私に話を聞いて欲しいらしい。
「急に学校行かなくなって心配かけたよね。
ごめん。もうどうしても限界でさ。」
友達の声は少し震えている。
「次の日学校に行かなきゃって思うと夜も眠れないし、校門の前に来ると足は震えるしでさ。
そうしたら両親がそれに気づいてくれて今は休ませてもらってるんだけど…」
良かったね。休ませてもらえて。
理解のある両親で。
私だって同じ気持ちで毎朝登校してるよ。
眠るとすぐ朝が来るように思えるから眠るのが怖いんだよね。
登校中、だんだん同じ学校の制服来てる子達が増えてくると途端に緊張して冷や汗が止まらないんでしょ。
それをほぼ毎日続ける生活を考えただけで吐き気がするよね。
で、そんな友達の経験談に同情してる私にも腹が立つ。
私よりも辛そうにしないでよ。
私よりも泣きそうにならないでよ。
休めてるんでしょ。良かったじゃん。
もうそんな思いする必要ないんでしょ。
同情しちゃったら…あなたも私と同じだったんだねって…あなたも辛かったんだねって…
思わなきゃいけないじゃん…。
私が悲劇のヒロインでいたかった。
私がいちばん辛いんだって思いたかった。
そうすればなぜか心が楽になったから。
なのに同情しちゃったら…
友達はそんな私の気持ちなんて察しもせずに
学校に行かなくなっても不安は消えないだの、
周りの目が怖いだの、両親に顔向けできないだの、自分の悲劇っぷりを話した。
私はただ黙って聞いてることしか出来なかった。だってなんて言えばいいのよ。
ぶっちゃけそんな話聞いたって、可哀想なんてこれっぽっちも思わない。思いたくない。
私が羨ましがった環境を手に入れてるその子にさらに同情しろって言うの?
一通り自分の胸の内を話し終わった友達は、
「少し気持ちが楽になった」と言って電話を切った。
私は自分のあまりの惨めさに涙を零した。
同情は行き過ぎると虚しい。
私はそう思う。
だから、たった1つの、空っぽのグラスを置く。
救いにはなれないから。
救いになる気もないから。
ただ。
愛しいあなたが。
私を信用してくれるあなたが。
抱え込むナニカを、注げますように。
同情は好きではない
人の気持ちになってるつもりで
気持ちや話を進めてしまって
自分で酔って人も酔わせてしまうから
酔わない同情はありますか?
あなたは同情に強い方ですか?
たまには同情に酔ってみますか?
可哀想に。ふと思い浮かんだこの言葉だが、彼を内心で見下しているようで嫌な気持ちになった。
同情しようにも、自分に置き換えて想像するだけで首を絞めたくなるというのに、それを実際に体験して尚、彼はよく生きている。
その強靭さを少しは見習いたいものだが、私なんかが一生を掛けようども、辿り着ける領域ではないらしい。
同情。
もらったところで返せないなら私には必要ない。
与えられたところで現状を変えられないなら、他者にも与えるべきではないだろうとも思う。
こう考えてしまうのは、心に余裕がない「同情される側」の人間だからだろうか。
構ってほしいなら、かわいそうに思ってほしいなら、慰めてほしいなら、きちんと伝えるべきだろう。
というのが私に向けられる同情についての意見だ。
全く同じ情を感じとるなんて器用な真似できる人間はいないのだから、同情なんて無理にしなくてもいいだろう。
同情をしていいのは、心に余裕があって、人に寄り添う覚悟のある者だけだ。
同じ情を背負うとはそういうことじゃないのか、という個人の意見だ。
まあ、細かいことは気にすべきじゃないのだろうけど。
私なんかより、大変だった人はいっぱいいる。
昔の大変な経験を乗り越えてある今が評価される。
不登校?でもぽつぽつとは行ってたんでしょ?教室に行けずに泣いてた?違う教室で一日過ごしてた?でも外には出れてたわけだし。塾は楽しく通えてたんでしょ?リスカしてた?ちょっと手の甲切ってただけでしょ?
私の大変は、世の中的に大したことない。
不登校歴が長いほど同情され、つけた傷の深さや血の量、残る傷跡でも評価が違う。
ごめんね。期待してるような大変な経験がなくて。
こんなんでくよくよしてて、ごめんね。
馬鹿だから、ごめんね、
同情してくれるんでしょう?
だったら、私を選んでよ
私を好きになって
『同情』
/いっそ言ってしまえたら
同情なんか要らない。お前の同情なんかこれっぽっちも要らない。