『半袖』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
半袖
どうせ大きいだろうから、半袖と半ズボンを出した。
半袖は首周りが少し狭いやつ。
どうしてこうなった。
バスルームから聞こえる水音に、ゲンナリしてきた。
漫画のような豪雨に見舞われて、ほどほどの年頃の男女が共にびしょびしょになって、とりあえず本当に近かった自分のマンションに避難した。
そしたら、7月なのにクソ寒くなってお互い震え始めてしまえばもうどうしようも無い。
絶対に何もしない、と約束の元自宅に招き入れ、自分よりも圧倒的に寒がってる彼女を先に風呂に案内した。
だから、着替えが必要で、服を引っ張り出して、バスタオルと共に渡したのが、ついさっき。
漫画かよっ!
水音が止まって、なんだか諸々と音が聞こえる。仕方がない。男の一人暮らしのワンルームマンションである。
ワンルームだからこそ、駅チカでもそこそこの金額で住めるのだ。
「なに、その顔?」
俺の半袖と半ズボンだったものはやっぱりどちらもダボダボだった。
俺は身長180cmあるし、彼女は150cmくらいだから、俺と話す時首痛いって文句言われたこともあった。
ダボダボなだけで、隠れるところが隠れてるから別にいっか……。
「いやべつに」
「そう。……シャワー、貸してくれてありがとうね」
「どういたしまして」
俺もシャワー浴びてくるわ、とバスルームへ。
……彼女でも身内でもない女のあとに、自分の家のバスルーム使うのって……。
なんだかものすごく妙な気分になった。
シャワーから出てくるお湯にホッとするも、なんだか嫌な予感もする。
雨凄すぎて帰れなくなって、泊まらせることになるとか。
漫画的な展開は一日一回で十分だと思う。
シャワーから上がると彼女がテレビをつけていて、ニュースが流れていた。
テレビの中の街中は物凄い暴風雨だった。
そして彼女が申し訳なさそうに言った。
「ごめんその、何もしないから、泊めてもらってもいい?」
「……いいよ。これじゃあ帰れないだろうし」
「ありがとう。……私も駅チカに住みたくなったよ」
漫画的なストーリーって、現実にあるんだなぁと、変に感心した。
半袖
暑さがグングン音を立て
迫りくる日々、過ごしつつ
お洒落もしたい
日焼けは嫌だな
夏は楽しみたい
なんて
ワガママ過ぎる自分と
分かっているけど
少しずつ、肌見せ
夏に突入し
半袖になる暑い季節が
目の前で笑ってる
「アンタはそう思うの?」
対面で、頭がちいさく頷く。
はなをならして笑うと、それがピクっとゆれる。
「あ、そう」
ニンゲンは顔をくもらせて、頭を地面へむけた。
近頃のコイツは、だいたいこうだ。
下向いてそっから、ハタ、ポロポロ……なんて、なみだを零してる。
地面より、空みたほうがいいと思うけど。
ニンゲンは、急にバッと顔面をあげて、こっちをみながら、ヒドイぐあいにふるえた口を開く。
「イエス、ってこと?」
ジョーダンみたいなこと言いながらニンゲンは、
へったくそすぎて気味悪い笑顔を、うかべた。
「……ハッキリ言ってほしいな」
また顔をそむける。
木陰から、顔半分がはみでたから、その目がうるうるうるうる、いまにもまた、涙をこぼしそうなのがわかった。
「ノー」
言うと、ほとんどおなじくらいの背丈が、おもしろいくらい揺れて、ついにニンゲンは、後頭部しかみえないくらい顔面を背中へひっぱった。
肩がプルプルふるえていて、
笑いをこらえてるようにも見えたが、
落ちてるしずくがそれをしっかり否定する。
こういうとき、なんて言ったらいいんだろう。
今みたいな状況は、口下手をさらに加速させてよくない。
ようやく、話す言葉の目処がついて、
口を開こうと思ったのに、自分の口も、さっきのニンゲンのように、ふるえていて、
もちろんそれは、絶対、緊張にふるえているだけ、なんだけども。
とにかく、ふるえてるってだけで、
自分のバカみたいにちっこい勇気の消失を感じた。
ふたりして、だまりこんで、気まずいとかそういうのを通り越してる。
頭上を笑う鳥たちが飛んで、ふたりをその影で覆い尽くす木は、葉擦れのヤジをとばす。
今世紀一、ヒドイ告白だ。
なまぬるい風にあおられて、ため息をつく。
……さすがに、いまのは酷かったかな。
ニンゲンは、手を握りこんで、頭をふるわせたかと思えば、ゆっくりこっちへ顔をむけた。
ヒドイ顔。
なみだだらけ、顔面中どこも真っ赤。
必死に、なみだをこらえてるのか、目によったシワ。
「ごめん」
それだけいって、ニンゲンは木陰から逃げるように退散した。
つったって、走っていくうしろすがたを見てるだけ、それでもせわしなく、風は袖をゆらして、なまぬるい。
ぼくのこと嫌いだよね。
とか、そんなこと聞かれるのははじめてだ。
自分の顔に手をあててみたら、予想外にアツい。
……たぶん、太陽のせいだな。
土を蹴った。
赤い光が靴箱を照らす。
まるで、私の心を表したようだ、、。
401、402、40、3、、あった!404、。
靴箱を開け例のものをいれる。
そっと、丁寧に、。
ふと思い出すのは彼の笑顔。
年中半袖で登校するという偉業を、
高校生になっても続けている彼。
この手紙を見た時、彼はどんな反応をするのだろうか。
少しは、喜んでほしいな、、。
そっと靴箱をしめ、
赤い光の方へと向かう。
“半袖”
私はもう十年以上半袖は着ていなかった
なぜなら、私の腕には
大きな火傷の跡が残っているから
私が半袖を着なくなったのは
小学生の時プールの時間に
ある一人の男の子が私の腕を見て
”わっ!お前の腕エイリアンみたい“
と笑いながら言われた
そんな一言から私は半袖を
一切着れなくなった
人を好きになっても
人に告白されても
ずっと自分の心に蓋をして
今まで一人で生きてきた
毎年一つ歳を重ねる度に思う事がある
“今年は半袖を着よう”
”ありのままの自分でいよう“と
そして毎年
袖の通されないままの
半袖のシャツが
クロゼットの引出しに
しまわれていく
30歳になった今日
今までの臆病な自分と
さよならする為に
一番華やかな花柄の半袖のシャツに
袖を通して
玄関の扉を開けよう
“さよなら、今までの自分”!
失敗した、と私は思った。
日中はあれほど暑かったのに、
夜になると嘘のように冷え込んできてしまった。
いや、全く予想してなかったわけではない。
天気予報も確認はしていたが、
まさかここまで体感温度が違うとは思わなかったのだ。
半袖に一枚、薄めのカーディガンを羽織っただけでは
まだまだ心許ない気温に、思わず身を縮こめる。
温かいミルクティーが飲みたい。
そう思って覗き込んだ自販機には無情にも
「つめた〜い」の文字しか並んでいない。
そうだよな、もう5月も下旬だもんな。
とにもかくにも、早く帰ろう。
それでミルクティーを入れて、タバコを吸おう。
隣の旦那をみれば、長袖のカッターシャツ一枚である。
寒くないんかお前。
お題:半袖
半袖では、少し肌寒い日になった。
心も、一人だから寒い
誰かと、繋がりたい
さてさて、今日はどの服を着て行こうか。
最高気温が二十六度で、最低気温が十六度?
ええ~。昼と夜で十度も差があるの?
悩ましいなあ。最近の一日で夏と冬が一度に来るような気温差はどうにかならないものか。
毎日服装に迷って仕方がない。
と言っても、元は人間が原因の異常気象なのだから、我々の自業自得なんですけれどね。
それはさておき、本当に何を着ようかしら。
二十五度を超えるなら、やっぱりここは半袖のブラウスか。
帰りが夜の九時は過ぎる予定だから、そちらに合わせるならば薄い長袖でも良いところ。
けれども、近頃は職場のエアコンの調子もまた当てにならないしなあ。
うーん。ここは昼間の快適さを優先して半袖かな?
上から白衣も着ることだしね、そうしよう。
一応帰りの気温に合わせてカーディガンも持って行くとするか。
荷物が増えるけど、少しの重みくらい我慢だ我慢。
健康第一。風邪でも引いたら面倒だもの。
温度調整出来るようにしないとね。
よし、これで今日の服装も完成だな。
時間も頃合いだし、そろそろ仕事へ出かけるとしよう。
外へ出れば、昨日の悪天候が嘘のような晴れ模様。
うん。やっぱり半袖で正解だ。
日差しもギラリ。暑い一日になりそうだ。
それではいよいよ、行ってきます!
(2024/05/28 title:037 半袖)
花が咲けば季節を思う
窓を開ければ服が決まる
外を歩いて答え合わせをしても
建物に入ると感覚は消えていく
半袖だけで出かけることは
もうなくなってしまった
帰って真っ先に
冷凍庫に頭を突っ込んだ夏の感覚は
どれほど尖っていたんだろう
嫌なものを見た。
目を逸らしたいのに逸らせなくて
考えたくないのに考えてしまう。
こんなのあんまりじゃないか。
じわりじわりと視界が歪んでいくのを
私は必死に我慢したけれどそれでも
あふれでていくそれはどうしようもなく。
なんとか抗おうとぬぐってみたが
吸い込んでくれる袖はなく
ただただ濡れていくだけの腕は
なんの助けにもならなかった。
「半袖」
最近は気温も高くなり半袖で外出する人も多い。
「半袖か。もう夏だなぁ。」
街を縦横無尽に縫って歩く人群を眺めながら、
気だるそうな声で女は言った。
「これさえなければなぁ。」
そう言った女の腕には無数の傷跡が咲いていた。
女の腕を見れば誰でも眉をひそめる事は明らかだった。不必要に視線を集めたくはない。
自身に咲いた傷跡を愛おしそうに眺めながら、女は逃げ惑う人々の様子を思い出していた。
「ふふ、次はどうしてやろうか。」
夏は厄介な季節だ
暑いから半袖を着る
半袖を着るから肌が露出する
肌が露出するから蚊に刺される
蚊に刺されるからとってもかゆい
ああかゆいかゆい
さて、今年はどうしたものか…
半袖
半袖を着る人が増えるこの時期になると思い出す。
学生時代、夏服を着た君の腕。
特に好みと言う訳ではなかったとは思うのだけど、何故か見つめてしまっていた。
当時の教室の香りや窓から差し込む光の記憶まで同時に蘇っては一瞬で消えて行く。
今年の夏も暑そうだ。
虫つかぬ マリーゴルド ナメクジが
健常 あと20年 このままで
犬も服を着る今の時代だから未来の人型ロボットも夏は半袖とか着るのだろうか SF映画で薄着のアンドロイドを見た記憶は一度もないがロボットに季節感を与えるのも人に近づく良い方法に思える
一番ロボットから遠い言い換えれば人間らしい服装はなんだろう やはりフォーマルよりカジュアルだろうか タンクトップにステテコを着たアンドロイドとか良い線だと思う
麦わら帽子とかも味が出る 冠婚葬祭にいなさそうな格好が良さそうだ 靴はなんだろう クロックス 便所サンダル辺りが妥当そうだ もはやとことんダサくすることが人間らしい気がしてきた
待てよ もしかしたら夏に現れるダサい人達はわざと人間に擬態する為にそうしているアンドロイドなのでは?流行を追えない人間ではなく本当は最先端のロボットなのでは?実は何かのプロジェクトが既に動き始めているのでは?
いややっぱりその線はやめとこう 僕もアンドロイドになる
まだ
暑かったり
肌寒かったり。
衣服の調整が
難しい。
今日は
その服
暑いよねー
と思って
着替えさせようとしても
―――イヤイヤ!
〇〇の服がいい!!
ですよねー。
お気に入りの
いつものやつ。
仕方なく
いつもの長袖にして
袖をまくっておく。
見てるほうが
暑いんだけど、、
早く
そのこだわりが
無くなるか
半袖の時期が
終わるか。
どっちかな?
#半袖
そろそろ半袖を出す季節か
朝すれ違う 高校生たちの半袖シャツをみて
帰ったらひっぱりださなきゃなぁと考えて
結局忘れてる
そんな事を繰り返す日々
だって仕事終わりは帰ることに必死だし
帰ったらくたくたの身体を休めることに必死なのだ
大人は毎日必死なのよ
学生も毎日大変だよね
皆さまお疲れ様です
「半袖」
「あぁ、そういえば
今日から衣替えだっけ」
「そうだね、たぶん」
君との会話から始まる1日
僕はこの時が1番好きだ。
理由を問われたとしたら
きっと答えられないけど。
だけど僕はこの時間が
どんな事よりも大好きだ。
上手く説明は出来ないけど。
「暑いね、今日」
「ほんとだね、信じられない位に」
最近は季節の変わり目だからか
蒸し暑い日が続いている
熱中症になってはいけないと
今年はいつもより早めに
衣替えをする事になったらしい。
めんどくさい。と呟く君を横目に
僕は、眠っていた半袖に袖を通した。
「早くしないと遅刻になっちゃう」
「ゆっくりし過ぎたね、急ごっか」
もうすぐ夏が始まる。
文章投稿アプリに表示された『半袖』というお題に、もうさすがに七分袖から半袖にする時季なのかなぁと思ったので、今日から半袖にします。
『半袖』と君が言ったから今日は半袖記念日。
『半袖』
「半袖」(一行詩)
半袖に切り替えて飼い犬を洗う明朝かな
◆
赤と緑のストライプ柄の半袖に昼飯は冷やし中華
◆
半袖一枚に悩む初夏の虫
―追記―
ポロシャツに大門字サングラスの初夏よ