『半袖』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『半袖』5/28
昔、腕を火傷したんですよ。
トースターでジュウゥっと────
ちょうど、半袖だと見えちゃう位置だったもんで
包帯巻いたら、痛々しくてね。
それで、中二病扱いされた話する?
「実際、中二病を発症してたけど?」
、、、あぁ~夏ですね
「、、、夏だね」
半袖
地元の夏は暑かった。
と言っても30年前は今より気温は上がらなかった気がする。
今は、夏に半袖なんて着られない。
熱中症対策にUVカットの長袖必須。
中学生も日傘や帽子をかぶって登校できたらいいのに。
逆に、梅雨の肌寒い時期には長袖や上着を着ることができずに、濡れて冷えたまま過ごす謎の中学校校則。
令和だよ?
『半袖』
衣替えで気分を変えて
軽やかな光のもとで
一緒にはしゃごう
あ、日焼け止めは忘れずにね。
この季節の紫外線は1番強いから、ね。
ぬるい風が体を抜けていく
まとわりついていた半袖が風を孕んで告げる
夏だ!!
一斉に花は鮮やかさを身にまとい
葉は濃く色づく
匂いまで生命を含み僕を急かす
夏だ!!
坂のてっぺんから少し覗いた君の麦わら帽子
先に気づいたのは僕
先に名前を読んだのは君
半袖からまだ真っ白な腕を高く上げて手を振る君は笑う
さあ、二度は来ない今年の夏の始まりだ!!
半袖
通学のためにバスに乗る。
真ん中辺りの席の前に立つ彼を一瞬見つめて、気付かれないように人の間に隠れる。
こっそり覗くと、彼は外の景色を眺めている。
紺色の制服から白い半袖に変わっていた。
袖から伸びる腕は日焼けしているから、運動部かもしれない。
春からバス通学になって、いつも見かける彼が気になっていた。
きっかけはお婆さんに席を譲る所を見てから。
こんなに自分が単純だなんて思わなかった。
声をかける勇気はなくて、毎日こうやって彼を見つめるだけで精一杯だった。
『次は☓☓☓前…』
「わっ」
バスのアナウンスが流れ、扉が開くとドッと人が乗り込んできてどんどん押し流されていく。
いつもならこんなに多くないのに。
人に押されて倒れかけると、腕を掴まれて誰かに支えられた。
「大丈夫?」
「…あ、はい!あ、ありがとぅ、ございます!」
引っくり返った声が恥ずかしい。
赤くなる顔を見られたくなくて俯いた。
逃げる隙間もないから、そのまま彼の隣に立つことになった。
「たまに人が多いんだ、このバス」
「そうなんですね…」
恥ずかしがる私に気を遣ってくれたみたいで、彼から話しかけてくれた。
どうしよう、どうしよう。
変な汗かいてるけどニオイとか大丈夫かな。
寝癖直したはずだけどまだ跳ねてたかな。
髪が跳ねてないか確かめるために上げた右腕が、彼の左腕にぶつかる。
「ご、ごめんなさい!」
「こっちこそごめんね。痛くなかった?」
また声が引っくり返るのが嫌で、何度も頷いた。
彼は良かった、と言った。
それから何も言わなくなった彼をまたこっそりと見上げた。
いつもよりずっと近い距離だから顔を見られなくて、半袖辺りを見ることになったけれど。
(もし彼と一緒に歩けたら、こんな感じなんだ…)
そんな青い夏を一人空想する。
残り時間はあと十分くらい。
私には、まだ半袖分だけ足りない。
『半袖』
ボクは自分が嫌いだ
中途半端に高いせいで悪目立ちする身長も
湿気ですぐに膨れ上がる髪も
自分が発する低くしゃがれた声も
無駄に記憶力の悪い頭も
両親には申し訳無いけれど、
何一つとして好きな部分など無くて
可能なら消えてしまいたいほど
この肌を露出させるなんて考えるだけで恐ろしい
だからこの時期だけは本当に嫌で嫌で仕方無い
校則だかなんだか知らないけれど
袖丈くらい自由にさせて欲しいと思う
でもこれを着た着ないで悪目立ちしたくないから
渋々半袖の制服を手に取る
あぁ、早く夏が終わらないかな……
うわ。
手
おばあちゃんみたいだね。
だって
痒いんだもん。
ほんとは
我慢したいんだよ。
掻いたら
血出るし
お風呂入ったら
痛いし
かさぶたができたら
こうして目立っちゃうの。
分かってるの。
でも無理なの。
掻かずにいれないの。
あぁ
あの人にも見られてる。
キモチワルイ
って思われてるのかな。
じゃあ
隠しちゃえ。
普通の人に見えるように
我慢するほうがずっとマシ。
#半袖
半袖
少しずつ暑くなってきた。
半袖の時期がやって来た。今年は遅い気がする。
もうすぐ梅雨がやってくる。湿度のせいで暑くなるだろう。
夏だなぁって
暑いなぁって
寒いから手繋ぐを使えなくなるなぁって
半袖?
私にはそんなものいらない。
私は長袖の方が好きだ。
リスカも隠せるし、私の身体自体が醜いから。
そんな身体を隠せる部分が減る半袖は……夏は、嫌いだ。
それももう今日でおわり……
❀✿❀
僕は昔から腕に大きな痣があった。
これは生まれつきのものだから。僕の中では別に気にするものでもなかった。
でも、周りは違った。
『おかしいね』 『きもちがわるい』
僕は途端にこの痣が醜くて仕方なくて、コンプレックスになった。
お母さんに言ったって、皮膚科に行かせてくれなかった。
なんたってうちにはお金がなかった。
僕はそれから、夏でも長袖で行くようになった。
みんなからもちろん非難された。
でも、コンプレックスをこの世界中にさらけ出すより、何倍もましに思えた。
『この痣のせいで僕は……』
何度口に出したか分からない言葉をまた口に出す。
『その痣そんなに嫌い?』
ある1人の少女は話しかけてくる。
もちろん僕はうんと答えた。
そしたら、彼女は突然彼女の腕を僕の目の前に持ってきて見せてきた。
『みて。私の痣。君と同じところ。』
それがどうしたんだろう。とおもった。
そんなの何も僕とは関係ない。
それに見たところ彼女は自分の腕の痣に対してのコンプレックスもないように感じる。
『そういうのうっとおしい』
ちょっといい過ぎたと思ったが、訂正するつもりもなかった。
どうせ彼女も僕から去っていゆく人の1人でしかないと思ったからだ。
でも違った。彼女は毎日僕に話しかけてきた。
僕は正直びっくりしていた。
こんな人もいるんだ。と知らぬうちに彼女に心を許していたのかもしれない。
でも、彼女は突然いなくなった。
僕は内心とても驚いていた。
どうしてだろう?
何故あんなにも元気だった人が死を選んだのだろうか。
❀✿❀
昔の僕はそんなことを考えていたな。
今なら分かる彼女は……
僕……いや、私。
だから、彼女がいなくなったということは。
やっと今日が、おわるということ。
じゃあね。
もう半袖の季節だ
日焼け止め塗らないと
うで痩せしないと
ムダ毛処理しないと
その前に
半袖服、洗濯して
青空の下、太陽に乾かして
ピシッとアイロンかけないとね
お題
半袖
私は半袖を着れる人は凄いと思う。
私は肌が生まれつきぶつぶつなので私はあまり出せないなぁ。
半袖着ても上に何か羽織ってしまうからな。
1年中冬でいいのに、
「おい菱形、うちにもショートが来るらしいぞ」
「マジっすか? 『捲ればいいだろ』ってあんな言ってたのに!」
「その捲った部分のせいで通気性が悪いようだ」
「そんな! じゃあしばらく先輩とこのまま留守番すか!?」
「ああ、俺らの出番は涼しくなるまでおあずけだ」
「嫌っすよ! 俺まだまだやれますって!」
「決めるのは主人だ。より快適な方法があればそっちを選ぶ。当たり前のことだ」
「縦縞、ショート配属の件、あれ白紙になったから」
「え、どうしてですか、無地さん」
「『捲った部分を気にするのは今更だし、冷房が効きすぎたら調節できない』だとよ」
「――! 先輩! やりましたね! やっぱりロングっすよ!」
「おい、あまり調子に乗ると袖のしわが増えるぞ」
「先輩だって襟、ちょっと捲れてるじゃないすか」
「いや、こ、これは、元々だ……」
「おーし、じゃあこれからもローテで、あんまりズボンから出んなよー」
「「はい!!」」
~半袖~
長袖を着たい
少し大きめの長袖が着ていたい
それでいて袖が伸びないしっかりした素材の長袖
隣から思い切り引っ張られても大丈夫な長袖
ないない
半袖はまだ着れそうにないない
半袖
半袖を着る季節
僕は蝉が怖いので長袖を着る
死んだように見せかけて道端で寝ている
いわゆるセミファイナルが嫌いだからだ
想像しただけでも気持ち悪い
克服しないことには、一生夏は嫌いな季節になるだろう
通学のときはアームカバー
冷えた教室では冷房避けのカーディガン
でも、体育の時だけ
その時だけはあなたも嫌々半袖になる
執拗に塗った日焼け止めのせいではなくて
内側から透けるような白
わたしは束の間
その細いのに柔らかそうな二の腕に
目を奪われてしまうのです
#16 お題:半袖
#32 半袖
-もう暑くなるんだなぁ。
いつものように彼と腕を組んだら直接肌が触れて。
私は照れ隠しに、
そんな分かりきっていることを考えた。
私と彼が一緒に出かける時。
以前は手を繋ぐほうが多かった。
一日中遊んだ日の暮れ、
疲れの中にすっかり馴染んだ体温や距離の近さが
心地よくて、うっとりしていた覚えがある。
今は、その歩きやすさに腕を組むのが多い。
ついでに声や距離が近くて嬉しいなんて、
彼は知ってると思うけど。
夏の初めは、
いつもよりドキドキするだろう。
きっと、これから先も。
お題「半袖」
まだ五月だというのに
初夏の匂いを雨が連れてくる
半袖から覗く二の腕に
雨粒が零れれば
その冷たさは
季節を正常に戻してくれる
更に傘もささずに歩き続ければ
のぼせた頭も少しは冷えるだろうか
そしてあの人も
火照った頬をそのままに
傘もささずに歩いているのだろうか
上昇する気温と体温
春の穏やかな暖かさは一変し
ぎらぎらと熱を放つ太陽
薄い素材の長袖も
気づけば半袖のTシャツを身に纏っていた
焼けて赤くなる皮膚
ひりひりとした痛みすら季節を感じさせる
長い袖による籠った重い熱からは解放され
代わりに直射日光の熱に悩まされる
コンビニからアイスを買って帰る途中
公園の蛇口から溢れる水を全身に浴びる
そんな何気ない日常には
きっと価値があるはずだ
例えそれが 己にとって邪険なものであっても
なんでもない〝それ〟こそ
鮮やかな人生の一部分なのだ
___ 6 半袖
友達が言った言葉
半袖
いいよね、半袖
だって、だってさあ、
男子たちの生足生腕が見れるんだよ?
天国としか思えない
その言葉を聞いた時私はきっと
ドン引きしたて、軽蔑した目で見ていたのだろう
だって、引かないで〜って友達言ってたし
でも引くしかないと私は思う
みなさんはどう思いますか?