『力を込めて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
力を込めて作っている
ある人のために
そしてこの作品を
届けたい
寒さに慣れないこの季節。
布団が離してくれない。
温もりが二度寝へと誘う。
でも、腹を括り力を込めて起き上がる。
なんたって今日は土曜日だから。
.力を込めて
「昔の映画とかで、気に食わないやつにシャンパンをぶっかけるシーンは観たことあるけど……」
そう言うと、隣の彼は、くつくつと笑った。
「ローストビーフをぶん投げた人は、初めて見たな」
私は少し眉をひそめ、右手を軽く握っては開いた。
まだグレービーソースの残滓が、そこにまとわりついているようで、匂いを嗅ぐ──うん、良い匂い。
「罪深いことをしてしまったわ」
「そうだね」
「ローストビーフに罪はなかったのに」
私がため息をつくと、彼も「たしかに」と首を振った。「あのローストビーフは美味かった……」
一瞬の沈黙のあと、私たちはお互いの顔を見合わせ、もう堪えきれないというように吹き出した。
「あいつの顔、見た?」
「人間って、本当に驚くと口が開くんだなって思ったよ」
「ぽかーんって、ああいう時の表現に使うのね」
彼は頷くと、首元のネクタイを緩めながら言った。
「……あのスーツも可哀想に。仕立ては悪くなかったのにな」
「ローストビーフとシャンパンを同時に投げつけられて、一晩のうちに耐え難い仕打ちを受けさせてしまったわ」
丈も裾も、ぴったりと体型に合ったオーダーもののスリーピーススーツ。
生地も厚手で、市販の既製品とは違っていた。
手首にこれ見よがしにつけていた金の腕時計にも負けない風格のあるスーツだったのに。
もし、と私は思った。
──もし、あいつがその服装にふさわしく、真の紳士であったなら、あんなことにはならなかったはず。
私は、ひとつ息を吐き出すと、隣の彼に向かって右手を差し出した。
「ありがとう」
「……何に対しての、“ありがとう”?」
「あの子のために、一緒に闘ってくれたことに対して」
言葉に出すと、鋭い痛みが胸に広がった。
今夜の同窓会に、あの子は来なかった。
元々、こうした集まりには顔を出したがらない子だったから、一緒に行ってもいいかと連絡が来たときには驚いた。
……驚いたけれど、嬉しかった。
せっかくの同窓会だから、を合言葉みたいにして、二人で洋服を買ったり、美容院で髪を整えたりした。
二人で懐かしい話をしながら、私は、あの子が、高校時代の淡い憧れをまだ引きずっていることを知った。
そして、それを理由に同窓会に参加しようと思っていることも感じた。
だから、余計に許せなかったのだ。
耳によみがえってくる、最低なあいつの笑い声。
──実はさあ、卒業式で、俺、告られたことあんだよねぇ。男に。
誰、誰、と囃し立てる周りの人間たちも気持ち悪かった。
──え? さあ、誰だろうなぁ……。あ、でも、俺、そいつに言っといたんだわ。今日の同窓会、気持ちわりーから、お前、絶対に来んじゃねぇぞって。
出席者の名簿のなかで、当日、会場に来なかったのは、あの子だけだった。
あの子は、あいつの自己顕示欲を満たすためだけに、同窓会に誘い出されたんだ……。
思い出すだけで、腹が立つ。
苦い唾が口に溢れてきて、なのに、上手く飲みこめない。
ざわざわと腕に鳥肌が立った。
「お礼を言われる筋合いはないよ」
差し出した右手に、厚い手のひらの感触がして、ぐっと握り返された。
ハッとして、顔を上げると、彼の真剣な眼差しが、私の顔に注がれている。
「俺が、あんな風に人の心を踏みにじるやつは許せなかったってだけで」
静かな声音が、じわりと私の耳に沁み渡って、ふいに涙腺が弛んだ。
ああ、待って。待って。
「これからさ」と、彼はそう言うと、ニッと口の端を上げて悪戯っぽく笑った。
「あの子も誘って、三人で飲み直さない? どっかスーパーでも寄って、日本酒とワインと焼酎の瓶、買ってこうよ」
どうしよう。
なんだか、急に海の中に落っこちてしまったみたい。
息を吸おうとしても、喉の奥に塩辛い水が流れていく。
溢れ出た涙が顎を伝って、ぽたぽたと玉を成してアスファルトに落ちた。
「どう?」
「いいね。それって、最高だわ」
私は嗚咽をこぼしながら、頷いた。
握った手に、力をこめて。
2022/10/08
「力を込めて」
最近、何かに力を込めたことがあっただろうか。
固いジャムの瓶のふたを開けた時くらいか。
何かに夢中になるとか一生懸命になるとか、
大人になってからだいぶ減った気がする。
気づいたら毎日同じような生活を送ってて
ただただ平凡な今。
まだまだ人生長いんだ、ジャムの瓶以外に力を込められる
何かを見つけていこう。
窓辺で一息。取れない疲れを少しでも減るように、休憩してると夕陽が。
秋になり、日の入りが早くなり、この時期に見える夕陽が見える。
秋から春の夕陽は、綺麗な橙色で、眩しいけれどほっこりする。日暮れも早くなり、気づいたら星が瞬く。
今年ももう少し。あっという間に過ぎていくけれど、今年の秋と冬を楽しもう。
お題《力を込めて》
好きなことにあなたの夢の力を注げばいい。
想いを込めるなら、誰かの幸せに。
想いを込めるなら、誰かの背中をそっとおして。
それが希望の力だよ。
息をすって、はいて、
それだけでも力が要るのに
どうして80年とか100年とか
きみは言うのですか?
そんなことよりも
わたしのことが世界一すきとか
わたしがいないと毎晩泣くとか
そんなきみの言葉でわたしを溢れさせてほしいのに。
好きだった人に会って、辛い想いを隠して、
力を込めて失恋ソングを一人歌う帰り道。
そんな毎日。
まだ少し好きなの、ちょっとだけね。
-力を込めて
#力を込めて
声を出す難しい時であるけど
心の力込めて出しきる
応援の力見せてと思い込め
選手の後押しもう一歩行け
帰り道今にも倒れそうなぐらい疲れた足に
力を込めて歩く
また今日も一日が終わる
力を込めて
むすび堂、それは縁にまつわる願いや悩みを抱えた者の前に現れる不思議なおむすび専門店。特に塩おむすびが人気である。
店主は、今日もお客様が幸せな縁に結ばれるように勇気が出る力をご飯に込めておむすびを作っている。
白く艶やかなご飯に、企業秘密の国産の塩を振り、パリッとした香ばしい焼き海苔を巻いていく。おむすびの完成だ。
このおむすびは、お客様からは縁おむすびと親しみを込めて呼ばれてる。
私は祓い屋で
貴方はあやかし。
いくら愛し合っていたとしても
想い合っていたとしても
私が祓い屋をやめることはできないし、
にんげんをやめる事だってできない。
貴方も人を喰う事をやめたら死んでしまうし、
あやかしをやめることだってできない。
あやかしとの愛か
にんげんとにんげんの契約。
どちらかと聞かれれば
私は契約を選ぶだろう。
事実、
私はにんげんを選んだ。
貴方もそれが正しいと言って
はにかんだ。
でもそれは
貴方の死を表していて
それは嫌で
でも私が選んだのは契約で
どうしたら、
良いんだろう。
視界がぼやける。なんでだろう。
涙が流れているからだ。
私自身で
貴方を殺すことへの葛藤と
大好きな貴方と壁を乗り越える_間違ったことよりも
楽で安全な_正しい方へと流れた私の愚かさと
貴方への愛と
貴方への執着。
それがたった一雫となって
私の頬を伝った。
力を込めて
数珠を握りしめる。
貴方は少し
笑った。
貴方から真っ黒い煙と
真っ黒い血
あぁ
あぁあ
ごめん___
__なさい。
「力を込めて」
テーマ∶力を込めて
力を込めて、血がにじむほどに、強く、強く、強く握る。
革手袋を破るときのブチブチ、ギィーギィー、とした鈍いような鋭いような変な音が華奢な女の白い手から鳴る。
瞳には地獄が映り、涙や鼻水が洪水のごとく流れている。
美しい、長く黒い艶のある髪は、ただ静かに揺れていて、怒りの中にあるはずなのにどこか悲壮感を感じさせる。
それは彼女の心と世界の異常さを物語っている。
私はそのさまを、ただ呆然と見ていることしかできなかった。
−地獄から這い出る女−
ああ、我が君
既に出かけ、既にきっと駅に着いたあなたに届くよう
念力を込めておきます
携帯とお弁当と財布を家に忘れてるよ──────
P.S. 携帯の表示に出ていた方については
詳細に説明をお願いしますね
「力を込めて」
疲れて全てを
消し去りたいと思う前に
今 あなたの手に 足に
力を込めて
とどまりなさい
嵐はやがて晴れる
「力を込めて」
ああ、また食いしばっている。
気がつくといつも奥歯に力がこもっている。
別に怒っているわけではない。
何かをがんばっているわけでもない。
だが、なぜか力を込めて奥歯を噛み締めている。
こんな癖があることに気がついたのは最近だ。
体があちこち痛いので、病院に行ったら、医師から
「体中に力が入ってますね」と言われた。
確かに、自分で腕や足の筋肉を触ってみるとガチガチだった。
もっとリラックスして力を抜いて
そうアドバイスされたけれど、これが難しい。
「もっと力を出して」
「全力で取り組んで」
「死ぬ気でがんばって」
世の中にそんな言葉が溢れている中で生きてきたような気がする。知らず知らずに、自分にもそう言い聞かせているのかもしれない。
自分で自分に呪いをけかけているのか?
呪いを解くために、奥歯から力を抜き、口をゆるめて、とぼけた顔で少し笑ってみる。
胸からこみ上げる熱い気持ち。
僕らはそれを感じると、力を込めて言う。
「ありがとう」と。
力を込めていいます!
「あなたに会いたい!」
こんなご時世になってから、あなた(推しのグループ)たち(複数形(笑))に会いに行けてないんです!
近くの会場に来てくれないのもありますしね・・・・
いつか絶対また会いに行きます!!
力をこめて
ずっと会えなくて、寂しさをがまん
ほんの束の間、会えることに
並んで歩く、寒い日
彼のポケットに冷たい手を入れる
彼はゆっくりと指をからめ
力をこめて、握りしめる
彼の気持ちが伝わってきた❤️
「力を込めて」 10月8日
力を込めて。
心に。