『別れ際に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「別れ際に」
別れ際。
これほど寂しいことはない。
いつも、見送ってくれる。
ほんとは、もっといたい。
次の約束をする、今度はこれくらいに会えるかな…
うん、また。
また。
そして、私は別れ際にいつも振り向く。
彼がずっとみててくれる。
それが、嬉しい。
私はもう一度、手を振る。
遠くにいる彼。
もっといたい。
この間は、彼を応援するつもりと、気持ちを伝えてくれたので、思わず彼の手をとり、ぎゅっと握った。
いつか、一緒に別れ際なしに、
一緒に帰れる日がくるのかな。
9.28
別れ際の時は近くにいた事を思い出す
そうだ、近づくといつも離れて行くんだ
そのくせ離れるとすぐ引っ付くのだ
今日は近づいても離れない
別れ際に
別れ際に美しさを
求めるのはいつか
振り返った時
間違いじゃなかったと
そう思いたいから
もう来ないあの日
振り返りの時は
いつくるのか
分からないけど
その時の感情が
後悔でないよう
瞬時に作り上げる
美しさという虚像
本当の気持ち
今この時の
思いのほうが
よっぽど大事なのにね
まだまだ別れに
慣れてない
慣れたくないから
こうしちゃうのかな
『別れ際に』
当たり前なんて何処にもない。
だから約束を交わすのでしょう。
手を振って微笑んで
またこうして会えますように。
たとえ今日が最後でも
祈ることは自由だから。
私は明日もあなたに会いたい。
別れ際に
恋人と連絡が取れなくなってから数週間が経った。どれだけメッセージを送っても読んだ様子はなく、もちろん向こうから連絡する気配など微塵もない。そもそも私の前から消える気配だってなかった。
小さくため息をつく。私に飽きたのか、それともどうしようもない事情があるのか。色々と考えてみたが、前者で納得することにした。そう思った方がまだ救われたような気持ちになる。
二人で映画を見に行った日が最後だった。誕生日とか記念日とかいうわけではなく、ただ彼に似合いそうなピアスを見つけたから買ってプレゼントした。
私は彼という人の、耳を最も愛していた。思わず触れたくなるくらいに形は美しく、けれど精巧な石像のようで触れることは恐れ多くてなかなかできなかった。そしてその耳朶を飾るピアスも当然美しく、触れることができない分ピアスを選ぶことが私の楽しみであった。
つけてと言われたのでおそるおそる彼の耳に触れる。彼は私が耳を愛していることを知っていたから、「そんなに緊張しなくてもいいのに」と笑っていた。彼の耳は少し熱を持っていた。こっそり自分の耳と比べてみた。私の方がよっぽど熱かった。
ピアスは彼によく似合った。まるで星々のきらめきを身につけているようで、そう褒めると彼は照れくさそうに笑った。思わず唇を寄せたくなる。けれどそうしたら、せっかくその耳に収めたきらめきが逃げてしまいそうで、ぐっと我慢した。
彼とはそれっきり。毎日つけると約束して駅で別れて、以来何もない。今でもつけてくれているのだろうか。それとも知らない人からもらったピアスに付け替えたのだろうか。
あの時、きらめきを逃してでもキスをしておけば良かったと思う。
海を越えて、遥か遠い土地で一人頑張っている、君。
ひさしぶりに会えて、たくさん話し、たくさん笑い、一緒にいろんな場所に行って、お互い悩みも打ち明けた。
そんな思い出で胸がいっぱいになって。
別れ際には、我慢しきれずに涙が零れてしまった。
帰る私の方が泣いてしまって、ごめん。
また、必ず会いに行くからね。
別れ際に
俯瞰で見るとエゴが丸見え。
近過ぎると真っ暗なんだよね。
別れ際では遅いんだよ。
その前に手を打たないとね。
#別れ際に
お題「別れ際に」
友達と数時間遊んで、
楽しかったこと愚痴ったことを思い出しながら、
自転車を漕ぐ友達の姿を見る。
「じゃあ、今日はありがとうね!」
「こちらこそありがとう!気をつけてね」
そんな些細なやり取り、遠ざかっていく友人の背中。
「ありがとう」と言ってくれたその言葉
「気をつけて」と言ってあげられる相手がいること
当たり前のことかもしれないが、
そんなやり取りをする時間は私は好きだった。
家に入ったら、私はまた一人に戻る。
だからこそ、誰かと些細なやり取りをすることが
なんでもないことを言い合えるのが好きなんだ。
貴方は泣きそうな声でこう言う。『もうやめよう』と。何も言い返せず、ただその場に立っていることしかできなかった。『また、会えるかなぁ』、とっさに出てきた言葉がこれだった。
#別れ際に
さよなら
これが最後のさよならだ
君と過ごした月日
君と過ごした場所
楽しかったよ
でもこれで終わり
またねはもう無いね
じゃあねと言って去る僕
突然君が僕にかけよりキスをした
これじゃ僕の中でずっと君が記憶に残るじゃないか
君はズルい
本当にズルい
「別れ際に」
殴られても蹴られても私は笑顔を絶やさない
一方的に別れを告げられ、散々な侮蔑の言葉を浴びた
言いたい恨み言、いっぱいあった
でも、私は笑顔を絶やさない
最後にとびっきりの優しい言葉をかけた
暴言を吐いたあなたと、優しい言葉をかけた私
あなた、私を悪者に出来ないでしょ?
あなた、自分が惨めになるでしょ?
どこかであなたが苦しんでると思うと
私は心からの笑顔で言えます
さようなら!
お題《別れ際に》
今日会えたから明日も会える
それは誰もが信じる幻想
だから別れ際に男はいつもとびきりの魔法を披露する
虹色の龍が空へと昇ってゆく姿を
そして、虹色の雨を降らせる
頭にその夢物語のような光景を焼きつけて
今日が特別になるように
「宵闇の泡沫。ならいい夢演出しないとね」
別れ際に、最初で最後の恋を君に
僕らは、やっとわかりあえた。
なのに、遅すぎた、彼女の死は近づいている。
彼女は、治らない難病だと聞かされた。
治療しようにもできないでいた。
僕は、彼女の姿を見て、唖然とした。何故なら、彼女の姿は、体の一部が固まったような姿をしていた。
彼女は、泣いていた。
僕は、もう一度だけ彼女の力になろうと決心した。
そう、彼女が、眠りにつくまで僕は彼女の恋人でいよう。
そう、思っていた。何故なら好きだったからそれだけだ。
『さようなら、おやすみ、そして、ありがとう』
僕は、最初で最後の恋が君でよかったと思っている。
別れ際に
「バイバイ」
みんなの姿が
見えなくなるまで手を振る。
瞳で姿を追いかける。
幼なじみからは
「律儀だね」とか
「偉いね」と
褒められる。
でも
本当は
別れ際がいちばん寂しくて、
見送るのがとても苦しい。
私は
船で通学してるから、
余計。
帰路が違う
私が
最後の一人で。
バスやスクバに乗って帰る皆を
ただひたすら見送ることしか出来ない。
だから、
誰かと話して帰る
その時間が
1番好きで、
狂おしいほどに、
愛しい時間なのだ。
その時間が、
明日の
私の
血となり糧となる。
次の日から、
顔見知りなど1人もいない船内も
少しだけ
怖くなくなるのだから、
友達って、
というか同級生って
偉大だと思う。
9.28
別れ際に
じゃ、行ってくるね。
玄関を出る夫が、振り返るようにわたしを見る‥その目が何かを言う。
行って来ます。
学校へ出かける子供が、ちらりとわたしを見る‥その瞬間に何かを感じる。
後になって、その何かがわかる。
仕事に行き詰まっていたり、
担任の先生とうまくやれてなかったり。
言葉よりも別れ際の目には、瞬時に伝えるものがあるようだ。
したしいともだちも
こいびとも
しんせきのひとも
ついさいきん しりあったひとも
もうにどとあえないかも
しれないので
いつも わかれぎわ
さようなら といいます
さみしいから
さようなら は やめて
といわれたことも ありますが
またあいたい というねがいをこめて
さようなら といいます
ほんとうに それが
さいごだった ひともいますから
ひとはすぐ しんでしまうから
まいかい たいせつな さようならです
「また会おう」
そう言って互いに背を向けた
もう二度と会うことは叶わないとわかっていた
けれど、彼の覚悟を無駄にはしたくなかった
別れ際に見た君の優しい笑顔は
私の脳裏に焼き付いて離れなかった
『別れ際に』
どちらも傷つくのよ
別れってさ
何を言っても、嘘
何を言われても、嘘
「別れ際に」
―別れ際に―
「ごめんね」
『…うん』
「君にはギリギリまで笑顔でいて欲しくて、
ずっと話さなかったんだ。
今日まで黙ってて、ごめんね」
『…うん』
「君を置いていくなんて
したくなかったんだけど…でも、
僕の力じゃどうしようもなくて」
『…うん。
でも…でも……めて…って…しかった』
「え?」
『それでも、せめて言ってほしかった…!』
「」
『私と笑顔で居たいなら、
言ってくれればよかったのに!
そしたらいつもより
大切に時間過ごしたのに!!』
「…!」
『これじゃもう何もできないじゃない…!!』
「…」
『…ほら、そろそろ時間終わっちゃうよ』
「…あぁ。
…ホント何もできなくて、
何も言えなくて、ごめん。
もうこれからは隣にいてあげられないけど、
君ならきっと、大丈夫だよ。1人でも、大丈夫。
ゆっくりでいいし、
怖かったら立ち止まってもいいから、
前を向いて頑張ってね…応援してるから」
『っっっ、!』
「あぁあぁ、泣かないでよ、
君の笑顔が見たいんだ」
『…ありがと』
「そうだ。
これ…バラが好きだって、言ってたじゃん?
あげるよ」
『赤い…バラ…ありがとう』
「じゃあ、もう行くね
…どんなに遠くに離れてても、ずっと傍にいるよ」
それ以来、彼はここに現われなかった。
赤いバラの花言葉
――あなたを愛しています
別れ際に
別れ際に言う言葉。
またね。
また明日。
さよなら。
バイバイ。
次があることは尊いことだ。