『冬のはじまり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
朝起きて、口の中が渇いてると、冬が始まったと思う。
押し入れから、コートを出すのもそうだ。
布団が出るのも、億劫になる冬は、早く終われと思うが、花粉が控えている。
自分に魔法が使えたら、
気温が完璧な秋の日を300日にしたい。
残りを春夏冬で、三等分にすれば、
日本は、平和になる。
生きて会おうねと小突き合い手をつなぐ花温かく光るまで午後
『冬のはじまり』
思わず身震いした。
「ううっ、寒っ」
家を出て、最初に吐き出したため息が白かったから、沈んでいた気持ちが少しだけ浄化された気がした。
冬のはじまりは、いつも透き通った尊さと澄んだ空気を連れてやってくる。
"冬のはじまり"
「う〜寒っ…」
食材の買い出しから帰って、台所の流し台に買ってきた物を置き、自身の手を見る。
指先は赤く、氷のように冷たい。指の関節も、何かに制限されているかのように軋んで動かしづらい。
暖かな息をかけながら、少しでも指がスムーズに動かせるように両手を擦り合わせる。
「う〜…」
ふと、窓の外を見る。白い綿が灰色の曇り空からフワフワと舞い降りている。
「あ…」
初雪だ。
──俺が中に入った時に降り始めたんか?
一旦台所を出て、台所よりも大きな窓がある処置室に行き、窓に近付いて外を見上げる。
雪が舞い踊りながら降ってくる様子はとても幻想的だった。
──まるで、スノードームの中にいるみたい。
ほう、と息を吐く。そして時間を忘れてしばらく、窓の外に見蕩れていた。
「……っ、駄目だ駄目だ。早く買ってきた物仕舞わなきゃ」
頭を振り、いそいそと台所に戻った。その頃にはもう指先は十分に暖まり、関節も思い通りに動かせるようになっていた。
君が「彼女できたんだ」って
嬉しそうに報告してくれた時期が
もう一度やってきた
君のことは
恋愛としてじゃなくて
友人としての好きだけど
周りからは理解されないから
彼女ができてからは疎遠になった
久々に君からきたラインに浮ついて
わざとハートの絵文字送ってごめんね
次の彼女はさ、
女友達に会える彼女にしてよ
【冬のはじまり】
#冬のはじまり
通学路を歩く帰り道、
隣で歩くあなたとの距離が少しだけ近くなる。
「ん?どうした?」
「んー、ちょっと寒かったから…」
「そっか」
照れ隠しで誤魔化したけれど、きっとあなたは
手を繋ぎたい私に気付いている。
だって私の右手はあたたかくなったから。
春の終わりに付き合い出した私達。
夏は恥ずかしくて、誤魔化す事もできなくて、
あなたと手を繋ぎたいって言えなかった。
優しい彼は先に手を繋いでくれたけれど、
私から言いたかったから。
それでも恥ずかしくて誤魔化してしまう私だけれど、
やっぱりあなたは優しかった。
寒い日が増えてきたから、寒さに誤魔化して
あなたと距離が近づいてもいいよね?
あ、お揃いのマフラーも付けたいんだ。
それから、クリスマスに一緒に過ごしたいの。
冬はまだはじまったばかりだけれど、
あなたとしたい事がたくさんあるの。
誤魔化さずに伝えられるように頑張るから、
冬の終わりまで…
ううん、来年の冬もそのまた来年も
私の隣で歩いていてほしいな。
うだるほどの暑さから早く開放されたいなどと安価なアイスをかじりながら考えていた今年の夏。だのに、季節はあっという間に過ぎ去り、寒さが押し寄せれば逆にあの暑ささえ恋しくなってしまうのだから不思議だ。
だからといって、ここで早く春よ来い、と宣ってしまえばそれは何だか季節に翻弄されているようでくやしい。
どうせなら楽しんでしまわなければ。幸いにも冬を楽しむ先人の知恵があるのだから。
2023.11.29『冬のはじまり』
【124,お題:冬のはじまり】
朝起きた時に、布団から全く出れなかったこと
すぐに手が凍えて、動かしにくくなること
やけに温かい飲み物や、食べ物が食べたくなること
夜、星を見に行った時
フッと長く息を吐いて、それが白く広がるのを見たこと
あぁ、そっか
「もう冬かぁ...」
冬のはじまり
あぁ〜やってもた(-_-;)
ホットカーペットの上でうたた寝zzz
肌も喉もカッピカピ
木枯らしとか、空気の冷たさとか。
そんなことを言えたら、本当はいいのかもしれないけれど。
私にとって”冬のはじまり”は。
期間限定のジャンクフードだったりする。
冬のはじまり
息が白くなる
手がかじかむ
厚着のコートを羽織り
手袋をはめる
めんどくさい時期
だけど嬉しい時期
だってあなたと一緒に居られるのだから
お題『冬のはじまり』
冬の始まりは朝チャリ通をすると手が真っ赤になって感覚がなくなり始めた時です。
お題を見て、J-POPの歌詞を思い出すことがけっこうある
冬のはじまりと言えば、ずばりマッキーの「冬がはじまるよ」
幸せそうなカップルを歌った曲は、率直に言ってうらやましいw
あーあ、今年もまた孤独な冬がやって来る…
【冬のはじまり】
寒さの匂いがする。
そう言っても、誰も信じてくれない。シズクは目を閉じて鼻をひくつかせた。ついこの間まで、後輩のレイくんに誘われてファッションショーに参加し、忙しくしていたのが嘘みたいだ。初めて、誰かの依頼でイラストを描き、キャッチコピーを書いた。シズクがデザインしたポスターが何枚も校内の至る所に貼られた。
一つ年下の、男の子だか女の子だか分からない後輩。ただそう思っていたのに、彼の内側にあんな情熱が秘められていたとは驚きだった。
あの、妥協を許さない目。言葉はキツくなかったが、いつでもピリリとした緊張感が漂っていた。
思わず背筋をしゃんと伸ばし、指先を空中に漂わせた。
空気が冷たい。あの張り詰めた空気は、冬の空気に似ている。
「何してるの?」
穏やかな低い声に振り向くと、そこにシュンが立っていた。ベンチに座っているシズクを覆い隠すような影ができている。
「あ、特に何も。寒くなってきたな、と思って」
ほんの少し、シズクの声がうわずった。
シュンが来た途端、気温が1℃くらい上がったんじゃないだろうか。
(さすがにそんなわけないか)
シズクは立ち上がってシュンに微笑みかけた。女子生徒の中では長身な方のシズクでも、シュンと並ぶと小柄に見える。
「じゃ、行こっか」
シュンがさっと右手を差し出した。シズクも手を出してそれをにぎる。
じんわりと、胸に暖かいものが広がる。
冬が、はじまる。
消えていく
あんなに鳴いていたのに
あんなに飛び跳ねていたのに
まるで家に帰るように
備えて、じっとまっている
あの匂いもあの音も美しい白がさらっていった。
あぁ、冬がはじまる
#冬のはじまり
こたつを出して、みかんを食べて、冬毛になった猫を抱っこして。
さぁ、寒い寒い冬の始まりだ。
雪がポツリポツリと降り始めたとき冬の始まりを感じる。
冬のはじまり
雪が降ってからが本番
いつから降り積るかが問題
凍るし滑る道には注意
雪が降る地域なら慣れてはいるはず
それでも転ぶこともあるのが冬
雪が降らないと
畑とか田んぼなど困るらしい
どちらにしても困る冬
雪が降る様は綺麗だし雨よりは楽
ただし積もらなければね
何か起これば平常より面倒が増えるけど
面倒さから楽しめる風物もある
冬のはじまりより
いつ雪が降り積もるのか
それが毎年の問題です
なすがままに、なされるしかない
対策は出来ても、天候には敵いません
#冬のはじまり
時が駆け足で過ぎてゆく
言葉が白く風に舞う
ほんの少しキミとの距離が
近づいただけでも
嬉しさが込み上げて来る
街には大きなもみの木が
綺麗に飾られて
遠くからの鈴の音が近づいて来るのを
待ってる
少しだけ冷えてきた指先
キミのポケットの中
キミの右手に誘われて…
今年も六花の舞う季節を二人
優しさを分け合いながら
凍てつく星あかり見つめてる
「やはり冬のはじまりは寂しい」
君はそう言って、ホットコーヒーに角砂糖を落とした。
かっこつけて丸眼鏡。
黒いコートのポケットには古い文庫本とペンと手帳。
昭和の文学青年気取りでひなびた喫茶店に入り浸っている。
「ブラックは飲めないのか?」
「いずれ飲めるようになるさ」
レポートの締め切りが近いのに、いつも僕を付き合わせる。
そりゃあ嫌みの一つも言ってやりたくなる。
僕の精一杯の毒を涼しい顔で受け流し、君はまた角砂糖をぽちゃんと追加した。
「寂しいなら友だちでも作ればいいじゃないか」
「いらないよ。やつら、どうせ退屈な話しかできないんだから」
「失礼なやつだな」
自分は他の人間とは違うとでも言いたいのか。
昔から君はそういう冷ややかな眼差しで世間を見つめている。
いつまでも10代の少年のようなとげとげしさと鮮やかさで夢を語る。
なぜか僕だけに寡黙な口を開く君が、僕はけっこう好きだ。
「僕の貴重な時間分、奢れよ。早くレポート書かなくちゃいけないんだから」
「冬は金運が下がるから無理だ」
「バイト辞めたからだろ」
ため息をついて、僕は伝票を掴んだ。