『冬になったら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「冬になったら」
寒い冬を越えられるかな。君を守れるかな。
決断の冬...。
君と温め合って
ずっと傍にいたい。
恋人になって最初の冬。あなたは遠慮がちに私の手を触れてきた。
最初は指先から。そして徐々に交差するように指を絡めてくる。それはあまりにもゆっくりで、私はなんだか堪らなくなって思いきり彼の手を握った。
彼は一瞬驚いたが、とたんに眉を下げ、
「ごめんね」
と申し訳なさそうに微笑んだ。
謝ってほしい訳じゃない。
彼は優しい人だ。だけど雪のように溶けてしまいそうな程繊細な人でもあった。
だからこうして彼のほうから手を繋ごうとしてくれたのが嬉しかった。
「暖かいですね。」
彼の手を握ったままそう返す。
彼は困惑したのか、私を見つめたまま動かなかった。
「貴方から握ろうとしてくれたの、嬉しかったで
す。だから謝らないで。これからまた挑戦していけばいいんですよ」
「また、ね」
彼はそう呟く。なんだか嬉しそうだった。
「そうだね。またあるよね。」
「そうですよ。年中無休24時間いつでもお待ちしております。」
「それは頼もしいや」
彼の温もりが手のひらから伝わる。あたたかい。冬だからこそ、より感じられる。
「また来年も手を握ってくれますか」
「もちろん。君が許す限りずっと。ずっとだよ。」
これ以上の言葉は要らなかった。
返事の代わりに強く握った。
そして彼は嬉しそうに微笑む。
私の唇が彼に奪われたのはそれから数秒後のことだった。
冬はまだはじまったばかり。
『冬になったら』
もうすぐ好きな季節がやってくる
みんなは寒くて苦手って言うけど
寒いのを口実にあなたにぎゅーすることができるんだもん
あっ、ハンドクリーム多めに出して
お裾分けって理由つけて手を触ることも出来るもんね
あなたにひっつくの、普段は恥ずかしくてできないの…
でも、この季節だけは大胆になれるの
ねぇ、ぎゅーしてもいい?
冬になったら
来い、白魔よ
生きる気概に濁り毒しか撒かない愚者に祝福を
まっしろな氷結の豪風
大気も木々も唸り咆哮する
温い松は弾けて裂ける
野生のものたちも一目散に逃げる
真っ直ぐに生きることへと走らぬものの命を攫う
どんな生き物にも容赦ない
人間なら猶予は2分間
みるみる体温は剥ぎ取られる
生きるをやめたいならここに居ろ
生きるなら疾く去れ
本能が鳴らす恐怖に耐えられるか
自然の圧倒の中の小さく儚い自分を直視できるか
「生きよう」と決意できるか
白魔のなかにくだらぬものの一つも無い
「いま」しか無い
冬はつとめて。
とにかく部屋を温めて
布団から出られたならその日はもう百点満点
お気に入りの紅茶葉を取り出して
ミルクティーにしたら手帳を開く
あと一ヶ月の付き合いになる手帳は
夏がスッカスカ (夏鬱だった)
コート、スカート、ニット、ブーツ
重厚感のある衣類は
夏物よりも少しお高くて
着るたびに背筋が伸びる気がする
彩度の落ちた空を見上げて
マスクを外して深呼吸
外はすっかり冬の匂いだと言うのに
まだ朝顔が咲いていて
灰色の空に鮮やかな赤紫がポツンと映えている
ああ、本当に世界中の気候が狂ってるんだと
しみじみ思う
これが2024冬の思い出
今年は何一つ叶わなかったから
これから年末に向けて帳尻合わせの如く
駆け抜けていくんだろう
まだ咲いていてくれてありがとう
もう少し頑張るよ
◼️冬になったら
私を離してくれないの。
あまりにも熱烈でね、いつも朝から困っているわ。
毎晩一緒に過ごしているのに。
でもそうやって甘えられちゃうと私も弱くて。
いけないとは分かっているんだけどね。
可哀想って思っちゃうの。
私がいなきゃダメなんだって。
だからやっぱり、離れられないの。
私って都合のいい女すぎるよね。
「え、待って。なんの話?」
「冬は恋しいよねって話」
「そうだよね、恋しいって話だよね。
布団が」
「うふふ」
「うふふじゃねえよ」
「冬になると布団が私を何度も引き止めるの」
「二度寝を繰り返すってこと?」
「世間ではそうとも言うかしら」
「そうとしか言わないね」
「もう毎朝よ。布団がね、私を離さないのは」
「いや逆だろ。アンタが布団から出られないんだよ。……ってもしかして、今日遅刻した理由って」
「……うふふ」
「うふふじゃねえよ!」
『冬になったら』
冬になったら
そろそろ寒くなってきたね…そう言いながら、きみは、私の手に絡めてきたね…きみの小さくて、柔らかい指は、少し冷たく、いつもみたいに、一緒にポケットに突っ込んだ…
きみの、その手を繋ぐ行為に、いつも、心が落ち着かない…毎年そうしているし、もう少しすると、もっと体をくっつけてくる…
私は、この気持が、いつか知られてしまいそうで、心が、落ち着かない…
もしも、この冬に、君への想いを、伝えたい…
冬になったら、温かいお召し物を着てくださいね。
手袋もつけて、首巻きも巻いて。
風邪などひかないでください。
いつだって健康に、しあわせに、生きていってください。
冬になったらこたつを出そう。
冷凍庫にアイスクリームを常備して、雪が降ったら二人で食べよう。
ちらちら落ちる雪を窓越しに見ながら、温かいこたつに入って少し高いアイスクリームを二人で食べる。
私はチョコ、あなたはバニラ。
一口ずつ交換して、クリスマスはどう過ごすか話をしよう。
どこかに出かけてもいいし、家でゆっくり過ごしてもいい。小さなクリスマスツリーを買ってきて、二人でオーナメントを飾ろう。
少しずつ、少しずつ。
二人でやることを増やしていって、殺風景だった家に共有のものを、無くしたくないものを増やしていこう。
そうして長い時間をかけて、ドラマチックでも何でもない人生を、かけがえのないものにしていこう。
そう言うと、「あぁ」とぶっきらぼうにあなたは答えた。
END
「冬になったら」
「やりたいこと」
冬になったらやりたいこと
なんかある?
炬燵で温まりながらみかんを食べる
恋人とイルミネーションデート
家族とクリスマスパーティー
うんうん
どれも素敵だね
私?
私は………
雪で遊んでみたいな。
テーマ:冬になったら
※創作
北海道に輝く雪のマーク。とうとう今年もこの季節がやってきた。明日の朝の記録的寒さを予報する画面を見上げていたら、ガラガラッと勢いよく入口の引き戸が開いた。一直線に俺の隣の席に駆け込んできた上下黒の体には、ピンクのラインが入った頭が乗っている。
「ピンクかよっ!」
思わず笑ってしまった。ワンシーズン続く戦いと、一般的な学生生活から離れることへの決意表明みたいなものだけど、今年はピンクか。
「似合うっしょ」
鼻にシワを寄せてクシャリと笑う顔には目立つホクロが3つ。なんか星座みたいで気に入ってる。調子に乗せそうだから言わねーけど。
「この世界でこれほどピンクが似合うのは、お前かフラミンゴくらいだな」
俺の憎まれ口にも、くくっと笑うマイカ。そうかそうか、ご機嫌か。
「おー、マイちゃん。カッコいい!」
物音を聞きつけたオヤジが奥から顔を出す。マイカは染めたばかりのピンクを指でつまみ、得意げに宙に舞わせた。ふぅ、とカラーリングの匂い。
「食ってく?」
「うんっ!味噌!」
「はいよー!腹一杯食ってけ!」
今は昼の休憩時間だけど、オヤジは快くマイカのために味噌ラーメンを作り始めた。雑談で盛り上がる2人。昔からこの2人はウマが合う。
「明日、出発前にまた来るよ。ママとパパも」
「おっけ。お待ちしてまーす!」
俺はさっき、醤油ラーメンと焼き餃子を食ったところだったけど、オヤジは俺にまた焼き餃子を出してきた。こんなことしなくたって俺はもう逃げねーよ、という文句は飲み込み、おとなしく箸を割る。
「いただきます」
マイカの前にも大きなラーメン丼が置かれる。まさかの大盛り。太らせたらまずいと焦った俺は、手を伸ばして子ども用の取り皿をゲットした。
「イェーイ。腹減ってたんだよね」
「えーっ」
ムウッと頬を膨らませるマイカを無視して、新しい箸を割る。大盛り分の麺をきれいに取り除いて、フフンと笑ってみせた。成長期の中学生男子ですから。こんくらい余裕です。
「オリンピックでメダル取ったらさ、マイちゃんのサイン飾るから。ここ。空けて待ってるから。頑張ってよ」
俺達がいるカウンターの真上を指さしてオヤジは笑った。前は冗談として笑えたけど、今は少しの緊張感を伴うオリンピックという単語。まあ、まだまだ全然なんだけど。でも、全く可能性がないってわけじゃない。そんな立ち位置。
「オリンピックかー!」
マイカは色紙1枚分ほど空けられた場所を見上げて照れくさそうに笑った。オリンピックより欲しいタイトルがあることも、マイカは結果を出すより今が楽しいだけなんだってことも、オヤジのような一般人にはなかなか分からないところなんだと思う。だけど素直に期待に応えようとするマイカは、やっぱりトップ選手にのし上がる素質がある。
「アキは、初戦決めた?」
麺をすすりながらだから、マイカの言葉は不明瞭だった。それを理由に聞こえないふりをしても良かったけど、俺は麺を飲み下してから地名を告げた。
「いいね!ファイティン!」
ファイティンってなんなんだ。フッと吹き出す。マイカと違って俺が出るのは国内のローカル大会みたいなもので、勝ったところで世界に繋がるわけでもなんでもない。だけど、昨シーズン1つも滑らなかった中学生の復帰戦なんか、どこだっていい。それに、俺は確実にワクワクしてる。ただ滑れるということに。
滑らなくなった理由を俺は誰にも言わなかった。整理がつかなくて俺自身にも正しく理解できない思いを、不用意に言葉にすることで決めつけたくなかったから。両親や、小さい頃から俺を連れ回してくれてたマイカのオヤジ、お世話になった大人の人達、それから仲間、先輩。いろんな言葉を貰った。俺が滑れるように、あるいは滑らない人生を選べるように。皆が気遣ってくれてた。ありがたかったけど、どれもが重くて苦しくて、受け止めきれずフラフラと逃げて漂ってた俺に、マイカはたった1言、
「冬になったら、きっと」
ってクシャリと笑った。昨シーズン、マイカが俺のことで掛けた言葉はそれだけ。実際には冬が過ぎて春が来て、夏が来ちゃったんだけど。冬に向けた準備が始まる夏、俺はまた動き出した。なんでなのか、やっぱり上手く言えないんだけど。
マイカは何も聞かなかった。ただ一緒にトレーニングに励み、いつもいつも冬の話をしていた。
「冬になったら」
マイカの口から何度聞いただろう。その言葉に支えられて俺は今日までやってこれた。
冬になったら、輝く雪の上を颯爽と滑るマイカが見れる。俺はその姿を目に焼き付けながら、あの硬い雪にエッジを立てるんだ。そして、鳥肌が立つほど高く、青い空に向かって飛ぶんだ。
「……なに?」
ふふふ、と声を上げた俺をマイカが不思議そうに見た。
「内緒」
ごまかしたら、マイカはまたムッと膨れた。
「気になるっての!なに、教えて」
珍しく食い下がるマイカに、俺はクシャリと笑って答えた。
「冬になったら、な」
《冬になったら》
冬になったら
しんと冷えだすと
見上げる
澄んだ星躔
感情の瞬きが
染み込む
あらわになる
温度は
いかほどか
【冬になったら】
冬眠してみたいな
冬の間中眠ったら
新しい自分になれるんじゃないだろうか
冬になったら、今年は何をするだろう。
慎ましく勉強か、はたまたデートか。なんて、適当に考えたら冬を越してしまう。白いマフラーで包まれた私を、そいつは鋭い刃のような目でみてきて目が合うたび私を離さない。たまに当たってしまう肩が冬になると、よりお互いを意識させる。これをなんていうのだろうか。それは、ただの妄想に過ぎない。
「ドラゴンは冬眠するんですか?」
ドラゴンと人間のハーフである彼に訊いてみた。
「しねえな…まず冬眠するような寒い地域には住んでねえし」
「それもそうですね」
寒空を見上げる。
もしドラゴンの鱗に雪が落ちる季節がやってくるとしたら、彼らはどうするのだろうか。丸くなって家族の身体を温め合うのだろうか。
冬になったら
家の住人も私もは暖房器具を良しとしないので
家でもコートを着る時期が来る。
こーとを着たまま調理をする。
息が白いまま、凍えながら料理をする
食事が終わってもコートはそのままだ
後片付けをしたあとはすぐにジャージに着替えて
ランニングに行く
一杯走って
二時間ほど走って
体が温まったら家に帰ってお風呂を掃除して
風呂に入る
一番風呂ならすぐに出る。
2番目風呂でもすぐに出る
一番最後ならお湯はぬるいからなかなかでれない
寒さを実感したら冬だがすぐさま
春が恋しくなる
冬もおしゃれは出来ない
とにかく寒いから、走りに行く
冬が来たら
春を探しに 走りに行く
作品No.231【2024/11/17 テーマ:冬になったら】
冬になったら
もこもこパジャマ着たいし
もこもこ靴下履きたいし
布団にくるまって
ごろんごろんしたい
冬の方が 多分まだ平気
冬が訪れると来年が来る
その為に私はこの1年起こった出来事とお別れをする
「今までありがとう色んな困難を乗り越えてくれて」
自分の髪の毛に感謝を伝えて
伸ばしきった髪の毛と別れを告げる
「来年もよろしく」と私は共に歩む
お互いの関係を深く築きあげるために
君の作る温かいココアを飲める日が来るのが待ち遠しい。
手を擦らせながら、
ほっと一息。
みかんの皮を剥いてたら、
なんだか眠くなって。
いやいや、洗い物がまだ残ってるんだった。
お気に入りのハンドクリームを塗りなおし、
いろいろ準備が終わったら、
干したてのお布団にまるまって、
アニメの続きを観たいけど、
ぽかぽか毛布に誘われて、
気がついたら夢の中。
冬になったら