『冬になったら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あなたと付き合った。
告白した時緊張で声が震えた。
下を向いたまま前を見れない私に、あなたの優しい声が届いた。
優しい声で残酷な言葉を…あなたは言った。
視界が滲んだ。
コンクリートで固められた地面が、少しだけ色を濃くした。
あなたはそれを見ているのか知らないけれど、そのまま優しい声で続けた。
それは、ひどく甘美な誘いで、やっぱり残酷だった。
あなたはこんなのにも残酷なのに、それでも私はあなたが好きだ。
だから、この甘美な誘いに乗ることにした。
あなたと過ごす日々はかけがえのない時間となった。
あなたがいる日々は何時もより眩しくて明るい世界が広がっていた。
デート終わりは淋しくて、一人で家で泣いたり、その後いずれこんなこともなくなると落ち込んだりした。
その時間は幸せがゆえに未来を考えるとひどく辛くなった。
冬なんて来なければいい。
冬が来ればこの幸せな時間は失われてしまう。
それでも、冬は来る。私がどれだけ来ないように祈っても。
だってあなたはあの時、ひどく優しい、冬のような寒さなどみじんもない声でこう言った。
「今だけ付き合ったげる。でも、冬になったら恋人ごっこはおしまいね。」
『冬になったら』
冬になったら、雪が降るといいのにな。
お砂糖みたいな真っ白い粉雪が
ちょっぴりだけ降ったら
退屈な私の町だって、
ケーキのように、かわいくなれるかもしれないから。
冬になったら、北風が吹くといいのにな。
いたずら小僧みたいな北風が
並んで歩く私たちを、一撫でしたら
「見てるこっちが寒いから」って言い訳しながら、
彼に私のマフラーを巻いてあげることが、
できるかもしれないから。
〚冬になったら〛
服も、もう少し暖かくしなきゃね。
僕の今着てる服が夏服だから彼に暖かくしないとだめだって言われたんだ。
だからそろそろ変えないと。
「冬になったら」
雪が音を吸い込んで、
世界が少し静かになる。
雪が色も吸い込んで、
世界が少し白くなる。
冬になったら
冬になったら なるべく
まずはストーブを使いたい
冬の寒さは 着込めば
防げる
夏は冷房を 使いすぎると思うから
冬はコートや膝掛け
布団の中とかとかで
しのぎたい
ね、みんな そうでしょ?
予報見て早寝早起き雪すかし袋にお湯でスコップ持参
【冬になったら】
冬になったら
冬になったら、雪が降る。
たくさんの雪で地面が埋もれる。
冬になったら、クリスマスが来る。
プレゼントが来る夜は中々眠れない。
冬になったら、新しい服を買う。
もふもふの、暖かい服。
私は、冬が好きだ。
冬になったら
こたつが楽しみだ。
冬しか使えない。
暖かく心地よい。
夏はもちろん、春や秋にも使えない。
毎年の楽しみだ。
冬になったらマフラーを巻こう。
ぐるぐるぐるぐる幾重にも首元に巻ける、とびきり暖かくて柔らかなマフラーを。
だからあたしは今、マフラーを編んでいる。
冬になったら愛犬に手編みの服を着せよう。
愛犬が気に入ってくれる、暖かくて脱ぎ着がしやすくてお散歩が楽しくなる手編みのセーターを。
だからあたしは今、カフェオレ色の愛犬に似合いの毛糸を選んでいる。
暖かい日が続いてるけど、寒い日が続いちゃったら、それはもう冬。
冬のはじまりに間に合わせるのは、
マフラーか愛犬のセーターか。
セーターに決まってる。
冬になったら、愛犬に似合いの手編みのセーターを着せてあげるね。
冬になったら
冬になったら私の誕生日が来る。クリスマスが来る。大晦日、お正月が来る。バレンタインが来る。冬はいろいろなイベントがある。とても楽しみだ。早く来て欲しい気持ちがあるが、もうすぐ今年が終わってしまうという寂しさがある。今年は時間の流れがとても早かった。早く終わって欲しくない時ほど早く時間は過ぎてしまう。何故だろう。
ぬくぬくの暖かい部屋で
アイスクリームを食べる
なんて幸せな冬なんだろう
………冬になったら
冬になったら
ズボン二枚履き
「うわめっちゃ寒い」
「寒い…寒い…」
この高校の暖房は廊下側の席には何の恩恵もない
そのため制服のズボンの他に一枚ズボンを履くのだが
「足が凍る…」
気分が悪い
鬱々とした気持ちで向かうは保健室
ぽか〜ポカポカ
保健室は異様に暖かく居心地がいい
湯たんぽをもらって50分温まる
授業をサボりに男子たちが集団でくる
気まずいのでそっと気付かれないように
隅の方に身を潜める
1時間しか保健室には滞在できないので
湯たんぽを借りて教室に戻る
ああ寒い私はあの環境では生きてはいけない
心地よい重さの湯たんぽは心の安定剤なのだ
冬になったら
冬になったらこの体は雪になり、辺りを白く染めるように積もっていき、私という存在はきっと春になったら解けていく。
日々家
冬になったら、暖かい肉まんが恋しくなる季節ね
寒いのに運動ばかりしていて、めんどくさいし、
暑くてしゃあないアルよ。
あの人の為とは思えば、良いのだろうけど、
マフィアやら、半グレ、内通者、裏切り者なんて
私の前では、ただの虫ケラと、同じアル。
四季とは良いものアル、でも、それを汚すバカは、
要らないのよ、綺麗な物には、穢らわしい物が、
寄ってくるとは、嫌なものなんだけども、
平然と、ヤろうとしてくる神経が分からんアルよ
何でもかんでも、OKじゃないからな?
変態も居たもんやなぁ?
分からへんけど、それちまったな、
語尾のアルどこいったって?
癖なんだから、変化も出来るんだよね~。
"君らは、穢らわしい存在ですか?"
ただ、心に忘れないで欲しい、
嬉しかった記憶を、何でも消去はいけんよ。
忘却こそ、最も悲しく疎い物である。
冬になったら
こたつを出して
あたたまりながら
みかんを食べて
そのまま寝る
冬にしかできないこと
冬になったら
冬になったら、次は、春。
その次は、夏。
そして、秋になる。
時間は、待ってくれるようで
待ってはくれない様だね。
年を、歳を、
取りたくないのだ。
それでも、自分は
進むしかない。
冬になったら
また逢おうね。
冬になったら
何しよう
こたつに入って
みかんを食べたい
アニメを全部
一気見したい
クリスマスプレゼントは
マフラーを送りたい
冬の名曲
カラオケで歌いたい
おせちは
入れたいのだけ入れたい
雪を集めて
雪兎を作りたい
今年こそ
新年のイベントに行きたい
神社に溢れる
笑顔の人達
家族だったり
友達だったり
皆、楽しそうだ
お正月の願い事、決めた!
あの中の、
笑っている人の一人になれますように
冬になったら
キラキラした張りつめた空気を
沢山吸い込んで
身体をリセットしよ
そう
私は冬女☃❄
冬になったら寒くなる。それは当然のこと。雪が降るのも同じ。
風が冷たくなっていく。。涼しさから寒さへと変わりゆく。
全ての自然は眠りに着く。春の目覚めの時を待ち焦がれながら。
葉は枯れ葉となり、風に吹かれ散りゆく。どこへ向かうかは分からない。
地面に落ちていくのか。遠くの地へと吹かれゆくのか。それすらも分からない。
雪は降り積もりゆく。現の地か心の地か、どちらでもあり、どちらでも有る。
温もりは冷めてゆく。秋の時にあった温もりは、冬に閉ざされ、眠りと共に冷めていく。
それでも人は営みを続けていく。地面が雪で凍っても。
それでも人は生活していく。地面が雪で凍らなくても。
冬になったら、どんな物語が眠るのか。
冬になったらどんな物語が目覚めるのか。
それは誰にも分からない。その誰かが訪れない限り。
それは誰にも分からない。全ての観測者たちですらーー。
ーー冬は閉ざす。冷たい銀世界を静かに覆うようにして。
冬は閉ざす。眠りゆく自然を見守るようにーー。
ぺら…‥ぺら…‥ぺら。‥すんっ、ふぅー。
灰色で、静かなバス停。彼女の呼吸音だけを聴きたい。
「はぁーっ」 目の前が白くぼやける。
「ね、手止まってる」
いつまにか目線が僕に向いている。
「ごめん」
同じ大学に行こうと言った。今年の8月のこと
ぺら……‥ぺら……
彼女の手が、また単語帳を捲る。
パラララッ…
落書きだらけのノートを開く。
「冬になったら、ラストスパートだね」
返事はしない。
約束なんてしなければよかった。