いす゛み

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 ぺら…‥ぺら…‥ぺら。‥すんっ、ふぅー。
 灰色で、静かなバス停。彼女の呼吸音だけを聴きたい。
「はぁーっ」 目の前が白くぼやける。
「ね、手止まってる」
 いつまにか目線が僕に向いている。
「ごめん」
同じ大学に行こうと言った。今年の8月のこと
 ぺら……‥ぺら……
彼女の手が、また単語帳を捲る。
 パラララッ…
落書きだらけのノートを開く。
「冬になったら、ラストスパートだね」
返事はしない。
 約束なんてしなければよかった。

11/17/2024, 10:31:05 AM