いす゛み

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11/22/2024, 10:23:27 AM

 出来立て味噌汁。いつもより上手にできたよ
「ん、美味しい」
 エプロン、気が付いてくれるかな?
「それ、新しく買ったの?。可愛いね」
 ありがとう。はい、お弁当
「わぁ、いつもありがとう」

食べ終わったら、玄関まで一緒に。

「お仕事、頑張ってね。行ってらっしゃい」
「行ってきます。家事はよろしくね、あなた」

僕たちの、何気ない日常

11/21/2024, 10:50:25 AM

 ……雀の鳴き声。暖かい毛布に、上手く開かない瞼。
 いつもと変わらない朝、そう、変わらない毎日のスタート。
 期末テスト当日でなかったら、いつも通りの幸福な1日になっただろう。

………あれ?

聴き馴染みのない主婦の声。

私は慌ててスマホを開く。

11/18/2024, 10:14:06 AM

悲しいね。寂しいね。楽しかったよ。
あれ、嬉しかったよ。格好よかったよ。

辛い言葉は進行形で語りかけられ
幸福な言葉は過去形で語りかけられる。

新たな思い出とは、もう出会わない
「バイバイ、お爺ちゃん」
覗き窓が静かに閉まる

11/17/2024, 10:31:05 AM

 ぺら…‥ぺら…‥ぺら。‥すんっ、ふぅー。
 灰色で、静かなバス停。彼女の呼吸音だけを聴きたい。
「はぁーっ」 目の前が白くぼやける。
「ね、手止まってる」
 いつまにか目線が僕に向いている。
「ごめん」
同じ大学に行こうと言った。今年の8月のこと
 ぺら……‥ぺら……
彼女の手が、また単語帳を捲る。
 パラララッ…
落書きだらけのノートを開く。
「冬になったら、ラストスパートだね」
返事はしない。
 約束なんてしなければよかった。

11/16/2024, 11:05:25 AM

「たーくん、バナナあるよ、食べる?」
「……」
 彼はぶっきらぼうに一房の内の1本を指差した。
 やっぱり怒ってるのかな?でも、そんな姿も今や癒しだ。
「あ、知ってる?こっちの黒いのの方が……」
 選ばれた物とは別の物を手に取って見せる。
「ねぇ、パパは?」
「……」
 シミだらけでくすんだ頬を撫でる。
「黒いのの方が…甘くて美味しいんだよ‥」

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