『優しくしないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「優しくしないで」
傷付けないための優しさは
真綿の足枷
柔らかくてその気になったら何時でも外せる
それを分かってて
外せないのを分かってて
枷が私を沼の底に引きずり込む
どんどん重くなる
色んなものを取り込んで沈んでいく
『優しくしないで』
親友がいなくなった。
色んな事を溜め込んで、
風船みたいに破裂したんだ。
私は、気付けなかった。
相談してくれていたら、
力になれたはずなのに。
親友ことを嫌いになった。
私を独りぼっちにしたから。
帰り道で親友の遺書を読んだ。
雨は私の声をかき消すほど、
一緒に泣いてくれている。
【優しくしないで】#2
私はきっと、誰から見ても幸せな人生を送ることができていると思う。
優しい両親に恵まれ、たくさんの経験をさせて貰えた。
両親にはとても感謝している。
でも、優しくされればされるほど。
いろんな経験をすればするほど。
生きにくくなっていくように感じた。
両親に返さなければいけない。
この恩を結果で返さなければいけない。
そんなふうに思うようになってしまった。
両親はそんなこと望んでいないかもしれない。
それでも、両親の期待に応えなければならない。
いつしかそんな重荷を背負っていた。
勝手に背負って、勝手に耐えられなくなっている。
なんとも滑稽なものだ。
今でも私は、本当に進みたい道を両親に言い出せずにいる。
ただ臆病なだけだということはわかっているが、重い荷物が邪魔をして上手く言い出せない。
こんな気持ちを抱えて、苦しくてたまらなくなるくらいなら…。
もうこれ以上、優しくしないで。
優しくしないで
わたしはあなたがきらい。
その顔も仕草も態度も声も何もかもがきらい。
あなたはわたしを好いていると言うけれど、あなたの好きは重さのないものなんでしょう。
あなたの好きと、私の好きでは重さが違うのよ。
聖人だなんだと言われるあなたには、きっと理解ができないわ。俗物のわたしの言葉なんて、きっと。
分かったのなら、早くわたしの前から立ち去って。慰めなんていらないの。涙を拭ってほしくもないの。抱きしめてほしくも、ないのよ。
わたしはあなたがきらいなんだもの。
《優しくしないで》
彼は優しい。
泣いてる子供から困っているお年寄りまで、老若男女問わず誰にでも優しい。
その優しさは多くの人に向けられているもの。
決して特定の誰かのために向けられたものではない。
「はい、これ」
「何?」
「週末法事に行ったから、お土産」
笑顔で渡された包みを開けると、前にネットでバズってたお菓子が出て来た。
通販はやっていなくて、そのお店でしか買えないもの。
近くにその店の支店はなく、買いに行くにも少し遠くて諦めてたのに。
「なんで……」
「こないだ食べたいって言ってたでしょ。ちょうど斎場から近かったから」
だからと言って、わざわざ買ってくるか?
……買ってくるな、この人なら。
それが単なる友達でしかない相手のためであっても。
いや、それとも、その程度の苦労は厭わない程度には親しい友達という認識なのかもしれない。
嬉しいけど、嬉しくない。
だって彼のその親切はわたしだけに向けられるものじゃない。
周囲にいる人、みんなに向けられるのと同じもの。
彼の「特別」になりたいと願うわたしにはそんな平等な優しさは少しだけ痛い。
みんなと同じ優しさを向けられるくらいなら、わたしだけ意地悪されたい。
別にマゾなわけじゃない。
ただ「みんなと同じ」なのが辛いだけで。
「あれ? 嬉しくなかった?」
「ううん、嬉しいよ。ありがとう」
「その割にはあまり嬉しそうじゃないよね」
「そんなことないよ」
「そんなことあるって」
ちゃんと笑顔でお礼も言ったのに、彼は全然信じてくれずに思案顔。
心配そうに覗き込まれて途端に鼓動が騒ぎ出す。
「もしかして体調悪い?」
「そんなことないってば」
「だってなんか顔が強張ってるし、顔も少し赤いし。熱でもある?」
「ないよ! ほんとに平気!」
そんなに心配してくれなくていい。
些細な変化になんか気づかずにいてくれていい。
だって、そんな風に優しくされたら、誤解して自惚れちゃいそうで。
きっと他の子にも同じようなことしてるんだろう。
よく知らない子なら、自分に気があるんじゃないかって誤解しちゃうよ。
脈があるって勘違いしちゃうよ。
いっそわたしも勘違いして自惚れられたら良かったのに。
でも、彼の為人をよく知ってるわたしは、そんなおめでたい勘違いはできない。
何度も期待しかけては他の人にも同じように優しいのを見て思い知らされてきたから。
だから、もうやめて。
わたしに優しくしないで。
期待させるくらいなら、冷たく切り捨ててくれた方が、きっとよほど優しい。
「伝わらないな」
「何が?」
「まあ、長期戦は覚悟の上だし、気長にいくよ」
優しい優しいその眼差しに、他とは違う甘さが滲んでいたことをわたしが知るのは、もう少し後のお話。
お題「優しくしないで」
この前泣いたのはいつだろうか
小さい頃はよく
泣いたり
笑ったり
していた
気がする
大きくなるたびに上手く
泣いたり
笑ったり
出来なくなった
気がする
僕はここに居るけど
僕を見ないでください
僕は壁の染みだから
僕に尋ねないでください
僕はただ眺めているだけ
僕はただ聴いているだけ
心が鍵をかけたのは
いつだろう
他人の言葉を借りないと
声が出せないから
自分の言葉はひっそりと
誰にも見つからないよう
鍵付きのドアの向こうに
投げ入れる
君の気まぐれな手が
壁の染みにコツン
コツン
当たる
否
叩く
錆だらけの鍵穴は
まだ生きているだろうか
優しくしないで
そんなに見つめないで
そんなに語りかけないで
そんなに…
だって勘違いしそう…
貴女に…
ぬくもりに噛みついた
それはあまりに突然で
期待もしていなかった
ただなにか
くすぐったかった
どうやらそれが
優しさだと知ったのは
しばらくしてからのことだった
今日もぬくもりにキスをする
お腹を撫でてもらうため
あれと過ごす日々は楽しくて
あれと過ごす日々は辛くて
あれと過ごす日々は悲しくて
あれと過ごす日々は明るくて
あれは僕にとっての光であって闇だ
追いかける恋が好き
追いかけられる恋は嫌い
だから、一生貴方を追いかけさせて
私に優しくなんかしないでね
憧れの貴方を
貴方に消されたくないの
【優しくしないで】
優しくされると泣きそうになる
うちが普段してることは
よく 優しい で言いくるめられて
クラスだと 誰にも優しい人 で認知されてる
みんなに優しすぎるとか
怒んないよねとか
無償の優しさを与えてくれる
とも言われた
全部公的の場に値するためだけのヤサシイなんだけど
うちは別に優しい人で在りたい訳じゃない
ただそんなキャラクターとして見られてるから
その中でしか生きられないだけ
だからふとした時に急に優しくしてくれる人とか
さりげなく無理するな って言ってくれる人がいると
困る
みんな 優しいよね って言って
それ以上介入してこないから
優しい人はいつも傷つく側 って聞いたことある?
ホントだよそれ けど
優しい って言い訳言ってるだけで
本当は自己主張が弱すぎなだけ
あとは空気になりすぎてるだけ
優しいなんて誰にも通用する
優しくない人間なんているわけないさ
逆に、
優しさ以上の見返りを求めない人間も居ないと思う。
_ ₄₃
【優しくしないで】
優しくしないで、なんて言えるわけがない。
策士の人や、下心だったりで優しくする人は大勢いる。
けれど、彼らがそうでない事は自分が一番わかっていた。
友人としての純粋な心配とかでそうしてくれるのを知っている。だからこそ、そんな言葉言えない。
だから俺は、
心配されるのは好きじゃないだったり、
大丈夫と言い聞かせる様に繰り返したりして、
そうやって見えない壁をつくっていた。
彼らのことが嫌いなわけでも、信頼してないわけでもない。
ただ俺自身が、自分を嫌いだから優しくされると、
その優しさがひどく辛く感じてしまう。
優しくする価値なんて自分にはない。
そう言えば、彼らは怒るだろう。
しかしそんな事言えない俺は今日も、大丈夫の言葉と
笑顔の下に優しくしないでの気持ちを隠すのだ。
優しくしないで
その子は泣いていました。部屋の隅っこでうずくまるように体を小さく丸めて、泣いていました。
ぐすぐすと鼻を鳴らす音が時折聞こえてきて、丸まった体は少し震えていました。
その子の横に腰掛け、声をかけるわけでも、慰めるわけでも、ましてや抱きしめるわけでもなく、ただただずっと隣で座っていました。
その子が昔してくれたように、ただ泣き止むのを待っていたのです。
その子ほど優しい子は見たことがありませんでした。困っている人がいたら、すぐに手を差しのべて、助けを求めたら真っ先に来てくれるようなそんな優しい人でした。
でも、その優しさがその子の強さであり、弱さでもあったのです。優しすぎるがゆえに騙されたり、傷ついたりすることもあったのです。
溜まりに溜まったそれに、体が、心がたえられないと叫び、ついには涙となって溢れ出たのです。
いまだにすすり泣く声が隣から聞こえてきて、ひとりごとのように呟きました。
「もういいよ。優しくしないで、いいよ。優しくなくたって、私は大好きだよ」
返事なんていりませんでした。だってひとりごとなのですから。
少しだけ寄ってきた肩に触れあうように自身の肩を寄せ、じんわりとしたわずかな熱を分け合いました。
勘違いすんなっていうなら
最初から優しくしないでよ
どうしてくれるの、こんなに
、、好きになっちゃったじゃん。
君には知られたくない。私は言わないよ。
辛くなるだけだもん。
それがわかるから。
だけど今日も私は、、
君に会いに行ってしまう___。
「優しくしないで」
その嵐は突然訪れた。
クラスでも目立たなかったあいつが、まさかこんなことをするなんて。ギラリとした光、悲鳴、血飛沫。あまりにも鮮やかなその手口は、皆の言葉をなくし身動きすら取れなくさせるには十分すぎた。
教室に満ち満ちた阿鼻叫喚は、たちまち静寂が取って代わった。うめき声の主は、たちまちのうちにあいつが処理していったのだ。次は私、間違いない。もう誰も立っていないもの。
観念したのも束の間、あいつはその手を止めて、あまりの恐怖に腰を抜かしてしまった私を支え起こして椅子に座らせてくれた。そう言えば、落とした消しゴムを拾ってあげたことがあったっけ。何故か思い出された些細な記憶。
制服に着いた床の埃を払い落としてくれた。時々、私のほうをじっと観ていた気がする。目が合うとすぐに逸されていたけど。
振り乱した髪を綺麗に梳かしてくれた。以前誰かが、あいつは私のことが気になっていると言っていた。特別モテたこともない私が、そんな、まさかね。
涙でぐちゃぐちゃになった顔を清潔な布でぬぐってくれた。その手付きは大切なものを触るかのようにひたすら丁寧で、心地よさすら感じるほどだった。
黒板に私の似顔絵と数々の薔薇の絵と今日の日付を描いてくれた。あまりの事に忘れていたけど、今日は私の誕生日だった。クラスでは言ってなかったと思うので、誰からも祝われたことはないのだけど。
薔薇色の絨毯と壁紙に包まれた教室で、あいつは素敵な笑顔で「お誕生日おめでとう」と言ってくれた。「今日はお祝いだよ、最後にプレゼントが待っているからね」いったい何の話をしているか分からないけど、そんなこと誰からも言われたことないや。でもプレゼントってなんだろう。
はたと気づいた私が最後に口にした言葉は。
お願い、優しくしないで
優しくしないで
優しくしないで、見とれちゃうから。
優しくしないで、自分の周りには、あなたのことを好きでたまらない人
ばかりなのに、なのになぜ私を選ぶの?
もっと自分を大事にしてよ。
優しくしないで、チラチラ見ちゃうの。
優しくしないで、胸が高まる。
優しくしないで、好きになるから。
死ぬまで、愛してあげるから。
もう、優しくしないで。
今日も君は、その眩しい笑顔を向ける。
そして言うんだ。
「一緒に帰ろう?」
その一言が、どれほど嬉しいのだろう。
また君が愛おしくなる。
だけど、
だけどこの恋が叶うことは無いと知っている。
君は別の人が好きなんだ。
「どうしたの?」
ああ、まただ。
また俺は君を好きになる。
『優しくしないで』
[優しくしないで]
優しくしないで。私はそんなことされるような存在じゃない。
貴方はそんなことないって言うけれど。
その優しさが私に降りかけられる度に、私の心が柔らかくなって、吐き続けてきた呪詛が弱くなっていくの。
呪いを吐くことが辛くなってきてしまうの。
それは、すごく困るから。
私に優しくしないで。
優しくしないで…
それを言うのは簡単かもしれない
でも、言われた側はどうだろう
その一言で
どうすればいいかワカラナクナル
かもしれない
優しくしないで
9日目ー
わがままに振る舞うこと。
その時の感情だけで動いたり、話したりしない。
昨日を信じなくてもいい。
確実に日々がつながっていくことがわかるようになる。