『何気ないふり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
日常の片隅でちらりと痛むこの胸、不安や恐怖が一気に襲ってくる。しかし誰にもそれを悟らせるわけにはいかない。だから今日も何気ないふりをする
何気ないふりをして連絡してきてさ
こっちの様子伺ってきてさ
何考えてんの?
SNSに、今カノの写真載っけてさ
別れたからって
今さらなに?
私の人権無視じゃん
無神経な奴
無視してやりたい
だけど嬉しくて返信する
こっちも何気ないふりしてさ
大好きなんだよ。まだ。
またどっか行っちゃうんでしょ。どうせ。
辛いよ、こんなの。
心のやわらかいところに
毒を纏った
一輪の花を
誰かを傷つけるのではなく
大切な自分の心を守るため
気持ちを隠す術なのです
『何気ないフリ』
'' 痛くないよう棘は抜いてね
「もしかして、帰りたい?」
気の進まない飲み会でそう声をかけられた時、咄嗟に首を横に振ったけれど、具合が悪そうだからなんて言って先に帰してくれた。それが最初だった。
あなたはよくよく気のつく人だった。
疲れていたり、怒っていたり、我慢していたり、隠そうとしても気遣ってくれる。
言いたいことがあるのを黙っていると、さりげなく促してくれる。
夕食のあとにデカフェのコーヒーを一杯飲むのが、このところのあなたの習慣だった。
私が持ってきたコーヒーカップを、タブレットに視線を向けたままあなたは飲んだ。
私は、いつも通りできていたろうか?
それとも、青褪めて、手は震えていたろうか?
あなたが私のことを見なくなって、何も気がつかなくなったから、自分では分からない。
喉元を押さえ、苦しげにして、驚いた顔であなたは私の方を見た。
見開かれた目に、ずいぶん久しぶりに私の顔が鮮明に映し出されている気がした。
その顔は、
#何気ないふり
「おはよう」
「こんにちは」
「こんばんは」
「久しぶり」
「元気?」
こんな言葉を発するのに人はどのくらい頭を使うのだろう?
何も考えずに?何も意識せずに?目が合ったから?友達だから?話したことある人だから?
私には無理だ。何気ないように見せようとしながら、頭の中では、今言うべき?相手はこっちに気づいているかな?迷惑じゃないかな?馴れ馴れしいかな?どう思われるかな?なんて考え続ける。言葉を発したとしてもどう思われたかが頭から離れない。
……多分、外から見れば何も意識してないように見えてる
【なんにも悩みとかなさそうだよね!いいなぁ羨ましいわ。】
ってなにを思ってそう言うのかな。
何気ないふりしていつも過ごしているけど、本当はすごい悩みを抱えて生きてる人もいるよね。
それはどんな人もそうで、
笑ってるからって楽しいことばかりじゃないよ。
見えてないだけ、
隠してるかもしれない、
裏で頑張っているかも、
見えてないところで、
本当は泣いてるかもしれない。
『無神経な人いるよねっ』
「え、」
『人それぞれ何考えてるかなんてわからないのにね』
「う、うん、、(私顔に出てたかな)」
『仕事終わりでしょ?飲み行こっ!ストレスぶちまけよーぜっ』
「う、うん!」
意地悪そうににっこり笑う君に私も笑い返した。
私は少なくとも君にはかなり救われて、恋してるんだ。
何気ない日常に何気ないふりで生きて、その中に幸せを見つけて、
それぞれの幸せがあって、
それでいいよね。
「ありがとう」
『ん?おうっ』
焼き鳥うまいとこあるんだよーって言う君と会社を出た。
心臓バクバク
胃はキリキリ
吐き気を抑えて
無表情
何気ないふりして、知っている
君は静かに泣くのが上手だ
虚しくなるよ、僕だって
でも、辛いのは君さ
ずっと言い聞かせてる事だ
悲惨な事件だった
それに立ち会った君と
大切な人を失った僕
君は決して、悪くない
何かを失った者同士じゃないか
同じ境遇の人とは、心が開きやすいよ
「何気ないふり」
うまいよね
あっという間に夢中にさせて
何気ないふり
遂に放課後になった。僕は彼女に告白するんだ。校舎裏へ呼び出し、桜の木の下で告白する。緊張するな。大丈夫かな。そんな事を考えていると、彼女がやって来た。
『確かここへ来て欲しいって書いてたな」
僕は胸が高鳴り、彼女へ話しかけた。
「や、やあ〇〇ちゃん。実はあの手紙は僕が書いたんだ。突然だけど、僕と付き合って下さい!」
彼女は答えた。
『ごめんね。私彼氏がいるの』
僕は今にも泣きそうな声を押し殺し、こう言った。
「そっか、だよね。ごめんね付き合わせちゃって」
彼女は
『こっちこそごめんね」
の一言を言い去って行った。
そうだよね。こんな僕が、〇〇ちゃんと釣り合う訳ないよね。そう自分に言い聞かせ、大粒の涙をこぼしながら帰路へと向かった。
その翌日、僕は学校で彼女と出会った。その時から、僕には何気ないふりをするしかなくなった。
あいもやでー
消しゴムを落としてみる。
何気なく君が拾ってくれることを期待して。
「なんか眠たいな〜」
「ちょ、」
きみは純粋で照れ屋だから、こうやって身体を寄せたら耳が真っ赤になる。
でもとっても優しいから、私の身体を押し返したりせずに受け止めてくれる。
(…………でもなぁ)
私が何気ないふりをして接近する理由、気づいてはくれないんだよなあ。
下手くそだった。
何気ないふり。
もっと上手かったら、
違う今があったかもしれない。
同じ今を過ごしていたかもしれない。
#何気ないふり
テーマ(すんません忘れました。)
友達が最近髪を切った。とても似合っている。まぁ俺が言うこともないだろう。
友達が最近筆入れを変えた。可愛らしい。だが俺が伝えなくてもいいだろう。
友達が最近シャンプー、リンスを変えた。俺の好きな香りだ。まぁ言わなくともいいだろう。
最近友達の様子が変わった。ずっとこちらをチラチラ見ている。
まぁ気づかないふりをしておこう。
マグカップの絵柄を見る振りをして、毒を盛った。
おまえは、それに気付かずに飲み干す。オレは、内心で笑う。
「それで?」
「は?」
「今更、惚れ薬なんて意味ねーぞ。とっくにおまえのことが好きなんだからよ」
「な……そんな……ばかなこと…………」
ニヤニヤすんな! オレの思惑を見透かすな!
「犯人は、おまえだ」
「うるせー!」
オレは、いわゆる逆ギレをした。
おまえは、いつもいつも、オレのことを分かり過ぎだろ!
何気ないふり
春。
君との時間は
あとどのくらい残ってるのだろう。
終わりが近づくにつれ,
君の何気ないふりがこんなにも愛おしい。
このまま君とー
朝起きてご飯を食べて、学校に行って勉強して、昼ご飯を食べて友達と話して、掃除をして部活をして、家に帰ってご飯を食べて眠る。そんな何気ない日常を毎日送っているのに何故か何かが足りないのは何故?貴女一人居なくなったところで生活に支障は出ていないはずなのに何故私は貴女を求めてしまうのだろう。
、、、ねぇ聞いてる?、、、ごめん、聞いてるよ、、、そんな会話をして友達に笑いかける。バレないように続けなくては、何気ない日常を送っているフリを。
続けなくては、何気ないふりを。
何気ないふり
彼女は、何かあったはず
何にもなかったように振る舞う
それがすごく僕の心に刺さった
助けられたらいいのに
役立たずだ
本当に僕は、無力だ
食べ物の話になると、あたしはいつも緊張する。
もしかすると
あなたの好きな食べ物が聞けるんじゃないかって。
ペットの話になると、あたしはいつも緊張する。
もしかすると
あなたの飼いたいペットが聞けるんじゃないかって。
家族の話でも
将来の話でも
かわいい女の子の話でも
あなたの話が聞きたくて仕方ない。
だから、何気ないふりで言う
「みんなはどう?」って
#何気ないふり
私に感情はあるのかと毎日考える。
好きな人が浮気をしていても何気ないふり。
友達がいじめをしていても何気ないふり。
家族が倒れて死んじゃっても何気ないふり。
結局なにがどうであっても私に取っては他人事で、私にはなにも響やしない。
そんなつまらない毎日を迎えていてもまた、何気ないふりをする私は本当にロボットみたいだ。