『何もいらない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
何もいらない
シロくんは優しい。
一緒にいるとお姫様になったんじゃないかって
思うくらい甘やかされている自信がある。
過去にこんなに優しくされたことがなかったから
初めは戸惑うこともあったくらいだ。
さりげなく車道側歩いてくれたり
飲みでもご飯でもリサーチ完璧だし、
とにかくこっちが気づく前に色々気がついて
サラリと自然に助けてくれるのだ。
「シロくんって優しいよね。」
ある日。
職場の仲間で飲んだ帰りに送ってくれるという彼に
酔いに任せて聞いてみた。
「え、俺すか?普通ですよ笑」
「いやいや。こんな優しい人会ったことないよ」
「ほんと?やった!」
「あはは笑」
「今度はちゃんと私がリードしていい飲み屋探さなきゃな!!」
「…」
「え?どしたの?」
シロくんが私の手を取っていた。
ドキッとして彼を見ると、彼は真剣な顔で
「俺は、杏さんになんかして欲しいって思ったこと何も無いよ。」
「あ、、そっか、ごめん、見当違いのこと言ってたかな?」
「そうじゃなくて、その、何にもいらないからさ」
真っ直ぐな瞳に撃ち抜かれそうになる。
ドキドキしながら続きを待つと彼は続けた。
「俺を好きになって。」
「何もいらない」
大切なものも居場所も全て奪われて
ボクの大切な宇宙を維持すべく!!!
私はずっとひとりぼっち
ボクは彼らに時を捧げた!!!
寂しく重い思いを抱きしめて
なんとか原因は突き止められたが!!!
私は冷たい闇に体を潜める
場所がわからないぞ!!!どこへ行ったんだい?!!
私はもう奪われたくないの
キミを適切に管理しないのはあまりにも危険だ!!!
ただ私は
ただボクは
私のための、美しい世界で暮らしたいだけ
第217宇宙に暮らす彼らを、星々を守りたいんだ!!!
それ以外は何もいらない
それだけが望みなのさ!!!
ただ、ただそれだけでいいの
あ、でも桜餅がいっぱいあればもっと嬉しいね!!!
そのためなら私はなんだってするわ
宇宙のためにも、キミのためにも!!!
宇宙を破滅に導くことさえも
とにかく早く出て来てくれたまえ!!!
「おお、成功だ」
目の前の描かれた魔法陣が妖しく輝く。
昨日の晩から寝ずに作り上げたものだが、成功してよかった。
失敗などしようものなら、ベットで寝込むところだった。
徹夜して眠いからね。
そんなことを考えている間にも、魔法陣の光がどんどん強くなっていく。
目が開けてられないほど強くなり、思わず目をつぶる。
そして光が収まった後目を開けると、魔法陣の上に一人の男が立っていた。
その男は男の自分から見ても見問えるほどの美形であった。
文字通り、人間離れした美しさだ。
だが、姿かたちこそ人間だったが、頭に生えている角がその男を人間でないことを表していた。
「問おう、我を呼んだのは貴様か」
目の前にいる悪魔は、低い声で自分に問いかけてきた。
「そうだ」
俺は少しビビりながらも頷く。
ぎこちなかったと思うが、悪魔は満足したらしく話を続ける。
「よかろう。
では貴様の願いを叶えてやる。
だが、その代わり貴様の魂をもらう。
言え、何を望む!」
悪魔は仰々しく宣言する。
ここまでは予想通り。
あとは、前もって決めていた言葉を言うだけだ。
深呼吸して決意を固める。
「何もいらない」
「いいだどう。貴様の願いを叶えて――待て。
貴様何と言った?」
「何もいらないって言った」
悪魔は信じられない、といった表情で俺を見つめる。
「何もいらない……?
ではなぜ我を呼んだ。」
もっともな疑問である。
呼び出した俺には説明責任があるだろう。
「呼びたかっただけだ」
「は?」
悪魔が間抜けな声を出すが、無理もない……
だが、呼び出したのには理由があるのだ。
「実は昨日、悪魔がいるかどうかで娘と喧嘩したんだ。
いつもは俺が引き下がるんだが、黒魔術を信奉する俺としては引くことが出来なくてな……
こうして、悪魔がいるかどうかを証明するために、貴様を呼んだ」
悪魔は何も言わなかった。
驚きすぎて声も出ないらしい。
「と言うことで帰っていいぞ。
あ、その前に写真を……」
パシャとスマホのカメラで写真を撮る。
うむ、見てくれが美男子なだけあって、写真写りがとてもいい。
これなら、娘も悪魔の存在を――
「そんな訳があるか!」
悪魔は我慢できないとと言わんばかりに口を開く。
「我は、魂を代償に願いを叶える誇り高き悪魔だ。
呼んだだけ?
写真を撮るだけだと?
ふざけやがって」
悪魔は俺を殺さんばかりの目つきで俺を睨む。
思わず意味もなく謝りそうになるが、悪魔に屈するわけにはいかない。
「そこをなんとか、帰ってもらえないだろうか」
「黙れ。魂どころか何も得る者が無かったのでは、我も笑いものだ!」
悪魔が睨みつけてきて、思わずたじろぐ。
「貴様を殺して帰るのも簡単だが、我にもプライドがある。
何が何でも願いを叶えて魂を貰う!」
「俺は絶対に願いを言わない。さっさと帰れ!」
「……それが望みか?」
「それはノーカン!」
悪魔と言い争いをしていると、突然部屋の扉がノックされる。
「ねえ、父さん。そろそろ出てきてよ、私が悪かったからさ。ご飯食べよう?」
娘の声だ。
なんとタイミングの悪い。
確かに娘に信じさせるため悪魔を呼んだが、会わせるつもりはない。
娘を危険な目に会わせては父親として失格。
ここは適当に言い含めて追い返そう。
と考えていると、悪魔が妙に静かなことに気が付く。
「ああ、そうか……
別に魂を貰うのは貴様じゃなくてもいいな」
「!」
こいつ、俺じゃなくて娘の魂を!?
何とか阻止しなくては!
だが俺が止める前に、悪魔は行動に移す。
「すまん、見せたいものがあるから入ってきてくれ」
なんと悪魔が俺の声と同じ声で、娘に入るよう促す。
「ちょ――」
「何?」
娘は何も疑うことなく部屋に入ってくる。
そして部屋に入って来た娘は、悪魔を見て目を見開いた。
「あっくんじゃん」
と、悪魔に対して、まるで友達に会ったかのような声を出す。
みれば悪魔も驚いている。
……どういうこと?
驚いている俺と悪魔をよそに、部屋を見回しながらフンフンと頷いていた。
「なるほど、謎は全て解けた」
娘は得意げな顔で推理を披露し始めた。
「あっくんが父さんが協力して、私に悪魔の存在を信じさせようとしたのね。
部屋に魔法陣書いて、色々小物を用意して、あっくんを悪魔に仕立てて……
残念ながら私とあっくんが知り合いだったから、計画は失敗したと……」
儀式用に用意したどくろのイミテーションを手に取りながら、娘は「手の込んだことを」と呆れたように笑う。
「まったく心配して損した。ほら、ご飯が冷めるからリビングに来てね。
あっ、あっくんもついでに食べていきなよ。
先行ってるから」
と、喋るだけ喋って部屋から出ていった。
俺と悪魔の間に、気まずい空気が流れる。
いたたまれない。
「知り合いなの?」
「はい、クラスメイトで、彼女と付き合ってます」
「え、付き合って……」
まだ新情報が出てくるの。
展開に付いて行けない……
悪魔は先ほどまでの勢いはどこへやら、ずいぶんと大人しくなっていた。
「あ、彼女には僕が悪魔だっていう事を黙って下さい。
彼女、悪魔の事信じていないので……
その代わり願いを一つだけ叶えます。
もちろん、魂もらいません」
「別に……」
今の気分で叶えて欲しい願い事なんてない。
しいて言うなら放っておいて欲しい。
だが俺の気も知らず、悪魔は食い下がってくる
「何でも言ってください。
彼女に嫌われないためなら、なんでもします……
あっ、もし足りないなら、願い事3つくらい叶えましょうか?」
「いらないいらない」
これはどうも、何かお願いしない限りは、引き下がらりそうにない。
だけど、なんにも思いつかな――
…あっ
ある、月並みだけど一つだけ。
これを言うのは恥ずかしいけど、でもいつかは言わないといけないことで、なら別に今でもいいだろう。
居住まいを正して、悪魔の目をしっかりと見据える。
「娘を幸せにしてやってくれ、他には何もいらない」
それを聞いた悪魔は一瞬キョトンとした後、
「絶対に叶えて見せます」
そういって満面のの笑みを見せたのであった。
何もいらない、の前にはなにかがあれば
がつくものだなあ
にんげんだもの
透明な世界を彼女は歩いていた。
ただ、澄み渡る水面の上をゆっくりと歩くように。
喧騒もなく、人の行き交いも無い。
琴線に触れる旋律も、愛を囁く声も。
その耳は静寂のみを捉えている。
その視線は虚無を見ていた。
だが虚しさよりも温かさを湛えた慈愛さえ感じる凪いだ眼差しであった。
何も無い世界を見守る慈母の瞳が透明な世界を見ている。
鼻腔を楽しませる香りも無い。
美味しそうな匂いも、不快な悪臭も無い。
懐かしささえどこかへやって、彼女は香りというものを感じない。
透明な世界を、彼女は歩いていた。
何もいらない。
なぜなら、彼女は既に満ち足りていたから。
美味しそうに頬張る彼女の姿を見ていると、微笑ましい気持ちになる。口元のソースを拭き取るついでに口付けてみれば、彼女はあっという間に頬を染めた。
迷いの多い人生だが、彼女を守りたいという気持ちは確かにある。
守るための剣
「何もいらない」
「誕生日?」
自室の机で作業する葉瀬(ようせ)が俺の方を向く。
「そうだよ。プレゼント何がいい?」
「えぇ~、んー...地球温暖化する前の地球」
「俺が用意できる範囲内でお願いします」
「ぶえー駄目か」
葉瀬は腕を振り上げ、椅子にもたれかかる。
彼女がそういうのも無理はない。何せ彼女の誕生日は8月の中旬、夏真っ只中だ。以前から、暑い暑いと訴えていたのを覚えている。
「玲人(れいと)なら模擬地球なんて、ぽんって出せるでしょ」
「俺をなんだと思ってるわけ?」
「玲人は玲人でしょ」
毎度の事ながらコイツ阿保かって思いました。
「だって今欲しいものってそれくらいしかないし...」
「規模を考えろ、規模を」
「ちっ」
「あ、舌打ち。しかも出来てないやつ」
「仕方ないでしょー!?小さい時親に止められたんだから」
「へったくそ」
「なんだと!!?」
こんなことが毎年続いている。欲しいものを聞けば有り得ない規模の物を言い、冗談だと言って次になんでもいいよと返す。
本人は欲しいものがない、と言っているが欲しいものがないんじゃなくて知らず知らずに諦めているのだ。
「......本当にない?欲しいもの」
「ん、んー...」
葉瀬は首を擦る。
「...例えばさ、どっか遊びに行きたいとか。このお菓子食べたいとかでもいいんだよ」
「んんー...!」
あ、これはちょっと思い浮かんだけど言っていいのかな、の顔だ。
「......えっと」
「うん」
「............んー...」
「.........」
「.........玲人と一日一緒に居たいなー...なんて」
俺はその言葉を聞いて彼女を思わず抱き締めた。
「え、ちょっ、は」
「うん!いいよ!一緒に居よう!」
わしゃわしゃと頭を撫でると葉瀬はくすぐったそうにした。
「他にもあったら言っていいよ」
「ん?ふふっ、無いよ。玲人が一緒に居てくれるなら、何もいらない」
なんて笑顔で言うから、俺は大きなケーキを買ってこようと考えてる。
この後、暑苦しいと言われて渋々離れた。
お題 「何もいらない」
出演 玲人 葉瀬
彼女の部屋には水だけが入った水槽がある。
微生物を飼っている訳ではない。
「水の中の空気が好き、この音も」
ブルーライトに照らされた透明な水中に、エアポンプがコポコポと空気を送っている。
「何もいらない、これが好きなの」
何もいらない、君さえいればいい
って何もいらなくないやん
その瞬間に冷めるんだよね
手を大きく開いて、
すべてのものを投げ捨てて、
この身も捨てて、
新しい私になる。
そのために、必要なものは、
なにもない
誕生日プレゼント何がいい?
え、うーん。なんだろ。
まあとりあえず言ってみなよ。用意できるかは分からないけど。
あー、ちょっとまって。考える。
こういうのぱっと思いつかないタイプ?
そうかも。
この前新作ゲーム欲しいって言ってなかったっけ?
そういうのは自分で買いたい。
そっかあ。
うーん。思いつかないや。
ほんと?物欲ないなあ。食べ物とかでもいいよ。
食べ物…。エビフライとか?
それ今食べたいやつでしょ。もっとさぁ、有名店のケーキとかないの?
んー。駄目だ。思いつかないや。おまかせで。
いちばん困るオーダーありがとう。もー。こうなるの嫌だったからわざわざ聞いたのに。
割となんでも嬉しいよ?
全自動卵割り機でも?
それは、うーん、まあ。
冗談だよ。ま、考えとく。
あ、別に無理して用意しなくてもいいよ。正直、君が祝ってくれることが一番のプレゼントだから。
へぇ?じゃ、それ超えるプレゼント選ぶね。
だからいらないって…ありがと。
『何もいらない』
何もいらない、なんて思っている人がこの世にいるのだろうか。
テーマ 何もいらない
まいにち、そこに笑顔と思い遣りが有れば、もう何もいらないよね。
心の安らぎこそが幸せなのだから
そこには二人いないとだめなの?
笑顔と思い遣りが生まれない?
そうだね。一人よりは幸せ感じること多いかもね。
でも、一人じゃないからこそ、気遣いと我慢も必要になるんだよ。
それを乗り越えることが出来る人だけが、白髪頭で手を繋いでお買い物できるのさ。
僕は無理そうだ。
何もいらない。子どもたちといられるなら。
でも子どもたちを守るためには、お金がいる。
だから、私は辛くても仕事をするよ。
『何もいらない…』
『そんなこと言うな…お前が必要なんだよ』
『私なんて必要ないんです…』
『何でそんなことを言うんだよ!』
『…』
パチンッと
男性の頬を叩いたのは、
26歳の、ルスラン皇帝だ。
彼は、オーロリア帝国皇帝。民には、[非道王]というあだ名で恐れられている冷酷非道な男
頬を叩かれたのは、サシャ・フローレス。
オーロリア帝国の隣にあるクリステン王国の
元男性貴族で、
かつてオーロリア帝国を治めていたルスランの父に、
お互い貴族出身であるサシャの両親が惨殺されて
200年も続いたフローレス家は滅びてしまった。が…
1人が生き残った
しかし、ルスランの父もサシャフローレスの騎士団員によって、暗殺された
そのときのサシャフローレスは、まだ3歳
両親の愛を知らないまま育った
そして、、、
『スパイとして働け』
『………は』
メイエキとやら、
聞いたことがない国の出身だ。と、
慌てた様子の、若くて可愛い女性が
古書店の中に入ってきた。
今は、オーロリア帝国の宰相
自分との戦い
家事と、大河ドラマを見たいので、途中です💦💦🙏🙏
また書きます💦🙏
庭付き一軒家もエアウィーヴのベッドも
手に入れたわけではないけれど
きみと毎日平和に暮らせるなら
#何もいらない
何もいらない...■■(ちゃん/くん/さん)がいれば何もいらないと言う文章をよく見かけるのですが、本当に何もいらないのでしょうか、TV、携帯電話、食料、飲料水、本当に何もいらなかったら、そもそも生きていけないのでは?と、時々思います。
何もいらないか……
先に書いておきます。
詩的な文字を綴れる心があれば良かったなと思います。
先程 納豆巻き8個入り,マックシェイク,ポテト,ピスタチオ,いちご,クッキー4枚,フルーツタルト1切れを
お腹に納品させて頂きました。
はい。今の気持ちは
『何もいらない』
何もいらない
そんなふうに生きられたらいいのにな
食べたい 飲みたい 行きたい 欲しい
動きたい 眠りたい 話したい
生きたい
欲張りじゃないと生きていけないね
何もいらないです人に私はなりたい
『何もいらない』
おじいちゃんが縁側に座ってコップ酒をのんでいる。ひとり静かに物思いにふけるおじいちゃんは、一体何を考えているんだろう。気になる私は声を掛けた。「おお、みゆきか。まあ、座れ。みゆきも一緒に見るか?」
おじいちゃんは家々の向こうにある山を指差した。
「春の山だ」見ると白や黄やピンクの花々が山を彩っている。葉も黄緑から深緑まで様々で、山全体が淡いパステルカラーで覆われていた。毎日見ていたはずなのに全然気付かなかった。
「春の山は一瞬で過ぎる。今日は山見酒だ」愛おしそうに眺めながらおじいちゃんはゆっくりと酒をのんだ。あ、何かおつまみ持って来るね、の私の言葉におじいちゃんは「この春山がつまみだから何もいらないよ」と言った。