『今日の心模様』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
”心描器”とは“心描ラジオ”を庶民向けにカスタマイズした心変機械である。微弱な電流でその日の心模様を五種から選択し、一日の気分をスマートに!
「今日何にしたん?」
「水玉」
「ま? 水玉なんて一回も使ったことないんやけど」
水玉というのはキーワードとして「消極的/冷静/悲観…」が挙げられる心模様だ。そして、話し相手の心模様は縞らしい。「規律/真面目/パンクチュアル…」が挙げられる心模様で、水玉とは違ってメジャーな心模様だ。
「朝、親と喧嘩して頭冷やしたかったから」
「あーソユコト……」
この日本の心変機械の普及率は84%うち心描器の割合は68%。
「やっぱ便利だよね、心描器。無い日々とか考えらんない」
「ねー」
……私はこの世界が気持ち悪くて仕方がない。
心描器が描ける心模様は五つ。私は人間の描ける心模様がその程度だとはとても思えない。
人間の心は多面的で複合的だ。
水玉、縞、唐草、幾何学、市松なんかで表わせる心なんて日々の心のいくらを掬えるだろうか。
だから私は使わない。
自然な日々の心模様を何より大切にしたいから。
【今日の心模様】2024/04/23
心描ラジオは“アンドロイドは電気羊の夢を見るか”のアレです。
今日の心模様は青空とちょいと曇りなぜかというと久しぶりに走ったからです。 【今日の心模様】
今日の心模様は最高だ。今日のと言うより毎日だ。なぜかと言うと毎朝鏡を見るとそこには絶世の美女がいるからだ。しかもその美女は日に日に可愛くなっている。私は今日も心模様は最高だ。
「今日の心模様」
6時半ちょっとまで部活で、7時から9時まで塾、そのあとお風呂入ってご飯を食べて、休憩する暇もなく、今日の心模様は土砂降りの雨模様。
その後30分くらい推しの配信を見て、心模様
が土砂降りから快晴に変わった。
いい気分になった事だし推しの曲を聞きながらそろそろ寝ようか。
私も、これを見ている貴方も明日の心模様は快晴や晴天だったらいいね。
※多分pkmnを知らなくとも読めます。
「あなた感情ないんですか?商人だから?」
「感情がないと言われるとは…」
商人は苦笑しながらやれやれ、とでもいうように手を振った。
「ワタクシにだって感情くらいありますよ」
「じゃあどんな感情がありますか」
「……………………好奇心?探究心?」
「自分でクエスチョンマークつけちゃってる時点で感情ないって気付いてください」
それに間が長いですよ、と付け加える。
「それに商人というのは感情で行動することは…まあないですけど、それはそうとしてあなたほど感情のない商人は珍しいですよ、逆に」
「そんなの他人の評価に変わりありません」
「商人とかいうより人間として心配するレベルなんですけど」
「……ジブンはこういう生き方しかして来なかったので…よく分からなくて」
「そう言うと思ってましたよ。まあそのせいでいろんな人に迷惑かけたんですからね」
「うぐ………」
「あなたのしたことが、周りの人たちに『間違っている』と思われていたかもしれません。
でもね。
たとえ間違いだったとしても、あなたを信じて待ってくれる人は、ここにいますから。」
「…ワタクシなんか待たなくても良いのに」
「あなただから待つんです。いろいろ危なっかしいから。見てないと心配なんですよ。」
「あの時。負けて悔しくなかったですか?」
「助けてくれた時はどうでしたか?」
「初めて会った時は?」
「何か思いがあるなら、態度で教えてください。嬉しいなら笑ってください。心の底から。
悔しいなら泣いてください。憎しいなら怒ってください。
『あなた』のことをみんなに教えてあげて。
怖がらないで、あなたはあなただから」
「……余所者が」
もしかしたら彼に感情を教えようとしているのは間違いなのかもしれない。
でも、彼にそれを教えてからではないと、現世に戻れた時後悔すると思ったから。
#2024.4.23.「たとえ間違いだったとしても」。
pkmn翡翠。
あのコスした後に出会っちゃった感じ。
いつも微笑んでる高身長金髪片目隠し商人系()お兄さん()に感情あるの?って聞いた話。
『今日の心模様』
「今日の心模様って難しいよね、自分じゃ見えないし」
「それに小石を投げられた泉みたいに色んな波紋があって、いつも同じじゃないしね」
いつかの放課後、直前の授業の内容で大真面目な会話をして、その後くすくす笑い合った。
あの頃は本当に毎日毎分毎秒、心模様は変わり続けていたと思う。
2人とも会話が色んな所に飛んで、笑ったり悲しんだり愛したり苦しんだり安心したり、してた。
「ねぇ、今日の心模様はどうかしら?」
「穏やかな海のように少しだけ、波があるわ」
あの子は相変わらず詩人ね。くすくすと笑ってしまった。
「懐かしいわね、昔もそんな話をした気がするわ」
「えぇ、丁度その事を思い出してたの」
くすくす、2人見合って笑う。
何年経ってもあの子といると、出会った学生時代に戻ったかのよう。
「私、とても幸せよ」
「それはとても良かったわ」
こんなかけがえのない友人に出会えたこと、神さまに感謝したいくらい。
もちろん、それ以外の家族や友人に出会えたこともね。
「だからそろそろ、収穫してもらって構わないのよ」
「もう、いいのね?」
返事の代わりにこくりと頷く。
あの子はそっと、その身に似合わない大きな鎌で私の魂を刈った。
「あぁ、綺麗ね」
あの娘の魂は出会った時から綺麗だった。
でも、彼女が言ったの。
これからもっと色んな経験をしてもっと綺麗な魂になるから、それまで刈るのは待ってほしいって。
「60年待っただけのことはあるわね」
さまざな感情が混ざり合って、何色とも言えない綺麗な色になっている。
昔よりもずっと混じり合いや色味も増えて、魂は綺麗に輝いていた。
今日の心模様
とにかくブルー!!!(作者より)
今日の心模様はいかがですか?
晴れの日は 気持ちも軽く
曇りの日は 雲と同じ色の気分に
雨の日は 静かで落ち着いた心持ちに
あなたは どうですか?
一緒に外へ出ましょうか
それとも ゆっくりお茶でもしましょうか
もちろん それぞれ 好きに過ごすのもいいですね
心模様に任せて
無理なく 今日の時を過ごしましょうね
「今日の心模様」
今日の私の心予報は
雨のち快晴
明日もよく晴れ、春の日和になるでしょう
そう願いたいものです。
「今日の心模様」
心模様を真っ白い
キャンバスに描いてみよう。
どんな色だろう。
君に似合う色見つかるといいね。
ピンクの丸
背景は白
綺麗に丸くかじったあとがある
「今日の心模様」
「ご馳走さま!」
円満な微笑みを浮かべる彼女の表情
「……どういたしまして……」
僕の手には足元にまで付きそうなぐらいのレシート
指先の隙間からダランと垂れるレシート
彼女が駅前に新しいカフェが出来たみたいだから、
行ってみたいの一言がこの長々しいレシートが産まれた
レシートには様々なケーキセットやパンケーキに
パフェなどの商品名が印字されている
一応、僕もパンケーキセットを注文したが、1つだけでギプアップ
次々と運ばれてくるセットたちに回りの客は
僕たちの席を覗いてくる視線には痛かった…。
会計を済ませた後のレシートの長さに
店員も苦笑いしながら二回折って渡してくれた
僕の財布の中身はすっからかんだ。
残ってるのは、今日の夕飯代だけ。
彼女の今日の心模様は円満なお日さま笑顔。
僕の今日の心模様は鉛色の曇り空と雨模様。
「今日の心模様」
今日の心模様は曇のち晴れくらいでしょうか。
元々朝は強くないので、基本的に一日の始まりは憂鬱です。
でも、よくある話かもしれませんが、心模様はどんなに悪くなっても最後の最後でパーっと晴れるようなことがあるもんです。
無いなら無いで、泣いても良いし、反省しても良いし、声枯らすまで歌ってスッキリしてもいい。
全部吐き出したら、なんとかなるって唱えてさっさと寝る。
次の日になると、結局憂鬱にはなるけど、本当になんとかなることもあって、「ほらっ、なんとかなった」って言いながら帰って行く。
これが僕の日常。
『明日の天気は雨模様です』
心の天気予報がそう告げる。
理由はとっくに分かってる。
だって明日は卒業式
仲良い友達も、
3年間片想いしている彼も、
離れ離れになってしまう
「いやだ…行きたくない…」
卒業式を境に皆が遠くに行ってしまう気がして
中々行く気になれなかった。
そんな私に1件のメッセージが届く
「明日、卒業式のあと少し時間ある?」
彼からだった。
なんのお誘いだろう。告白とかされちゃうかな。
そんな期待が芽生える
「うん、時間あるよ」
「じゃあ、卒業式のあとに桜の木の下で待ってて欲しい」
「分かった。待ってるね」
こんなやり取りを交わすと、
『明日の天気は雨のち晴れ模様です』
心の天気予報がそう告げる。
理由は勿論分かってる。
今日の心模様
たとえ間違いだったとしても 22日
たとえ間違いだったとしても、明日は晴れて欲しい。
雨の日の外作業は、大変面倒くさい…
そんな事を思う今日の心模様は、ドン曇り…(笑)
「今日の心模様」
書架にずらりと並んだ背表紙。
・豪奢なドレスや着物を身に纏った姫君の物語
・怪しげなローブの魔術師の邪悪な奇譚
・甘く艶やかな愛と欲を描く恋愛ドラマ
・頭脳明晰な探偵の靴音高い推理にサスペンス
・鳥肌必至の怪談または血腥いホラー
・遠い宇宙や時空にロマンを詰め合わせたSF
・日本の歴史に思いを馳せる時代小説
・知らない町並みに出会いと別れの旅行記
・部活に勉強に友情、制服が似合う学園もの
・働く大人のプロ意識が光る、お仕事小説
・強大な敵に苛烈で熾烈な技で挑むバトルもの
・心暖まり、時に切ない動物のお話
・あらゆる国の料理に舌鼓、グルメ小説
・ほっと一息、部屋着姿の日常話
その他諸々……
さて、今日の心模様ならどれを選ぶ?
2024 4/23(火)
決して大袈裟なんかじゃなくて、誇張じゃなくって。
憂うつな気持ちなんて簡単に
綺麗なものに触れればすっかり晴れるものだよ。
それは、人でも、物でも、動物でも何でもいい。
取り敢えず、動いてみよう。
吸って―――吐いて―――、、、、、
私はお気に入りのスニーカーを履き、扉を開けた。
#13 今日の心模様
雨が降るほどではないけど曇り空 そんな感じの1日だった
今日の心模様
「今日ノ心模様ヲ オ答エクダサイ」
無機質な音声を耳の端に聞き流しながら、スープの中の半透明な玉ねぎを啜る。
窓際の萎びた観葉植物の、腰の折れた葉の先に、その音声を発した主は、置かれている。
AIの出す音声質問に、声で答えるだけでその日の日記を書いてくれる、自動日記だ。
私がその日記を使い始めてから、一年が経つ。
私はあまり褒められた人間じゃない。
継続力は皆無で、いろんなことを途中で諦めてきた。
積極性は何に対しても発揮されず、誰かと関わることも努力することもない。
意地とプライドだけが高くて、人に頼ることも難しい。
だのに、メンタルは貧弱で、ネガティブ思考。
おかげで自分の感情もよく分からず、惰性で生きている。
私の気持ちが他の人より弱いのも、このままじゃダメなことも、私には充分わかっていた。
だから自分で感情をメモしたり、日記をつけたりして、自分で自分を管理しようとした。
結論から言うと、ダメだった。
継続力に欠け、努力が出来ない私に、定期的に何かを続けるなんて出来るわけがないのだ。
今度こそ、自分から望んで始めたことなのに、いつものように三日坊主になった朝。目の前が真っ暗になった。
貧弱な私のメンタルは下振れた。
いっそ、自分なんて死んでしまえと思った。
その様子を見た周囲の人たちによって、私は、心療内科に担ぎ込まれ、こうして自動日記をつけることを義務付けられた。
自動日記は律儀なものだ。毎日、同じ時間に、しっかりと私の話を聞き、心情を捉えて、私の今日の生活を残してくれる。
そして、これならどうにか、私でも続けられている。
…えっと、そうだ。いつもの質問。今日の心模様についてだ。
「…っと、くもり、かな」
私は日記に告げる。
「曇 5週間連続デスネ デハ 今日 印象ニ残ッタ出来事ナドアレバ オ聞カセクダサイ」
「えっと…っと、」
私は答える。いつも通りに。
答えながらいつも頭を掠めるのは、これでいいのか、ということ。
日記が、今日の心模様が、毎日残るということは、日々の生活が残るということで、私が生きているということが、私の感情が、存在している実感が、残る。
死にたいで頭がいっぱいになることも減った。
自動日記のおかげで、私は人間に近づけたと思う。
でも、本当にこれでいいのだろうか?
何が引っかかっているのか、私は何が不満なのか、それすら分からない。言葉には出来ない。
…でも何かが、何処かが、このままではダメな気がする。
だから、今日も私の心模様は曇空。
薄灰色の雲が一面に立ち込めている。
「オ疲レ様デシタ 回答アリガトウゴザイマス ソレデハ 本日ノ 日記ノ制作ヲ 開始イタシマス」
自動日記が沈黙する。
私は、灰色の心から目を逸らすために、もそもそと夕飯をかきこみ始める。
窓の外は綺麗な夕焼けだった。
今日の心模様
今朝のテレビの星座占いでは乙女座は一位だった。
『意中の相手と距離が縮まるでしょう』
と4月に入社したばかりの新人アナウンサーの、
少しばかり緊張した声色が流れる。
食パンをかじりながら、距離が縮まるのなら苦労しない…と心の中でぼやきながらも、想い人には今日は会えるだろうかと考えた。
同じクラスじゃないから、積極的に行動しないと、なかなか会えない。
何か口実をつけては別クラスにお邪魔する。
占いが本当なら同じクラスになって欲しいものだ。
そしていつも通り、何事もなく1日が過ぎていくのかと思いきや、それは唐突にやってきた。
天気予報では雨の予報は出ていなかったはずなのに、雨がしとしとと降っている。
が問題はそこではない。
傘が無い私を見かねて入れてくれたのは、意中の相手だった。
『意中の相手と距離が縮まるでしょう』
縮まり過ぎである。
正直、心臓がもたないと焦りつつも、自宅までの距離が近づくたびに、このままでいて欲しいという思いが生まれた。
それでも緊張して話せないということはなく、他愛無いけれど、会話は続いた。
気まずさが無かったのが良かった。
「じゃあ、また学校で」と言われて、慌てて「ありがとう」とお礼を言った。
声がうわずってないか気になったが、そんなことより心の底からの感謝を伝えたかった。
にこりとして去っていく背中を見つめながら、華奢だけどやっぱり男の子の背中なんだなと思った。
部屋に着くなり、ベッドに倒れ込んだ。
私の心は余韻を求めていた。